日野市にある八坂神社の参拝レポートです。
読み方は「やさかじんじゃ」です。日野八坂神社とも称されている、日野の総鎮守になります。新選組ともゆかりが深く、近藤勇や沖田総司の名が連なる剣術額が奉納されています。最寄り駅は日野駅で、甲州街道沿いに鎮座しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
日野の「八坂神社」へ
まだまだ冷たい風の吹く2月の前半、嫁と二人で八坂神社に参拝しました。
この日は日野税務署に野暮用がありまして、せっかくなので趣味である神社巡りをしつつ、税務署にも行ってしまおうという計画です。
僕たちはちょうど一年前にも、同じく日野税務署に野暮用がありまして、そのときにも税務署周辺の神社巡りをしています。
日野税務署って、電車で行くにはちょっと不便なところにありまして、そこそこの距離を歩くことになるんです。最寄り駅は京王線の高幡不動駅か、多摩都市モノレールの万願寺駅なのですが、どちらからも15分くらい歩かねばいけません。
前回僕たちは万願寺駅から歩き、その途中にある神社に立ち寄りました。「石明神社」と「八幡大神社」の二ヶ所で、どちらも小さな神社で御朱印などはありませんでしたが、初めて日野の神社に参拝することができました。
そして今年もまた日野税務署に出掛けるにあたり、用意周到な嫁が「行ってみたい神社」を提示してきたわけです。
それが、この記事で紹介する「八坂神社」です。
八坂神社はJR日野駅の近くにありまして、税務署に行くにはバスに乗らないと辛い距離です。とは言えしっかりバスも出ているようですので、問題はなさそうです。
嫁が調べたところによりますと、どうやら日野八坂神社は、御朱印に「新撰組のだんだら模様」が入ってるらしいと。
日野は新撰組のふるさとであり、副長の土方歳三や、六番隊長の井上源三郎の出身地でもあります。近藤勇や沖田総司も剣術道場に集っていたそうで、主要メンバーは日野で出会ったそうなんです。
八坂神社には、剣士たち23名と、近藤勇、沖田総司の名が連ねてある、奉献された剣術額(通常公開はされていません)もあるとのこと。
僕は小学生の頃に新撰組を知り、ダンダラの戦闘服に憧れた時期もありました。司馬遼太郎さんが土方歳三の生涯を書いた『燃えよ剣』も読んで感動した覚えもあります。
そんな新撰組にゆかりのある神社でしたら、是非とも行ってみたいものです。
実は前回日野を訪れた際にも、「土方歳三資料館」という看板を見掛けまして、一瞬入ろうかと思ったんです。
しかし、どうせ資料館に入るのでしたら、もう少し土方歳三について熱い気持ちを持って訪れたいと。
僕が「燃えよ剣」を読んだのはもう20年ほど前ですので、内容もほとんど覚えていません。ですので、せめてもう一度「燃えよ剣」を読んでから「土方歳三資料館」に行くことにしたんです。
しかしそれから一年、いまだに「燃えよ剣」は読んでいませんので、資料館にもまだ行けません。
土方歳三資料館はまだ先になりそうですが、その前に八坂神社に参拝し、新撰組の御朱印を頂くことにします。
中央線にて日野駅に降り立ち、歩くこと3分ほど。
迷うこともなく、八坂神社に到着しました。
ご由緒
ご祭神は、素盞鳴尊(すさのおのみこと)です。天照大御神の弟で、ヤマタノオロチを退治した荒ぶる神です。
創建の具体的な年代は不明ですが、室町時代には古文書にその名前も記載されていて、別当の普門寺も開創されていますので、それ以前であると考えられます。里の老翁が多摩川の洪水の後、淵から牛頭天王の像を見つけ、祠を建てて祀ったのが始まりと伝えられています。当初は社名も「牛頭天王社」でした。
現在の地に遷座したのは、戦国時代末期です。
江戸時代になると、日野の総鎮守として徳川幕府からも庇護され、拝殿の造営や本殿の再建も行われました。
幕末には後に新撰組の主要メンバーとなる面々が日野の地で出会い、八坂神社に剣術額を奉納しています。
社名は明治の神仏分離により、現在の「八坂神社」に改称されました。
古くから日野の総鎮守として信仰も厚く、新撰組ともゆかりのある神社です。
境内案内
こちらが日野八坂神社の入口の鳥居です。駅前の大きな通り沿いです。
鳥居の脇には昔の八坂神社の写真がありました。昭和3年と書かれています。
同じく鳥居の脇には、新撰組が奉納した剣術額の写真も。近藤勇や沖田総司の名前もあります。
一礼して鳥居をくぐります。天気は晴れ。気持ちのいい青空です。
鳥居をくぐりますと、正面に大きな切り株と、その後ろには社務所が見えます。
入口の左右にあった燈籠も大きなものでした。
境内は開けています。右手に社殿が見えます。
切り株に近付いてみます。切られる前はかなり大きな木がここにあったんですね。旧御神木と書かれていました。
右手に手水舎です。
お清めをします。手水鉢には龍がいました。
手水舎の後ろにも途中で一部が切られている木がありました。入口の昭和3年の写真には、おそらく切られる前の姿が写っている木です。その後ろが神輿庫です。
社殿へと進みます。倉庫のようにも見える、とても頑丈そうな社殿です。後から知ったのですが、こちらは覆殿(おおいどの)という社殿で、中の本殿を守っている建物でした。
覆殿の前に狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。どちらもどことなく優しそうな顔立ちをしていました。
覆殿へと進みます。
扉には八坂神社の神紋。祇園守紋(ぎおんまもりもん)というもので、京都の八坂神社にて頒布されていた御守を表したものだそうです。
冬の長閑な午後。時間を掛けて参拝します。
扉の奥を覗くと本殿を見ることができます。本殿にはたくさんの彫刻が彫られているのも見えます。
参拝を終え、境内を散策してみます。覆殿の手前には説明書きが三つ。本殿についてと、ご由緒と、古地図です。
社殿側から入口の方を見ますと、こんな景色です。広々としています。
こちらは覆殿を左斜め前から。がっちりと本殿を守っている感じがします。
覆殿に向かい左手に大きな木がありましたので、行ってみます。
大木の脇には境内社の山王社がありましたので、参拝します。
大木はケヤキでしょうか。近くで見ると迫力がありました。
しばらくケヤキを見上げ、ボケ~っとしてみます。
山王社の後ろ、八坂神社覆殿の左手にもう一つ境内社がありましたので、そちらにも行ってみます。
境内社は八幡社でした。鶴岡八幡宮から勧請されたものとのことです。八幡社には、青面金剛像と弁財天像が納められているようです。
社殿に施された龍の彫刻が見事でした。
八幡社の左手にも大きなケヤキが二本です。
こちらもしばしボ~っと見上げます。
一通り境内の散策を終え、授与所にて御朱印を頂くことにします。
御朱印は境内社も含め三種類ありました。八坂神社、八幡社、日枝神社(山王社)の三つです。全て頂きました。八坂神社のものが、新撰組のだんだら模様です。期間限定御朱印の案内なども出ていました。
日野八坂神社は、御朱印帳もだんだら模様。
最後にもう一度、境内の中央の旧御神木に手を触れます。
帰り際、覆殿の右手に筆塚があるもの見つけました。
青空の中、のんびりとした時間を過ごし、日野八坂神社を後にしました。
参拝を終えて
新撰組ゆかりの日野八坂神社。
2月の晴れた空の下、良い参拝ができました。
八坂神社の入口は大きな通り沿いに面しているのですが、最初僕たちは裏の細い道の方から回ってしまったんです。そうしますと、境内から道路の方に、大きなケヤキが突き出てるんです。
こんなふうに。
反対側からはこんな感じです。
かつてこの道路は川だったようですね。昔の写真もありました。
境内に入る前に、まずそれらの大きな木の存在感に圧倒されました。
そしてグルっと回って入口から境内に入りますと、真ん中あたりにも大きな木がありました。と言ってもそちらは一部しか残っていない切り株です。「旧御神木」と書かれていましたので、おそらく昔は大きな木が境内の真ん中にあり、何らかの事情で切られてしまったんだと思います。
切られずに大木が聳えていた頃の境内も見てみたくなりますね。
日野八坂神社では、他ではあまり見ることができないものを見ることができます。
それは「覆殿(おおいどの)」という建物です。
参道を進んだ先にある大きな建物で、本殿を保護する役割の建物だそうです。
小さな神社などで、祠を守るために建てられた覆屋(おおいや)はこれまでにも何度か見たことはあると思いますが、八坂神社のものは、普通に立派な倉庫のようでもあり、拝殿のようでもあり、大きいんです。
本殿をかっちりと守ってる建物になっています。
この覆殿は拝殿と一体になっているようでして、その入口にて参拝できるのですが、中の本殿も見えるようになっています。
通常は近くで見ることはできませんが、立派な彫刻が施されているのを見ることができます。江戸時代に造営されたものとのことですが、もっと近くでじっくりと見てみたくなるような本殿でした。
例大祭の日のみ近くで見ることができるそうですので、タイミングが合えば是非訪れてみたいです。
また、お隣には境内社の八幡社があるのですが、その社殿に彫られた龍の彫刻も見事でした。
境外からも目に留まった大きな木を境内からもじっくり眺めたり、ほとんど他の参拝者がいなかった境内をのんびり散策したりと、ゆっくりした時間を過ごさせて頂きました。
新撰組が奉納したという剣術額も見てみたかったのですが、そちらは通常公開はしていないとのことで、残念です。
しかしながら、だんだら模様の入った御朱印を無事頂くこともできましたし、境内社の日枝神社と八幡社のものも頂くことができました。
新撰組の御朱印は、2016年の冬くらいから始まったものだそうです。
他にも、季節限定の御朱印も色々とあるようです。
日野駅からすぐ近くにある八坂神社。
参拝できて良かったです。
この後僕たちは日野駅からバスに乗り日野税務署へ。
税務署にて長蛇の列に並ぶことにはなりましたが、なんとか野暮用も無事に終え、帰路に就きました。
次に日野に行く際には、土方歳三資料館にも是非立ち寄ってみたいと思います。
『燃えよ剣」、そろそろ読まねば。
【追記】
ここから約1年と3ヶ月後、僕は『燃えよ剣』をもう一度読み終え、念願の土方歳三資料館にも行ってきました。資料館については、僕が別で書いている、こちらの雑記ブログにて、記事にしてあります。
御朱印
八坂神社では三つの御朱印を頂くことができます。
まず、こちらが八坂神社の御朱印です。
こちらが八幡社の御朱印。
こちらが日枝神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印を頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都日野市日野本町3-14-12です。
日野八坂神社の公式サイトはありません。
電車
JR中央線 「日野駅」から徒歩3分。
改札を出て右方向(東)に大きな道路を歩いていきますと、3分ほどで右側に境内が見えてきます。
駐車場
境内が参拝者用の駐車場になっています。鳥居をくぐって駐車する形です。特別な日でなければ問題なく停められるかと思います。
周辺のパワースポット
日野市の神社一覧