港区の元赤坂にある豊川稲荷東京別院の参拝レポートです。
読み方は「とよかわいなりとうきょうべついん」で、曹洞宗の寺院です。愛知県にある豊川稲荷の唯一の直轄別院になります。多くの芸能人が参拝に訪れることでも知られています。最寄り駅は赤坂見附駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
赤坂にある東京の「豊川稲荷」へ
赤坂に豊川稲荷があることは、かなり前から僕も認識していました。芸能のご利益などでも有名でして、芸能人からも崇敬されている寺院として、よくテレビなどでも取り上げられたりもしていますし。
存在は知りつつも、僕たち夫婦はまだ一度も足を運んだことがありませんでしたので、どこかで参拝したいと常々思っておりました。
そんな中、もう昨年(2020年)のことではありますが、タイミングの良い一日がありましたので、いざ行ってみようかと決め、事前に公式サイトのチェックなどしていましたところ…境内の奥の院などのお堂が開扉されていないとの案内が出ていましたので、いったん参拝を見送りました。
と言いますのも、まさに2020年からコロナ禍に突入していまして、都内は緊急事態宣言が出たり出なかったり。おそらく豊川稲荷もそんなコロナ禍の状況を踏まえて、お堂の開扉を控えていたのではないかと。
公式サイトや他の方のブログなどで奥の院の画像を見ますと、赤と白の幟が参道には並び、その奥に白いお堂がありまして、なんとも綺麗なんですよ。ですので参拝するのなら、やはりそのまま開扉された奥の院まで見てみたくなるものです。
そんな想いがありましたので、開扉されるのを今か今かと待ちわびつつ、その後も何度か公式サイトをチェックしていたものの、閉鎖は変わらずでした。
しかしです。
11月の下旬、再び公式サイトを確認しましたところ、閉鎖の案内は出ていません。緊急事態宣言も10月から解除されていますので、それに合わせて開扉されているのではないかと。
ですのでこのタイミングを逃さず、豊川稲荷東京別院への参拝を決行することに。
この日は元々、嫁とフグを食べに出掛けるという別の目的があったのですが、その足で豊川稲荷と、近くの神社を巡ることにしました。
まずは表参道駅から、船光稲荷神社に参拝。そこから外苑前駅近くまで歩き、三河稲荷神社に参拝。そして外苑前から地下鉄にて一駅、赤坂見附で下車し、豊川稲荷に向かいます。
B出口より地上に出て、目の前の青山通を西へ歩くこと5分ほど。
到着です。
ご由緒
愛知県豊川市にある豊川稲荷の直轄別院で、曹洞宗の寺院です。正式名称は「円福山豊川閣妙厳寺(えんぷくざんとよかわかくみょうごんじ)」です。
ご本尊は、豊川ダ枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)です。仏教の神様で、夜叉の一種ともいわれています。百狐に乗る天女ともされ、日本では稲荷信仰とも習合しています。
創建は江戸時代中期の文政の時代です。大岡越前守忠相が、豊川稲荷の分霊を邸内にお祀りしたのが始まりとされています。大岡家では古くから豊川稲荷を信仰していて、妙厳寺が大岡邸内の4分の1の敷地を借り受け、江戸参詣所を建立しています。
大岡邸には豊川稲荷が創建される以前から屋敷稲荷が祀られていて、創建以降はそちらが「奥の院」となりました。
明治9年には東京府の方針により一時本院へと還されますが、2年後に再び戻ることに。
明治20年に、大岡邸の一角では手狭になったため、現在の地に遷座しています。
江戸時代には大岡越前守の功名にあやかり、立身出世などのご利益でも知られ、明治以降には赤坂の花柳界が発展したことから、芸道を生業とする人々からの信仰も厚くなりました。現在でも多くの芸能人が参拝に訪れています。
境内には縁切り専門の「叶稲荷」や、融通金を持ち帰ることができる「融通稲荷」などの境内社や、七福神もお祀りされています。
豊川稲荷の唯一の直轄別院として、多くの参拝者が訪れる寺院です。
境内案内
こちらが豊川稲荷東京別院の入口です。青山通り沿いです。山門には桜の木が掛かっています。
石段を上がり山門へ。
山門の右手には、山門の再建を記念した石碑と、縁起です。
一礼して山門をくぐりますと、目の前には百日紅の木。右手が祈祷や法要の受付を行う、豊川稲荷会館です。
右手の後方を振り返りますと、こんな感じです。観音様のお姿など見えますので、後ほど行ってみることに。
まずは本殿に参拝するため、百日紅の左手に延びる参道を進みます。提灯が下がる左の建物は、御守りや御朱印を授与して頂ける三所殿。前方の銀杏の紅葉も綺麗です。
本殿へは、銀杏の手前、大きな石灯籠の間を右に折れます。
銀杏の右手前には、招福利生大黒天(豊川稲荷では豊川ダ枳尼真天の化身とされている)をお祀りしている大黒堂です。脇には七福神の大黒天も。
そして右手、こちらが本殿の正面になります。立派な建物です。手前の神狐さんもでかい。
本殿に向かい右に水屋です。
水屋には二頭の龍。お浄めをします。
本殿へと進みます。神狐さんがほんとにでかい。かなりの迫力です。こちらが左の神狐さん。
こちらが右の神狐さん。大きさもですけど、お顔も特徴的です。
本殿の前へ。本殿には、ご本尊の豊川ダ枳尼眞天の他に、十六善神、愛染妙王、摩利支天、大黒天がお祀りされています。
参拝させて頂きます。
本殿を振り返りますと、こんな景色です。
境内を散策してみます。まずは先ほど通り過ぎた大黒堂と、銀杏の前の大黒天に参拝します。
大黒堂の右手から奥にも参道が延びていますので、行ってみます。右の神狐さんの後ろは、大岡越前守忠相公を祀る大岡廟です。その向こうに一部見える赤い鳥居は、奥の院の鳥居。
反対側、左の神狐さんには子供がいます。こちらの「子だき狐」は、撫でると子宝にご利益があるそうです。
子だき狐さんの後ろに境内案内図がありましたので、目を通します。
大岡廟に手を合わせます。お線香も上げさせて頂きました。
大岡廟の右手にも参道が延びています。境内はけっこう入り組んでるかもです。大岡廟の脇に見える石祠は、豊川水神社との案内が出ていました。下には蛙さんも。
こちらは水神社の前から見た本殿。左斜め前からですね。綺麗です。
そのまま本殿の左奥へと進みますと、まず出会うのが融通稲荷尊天です。お金を融通して頂けるという珍しい稲荷です。黄色い封筒の中には10円が入っていて、融通してもらった一年後、もしくは願いが叶った際に、お礼として利子をつけてお返しするというものになります。
融通稲荷からさらに奥へ進みますと、左手に弁天池と弁財天。
そして一番奥に、叶稲荷尊天です。悪縁を切るというご利益でも知られている稲荷です。
再び大岡廟の前に戻り、廟に向かって左手へと続く参道を歩きますと、すぐ左手に七福神の福禄寿です。
福禄寿の先には、祠の中に神狐さんがいる珍しい稲荷と、お隣には摩利支天です。
そして反対側、福禄寿や摩利支天を振り返った側ですね、その先が奥の院になっています。美しい眺めです。鳥居もけっこうでかいです。
鳥居の左右には神狐さん。こちらもまたサイズは大きいのですが、本殿前とは全く違う、シュっとしたタイプの神狐さんです。こちらが左側。
こちらが右の神狐さん。どちらも惹きつけられるものがあります。
一礼して鳥居をくぐり奥の院へと進みますと、右手に智徳地蔵尊と、豊川ダ枳尼眞天と刻まれた碑です。
奥の院の前にも、可愛らしい神狐さん。
奥の院は、靴を脱いで扉の前まで上がることができます。参拝させて頂きます。
奥の院の鳥居まで戻り、そこからさらに奥へと進みますと、左手に布袋尊です。その脇にも石祠や老木がありました。
布袋尊の反対側、振り返った先が霊狐塚です。役目を終えた神狐がたくさんです。奥にはゆるキャラ(「いなりん」という豊川いなり寿司のイメージキャラクターで、豊川市の宣伝部長にもなっているそうです)の姿も。
霊狐塚を抜けた先には、身替地蔵尊。
霊狐塚を背にしてさらに左奥へと進みますと、毘沙門天です。
毘沙門天の先が三神殿です。その参道にも神狐がぎっしり。
三神殿は、中央が繁栄を司る宇賀神王、右が健康を守る太郎稲荷、左が円満な対人関係をもたらす徳七郎稲荷です。
三神殿の左手にも、神狐の祠や碑がありました。
そして少々わかりづらいのですが、三神殿の後ろに回りますと、大きな二本の木の間に、良縁などにご利益があるという愛染明王がいらっしゃいます。
三神殿や霊狐塚の左手が駐車場になっていまして、その奥にお土産物屋と食堂が三軒並んでいます。右から家元屋、美吉、菊屋でして、いなり寿司やきつねうどんで知られているお店とのこと。
再び本殿前まで戻り、そのまま入口付近で見掛けた、子宝にご利益があるという子宝観音へ。
子宝観音の右手には、七福神の寿老尊です。
寿老尊と子宝観音の脇には、「花の高三トリオ」の植樹した木と立札がありました。森 昌子、桜田淳子、山口百恵とお名前もしっかり書かれています。
寿老尊のさらに右手に、恵比寿さんです。恵比寿さんの抱えている魚がちょっと可愛かったです。こちらで七福神には全員参拝。
最後に授与所にて御朱印を頂きます。よく見ると提灯には、芸能人の名前が並んでいました。
御朱印を頂き、豊川稲荷を後にします。
参拝を終えて
ずっと訪れたかった豊川稲荷東京別院。
もう見どころがたくさんでして、魅力的なあれこれがぎっしりと凝縮されたような、そんな寺院でした。
事前に公式サイトや他の方のブログなどでも、境内がどんな感じなのかはなんとなくは把握してはいたのですが、実際に訪れてみますと、はるかに見どころが満載でした。
参道も色んな場所が色んな繋がり方をしていまして、最初はどうしていいかちょっとわからなかったりはしたのですが、歩き回っているうちにすぐに慣れました。どこに何があるのか、ばっちり頭に入りました。
まず、何よりも本殿が美しかったです。
立派な建物でして、その佇まいが綺麗なんですよね。手前で守っている神狐さんも、かなり大きなサイズでして、迫力がありました。お顔も特徴的でしたし、忘れられません。
本殿に至るまでの参道の、黄色く紅葉したイチョウも綺麗でした。
そういえば、通常は寺院ですと、ご本尊が祀られている堂宇は、本殿ではなく本堂と称するかと思いますが、こちらでは本殿と書かれていましたね。
開扉を待った奥の院にも、しっかり参拝できました。
奥の院の神狐さんも印象的なかっこいい神狐さんでしたし、幟の連なる参道からの景色も美しかったです。
三神殿や霊狐塚の参道は、神狐さんで埋め尽くされていまして、独特な空気感もありました。
三神殿の後ろには愛染明王がいらっしゃるのですが、右手に案内が出ているにもかかわらず、僕は全くそのことに気付かずに、危うく見逃してしまうところでした。嫁が境内案内を眺めていて、後から気付いた形です。あれ?ここ行ってないよね?と。危なかった。
同じく子宝観音の周りにあった「花の高三トリオ」の立札にも、僕は全く気付かなかったです。そもそも花の高三トリオ自体、なんとなくしかわからず…嫁の方が詳しかったです。
授与所の提灯も、知っている芸能人の名前が入っていまして、名前を見つけるのがちょっと楽しかったりもしました。
境内の七福神は、それぞれスタンプが置かれていまして、授与所にて台紙(200円でした)を手に入れ、スタンプを押しつつの七福神巡りができます。コンプリートしたものがこちらです。
うちは嫁がスタンプ大好きなので、台紙は到着してすぐに購入してました。
嫁は福禄寿の奥にいらっしゃった摩利支天さまがとっても気になったようでして、何度もその前に足を運んでいました。
そしてそんな嫁が事前にチェックしていたのが、境内で購入できるいなり寿司です。駐車場の奥にある土産物屋(兼食堂)さんが、いなり寿司で有名とのこと。どのお店で買うのか迷った末、家元屋のものを購入。
この日の夕食で美味しく頂きました。今度は別のお店のものも食べてみたくなりました。どうせなら買い分けて、食べ比べてみればよかった…。
いなり寿司や七福神のスタンプ、そして素敵な御朱印も頂けましたし、参拝のちょっとした記念といいますか、お土産を手にできるって嬉しいですね。
あと、御朱印を頂いた際には栞も付いてました。
僕たちはお昼前の11時頃に豊川稲荷に到着し、山門を出たのは12時過ぎ。なんやかんやで1時間以上も境内を散策してしまいました。
そこまで長居したつもりはなかったんですけどね。いつの間にかそんなに時間が経っていた感じです。
秋晴れと紅葉の中、気持ちのいい散策ができました。
豊川稲荷東京別院、参拝できてよかったです。
豊川稲荷を後にした僕たちは、社寺巡りはここで終えることとし、目的だったフグを食べに。
フグのコースをがっつり食べ、ヒレ酒で酔っ払い、贅沢なランチを頂きました。
社寺巡りも気持ちよかったですし、フグも最高でした。
いい休日が過ごせました。
御朱印
こちらが豊川稲荷東京別院の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時半までです。
季節によって時間の変更、また開門閉門時間に変更がある場合がありますので、公式サイトのブログ内に案内が出ていますので、ご確認ください。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都港区元赤坂1-4-7です。
豊川稲荷東京別院の公式サイトはこちらです。
http://www.toyokawainari-tokyo.jp/
電車
①銀座線/丸の内線「赤坂見附駅」から徒歩5分。
B出口から地上に出たら、そのままの方向で青山通りを直進して行くと、右手です。
②有楽町線/半蔵門線/南北線「永田町駅」から徒歩6分。
7番出口を出て、目の前の青山通り(右斜めではなく左斜め前方に延びる通り)を進みますと、右手です。
③千代田線「赤坂駅」から徒歩8分。
じゃっかん入り組んだ経路になりますので、地図を見ながらをお勧めします。1番出口からがわかりやすいかと思われます。
駐車場
10台ほど駐車できる参拝者用の駐車場がありますが、曜日や時間帯によっては、なかなか駐車できない可能性があります。近くにコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
港区の神社一覧