霧島市にある和気神社の参拝レポートです。
読み方は「わけじんじゃ」です。和氣神社とも表記されます。奈良時代から平安時代にかけての貴族、和気清麻呂公(わけのきよまろこう)をお祀りする神社です。日本一の大絵馬や、珍しい狛猪でも知られています。隣接する和気公園は藤の名所です。坂本龍馬夫妻が新婚旅行でこの地を訪れた記念碑もあります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
藤の名所「和気神社」へ
人生で初めて、鹿児島旅行に出掛けました。
きっかけは二つの「高千穂」です。
日本神話の天孫降臨の地である高千穂は、宮崎県の高千穂町と、宮崎と鹿児島に連なる霧島連山の高千穂峰、その二か所が有力候補地とされていて、長らく論争が繰り広げられてきましたが、現在も特定には至っていません。
僕たち夫婦は、2年前の春に宮崎の高千穂町を初めて訪れまして、じっくりと神社巡りをしてきました。どこもかしこも素晴らしく、すっかりと高千穂に魅了されました。
そうなると、もう一つの「高千穂」にも自然と憧れが募ります。
霧島の高千穂峰にも、いつか絶対行ってみたいと。
そして令和6年5月、ついに決行するに至りました。
天孫降臨の地とされる高千穂峰は、標高1,574mの山で、霧島連峰の第二峰です。頂上には天の逆鉾が突き刺さっていますので、それを見るためには登山をしないといけません。半端な登山ではなく、ガチ登山ですね。
僕も嫁も登山は素人でしたので、ちゃんと登頂できるよう、装備や体力も整えます。
高千穂峰が第一の目的地ではありましたが、日本神話にゆかりの地ですので、その周辺には霧島神宮をはじめ、魅力的な神社がたくさん。
事前に時間を掛けて下調べをして、回る神社などをピックアップします。
日程は5泊6日というかなり余裕を持ったものにしましたので、霧島の神社巡りはもちろん、桜島の方まで足を延ばす予定です。
そして最初に鹿児島にて最初に訪れる神社になったのが、こちらの記事で紹介する和気神社です。
鹿児島空港から霧島神宮に向かう途中にありまして、狛猪などでも知られた神社でしたので、これはぜひ立ち寄ってみようと。
当日は早朝に東京の自宅を出発。羽田から飛行機で飛び立ち、10時過ぎには鹿児島空港に到着です。
そこからは予約していたレンタカーにて、神社巡りに出発です。
空港から和気神社までは20分ほどでした。
道に迷うことなく、入口も看板が出ていてすぐわかりました。
到着です。
ご由緒
ご祭神は、護王大明神(ごおうだいみょうじん)です。奈良時代から平安時代にかけての貴族、和気清麻呂公(わけのきよまろこう)を神格化した神様になります。
和気清麻呂公は、奈良時代の神護景雲3年、宇佐八幡宮神託事件と呼ばれる、大きな権力を持っていた僧である道鏡が天皇位を得ようとした事件で、道鏡の意に従わず天皇への忠義を尽くしたため、都を追われ大隅国(現在の鹿児島県東部の辺り)に流れ着いたと伝えられています。後に清麻呂公は、道鏡の失脚で名誉を回復し、京に戻られています。
江戸時代後期の嘉永6年には、鹿児島藩第11代藩主である島津斉彬が、和気公の遺跡調査を行わせ、この地が配流地であったことが確定します。
昭和14年に、和気清麻呂公精忠顕彰会ができ、神社創建の請願が行われ、戦後の昭和21年に鎮座します。
和気公の守護神が猪とされていることから、珍しい狛猪が拝殿を護っています。
また、境内では白い猪の「あいちゃん」と「和気(わけ)ちゃん」が飼われていましたが、あおちゃんは平成23年に、わけちゃんは令和4年に亡くなっています。
入口には、日本一といわれる約50畳もの大きさの大絵馬があります。
当社の近くには、和気公が入ったといわれる温泉「和気の湯」や、湯上りに腰掛けられたという腰掛石が残っています。
隣接する和気公園は、藤の花の名所としても知られています。
坂本龍馬夫妻が新婚旅行でこの地を訪れたことから、境内には記念碑もあります。
境内案内
広い駐車場に車を停め、境内へと向かいますと、まず目に入るのが大きな絵馬です。
大絵馬の反対側が和気公園。奥には藤棚が見えます。
大絵馬の前に立ちます。でかいです。高さは8m、幅12mとのこと。描かれているのは和気清麻呂公と猪です。
大絵馬の足元にご由緒書き。
そしてこちらが入口の鳥居です。美しい。
鳥居に向かって右の後ろには、和気公の略伝と、忠烈和気公之遺跡の碑。
その反対には和気公と島津斉彬について書かれたものと、義人稲積翁之碑です。後ろの楠も立派です。奥には藤棚が見えます。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。前方に拝殿です。
左には、令和4年に亡くなってしまった白猪「和気ちゃん」のいた小屋です。会いたかった。
右が社務所です。
その先、左に手水舎。
手水には龍です。お清めをします。
拝殿へと進みます。
右に「坂本龍馬とお龍の日本最初の新婚旅行の地」の案内が。奥に碑があるようですので、後ほど行ってみます。
拝殿前には狛猪さん。社殿と後ろの緑の調和も素敵です。
狛猪さんにご挨拶。こちらが左の狛猪さん。
こちらが右の狛猪さん。どちらもけっこう大きいです。後ろには、猪が和気公をお守りしたお話が書かれた碑です。
拝殿へと進み、参拝させて頂きます。
拝殿を振り返ると、こんな景色です。
和気神社は、拝殿の左右にも一つずつ社殿があります。こちらが右手。
こちらは拝殿を右斜め前から。
こちらが左の社殿です。
周囲には背の高い杉があちこちに。
社殿に向かって右手は森です。
反対側の奥は藤棚が見えます。行ってみます。
社殿の左手に当たる場所には、五稜郭の藤。
境内の左手には藤棚が広がっています。
参道を戻り、坂本龍馬とお龍の新婚旅行の碑の前へ。
授与所にて御朱印を頂き、和気神社を後にします。
振り返り、見上げた参道の木々が素敵でしたので、もう一枚。
参拝を終えて
鹿児島にて訪れた最初の神社。
とっても素敵な神社に参拝することができました。今回の鹿児島旅行の安全祈願もさせて頂きましたが、こんな場所からスタートさせて頂いて、いい旅行にならないわけがありません。
和気神社にてまず目に飛び込んでくるのは、巨大な絵馬です。平成19年の亥年に作られたものとのことですが、とにかくでかかったです。
そして鳥居の前に立った参道の景色がまた素敵で。高い木々が連なる景色に見惚れてしまいます。
木の茶色を基調とした社殿と、周囲の緑の調和も綺麗でした。
拝殿前の狛猪さんは、思っていたよりも大きくて迫力がありました。僕は東京の青梅にある武蔵御嶽神社にて、小さな狛猪を見たことがあるのですが、それ以来の狛猪です。こんなに大きなものは初めてですし、狛猪自体がかなり珍しいかと思いますので、貴重なものを見ることができました。
狛猪の脇にも説明書きがありましたが、和気公が配流の途中で宇佐神宮に参詣しようとしたところ、約三百頭もの猪が現れ、その道中を守ったそうです。以来、猪は和気公の随身として崇められているとのこと。
以前境内で飼われていた白猪の和気ちゃんにもぜひ会ってみたかったですけれど、残念ながら少し前に亡くなっていて、対面はできませんでした。でもまだ小屋はそのままでしたので、もしかしたらまた新しい白猪がやって来るということも、いつかあるかもしれません。
境内は和気公園と隣接していて、公園には藤棚が広がっているのが見えます。藤の時期は少し前に終わってしまいましたが、きっと満開の景色は凄いんだろうな~と。
ぜひ藤の時期にも来てみたくなりますが、その時期は神社までの道のりも大渋滞が起きるとの情報も目にしましたので、旅行で行くにはスケジュールにだいぶ余裕を持たせないとダメですね。
ちなみに藤は、和気公の生誕の地である岡山県の和気町より、苗木が寄贈されたものだそうです。
いつか岡山の和気神社にも行ってみたいです。
この地は坂本龍馬が新婚旅行で訪れたとのことで、境内にはその碑もありました。当時はまだ和気神社はありませんでしたが、龍馬がこの辺りを歩いたのかと思うと、それだけでロマンがありますね。
御朱印は三種類あり、全部頂きました。そのうち一つは龍馬とお龍さんのものです。他の二つには、和気公の言葉といわれる「我獨慙天地(われひとりてんちにはず)」が書かれていて、どんな意味なのかわからず調べてみたところ、「世の中の人がどうあっても、自分ひとりだけは天地の澄みきった心に照らして恥じることのないように」とのこと。素敵な言葉を頂きました。
境内には始終僕たち夫婦しかおらず、とっても贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
和気神社、参拝できてよかったです。
続いては、近くにある日本神話に縁の場所、熊襲の穴へと向かいます。
御朱印
こちらが通常サイズの和気神社の御朱印です。
こちらが絵馬と同じ絵が描かれた大きな御朱印。
こちらが絵馬に坂本龍馬夫妻が加わった御朱印です。
上記の他に、藤まつりの開催期間のみ頂ける限定御朱印があります。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は鹿児島県霧島市牧園町宿窪田3986です。
鹿児島空港からは車で約20分、JR嘉例川駅からは車で約15分です。バスはありませんので、電車の場合は嘉例川駅からタクシーです。
和気神社の公式サイトはありません。
駐車場
100台ほど駐車できる、参拝者用の大きな駐車場があります。
トイレ
隣接する和気公園にあります。
周辺のパワースポット
霧島市の神社一覧
著者が参拝した霧島市の神社の一覧です。