渋谷区の千駄ヶ谷にある鳩森八幡神社の参拝レポートです。
読み方は「はとのもりはちまんじんじゃ」です。境内には、都内最古といわれる大きな富士塚「千駄ヶ谷の冨士塚」や、日本将棋連盟により奉納された将棋堂という六角堂があります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
千駄ヶ谷の「鳩森八幡神社」へ
鳩森八幡神社はJR千駄ヶ谷駅の近くにあります。
今まで千駄ヶ谷にはそこそこ行く機会があったのですが、駅からけっこう近いところに鳩森八幡神社なるものがあることを全く知りませんでした。
僕はプロ野球シーズンには、野球を観にたま~に神宮球場によく行くんです。その際はいつも千駄ヶ谷駅で降りて、歩いて神宮球場に向かいます。今年も何度かそのコースで野球を観に行きました。
野球目的以外で千駄ヶ谷駅に行くのは今回が初めて。
僕はそんなにテレビを観る方ではないのですが、今回の参拝きっかけは珍しくテレビです。
数日前に嫁と晩酌をしながら、BSでやっていた富士山ミステリーみたいな番組を見てました。そう言うの、好きなので。そしたら番組内でけっこう色んな神社が紹介されていました。富士信仰と神社ってかなり密接に関わりがあるみたいで。
千駄ヶ谷の鳩森八幡神社も、その番組内で紹介された神社の一つです。境内にある「富士塚」が紹介されていました。
江戸時代に富士信仰が盛んになった際に、気軽に誰でも富士山に登れるようにと、神社の境内に「富士塚」と呼ばれるミニ富士山が作られるようになったそうで、都内では50ヵ所あるとか。
僕もこれまで参拝した神社で、三社ほど冨士塚がある神社がありました。そのうち一つは実際に登れるものでした。
鳩森八幡神社にある富士塚は、都内最古でありかなり大きなものとのこと。しかも登山もできる様子。
たまたまテレビを見ていてそれを知り、行ってみたくなったんです。富士山に登りたい!と。
そんなわけで、数日後の休日。
嫁と二人、千駄ヶ谷まで鳩森八幡神社の参拝と、ミニ富士登山へと出掛けます。
千駄ヶ谷駅からは歩くこと5分ほどでした。
五差路になっている交差点に鳥居が見えたのですが、どうやらそちらは裏参道の入口っぽかったので、ぐるっと回って表参道と思われる鳥居へ。
到着です。
ご由緒
ご祭神は、応神天皇(おうじんてんのう)と神功皇后(じんぐうこうごう)です。応神天皇は第15代天皇で、八幡神とも同一視されています。神功皇后は応神天皇の母親です。
創建は平安時代前期の貞観2年です。
それより前、大昔この地の林には、瑞雲と呼ばれるめでたい兆しとして出現する紫色や五色の珍しい雲が度々現れていました。そしてある日、青空から白雲が降りてきたことを不思議に思った村人が林の中に入ると、たくさんの白鳩が西に向かい飛び立ちました。そこから小さな祠が営まれ、鳩森(はとのもり)と名付けられたと伝えられています。
後の貞観2年、鳩森のご神体を求める村人の強い願いにより、慈覚大師(円仁)が、神功皇后・応神天皇の御尊像を作り添え、正八幡宮としてお祀りしたのが、当社の始まりです。
平安時代後期には、源義朝の家臣だった渋谷金王丸が社殿を造営します。
昭和20年には空襲により社殿が焼失してしまいますが、その後再建され、現在に至ります。
社殿の天井には108点の草花や、暮らしの道具の天井画が描かれています。
境内には、都内で最古といわれる江戸時代に築造された富士塚があり、「千駄ヶ谷の富士塚」として都の有形民俗文化財に指定されています。江戸時代には、「江戸八富士」の一つに挙げられています。
日本将棋連盟により奉納された、大駒を納めた将棋堂もあります。
千駄ヶ谷一帯の総鎮守として、崇敬されてきた神社です。
境内案内
こちらが鳩森八幡神社の入口です。社号碑には鳩森八幡宮と書かれています。
一礼して鳥居をくぐり参道を進みます。緑が多く素敵な参道です。
そのまま進むと拝殿が見えてきます。拝殿の前の松が風流です。
こちらは左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。
右の狛犬さんの奥に手水舎があります。お清めを。
拝殿前へと進みます。
参拝。
境内を散策してみます。こちらは右斜め前からの拝殿。
拝殿に向かって右手に大きな富士塚があるのですが、まずは富士塚以外を散策してみることに。拝殿の右奥にも鳥居があります。
その先には神明社が祀られていました。後ろの竹林も素敵です。
神明社の鳥居近くには、大きな将棋の駒が納められた六角堂があります。こちらは神社の近くにある日本将棋連盟が奉納したものとのこと。将棋堂と書かれています。
さらに右手の奥に進むと、甲賀稲荷社。富士塚の脇に位置しています。こちらも朱鳥居をくぐり参拝。
甲賀稲荷のさらに奥には、千駄ヶ谷駅方面の鳥居が見えます。裏参道にあたるかと。そちらの狛犬さんの後姿がかっこよかったので、撮影。
こちらが千駄ヶ谷駅側にいる左右の狛犬さんです。凛々しいです。どちらも右手が一歩前に出ている珍しい狛犬さんですね。
裏参道の鳥居はこんな感じです。千駄ヶ谷駅から歩くと、この鳥居に辿り着きます。
境内に戻り、いよいよ富士塚に登ってみることに。けっこう大きなミニ富士山です。
「千駄ヶ谷の富士塚」案内図。登り口が三か所あるみたいです。全ての登り口からの登頂を目指します。
まずは一番大きな登り口から。鳥居があり狛犬さんもいます。
登山道はけっこう険しいです。急坂ですね。
途中には「里宮」があります。冨士浅間神社のものです。
こちらは「食行身禄(じきぎょうみろく)」の像です。富士山で断食行を行い、そのまま亡くなった人物です。実際の富士山にもある場所で、それがこの富士塚でも再現されています。
けっこう険しい道のりを登り、山頂へ。山頂には冨士浅間神社の「奥宮」があります。その奥には「釈迦の割れ石」と「金明水」。どちらも実際の富士山にあるものが再現されています。
同じく山頂にある「銀明水」。
山頂からの景色はとても気持ち良いです。ミニ富士山ではありますが、やっぱり自分で登って見られる景色って良いものですね。
山頂を満喫し、別ルートから下山。途中には「小御嶽石尊大権現」。
転んだらいっきに下まで転がり落ちそうな道を、慎重に下山。
無事下山し、この後別のルートからも登頂し、全ての入口から山頂まで行ってみました。こちらは境内にある大きな銀杏の木です。
見事な銀杏でした。他にも境内には木がたくさんあり、緑が多いです。
一通り境内を散策した後、こちらの社務所で御朱印を頂きました。鳩森八幡神社のものと富士塚のもの、二つの御朱印を頂きました。
御朱印を頂き、鳩森八幡神社を後にします。
鳥居を出て右側に少し歩いたところに、足腰の健康にご利益があるとされる庚申塚(こうしんづか)がありましたので、こちらにも立ち寄ります。
庚申塚の上には三匹のお猿さんがいました。こちらにもお参りをし、千駄ヶ谷を後にしました。
参拝を終えて
鳩森八幡神社、とってもちかったです。
何よりもやっぱり、都内最古と言われる富士塚に登ることができて大満足です。
実際の富士山を忠実に再現しているとのことで、食行身禄像や、山頂の金明水、銀明水など、全て見ることができました。
もちろんミニ富士山ですので、簡単には登れるのですが、意外と山頂までの道のりは険しかったです。思っていたよりも急坂で危険です。まっすぐ登れば2~3分で登れる距離ではありますが、登る際にはくれぐれも転ばぬようお気を付けください。
山頂からの景色はとても気持ち良いです。東京ですのでビルがたくさんという景色ではありますが、やっぱり気持ちの良いものではあります。
案内図によると、登り口が三つだったのですが、実際には四ヶ所から入ることができ、せっかくなので全てのルートを制覇してきました。
夏の暑い日ではありましたが、良い登山ができました。
目玉は富士塚かとは思うのですが、境内は広く他にも色々と見どころもあります。
木々も多くて、大きな銀杏、拝殿前の松、神明社の後ろの竹林、将棋堂前の楠など、立派な木があちこちにあります。
将棋堂には大きな将棋の駒が納められていまして、初めて目にするものでした。
ゆっくりと境内を散策し、のんびりとした時間を過ごすことができました。
社務所で御朱印を頂いている際に、「水琴桜鈴まもり」と言うのがあって、試しに鈴を振ってみると、とても心地よい音色でしたので、そちらも購入しました。こちらが「水琴桜鈴まもり」です。
境外には庚申塚もあり、屋根に載るお猿さんという、これまた珍しいものも見られました。
暑さが厳しく汗だくでしたので、このまま帰宅しようかと思ったのですが…地図を見ると、原宿方面に歩いて行けそうな距離で「東郷神社」がありましたので、嫁と相談して行ってみることに。
水分補給をしつつ、東郷神社へと向かいます。
御朱印
こちらが鳩森八幡神社の御朱印です。
こちらは富士塚の御朱印です。鳩森八幡神社では二つの御朱印を頂くことができます。
また、追記になりますが、下は2018年3月に再訪した際に頂いた御朱印です。鳩の印が加わった新しいものになっていました。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都渋谷区千駄ヶ谷1-1-24です。
鳩森八幡神社の公式サイトはこちらです。
http://www.hatonomori-shrine.or.jp/
電車
①JR総武線 「千駄ヶ谷駅」から徒歩5分。
駅を背にしてまっすぐ歩いて行きますと、五差路になっている交差点に鳥居が現れます。わかりやすい場所かとは思います。
②都営大江戸線 「国立競技場駅」から徒歩5分。
③副都心線 「北参道駅」から徒歩5分。
僕は千駄ヶ谷駅から向かいましたが、大江戸線、副都心線でも近いです。若干距離はありますが、山手線の「原宿駅」からでも行けます。15分程掛かるかとは思いますが。
駐車場
境内に駐車できるスペースがありますが、数台しか停められないかと思いますのでご注意ください。近くにコインパーキングもあります。
周辺のパワースポット
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