墨田区にある向島秋葉神社の参拝レポートです。
読み方は「むこうじまあきばじんじゃ」です。正式な社名は秋葉神社のみになります。境内は紅葉の名所としても知られていて、歌川広重の「江戸名所百景」にも描かれています。最寄駅は曳舟駅になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
曳舟の「向島秋葉神社」へ
この日は浅草にて所用がありましたので、その前に近くの神社をいくつか回ろうという魂胆で、出掛けて参りました。
浅草周辺の神社はこれまでにも何度か訪れているので、今回は隅田川の反対側、スカイツリーの足元辺りです。
僕たちは2ヶ月ほど前にもスカイツリーに遊びに来ています。そのときは、親戚の結婚祝いのお返しで頂いたカタログギフトより、ソラマチのレストランでのランチというのを選びまして、人生で初めてスカイツリーを訪れました。
ランチの様子は、僕が別で書いているこちらのブログで紹介しています。
僕は三鷹在住でして、なかなかスカイツリーのある墨田区には行く機会がありません。
ですので2ヵ月前のランチの際には、せっかくの機会なのでと、周辺の神社巡りも決行しました。
スカイツリーのある押上周辺の神社巡りでは、高木神社、飛木稲荷神社、向島秋葉神社、三囲神社、牛嶋神社の5ヶ所を予定していたのですが、結局実際に参拝できたのは、高木神社と飛木稲荷神社の2ヶ所だけ。
ランチ前にその2ヶ所の参拝を終えましたので、ランチ後に残りの三つ、向島秋葉神社、三囲神社、牛嶋神社に行ってみようと思っていたのですが…。
猛暑に体力を奪われ、ランチで暴飲暴食をして動けなくなり、結局そのまま帰ることとなったため、三つの神社には参拝できなかったんです。
ですので、今回の浅草行きに便乗し、二ヶ月前のリベンジを果たすことにしました。
事前にルートを検討しまして、まずは向島秋葉神社に参拝し、三囲神社、牛嶋神社を回り、隅田川を渡って浅草へ、という順番です。
向島秋葉神社の最寄駅は曳舟駅でして、駅の近くにはもう一つ、睦稲荷神社というのを地図で見つけましたので、まずはそちらに立ち寄ることにもしました。
季節は9月の中旬でして、暑さもだいぶ耐えられるレベルになっています。
電車を乗り継ぎ曳舟駅に降り立ち、予定通り睦稲荷神社に参拝し、続いてスカイツリー方面に向かい、向島秋葉神社を目指します。
僕は秋葉神社という社名の神社を訪れるのは、今回が二ヶ所目になります。以前、台東区の入谷にある秋葉神社に参拝したことがありますので、それ以来です。
左前方にちらちら顔を出すスカイツリーを眺めながら、大きな通りを歩いて行きますと、左手の路地の先に鳥居が見えました。
向島秋葉神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、火の神である火産霊命(ほむすびのみこと)と、五穀豊穣の神様である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)です。
創建は鎌倉時代の中期になります。「五百崎(いおさき)の千代世の森」と呼ばれていたこの地に、千代世稲荷大明神が祀られたのが始まりです。
江戸時代のはじめには、善財という僧が秋葉大神の神像を彫り、社殿に納めたといわれています。
その後、千葉葉栄という修行僧が社殿を造営し、秋葉稲荷両社と称されるようになりました。
現在の秋葉神社という社名になったのは、明治になってからです。
大正の関東大震災、昭和の第二次世界大戦により被災しましたが、それぞれ再建されています。現在の社殿は昭和41年に再建されたものとなります。
鎮火(火伏せ)、産業、縁結びにもご利益があるとされ、古くから厚く信仰されている神社です。
境内は紅葉の名所としても知られていて、歌川広重の「江戸名所百景」にも描かれています。
境内案内
こちらが、路地を入った先にある、秋葉神社の鳥居です。
右手には神楽殿があります。右側にも参道が延びています。
左には秋葉大神と刻まれた碑。
鳥居の右には秋葉神社のご由緒です。後ろには立派な桜の木があるのも見えます。
一礼して石鳥居をくぐります。
鳥居の先には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。少し欠けてしまっていますが、特徴のある容姿をしています。
こちらが右の狛犬さんです。左よりも欠けてしまっています。どちらも地震で倒れた際に欠けてしまったようです。
狛犬さんの先、左手に手水舎です。
お清めをします。手水舎には鳥と亀の彫刻が施されていました。
手水舎の脇にはかなり古いと思われる石燈籠。境内には同じような立派な燈籠が何基かあるのが見えます。
お清めを終え参道に戻ります。緑の中の赤い社殿が綺麗です。
左手、手水舎の奥に社務所があり、手前には柱のような石碑がありました。秋葉神社常夜灯?と書かれているのでしょうか。
右手にも古い燈籠が三基あり、後ろには大きな銀杏です。
しばし銀杏を眺め、癒されます。
拝殿へと歩を進めます。拝殿前にも狛犬さんがいます。
こちらの石燈籠も立派です。
石燈籠はどれも、江戸時代の前期に奉納されたものとのことです。今から300年ほど前のものなんですね。
こちらは右の石燈籠です。
そして燈籠の先、こちらが左の狛犬さんです。
こちらが右の狛犬さん。どちらも比較的新しいものに見えます。
拝殿の正面に立ちます。赤と白を基調とした色合いで、淡い印象も受けます。
参拝します。向島秋葉神社の神紋は、天狗が持っている扇である「羽団扇紋」のようです。
拝殿を振り返りますと、こんな景色です。燈籠が目を惹きます。
境内を散策してみます。社殿の右奥に境内社が見えましたので、行ってみます。
こちらは旧本殿とのことです。手を合わせます。
旧本殿の前からは、現在の本殿も見えました。
境内より、右手前方にはスカイツリーがよく見えます。
社殿を右斜め前からも。
一通り境内を散策し、最後に社務所にて御朱印を頂きました。
参拝を終えて
向島秋葉神社にて僕たちは、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
神社の入口を見つけたとき、鳥居の前には数人のおじさんが立ち話をしていたんです。どうやら近々お祭りがあるようで、狛犬や燈籠が倒れないか、安全かなどをチェックしていたようです。地元のおじさん達でした。
そんなおじさん達の脇を抜け鳥居をくぐり、参拝させて頂いたのですが、参拝後に僕が狛犬など写真を撮影していますと、気さくに「今日はどちらから?」と話し掛けてくださり、その後も秋葉神社について色んなことを教えてくださいました。
そのとき嫁は御朱印を頂くため社務所の中におりまして、出てくると僕がおじさんたちに囲まれていて、びっくりしたみたいです。
その後は嫁もおじさん達に囲まれることに。
嫁も、この場所が映画のロケに使われた話など、色んなことを教えてもらったようです。向島秋葉神社の御朱印は、石でできた印を使っているという話も仕入れていました。
社殿の右奥にあった境内社だと思っていた建物は、旧本殿だということも教えて頂きました。
また、拝殿の中には天狗の面がいくつも掛けられているとのことで、中まで拝見させて頂き、案内もして頂きました。神紋が天狗の扇なのは、御神体が天狗のような容姿をした像ということに由来しているみたいです。
他にも、欠けてしまった狛犬は地震によって倒れた話や、お焚き上げで消防車を呼ばれてしまった話など、本当に色んなお話を聞かせて頂きました。
おじさん達のトークが止まらなかったです。
そのため、向島秋葉神社の印象が、僕の中では完全に「下町のおじさん達がいた神社」として刷り込まれてしまいました。
なんとか頭の中からおじさんのイメージを振り払い、境内の様子を思い浮かべてみますと、もちろんちゃんと印象に残っているものもあります。
赤と白を基調とした社殿が、緑の中に映えている姿はとても綺麗でした。周囲の緑と陽射しのせいかもしれませんが、社殿の色がどことなく淡く見えました。
古い立派な燈籠が何基も建っていたのも目を惹きました。
拝殿に向かい右手奥にはスカイツリーが聳えているのが境内からもよく見えて、そちらもなかなかいい眺めでした。
大きな銀杏や桜の木もありましたので、春や秋にはまた違った景色も楽しめるはずです。
神社巡りをしていますと、話し掛けられたり、教えて頂いたりすることがちょいちょいあります。そんな事例の中でも、今回のおじさん達はダントツでした。
さすが下町です。
たくさん話してくださったおかげで、色々と知ることができました。
おじさんたち、どうもありがとう。とってもいい時間を過ごすことができました。
向島秋葉神社、参拝できて良かったです。
続いては、隅田川寄りにある「三囲神社」に向かいます。
御朱印
こちらが向島秋葉神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、だいたい9時くらいから17時くらいまでとのことです。ご不在のこともあるようですので、確実に頂きたい方は、事前の電話確認をお勧めします。電話番号は「03-3622-5502」です。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都墨田区向島4-9-13です。
向島秋葉神社の公式サイトはありません。
電車
①伊勢崎線 / 亀戸線 「曳舟駅」から徒歩5~7分。
西口を出て、駅を背にして左斜め前方の小路を進み、突き当りを右折。大きな通りに出たら左折。しばらく歩き、向島五丁目交差点の手前、左手にあります。
②各線 「押上駅」から徒歩10~12分。
A3出口より出て左に進み、最初の交差点を左折。向島三丁目の交差点を右折すると、向島五丁目交差点の先、右側にあります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。境内脇の道路に、短時間でしたら他の方のご迷惑にならぬよう、路駐することは可能かと思われます。曳舟駅や押上駅の周辺に、いくつかコインパーキングもあります。
周辺のパワースポット
墨田区の神社一覧