高千穂町にある下野八幡大神社の参拝レポートです。
読み方は「しものはちまんだいじんじゃ」です。正式名称は八幡大神社のみになります。逆杉(さかさすぎ)や有馬杉(ありますぎ)などをはじめ、何本もの巨木が立ち並ぶ神社としても知られています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
逆杉や有馬杉のある「下野八幡大神社」へ
下野八幡大神社は、このたびの高千穂旅行を計画してすぐ、ぜひ訪れたい神社として僕たち夫婦がピックアップした神社の一つです。
その写真を見て、やられました。
神社の入口と思われる場所に、ドでかい木がありまして、その形も凄いんですよ。写真で見るだけでもその迫力が伝わってきます。とにかくハンパなくでかい木です。
それが下野八幡大神社の「逆杉(さかさすぎ)」でした。
その写真を一目見て、これは絶対に生で見たいと。ぜひ行こうと。
僕も嫁も巨木とか巨石とか好きなんです。でかい木や石って、神秘的なのはもちろん、見ているだけで圧倒されますし、畏怖の念も抱きますし、もうたまらない魅力があるんですよね。
そんなわけで、下野八幡大神社は、早い段階から旅行の工程に組み込んだ神社なんです。
で、そこからさらに調べますと、逆杉だけではなく、「有馬杉」という大きな杉だったり、その他にも境内には巨木がたくさんある神社とのこと。
下野八幡大神社は、高千穂旅行の初日、5ヵ所目に訪れる神社です。
既にここまでの4社にて、巨木にも出会っておりまして、色々と感覚が麻痺しつつはあります。つまり、まだ高千穂に入ったばかりではありますが、大きな木がある景色や、神秘的な景色というのが、当たり前になりつつあるってことですね。そういう意味での麻痺です。感覚がだんだんおかしくなってくるんです。
じょじょに感動のハードルが上がってしまっているのではないかと、そんな不安すら抱いてしまったり。
高千穂恐るべしです。
しかし、そんな不安が無用のものだったと、すぐに気付くことに。
4ヵ所目の上野神社から車を走らせ、地図を頼りに脇道に入りまして、すれ違いができないような細い道を進んで行きますと、前方に巨大な逆杉が姿を現しました。
絶句です。
下野八幡大神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、玉依姫命(たまよりひめのみこと)、品陀和気命(ほむだわけのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)の三柱です。
玉依姫命は、初代天皇である神武天皇の母です。品陀和気命は第15代天皇である応神天皇の別称で、誉田別命などとも表記され、武神である八幡神と同一とされています。息長足姫命は第14代仲哀天皇の皇后で、応神天皇の母である神功皇后の別称です。
また、素盞鳴命(すさのおのみこと)と櫛名田姫命(くしなだひめのみこと)の二柱も合祀されています。
創建は鎌倉時代の前期にあたる建久の時代です。岩戸山裏村(現在の高千穂町岩戸)の二ッ嶽に祀られていた「正八幡」を、豊後大神氏の祖である大神惟基(おおがこれもと)公が現在の地に遷し、奉祀したのが始まりとされています。
その後、鎌倉時代中期、高千穂太郎正信公の時代に、社殿が建立されたと伝えられています。
現在の本殿は江戸時代中期に再建されたもので、拝殿は昭和13年に改築されています。
境内には、平家討伐に向かった那須大八郎が、必勝を祈願して杉の穂を逆さに挿したといわれる「逆杉(さかさすぎ)」や、延岡藩主だった有馬左衛門佑直純公が、島原出陣の際に必勝祈願で植栽した「有馬杉(ありますぎ)」など、巨木が何本も聳えています。
また、現在石段の下にある弓道場の場所は、かつて大きな池があり、安土桃山時代に兵火で社殿が炎上した際に、池から大蛇が立ち上がり、火を消そうとしたとの伝説があります。村人たちは力尽きた大蛇の頭と尾の場所に供養の石碑を建て、以来その地を「長尾野(ながおの)」と呼び、現在も集落名になっているそうです。
育児、安産、必勝の御利益でも知られている神社です。
境内案内
駐車場に車を停め、入口の鳥居へと向かいますと、前方に見える巨木が逆杉です。
逆杉の迫力にいきなりやられます。
こちらが入口の鳥居。控柱のある両部鳥居です。
どうしても逆杉に目が行ってしまいます。幹もハンパなく太い。
鳥居の脇には逆杉の説明書きがありました。
右手には、ざっくりなご由緒書きです。その向こうに見える建物が、おそらく弓道場でして、かつて火災を消そうと頑張ってくれた大蛇がいたという、大きな池があったと伝わる場所です。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。扁額には「八幡宮」です。
逆杉にばかり目を奪われていましたが、気が付けば前方にも杉の巨木が並んでいます。
参道を進みますと、左右には仁王像。そして左手には大きなイチョウも見えてきます。
左が社務所です。
左の仁王像の脇、こちらが樹齢800年のイチョウの巨木です。
そして右の仁王像の後ろが有馬杉。
仁王さまにもご挨拶。こちらが左の仁王様です。
その後ろにはイチョウの説明書き。
しばしイチョウを見上げます。
こちらが右の仁王さま。
その足元には有馬杉の説明書き。
まさに巨木だらけの境内です。
石段を上がります。
石段を上がり切り、ようやく社殿とご対面。
社殿の右手にケヤキの巨木です。
左手に手水舎。
拝殿の前へと進み、参拝させて頂きます。
木鼻には左右とも獏の彫刻が施されていました。
拝殿を振り返りますと、こんな景色です。
ケヤキはイチョウと同じく樹齢800年。
境内の右手はこんな感じです。奥には小路が続いていました。石碑はご由緒書きです。
こちらは社殿を右斜め前から。
右奥にもお堂のような建物が一つ。手を合わせます。
奥まで来ますと本殿も間近に見られます。
脇障子は透かし彫りになっていて、猿の親子がいます。
上には葡萄のような果実の彫刻も。
反対側、左の脇障子は透かし彫りにはなっていません。
上の彫刻は、右は松でしょうか。よく見るとさらに右の手前には、カブのようにも見える野菜っぽい彫刻も。
社殿の左手、こちらは神楽殿でしょうか。
社殿を左斜め前からも。
巨木や彫刻をのんびり眺め、境内を後にします。
境外に出て、少し離れた位置からの逆杉。国道から入ってきますと、まずこの感じで逆杉が目に入ります。
巨木はいつまででも眺めていられます。
心行くまで逆杉を眺め、下野八幡大神社を後にしました。
参拝を終えて
高千穂にて、巨木が聳える神秘的な景色が当たり前になりつつあり、感動が薄れていくのではないかと心配になっていた、と冒頭でも書かせて頂きましたが、こちらの下野八幡大神社にて、そんな心配は杞憂だったと思い知らされました。
語彙が乏しく申し訳ないのですが、一言で言いますと「凄かった」というのが率直な感想です。
まず、入口の逆杉に度肝を抜かれました。車から前方に見えた時点でやられるのですが、さらに間近で見ますと、その大きさに感動せずにはいられません。
こんな形で伸びている杉というのも、かなり珍しいのではないかと思います。どっちかっていうと杉って、真っすぐ伸びているイメージですからね。
そして逆杉に圧倒された気持ちのまま、両部鳥居の前に立ちますと、前方にも大木がぼこぼこと聳えているのが見えます。
石段を進むと右手には有馬杉、左手には大イチョウと、立て続けに圧倒され、さらに上まで上がりますと、社殿の脇には大ケヤキ。
もう怒涛の巨木ラッシュです。
今挙げた巨木は4本とも「みやざき新巨樹100選」に選ばれている巨樹ですので、100選のうちの4本をも、こちらの神社で見れてしまうわけです。
それらの巨木を見るだけでも、こちらの下野八幡大神社は、訪れる価値のある神社だと思います。
そして石段には、高千穂にてお会いするのが二か所目となる仁王さまがいらっしゃいます。
高千穂の神社は、狛犬さんのような感じで、仁王さまの石造が神社を護っているところが各所にあるようでして、そのパターンは僕は高千穂にて初めて目にしました。最初に対面した仁王像は、3か所目に訪れた田原熊野神社の薬師如来堂の前でしたので、参道に立つ仁王像というのは、こちらが初ですね。
仁王さまが左右に立つ景色は、狛犬や神狐とはまた違い、独特の神秘的な空気感がありました。
ノーマークだったのが、本殿の彫刻です。これがまた少し変わっていまして、可愛らしいものだったりもするんです。お猿さんの親子だったり、葡萄のような果物だったり、カブや大根のようにも見える野菜っぽいものだったり。なかなか他では見ない彫刻でした。
巨木や仁王像の神秘的な境内に加え、珍しい彫刻が施された本殿など、おそらく観光名所としても、もっと大勢の人が訪れてもおかしくない神社かと個人的には思うのですが、始終境内には僕たち夫婦しかおらず。
神秘的な景色を存分に堪能し、なんとも贅沢極まりない時間を、頂戴いたしました。
下野八幡大神社、参拝できてよかったです。
続いては、柚木野神社へと向かいます。
御朱印
下野八幡大神社の御朱印はありません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町下野569です。
下野八幡大神社の公式サイトはありません。
駐車場
逆杉を通り過ぎ、そのまま少し直進すると、左手に駐車場があります。
トイレ
トイレあります。
駐車場に隣接している弓道場と思われる建物の一角に、使用できるトイレがあります。
周辺のパワースポット
高千穂の神社巡り
高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
高千穂町の神社一覧
著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。