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多留姫神社(茅野市)の御朱印と見どころ

多留姫神社の紹介

茅野市にある多留姫神社の参拝レポートです。

読み方は「たるひめじんじゃ」です。名勝として茅野市の文化財にも指定されている、多留姫の滝(樽姫の滝とも書きます)のすぐ近くに鎮座しています。古来より水の女神として信仰されてきた神社です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

たるひめの滝がある「多留姫神社」へ 

こちらの記事で茅野市やその周辺の神社を紹介する際には常に書いていることなのですが、僕は茅野市の出身でして、今も実家は茅野にあります。住んでいるのは東京ですけれど、ちょいちょい帰省しております。

多留姫神社や多留姫の滝は、実家からもけっこう近くでして、子供の頃は遊びにも行ったみたいなのですが、全く記憶はありません。大人になってからは一度も足を運んでいません。

名勝としてけっこう知られているみたいなのですが、失礼ながら僕はその存在すら認識しておらず…。

しかし数年前です。神社に興味を持つようになり、地元の神社も少しずつ回るようになりまして、そのうちの一社に茅野の葛井神社という神社があり、そちらで多留姫神社の名を知りました。

葛井神社の記事はこちらです。

葛井神社には、「葛井の清池」という不思議な伝説のある池があります。伝説のうちの一つが、多留姫の滝に椀や糠を流すと葛井の清池に浮かぶという、いわゆる「抜け穴伝説」です。さらにはその抜け穴は、静岡にまで繋がっているとも言われています。「諏訪大社七不思議」というのがあり、その一つにもなってます。

葛井神社にて、そんな伝承を知ってしまいますと、ぜひ多留姫神社と多留姫の滝にも行ってみたくなるもの。

で、それ以来帰省するたびに、どこかタイミングを見て多留姫神社に行こうと。

しかしなかなかその機会に恵まれず。

夏に一度、時間ができたので行こうとしたことはあったんですけどね。なんとその前日か数日前か定かではないのですが、多留姫の滝で水難事故があり、亡くなられた方がいるということがありまして…その直後に行くのがはばかられた、なんてこともありました。

そうこうしているうちに、気が付けば葛井神社への参拝から、なんと5年も経ってしまいました。

時間の早さは恐ろしいですね。

それだけの時間が経ってしまいましたが、神社も滝も変わらずそこにあるということが、ありがたいことでもあります。

季節は9月の末です。嫁と共に帰省をし、午前中に予定のない空き時間がありましたので、ここぞとばかり多留姫神社への参拝を決行することに。

両親にそれを伝えると、母も行きたいとのことで、嫁と母と三人で行くことに。

実家から車を走らせ、母のナビで向かいます。

田舎道を山の方へとのんびり走り、迷うことなく滝と神社への入口に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、建御名方神(たけみなかたのかみ)多留姫神(たるひめのかみ)の二柱です。

建御名方神は大国主神の第二の息子で、武神であり、諏訪大社のご祭神です。多留姫神は建御名方神の子で、多満留姫神(たまるひめのかみ)とも称されます。

創建の年代は不明ですが、鎌倉時代中期の嘉禎の時代には、既に書物に名が記されているため、それ以前の創建になります。

古くは中沢ノ樽之御前社、滝之御前社、とも記されています。「たる」とは水の深いところを指し、古来より水神に関係した女神として、信仰されてきたと考えられています。

小泉山と大泉山の間、柳川の左岸に鎮座している神社です。

すぐ近くの柳川には、名勝として茅野市の文化財にも指定されている「多留姫の滝」が流れ、周辺は「多留姫文学自然の里」として、ハイキングなども楽しめるよう整備されています。

多留姫の滝には、滝壺に椀や糠を流すと、茅野の上原に鎮座する葛井神社の「葛井の清池」に浮かぶという、抜け穴伝説(諏訪大社七不思議の一つ)や、多留姫が貧しい村人のため、膳椀を必要な分だけ貸してくださった伝説などもあります。

 

境内案内

こちらが多留姫神社の入口の鳥居です。

 

扁額には難しい字で、多留姫神。

 

一礼して鳥居をくぐります。神社は道を左折した先です。ここまで車で入ってしまったのですが、どうやらこの先は通行止めで、駐車場は別の場所みたいです。

 

とりあえず車を降り、徒歩で様子を見に行きます。正面の参道の脇、左にも道があり、鳥居がありました。境内社と思われますが、侵入禁止になっていたので、ここから参拝。

 

反対側、右にも鳥居と石祠です。こちらは近づけましたので、前まで行き参拝。

 

多留姫神社はこの先です。前方に写っているのは母です。

 

ここでいったん車を置くため、上の道路へと戻ります。高架下が駐車場になってました。

 

そしてこちらが駐車場側からの入口。

 

こちらの入口は、鳥居のような、鳥居ではないような、南門です。脇の大きなものは、稲わらで作った藁にお(わらにお)という、この辺りではよく見られるもの。

 

この場所は「待月壇(たいげつだん)」と呼ばれ、かつては茶屋があり、八ヶ岳から上る月を眺めたそうです。

 

右には祠などが並んでいましたので、手を合わせます。

 

南門の脇には案内図。がっつり歩くとかなり時間を要しそうですので、今回は神社と滝のみにします。

 

一礼して門をくぐり、進みます。

 

左には稲刈りの終わった神田です。田舎のこういう景色はいいですね。

 

道は下り阪になり、森の中へ。

 

右手には歌碑がありました。

 

少し進むと、右には社殿が見えます。

 

この小路は、社殿の脇を下って行くルートです。

 

坂を下り切り、右を向きますと、社殿の正面ですね。

 

社殿に向かって右手に手水石。

 

その上には歌碑と石碑です。

 

さらに上にはトイレ。

 

拝殿へと歩を進めます。

 

左手に下りて行く小路が、多留姫の滝に続いているようです。

 

拝殿の周囲には、色んな種類の木々。

 

右には石祠が並んでいます。

 

拝殿の前へ。

 

拝殿には龍の彫刻。諏訪大社の梶の神紋も。

 

参拝させて頂きます。扁額は新しめのものに見えます。

 

拝殿を振り返りますと、こんな景色。

 

滝の方へと下りる遊歩道の入口には、多留姫神社のご由緒。

 

下には見える川が柳川です。その先の小さな橋が「ながれ橋」。黄色いポストの中には、多留姫文学自然の里のパンフレットが入ってました。

 

ながれ橋の方ではなく、滝方面にも遊歩道が延びていますので、そちらを進みます。前方に見えるのが柳影橋です。

 

社殿の脇を下って行く形ですので、途中右手を見上げると本殿の姿も。

 

柳影橋の手前には、多留姫の滝の説明書き。すみません、写真ちょっとブレちゃってますけど。

 

ながれ橋を別角度から。その名の通り何度も流されたという橋で、昔は丸太のみだったとか。どうやら今も普通に渡ることもできるみたいです。

 

僕たちはながれ橋ではなく、こちらの柳影橋を渡ることに。中央辺りから振り返った景色です。

 

そして右手に見えるのが多留姫の滝。美しい。

多留姫の滝

 

ながれ橋を柳影橋から。

 

柳影橋を渡り切ると、少し滝の近くまで行けます。

 

心行くまで滝を眺め、戻ります。

 

参拝を終えて

夏の終わりに訪れた多留姫神社と多留姫の滝は、とっても気持ちのいい場所でした。

思えば、母を連れて参拝した神社の記事を書くのは、これが初めてですね。いつもは嫁と二人、もしくはたま~に嫁の妹も一緒、という形なのですが、この度は嫁と母と三人で。

毎年帰省した際の初詣などは両親と一緒にしてるんですけどね。

たまにはこんなふうに出掛けるのもいいもんです。

最初、看板の案内が出ていた小路を入って行きますと鳥居がありまして、そのまま車で突き進んだところ、行き止まり。駐車スペースもなかったので、一度元来た舗装道路まで出ますと、高架下が駐車場になっているのを見つけ、改めて車を停めて向かいました。

この日は天気にも恵まれ、散策するにもちょうどいい感じ。

まずは多留姫神社に参拝。森の中に佇む、とっても静かな神社でした。境内には歌碑や石祠も多かったです。拝殿の龍もかっこよかった。

そして三人での参拝を終え、滝へ。

多留姫の滝は、二段になっている滝でして、美しかったです。

僕たち以外誰もいない柳影橋の上から、心行くまで眺めたり、音を聴いたり、満喫させて頂きました。

この滝が葛井の清池と繋がっているのかな~など思いつつ。

山の中って、誰も人がいない滝とかけっこう色んなところにあるものなんですよね。僕は元々今の実家よりももっと山奥、蓼科にて生まれ育ったのですが、近くにはいくつか立派な滝があったのを覚えています。今覚えているだけでも三ヶ所、乙女滝、おしどり隠しの滝、王滝にはよく遊びに行きました。乙女滝のみたま~に人がいましたが、あとは常に貸し切りだったような気がします。

この度の多留姫の滝は、小学生が遠足で来ていたのですが、僕たちが訪れた時間帯には、少し上の方でちょうどお昼ご飯をしていました。で、たまにトイレに向かう子供と先生とすれ違うだけ。あとは僕たち三人のみです。

柳影橋から滝と反対側、眼下の川にはながれ橋が見えるのですが、僕はてっきりながれ橋は侵入禁止だと思い込んでしまって、行かなかったんです。しかしこの記事を書くにあたり色々調べていましたところ、皆さん普通にながれ橋を渡ってるんですよね…。全然侵入禁止じゃなかったです。どうせなら少々怖い橋ではありますが、渡ってみればよかった。

もし次にまた多留姫に行く機会があれば、ながれ橋も渡ろうと思います。

そんなじゃっかんの後悔ポイントはありましたが、多留姫神社も多留姫の滝も、どちらも素敵な場所でして、行けてよかったです。

母も喜んでましたし。

次回はもうちょっとしっかり時間を確保し、母だけではなく父も連れて、どこかに歩きにでも出掛けようか、などと考えております。

多留姫文学自然の里も見どころが色々ありそうですし、のんびり歩いてみるのもいいかもしれません。

いい時間が過ごせました。

多留姫神社、参拝できてよかったです。

 

御朱印

多留姫神社の御朱印はありません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は長野県茅野市玉川です。

多留姫神社の公式サイトはありません。

 

電車

茅野駅」からタクシーで約20分。

バスでも行くことが可能ですが、少々行きづらいです。時間も掛かります。徒歩にて茅野市役所まで行き(約10分)、茅野バス観光「中沢線」に乗車し、約15分「山田上」バス停下車、そこから徒歩で約10分です。

 

駐車場

入口と反対側にある高架下に駐車できます。

多留姫神社の駐車場

 

トイレ

境内にあります。

 

周辺のパワースポット

 

茅野市の神社一覧

著者が参拝した茅野市の神社の一覧です。