調布市にある虎狛神社の参拝レポートです。
読み方は「こはくじんじゃ」です。旧佐須村の鎮守社で、かつては境内にクロマツの巨木(平成8年に枯死)があり、東京都の天然記念物に指定されていました。京王線の布田駅、調布駅、国領駅の北に位置しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
調布の「虎狛神社」へ
この日は調布に所用がありまして、その足で近くの神社にもちょこっとだけ立ち寄ろうという計画で、嫁と二人出掛けて参りました。
過去にも調布には神社巡りで何度か足を運んでいます。寺院ですけど深大寺にも数度参拝しておりますし、あとはゲゲゲの鬼太郎が住んでいる(設定)という布多天神社や、大ケヤキのある青渭神社、そしてその周辺の小さな神社にも訪れています。
そしてもう一か所、藤の花で有名な國領神社がありまして、そちらにもいつか行ってみたいな~と思っていたんです。
藤の花で有名なら、藤の季節に行くのが一番いいとは思ったのですが、この日は9月。藤は春のお花ですので、全く関係ない季節ではありますが…とりあえず行ってみようと。
そして國領神社の北には、こちらの記事で紹介する虎狛神社がありまして、その社名から、だいぶ前から気にはなっていた神社です。
「こはく」といえば宝石の琥珀をまず僕は思い浮かべますが、こちらの社名は「虎狛」です。虎と狛での「こはく」でして、なかなか見ない組み合わせですし、かっこいいな~と。
同じく嫁もそんな社名からか、だいぶ前から気になっていたみたいです。
國領神社は京王線の布田駅から徒歩5分ほどなのですが、虎狛神社は地図で確認しますと、そこからかなりの距離がありそうです。色々ググってみたところ、徒歩15分とか20分とか25分とか、けっこう差がある数字が出てはきましたが、そこそこの距離があることは間違いなさそうです。
僕たちは歩くことも好きなので、おもいきって歩いてもよかったのですが、まだまだ気温が30度超の残暑の厳しい時期でしたので、バスを使うことにしました。
バスですと、京王のバスや調布市のミニバスを使い、近くまで行けるようです。
まず布田駅より國領神社へ向かい、参拝を終えバス停を探しますと、三鷹通り沿いに「八雲台小学校前」バス停を発見。どうやらそこから吉祥寺方面へのバスに乗り「佐須」というところで下車すればいいみたいです。
いつものことながら、東京のバスって難しいよな~と思いつつ、なんとか無事に乗車し、目的の「佐須」で下車。ずっと佐須を「さす」と勝手に読んでいたのですが、「さず」が正しいみたいです。バスのアナウンスで気付きました。
そしてバス停から佐須街道を歩くこと5分ほどで、鳥居が見えてきました。
虎狛神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、大歳御祖神(おおとしみおやのかみ)と、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。
大歳御祖神は、神大市比売とも表記される日本神話の神様で、倉稲魂命を産んだ女神でもあります。農耕や食料の神様で、市場の守護神としても信仰されています。
倉稲魂命は穀物や食物の神様で、宇迦之御魂神とも表記され、稲荷伸と同一です。
創建は飛鳥時代以前の崇峻天皇の時代とされています。
奈良時代には、深大寺の開祖である満功上人の祖父母が祀られ、深大寺の守護神とされました。満功上人の祖母の名が「虎」で、祖父が住んでいた佐須村の旧名である「柏野の里」が、「虎狛」の起源といわれています。「柏」が「狛」と誤記されたという説や、虎柏(とらかしわ)神社が正しいのではないかなど、諸説あるようです。
現在の本殿は江戸時代中期、天和の時代のもので、調布・狛江において最古の建物で、調布市の指定有形文化財となっています。
かつては境内にクロマツの巨木があり、東京都の天然記念物に指定されていましたが、平成8年に枯死しています。
また、漫画家のつげ義春の散歩コースだったといわれ、その作品中にも登場します。
大変古い歴史を持ち、人々に崇敬されてきた神社です。
境内案内
こちらが虎狛神社の入口です。東西に走る佐須街道に面しています。
脇にはご由緒書きです。
一礼して石鳥居をくぐります。扁額には龍が彫られていました。
参道の先に社殿が見え、後ろは森のようになっています。
鳥居の右手には大きな木が何本も。手前はソロ、奥はシラカシと書かれています。
ソロもシラカシも、どちらも見上げますと、さらにその大きさを実感します。
反対側、参道の左手はこんな感じで開けています。
両脇には狛犬さんです。こちらは左の狛犬さん。鞠を持っています。
こちらが右の狛犬さん。子供がいます。
右の狛犬さんの先が手水舎です。手水舎の脇には、でかい石碑がありました。
手水鉢には龍です。お清めをします。
拝殿へと進みます。拝殿の前には石灯籠と、右には立派な松が一本。
松の前には、鳥居と本殿についての説明書きがありました。後ろの建物が社務所です。
松を見上げますと、社務所の後ろにも大きな木が聳えているのが見えます。
拝殿の前へ。拝殿はいつ造営された建物かわからなかったのですが、かなり古いもののように見えます。
梁には左右に獅子、中央に虎が彫られています。
この場所に虎というのは珍しいのではないかと思います。「虎」が社名に入っている、こちらの神社ならではかもしれません。参拝させて頂きます。
境内を散策してみます。こちらは社殿を左斜め前から。派手さはありませんが、落ち着いていてとても綺麗な社殿です。
左手に神輿庫です。脇には石碑も見えます。
境内左手、佐須街道側にも石碑が一つ。境内には木が多く茂っています。
入口の鳥居近くにあるシラカシの木も大きいです。
大きな木が何本もある境内は、それだけで気持ちいいですね。
こちらは少し遠目に社殿を。
今度は右斜め前から。
社殿の右手、社務所の奥の方にも木々が茂り、森のようになっています。ひときわ大きい二本の木はソロの木です。
しばし木々を見上げて過ごします。
拝殿の奥の建物は、本殿ではなく覆殿です。江戸時代に造営されたという本殿は中に安置されているようで、残念ながら見ることはできません。
境内の後ろの方も森です。
心地よい境内にてしばらく過ごし、虎狛神社を後にしました。
参拝を終えて
社名が素敵な虎狛神社ですが、境内もとても心地よく、大きな木々が素晴らしい神社でした。
大木が高く聳えている姿は、自然と目を惹かれてしまいます。見ているだけで心地よくもあり、同時に畏怖の念も抱いてしまいます。
特に鳥居脇のソロやシラカシ、同じく社殿右手のソロ、そして社殿前の松などが、ひときわ大きくて圧倒されました。
かつては樹齢300年以上の巨大なクロマツがあったとのことで、是非そちらも見てみたかったです。『江戸名所図会』にも取り上げられていて、都内でも有数のクロマツの大木だったそうです。落雷や松くい虫の被害で、平成8年に枯死してしまったとのこと。残念でなりません。神社の御神木が落雷で、というのはこれまでにもけっこう見聞きしましたが、虫によっても枯れてしまったりするんですね。
クロマツは枯死してしまいましたが、境内の他の大木たちには、是非ともこの先ずっと生きていて欲しいです。
残暑の厳しい平日だったためか、境内には僕と嫁しかおりませんでしたので、大木の茂る素晴らしい空間を独占させて頂きました。好きなようにあちこち歩き回り、のんびりと過ごさせて頂きまして、なんだかとっても贅沢な時間でした。
社殿は木の茶色を貴重としたもので、煌びやかさなどは全くないのですが、落ち着いていてとても綺麗な建物でした。真新しいとかの綺麗ではなく、雰囲気が綺麗なんです。
調布・狛江では最古の建物である本殿は、覆殿の中に安置されているようでして、見ることはできませんでしたけれど、綺麗な社殿が見れて大満足です。
拝殿には虎の彫刻も施されていて、いいものが見れました。
虎狛神社は、本務社が狛江にある伊豆美神社のようでして、事前に調べましたところ、御朱印もそちらで頂けるようです。
最近思うように御朱印を頂けておらず、この日も最初に立ち寄った國領神社で、神職さまご不在のため頂けませんでしたので…。ぜひ近々、虎狛神社の御朱印を頂きに、伊豆美神社まで行ってみようと思います。
御朱印にこだわりは全くないんですけど、やっぱりあるなら欲しいと思ってしまうので。
この日訪れた國領神社と虎狛神社、どちらも素敵な神社でして、いい神社巡りができました。
無事に参拝を終えた僕たちは、再びバスに乗り布田駅に戻り、帰路に就きます。
夏の神社巡りは、暑さは厳しいですけれど、気持ちいいものですね。夏が終わる前に、またどこかに出掛けてみようと思います。
御朱印
虎狛神社の御朱印は、本務社である狛江の伊豆美神社で頂くことができます。
僕も伊豆美神社に参拝し、頂くことができましたら、追記で掲載させて頂きます。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都調布市佐須町1-14-3です。
虎狛神社の公式サイトはありません。
電車
①京王線 「布田駅」からバスで5分。
吉祥寺方面行きで「佐須」下車徒歩5分です。布田駅から徒歩ですと15~20分かかります。
②京王線 「調布駅」からバスで10分。
京王バスなら吉祥寺方面行きで「佐須」下車徒歩5分、調布市ミニバスなら「虎狛神社」下車徒歩すぐです。
駐車場
境内に駐車できるスペースがありますので、特別な日でなければ駐車できるかと思います。また、近くにはコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
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