品川区の二葉にある下神明天祖神社の参拝レポートです。
読み方は「しもしんめいてんそじんじゃ」です。旧下蛇窪村の鎮守社です。境内には区内で最大といわれる樹齢600年の榧(かや)の木があり、同じく区内で最大の狛犬もいます。最寄駅は東下神明駅ですが、西大井駅と大井町駅からも徒歩圏内です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
下蛇窪村の鎮守「下神明天祖神社」へ
この日は嫁と二人で、朝から品川区の神社巡りをしていました。5月の中旬でしたので、散策するには気持ち良い季節です。
午前中には品川神社、稼穡稲荷神社、荏原神社の三つの神社を回り、午後には四ヶ所目の上神明天祖神社へ。
上神明天祖神社は、嫁が素敵な御朱印があるとの情報を仕入れ、訪れることにした神社です。
そしてここで、当然と言えば当然な考えではありますが、「上神明天祖神社があるなら、下神明天祖神社もあるんじゃね?」と。そう考えた僕たちはさっそく調べてみることに。
そしたら、やっぱりあったんですよ。下神明天祖神社が。
場所を調べると、上神明天祖神社からそう遠くはありませんので、これはもう行くしかないだろう、と。上だけ行って下に行かないわけにはいかんだろう、と。
そんな経緯で下神明天祖神社に行くことになったんです。
上神明天祖神社の方は、別名「蛇窪大明神」と言う、なんとも魅力的な名前の付いた神社でもありました。これは、この辺りが昔は「蛇窪村」と言う地名だったことに由来しているとのこと。
地名に「蛇」が付くのって珍しいですよね。おそらく河川が蛇のように流れていたことに由来しているのでは、と言う説もあるようですが、正確な由来は不明です。
この蛇窪村が、江戸時代に上蛇窪村と下蛇窪村に分かれ、元々あった神明神社が、上神明天祖神社と下神明天祖神社に分かれたと言う有力な説があるそうですので、それが正しいとすれば、上神明天祖神社と下神明天祖神社は元々一つだったことになります。
そんな由来などあれば、尚のこと、上神明に立ち寄ったからには、下神明にも行かずにはいられません。
この日はずっと晴天に恵まれ、気持ち良く神社巡りをしていたのですが、なんと四ヶ所目の上神明天祖神社にて、豪雨と雷に遭遇。
あまりの激しさに身動きが取れず、境内にて雨が弱まるのを待ちます。
30分ほどすると、ようやく雨も小降りになってきましたので、下神明天祖神社に向かい出発します。
上神明神社の最寄駅である、東急大井町線の中延駅から電車に乗り二駅、下神明駅で下車します。
そこから小雨の降る中、徒歩で5分ほどでしょうか。
下神明天祖神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、応神天皇(おおじんてんのう)です。
天照大御神は、日本国民の総氏神で皇室の祖神です。天児屋根命は、岩戸の前で祝詞を奏上した神様で、春日大明神とも称されています。応神天皇は第15代天皇で、八幡神と同一視されています。
創建の詳しい年代やご由緒は不明ですが、室町時代には鎮座していたと考えられています。
元々この辺りは蛇窪村と呼ばれ、村を護る神社として神明神社が祀られていました。江戸時代の前期に、村が立会川の上流地域と下流地域に、ぞれぞれ上蛇窪村と下蛇窪村へと分かれた際に、下蛇窪村を護る神社として、神明神社から分かれ創建されたといわれています。
ただし確実な記録が残っていないため、それらの経緯は明らかになってません。
現在の社殿は昭和48年に再建されたものとなります。
社殿前にある御神木である樹齢600年の榧(かや)は、区内最大のもの。また、同じく社殿前の狛犬も、区内最大の大きさのものです。
境内社の稲荷社前には斎田があり、稲が育てられて収穫も行われています。
現在、蛇窪という地名は残っていませんが、古くからこの地を護る神社として、人々に信仰されてきた神社です。
境内案内
雨の降る中、下神明天祖神社に到着です。入口には天祖神社と書かれた大きな社号碑。
鳥居の手前、右手に下神明天祖神社のご由緒書き。
一礼して鳥居をくぐり、参道を進みます。参道の右側には大きな木が連なっています。左側は駐車場になっていました。
参道を進むと、中ほどに二の鳥居です。その先には社殿も見えます。
二つ目の鳥居前には狛犬さんです。こちらは左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。どちらもかなり古いもののように見えます。
二つ目の鳥居をくぐり、進みます。
じょじょに拝殿が近付いてきます。雨の参道も悪くないですね。
左手に手水舎です。かなり新しい建物ですね。
こちら、かなり変わった手水鉢です。写真だと少しわかりづらいかもしれませんが、手水鉢が亀になってるんです。さらには、手押しポンプ式で水を出す仕組みです。ポンプで水を出してお清めします。
お清めを終え、再び参道を進みます。雨に濡れた緑が綺麗です。
右手にはちょっとした椅子とテーブルもありました。雨さえ降っていなければ、座って休憩したんですけどね。
拝殿前の狛犬さんがでかいです。迫力があります。
こちらが左の狛犬さん。あまり伝わらないかもしれないですけど、でかいんです。ほんとに。そして、この狛犬さんの後ろにあるのが、御神木の榧(かや)の木です。
こちらが右の狛犬さんです。どちらもその大きさが故に、存在感が凄いです。
狛犬さんの間を抜け、拝殿の正面に立ちます。緑との調和が素敵な、白と黒を基調とした拝殿です。
強くなる雨の中、拝殿前へと進みます。
雨の音を聞きながら、参拝します。
拝殿前には、リラックマの絵馬が置かれていました。
拝殿を背にして参道を見ますと、こんな景色です。左手には神楽殿、右手には御神木の榧(かや)です。
榧の方に行ってみます。拝殿を向いたアングルになります。樹齢600年と言われる榧で、大きくて立派な榧です。その後ろには末社のお稲荷さんが見えます。
榧の木を見上げると、思った以上に大きく広がって茂っていました。でかいです。
榧の後ろにあったお稲荷さんに行ってみます。拝殿に向かって左手にあたる場所です。
連なる赤鳥居をくぐります。
社殿の前には小さな神狐さんがお出迎え。
稲荷神社にも参拝します。扁額には伏見稲荷社と書かれていますね。
そしてなんと、稲荷神社の社殿右脇には、小さな斎田があり稲が植えられていました。
稲荷神社の参拝を終え、再び拝殿前へ。写真は左斜め前からの社殿です。
拝殿に向かい右手が授与所です。こちらで御朱印を頂きました。
狛犬さんを後ろからも撮影。後姿も絵になります。
こちらは社殿を右斜め前から。右手前にも大きな木が茂っています。
社殿の右奥が少し広くなっているので行ってみますと、突き当たりには大きな石碑がありました。
最後にもう一度大きな狛犬さんを眺め、下神明天祖神社を後にしました。
参拝を終えて
下神明天祖神社に到着する前、一度は雨がかなり小降りになり、もう傘もいらないかな~なんて思ってたのですが…
ちょうど下神明天祖神社に到着する頃には、再び雨足が強くなってきました。雨ですと傘をさしながらの参拝になりますので、できれば晴れて欲しいんですけどね。
とはいえ、雨の神社は、それはそれで落ち着くと言いますか、癒されるものがあって、けっこう好きだったりもします。
雨降りだったせいか、参拝者は僕と嫁の二人きりです。鳥居をくぐってから出るまで、雨の境内を独占させて頂きました。雨に濡れた緑がとても綺麗で、心地良い参拝ができました。
そして、印象的だったものもいくつかあります。
まず、拝殿前にいた狛犬さん。これが大きいんですよ。品川区内で一番大きな狛犬さんとのことで、かなり迫力はあります。大きな狛犬さんって、それだけで見惚れてしまうんですよね、僕は。
さらにはその後ろにも、品川区で一番大きいと言われる榧(かや)の木があります。こちらもとても大きな木で、見上げると圧倒されます。
大きな狛犬さんと大きな榧。その後ろにある白と黒を基調とした社殿も、緑に映えて素敵でした。
また、境内社の稲荷神社の脇には、田んぼがあり稲が植えられていました。斎田とういうものでして、これは育てられ収穫された後、献じらるとのこと。境内に田んぼがある神社は、僕はこちらが初めてです。
同じく、手水舎が手押しポンプ式だったのも珍しかったですね。ついついポンプの水で、少々遊んでしまいました。いい大人なのに…。また、手水鉢が亀になっていたのも珍しかったです。
雨は強く降っていたのもの、気が付けばけっこうのんびりと散策させて頂きました。雨の境内に癒され、マイナスイオンを浴びまくった気がします。
御朱印も無事頂くことができましたし、ここまで足を延ばしてみて良かったです。
元は一つの神社だと考えられている上神明天祖神社と下神明天祖神社。その両方に参拝することができました。
この下神明天祖神社を最後に、僕たちはこの日の神社巡りを終え、帰路に就きました。
午前中は晴れ、午後は豪雨と、少々天気には振り回されましたが、それもまた記憶に残る神社巡りになりました。この日は結局五つの神社を訪れたのですが、どれも素敵な神社ばかりで、参拝できて良かったです。
また機会を見つけ、他の品川区の神社も回ってみようと思います。
御朱印
こちらが、下神明天祖神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時半までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都品川区二葉1-3-24です。
下神明天祖神社の公式サイトはこちらです。
http://shimo-shinmei.jp/
電車
①東急大井町線 「下神明駅」から徒歩5~6分。
②JR横須賀線 「西大井駅」から徒歩12~15分。
③JR京浜東北線 「大井町駅」から徒歩15~18分。
最寄駅は下神明駅です。西大井駅、大井町駅からも徒歩圏内かとは思いますが、そこそこ距離はあります。
駐車場
参拝者用の駐車場がありますが、台数が限られているようです。公式サイトの案内に「駐車位置は当日ご案内申し上げますので、まずは神楽殿横のスロープより境内に入り社務所玄関前までお越し下さい。」とあります。
周辺のパワースポット
品川区の神社一覧