高千穂町の岩戸にある落立神社の参拝レポートです。
読み方は「おちたちじんじゃ」です。安産や子授、防火の神様として信仰されてきた神社で、天岩戸五社の一社です。入口には、高千穂の夜神楽33番の舞の一つである「舞開」の像があります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
天岩戸五社の一つ「落立神社」へ
高千穂の神社巡りで一番大変なのは、もしかしたら「通行止め」かもしれません。
この日は僕たち夫婦が高千穂にやって来て二日目でして、初日は通行止めには一度も出くわすことなく順調に巡っていたのですが、二日目に出くわしました。
翌日も一か所で鉢合わせ、さらには通行止めに関する情報を、タクシーの運転手さんや、他の参拝者の方からもちらほらお聞きしましたので、どうやら高千穂ではちょいちょいあるみたいなんです。
しかも高千穂の場合、その迂回路がとんでもなく大変になってたりもするんですよね。基本山深い場所ですので。
その洗礼を受けたのが、落立神社です。
この日は早朝から神社巡りを開始し、いい感じで回っておりました。で、落立神社に向かう頃はお昼前でしたので、次の落立神社に参拝したら、どこかでランチでもしようと。
そんな会話を嫁としつつ、落立神社へ向かっていたところ、神社へと続く道路がまさかの工事で通行止め。
さらに迂回路がどうやらかなり大変そうでして、神社巡りでアゲアゲだったテンションもいっきに下がります。
しかしです。近所のお宅の庭先にて、嫁が有益な情報を手に入れることに。
お昼の12時から1時間だけ、工事の休憩で、道路が通行可能になると。
でかした嫁。
その時点で時間は11時40分でしたので、予定変更で、落立神社の前に岩戸坂弁財天に向かいまして、参拝させて頂くことに。
そして12時を過ぎたのを確認し、再び落立神社への道へ。
結果、地元の方の情報通り、無事通れるようになっていました。ありがたい。あとは落立神社から13時前に戻ればいいだけです。
無事に工事ゾーンを通過しますとすぐ、左前方に神社らしき森が見え、右には落立神社の駐車場。
到着です。
ご由緒
ご祭神は、伊弉冉命(いざなみのみこと)です。日本神話の女神で、夫である伊弉諾命(いざなぎのみこと)とともに国生みを行った神様です。伊邪那美命とも表記されます。
創建の年代は不明ですが、平安時代前期の弘仁の時代ともいわれています。三田井氏の先祖である大神太夫惟其公が、熊野三社権現を勧請したと伝えられ、若一皇子大権現社と称されてきました。
室町時代には、三田井越前守親武により再建されています。
懐妊の女性が参拝し祈れば必ず安産するといわれ、古くから子授安産の神様として、また、防火の神様としても信仰されてきました。
旧岩戸村の鎮守社です。
明治2年に現在の落立神社へと改称されています。
境内には、高千穂の夜神楽33番の舞の一つである、「舞開」の像があります。
天岩戸五社の一社として、天岩戸神社の兼務社となっています。
境内案内
駐車場は神社の真ん前です。車を停め、参拝へと向かいます。
こちらが落立神社の入口。
石段を上がって行きますと、左の奥に「水道記念碑」と書かれた石碑があるもの見えます。
前方には両部鳥居。左には神楽の像です。
神楽は「舞開(まいひらき)」を表したもので、「思兼命が天照大神の神手を取りつれ出し給う舞」との説明が出ています。手には日と月を持ってます。
反対側、右には「天地人の大杉」との案内が出ていたのですが、残念ながら切り株になっていました。以前はここに大きな杉があったものと思われます。
鳥居の手前は石橋になっていて、綺麗な水が流れていました。高千穂で石橋のある神社は初です。
鳥居には七五三の注連縄。左に顕彰碑で、その後ろが手水舎です。
一礼して鳥居をくぐり、手水舎でお清めをします。こちらにも大きな切り株が二つありましたので、以前は大木が聳えていたはずです。
参道を進みます。素敵な参道です。
左右には「門守宮」です。門守宮というのは、他の地域ではこれまで僕は見たことがありません。
春の陽射しの中、杉の連なる参道を歩くのは気持ちがいいですね。
参道の右手は少し開けています。
じょじょに拝殿がしっかりと見えてきます。社殿と後ろの木が、一体化しているようにも見えてしまいます。
石段を上がります。
石段を上がり切り、拝殿とご対面。
右手には神楽殿があり、その手前に注連縄の掛けられた大きな杉です。
連なる杉を見上げます。
反対側、左手には手水石です。変わった形の手水石です。
拝殿へと進みます。
参拝させて頂きます。拝殿の中には、右大臣左大臣と思われる像も見えました。
拝殿を振り返りますと、こんな景色です。
こちらは社殿を左斜め前から。
左後方、手水石の先にも注連縄の掛けられた杉が二本。
見上げずにはいられない。
本殿を見に奥まで行きます。後ろの木も目を惹きます。
社殿の後方は森になっています。杉の森ですね。
今度は境内の右手へ。こちらが神楽殿の正面です。
社殿を右斜め前からも。
神楽殿の奥にも、大きな杉がありました。
高く高く聳えています。
右からも本殿を。
境内の右奥にも建物が一つ。
参拝を終え、落立神社を後にします。こちらから見る参道も綺麗です。
境内側から見た鳥居の向こうには、こんな素敵な緑の景色がありました。
参拝を終えて
道路工事の合間を縫い辿り着いた落立神社は、杉の森に春の陽射しが差し込む、とっても気持ちいい神社でした。
まず、入口では神楽の像がお出迎え。ここまでの神社巡りで神楽の像にはいくつか出会っておりますので、新しい像に会うのが楽しみにもなっています。
こちらの像の神楽は「舞開(まいひらき)」とあり、天照大神が岩戸から出てくださったことを、喜び祝う舞とのこと。思兼命が月と日と書かれた玉を持ってました。思兼命は、これまで出会った神楽の像の男の神様に比べますと、そんなに怖いお顔ではなかったです。
像の向かい側には「天地人の大杉」との立て札と切り株があり、おろらくかつては大きな杉が聳えていたものと思われますが、あれこれ検索してみてもその写真は見つけられず。ですので切られたのはかなり前なのかもしれません。同じく手水舎の後ろにも二本の切り株かありましたので、それらの木々があった頃は、当然ながら今とは違う景色だったんだろうな~と。
とはいえ参道も境内も、大きな杉が何本も茂っていまして、まさに杉の森の中の神社でした。
参道は歩いていてとっても気持ち良かったです。
拝殿の中には、右大臣と左大臣と思われる像がありまして、高千穂にて拝殿中の像に出会ったのは、この日訪れた二嶽神社に続き二社目です。
周囲を杉に囲まれた境内を、ゆっくりと散策させて頂きました。
変わった手水石も見ることができたのですが、高千穂の神社では同じような変わった石を、ちょいちょいお見掛けします。
素敵な神社にこうして参拝できたことは大満足ではありますが、実はこちらでは、少し心残りも。
落立神社から800m奥に、妙見様と子授けの湧水というのがあったようなんです。ご祭神である伊弉冉命が落立神社に降りられ、一晩宿をとられたという立宿(たちやどり)地区にある湧き水とのことで、そちらもパワースポットとして知られているとか。
完全にノーチェックでした。
さらに落立神社の山奥には、土呂久(とろく)という集落があり、そちらは巨石が点在する「巨石の里」としても知られているそうです。ぜひ行ってみたかった。次に高千穂を訪れる機会を得たならば、足を延ばしてみようと思います。
また、以前は参道に奉納板が並び、元横綱千代の富士のものもあるとのことだったのですが、そもそも参道に奉納板は見当らず。
しかし帰宅後に写真を見返していたところ、手水舎の向こうに奉納板が並んでいるのが見えたので、もしかしたら千代の富士のものは、そちらにあったのかもしれません。奉納板についても、次回訪れたならば、しっかり確認しようと思います。
そんな若干の心残りこそありましたが、いい参拝ができました。
道路工事の休憩についてなど教えてくださった地元の方にも感謝です。参拝を終えた時点でまだ工事再開の13時には余裕がありましたので、迂回せずに同じく来た道を戻ることもできました。
落立神社、参拝できてよかったです。
続いては、まずはランチをしてから、赤石神社へと向かいます。
御朱印
こちらが落立神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
落立神社の御朱印は、天岩戸神社西本宮の授与所にて頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、8時半から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸2573です。
落立神社の公式サイトはありませんが、天岩戸神社の公式サイト内に紹介ページがあります。
https://amanoiwato-jinja.jp/publics/index/16/
駐車場
5台ほど停められる駐車場があります。
トイレ
あります。参道の途中、右手です。
周辺のパワースポット
高千穂の神社巡り
高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
高千穂町の神社一覧
著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。