霧島市にある熊襲の穴の参拝レポートです。
読み方は「くまそのあな」です。古代、九州の西南部で勢力を張っていたクマソ族の首領、川上梟帥(かわかみのたける)が住んでいたといわれる穴です。日本神話にて、日本武尊により川上梟帥が征伐されたと伝えられている場所にもなります。穴の中には芸術家である萩原貞行氏によるモダンアートが描かれていて、神秘的な空間になっています。
序文に続き、ご由緒、見どころ、アクセスの順で紹介していきます。
日本神話の舞台「熊襲の穴」へ
熊襲(クマソ)といえば、日本武尊により討伐された一族です。日本武尊が女装をして酒宴に紛れ込み、首領を討ち取ったお話は、日本神話でもよく知られたもの一つではないかと。
その舞台となったといわれる洞窟が、実際にあるんです。
それがこちらの記事で紹介します、霧島の熊襲の穴。
霧島は宮崎の高千穂町と並び、天孫降臨の地といわれていて、日本神話にとっても縁の深い場所です。宮崎の高千穂町か、霧島の高千穂峰かという、いわゆる「高千穂論争」が繰り広げられてきましたが、いまだに特定には至っていません。
いずれにしても、この辺りが日本神話の始まりの地であることは、おそらく間違いないのではないかと。
熊襲と日本武尊のお話は、天孫降臨からはだいぶ後の時代にはなりますが、その場所が霧島にあるというのも、また興味深いです。
事前に下調べをした際に、洞窟内には絵が描かれていて、神秘的な光景が広がっている画像を目にし、さらに惹かれます。
山腹にあり、200mほど山を登らないといけないようですが、これはぜひ行ってみたい。
熊襲の川上梟帥が討ち取られた場所ですので、そういった意味では少々怖さもあったりするのですが、やはり好奇心の方が勝ります。
5月に嫁と二人、鹿児島旅行に出掛けまして、高千穂峰への登山や、霧島神宮への参拝をはじめとした霧島の神社巡りを決行。
熊襲の穴は、その初日に訪れました。
近くには狛猪や藤の花で知られる和気神社がありまして、僕たちはそちらにも参拝予定でしたので、その足で熊襲の穴にも行ってみることにしました。
翌日が高千穂峰への登山予定日でしたので、前の日は山道を登ったりなどできれば避けたかったのですが…場所的にやはり初日に訪れた方が何かと都合がよかったため、初日に組み込むことに。
早朝に東京の自宅を出発し、羽田から飛行機で鹿児島空港に降り立ち、そこからはレンタカー。
まずは最初の目的地である和気神社に参拝します。鹿児島にて訪れる最初の神社にて、とっても気持ちのいい参拝ができました。
和気神社を後にし、続いては熊襲の穴へ。
少々細い道を下り、車で5分ほどでした。
あっと言う間に到着です。
ご由緒
古代、南九州ではクマソ(熊襲・熊曽)と呼ばれる一族が勢力を誇っていて、ヤマト王権に抵抗していました。その征伐を命じられたのが、第12代景行天皇の皇子で、後に日本武尊(やまとたけるのみこと)と称される小碓尊(おうすのみこと)です。
小碓尊は、熊襲の一族が宴をしている洞窟に女装をして紛れ込み、首領である川上梟帥(カワカミタケル)を討ち取りました。
小碓尊はその勇猛さを讃えられ、名を献上され、ヤマトタケルノミコトとなります。
そんな舞台となった洞窟が、霧島にある「熊襲の穴」であると伝えられています。
平成2年には、穴の所有者である妙見石原荘の依頼により、芸術家である萩原貞行氏が洞窟内に絵を描いています。当時は地元の反対意見もあったそうですが、多くの人が訪れる観光名所になりました。
妙見温泉の西側を200mほど登った山腹にあり、穴の中は自由に見学できるようになっています。
境内案内
こちらが熊襲の穴の入口。車を停めて歩きます。
穴は中腹にありますので、道のりはひたすら登り坂かと思われます。像のようなものも見えます。
「神々の里」と書かれたものはベンチのようにもなっていて、ちょっとした休憩処ではないかと。
像にはいくつかの顔です。こちらは竹道久氏という芸術家による「神々の想い」という作品とのこと。裏にも顔がありました。
少し上がると木の鳥居です。
一礼して鳥居をくぐり、進みます。
階段が続きます。いつの間にか完全に森の中に。
ひたすら登ります。段差が緩めなのは助かります。
しばらくすると、入口にもあった休憩処的なものがこちらにも。
その先に急な階段が現れます。これを上ると穴の入口のようです。
上がって行きますと、前方には大きな岩。
大岩の手前には門があり「熊襲隼人」と書かれています。
石段を上がり切り、門をくぐると左手に注連縄の掛けられた石です。
その向こうには熊襲の穴についての説明書き。
反対側、右手に照明のスイッチです。洞窟の中に入る人は、こちらのスイッチをセルフで入れ、見学する仕組みになっています。
照明のスイッチを入れ、洞窟の中へ。入口はかなり狭いです。
腰をかがめ、慎重に穴に入って行きますと…神秘的であり、張り詰めた空間が姿を現します。
奥まで進んでみます。洞窟内は水が滴り落ちていて、聞こえるのはその音だけ。
熊襲についての説明書きも。
絵は天井の上の方にも描かれています。
神秘的な空間にて、しばらく過ごします。
洞窟の外へ出ると、こんな景色です。
来た道を戻り、熊襲の穴を後にします。
参拝を終えて
熊襲の穴、すごかったです。
洞窟内は、足を踏み入れてはいけない場所のような、それほど張り詰めた空気が漂っていました。
まず、洞窟までの道のりがけっこうあります。時間にすると10分ほどですので、そこまで長いわけではないんですけど、ひたすら山の中の階段を上がって行きますので、体力はそれなりに使います。
僕たち夫婦は翌日に高千穂峰への登山を控えていましたので、前日にこんなに登って大丈夫だろうか?と不安を膨らませながらの道中でした。
とはいえ、歩き始めてすぐに景色は完全な森の中になり、とっても気持ちよかったんですけどね。
そして最後の階段の先、大きな岩が姿を現したときは、思わず「おー!」と感嘆せずにはいられませんでした。
その大岩に目を奪われつつも、洞窟の入口がどうなっているのかよくわからず、そっちも気になってしまいます。一見すると入口らしきところがないんですよね。
で、恐る恐る身を屈めながら岩の下に入っていくと、小さな入口らしきものがあるので、おもいきって突入。その先は全くの異世界でした。
先述したとおり、本当に空気が張り詰めていまして、独特の雰囲気がありました。洞窟内というのはそういうものなのかもしれませんが、緊張感もありました。
奥では水が滴っていて、聞こえるのはその音だけです。
洞窟内に描かれた絵画が、これまたサイケデリックな感じですので、余計に神秘的な雰囲気になっています。
僕と嫁以外、誰もその場にはいませんでしたので、その独特な空気感を独占してしまいました。
駐車場には車がけっこう停まっていたので、穴にも多くの方がいるのではと思っていたのですが、結局入口から穴まで僕たち夫婦しかおらず。登り始めたときに、一組の夫婦が下りて来られたので、入れ違いになった形ではあります。
日本神話にゆかりの地にて、なんとも贅沢な時間を頂戴しました。
かつてこの場所で宴会が開かれていた様子や、日本武尊が討ち入った様子なども想像してみたり。
登山前ではありましたが、頑張って登った甲斐があり、不思議な場所に入ることができました。
10分ほど山を登らねば辿り着けない場所ではありますが、霧島方面を訪れた際には、ぜひとも立ち寄ってみてください。
熊襲の穴、参拝できてよかったです。
続いては、霧島神宮へと向かう途中にある、大きなイチイガシの聳える、七社神社へと向かいます。
御朱印
熊襲の穴の御朱印はありません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4381−1です。
鹿児島空港からは車で約20分、JR嘉例川駅からは車で約15分です。バスはありませんので、電車の場合は嘉例川駅からタクシーです。
熊襲の穴の公式サイトはありません。管理しているのは、すぐ近くにある妙見石原荘になります。
駐車場
10台ほど駐車できる駐車場があります。
トイレ
ありません。
周辺のパワースポット
霧島市の神社一覧
著者が参拝した霧島市の神社の一覧です。