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鬼子母神堂(豊島区/雑司が谷)の御朱印と見どころ

雑司が谷にある鬼子母神堂の紹介

豊島区雑司が谷にある鬼子母神堂の参拝レポートです。

読み方は「きしもじんどう」、もしくは「きしぼじんどう」です。公式サイトでは「きしもじん」と表記されています。法明寺という寺院の鬼子母神堂で、安産や子育のご利益でも知られています。最寄り駅は都電荒川線の鬼子母神前駅、副都心線の雑司が谷駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

雑司が谷の「鬼子母神堂」へ

嫁と二人、雑司が谷の神社巡りにやって来ました。9月の中旬で、まだまだ残暑は厳しいですが、一時期の猛暑はなくなり、だいぶ歩きやすくなってはきた頃です。

鬼子母神堂はその名の通り、神社ではなく寺院ですが、以前から気にはなっていた場所でして、いつか行きたいな~とは思っていたんです。数年前に都電荒川線に乗車した際に、「鬼子母神前」という停留所を通過しまして、その存在を知りました。

この日は新宿にて用事があったので、その足でどこかの神社巡りをと計画し、行き先を吟味していたところ、雑司が谷が思ったよりも新宿から近いことを知りまして、行ってみることにしました。

副都心線を使うと、新宿からたった3駅で行けちゃうんですよ。

神社巡りをしていますと、次第に都内の地図や路線図なども頭に入ってくるようになります。「あ、こことここって近いんだ」とか、「この路線を使えば行きやすいんだ」とか。今回も雑司が谷という場所が池袋のすぐ南であることや、早稲田や高田馬場のすぐ北であることなど、地図を見て初めて知ることに。

そして鬼子母神堂の周辺を地図で見てみますと、神社もちょいちょいあるようです。事前に行ってみたい場所をいくつかピックアップし、ルートを決めます。

最初に訪れたのは、鬼子母神堂からも近い大鳥神社です。参拝を終え、久しぶりに御朱印も頂けました。

続いて向かったのが、鬼子母神堂です。

僕は鬼子母神という神様は、その名前は知っていましたし、おそらくどこかでお参りもしたことはあると思います。しかしながら、どのような神様なのかも知りませんし、過去どこで参拝したのかも、記憶がないです。もしかしたらお参りすらしていない可能性もありますし。

そんな感じですので、鬼子母神さまのお参りに向かうというのは、人生初と言ってしまっても良いのではないかと。

雑司が谷の鬼子母神さまは有名みたいですし、どんな場所なのか期待も高まります。

一か所目に訪れた大鳥神社より、地図を確認しつつ都電荒川線の脇を歩いて行きますと、鬼子母神堂の参道と思われる並木道が現れました。

大きなケヤキが左右に聳える参道です。

いざ、鬼子母神堂へ。

 

ご由緒

鬼子母神堂は、日蓮宗の寺院である法明寺(ほうみょうじ)の飛地境内に建つ堂宇です。

ご本尊は、鬼子母神(きしもじん)です。仏教を守護する夜叉で、子授け、安産、子育などの女神です。鬼の妻であり、小さな子供たちを食べるため怖れられていましたが、お釈迦様に諭され善神となりました。そのため鬼子母神の「鬼」の字は、角(つの)である部分の上の点がない字が、正式な表記となっています。

創建は戦国時代の後期、永禄の時代です。山村丹右衛門という人物が、現在の目白台の辺りで鬼子母神像を掘り出し、後に法明寺に合併される東陽坊という寺院に納めたのが始まりとされています。

その後、安土桃山時代には、稲荷の森と呼ばれていた現在の地に、村の人々により堂宇が建立されました。

現在のお堂は江戸時代の前期に建立されたものが元になっていて、昭和の後期には解体復元の大修理が行われています。昭和には東京都有形文化財、平成には国の重要文化財に指定されています。

安産や子育の神様として、古くから厚く信仰されています。

 

境内案内

こちらが鬼子母神堂へと続く参道の入口です。「鬼子母神大門欅並木」と書かれた碑がありました。

鬼子母神大門欅並木

 

参道の両脇には大きなケヤキです。迫力があます。

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突き当りを左に折れますと、前方に境内が見えてきました。

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境内にも大きな木が何本も茂ってます。前方にはお堂も見えます。

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境内に入りますと、すぐ左手に赤い鳥居が連なっているお稲荷さんのエリアがあります。後ほど参拝します。

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入口には金剛力士像です。こちらが左の仁王さま。

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そして左の金剛力士像の向こうに、巨大なイチョウです。「鬼子母神の公孫樹」として知られているもので、樹齢600年以上、幹周は8メートルもあるとのこと。でかいです。

鬼子母神の公孫樹

 

しばし公孫樹を見上げて過ごします。

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こちらは右の仁王さま。

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参道を進みます。境内では、絵を描いている方が多くいらっしゃいました。

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右手に手水舎です。

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手水鉢に彫られている紋が、何なのかわからずに調べてみたところ、どうやら柘榴(ザクロ)のようです。

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参道に戻ります。境内は木は多いですが、広々としています。

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お堂の正面へ。かなり大きな建物です。

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お堂の手前、左右には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。

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こちらが右の狛犬さん。どちらも小ぶりで可愛いです。

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拝殿の前に立ちますと、その大きさを改めて実感します。上には精巧な彫刻が施されているのも見えます。

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正面にはかっこいい龍です。

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左右には獅子。

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扁額にも龍の彫刻です。お堂の内部は撮影禁止でした。参拝させて頂きます。

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左に御札所がありましたので、こちらで御朱印を頂きます。

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境内の左手にもう一つお堂が見えましたので、行ってみます。手前に見える石碑の脇には、鬼子母神堂のご由緒書きがありました。

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こちらはお堂を左斜め前から。

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境内の左手奥には、石碑や力石が並んでいました。

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こちらのお堂は法不動堂(のりふどうどう)でした。参拝させて頂きます。

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不動堂を振り返り、境内を見るとこんな景色です。

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境内の右手には大黒堂です。こちらは茶屋にもなっていて、「おせんだんご」というお団子が有名のようです。

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大黒堂の周囲のベンチには、みみずくの像。鬼子母神堂には、安産や子育の「すすきみみずく」という伝統的な御守りがあるそうです。

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お堂の右奥にも大木が連なっています。小路が続いていましたので行ってみることに。

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小路の脇には鬼子母神さまの像です。手を合わせます。

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こちら側からは、鬼子母神堂の本殿を見ることもできます。

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小路は本殿の後ろへと続いています。突き当りにはお墓のような石碑も。

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本殿の真裏にあたる場所にも、お堂がありました。妙見堂です。脇には「北辰妙見大菩薩」と刻まれた碑もありました。手を合わせます。

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来た道を戻ります。こちらは鬼子母神像の前辺りから見た境内です。

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続いて、入口の左手にあったお稲荷さんへ。鳥居の先にあるのは、武芳稲荷堂(たけよしいなりどう)です。赤い鳥居の連なる景色は綺麗ですね。

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赤鳥居をくぐり、進みます。

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鳥居を抜けますと、左右には神狐さん、その先にお堂です。お狐さんはどちらも怖いお顔でしたが、右にいた子供はとても可愛かったです。参拝させて頂きます。

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武芳稲荷堂に向かって左手にも、こんな感じで赤い鳥居が連なっています。

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鳥居をくぐり稲荷堂を後にします。左手が「鬼子母神の公孫樹」になります。どの角度から見てもでかいです。稲荷堂の赤い鳥居は、公孫樹を囲むような形で連なっています。

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鳥居の出口付近には、お地蔵さんもいらっしゃいましたので、手を合わせます。

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公孫樹をじっくり眺めて過ごし、境内を気の済むまでうろうろして、鬼子母神堂を後にしました。

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参拝を終えて

僕たち夫婦は最近、人のほとんどいない神社にばかり訪れていましたので、久しぶりに多くの人で賑わう場所への参拝でした。

といっても平日でしたし、そんなに大勢の人がいたわけではないんですけれど、参拝者が途絶えることはありませんでした。また、境内には絵を描いている方も多くいらっしゃいました。

初めて訪れる鬼子母神堂は、まず参道のケヤキ並木からして、素晴らしかったです。じょじょに若いケヤキに植え替えられているとのことですが、古くから残っている巨木が4本もあり、とても素敵な参道でした。

参道だけではなく、境内にも大きな木が至るところにたくさんです。

その中でも一番巨大だったのは、入ってすぐの左手にあった、樹齢600年以上という「鬼子母神の公孫樹」です。圧倒的なでかさのイチョウでして、ついつい長時間見入ってしましました。

そして、そんな公孫樹を囲むかのように、武芳稲荷堂の赤い鳥居が連なって建っています。連なる赤鳥居というのはそれだけでとても綺麗ですし、神聖な感じがしますけれど、参道が公孫樹を囲むようにぐるっと回っている景色も、また素敵でした。

かつて鬼子母神堂が創建される以前、この辺りは「稲荷の森」と呼ばれていたそうですので、武芳稲荷堂はこの境内に一番古くから鎮座している神様かもしれません。

参道の先、鬼子母神堂のお堂は思った以上に大きな建物でした。昭和51年から54年にかけて大修理が行われたとのことですが、元の建物は江戸時代前期のものとのこと。荘厳な空気を纏った、素敵なお堂でした。彫刻も精巧でしたし、脇からは本殿も見えました。

その他、お堂の右手に連なっている大きな木々、鬼子母神像、真裏にあった妙見堂などなど、見どころも多かったです。

とてもいい時間が過ごせたのですが、心残りが二つ。どちらも帰宅後に知りました。

一つは、参道の左手にあった閉まっていた建物が、「上川口屋」という江戸時代から創業している「日本最古の駄菓子屋」さんなんだそうです。閉まっていることも多いみたいですが、まさにこの日も閉まっていて、駄菓子屋さんだとも気付かず。

以前鬼子母神を訪れたことがあるという、僕の友人が教えてくれました。彼が写真も撮っていたので、そちらを拝借。開いていればこんな感じだったみたいです。

鬼子母神堂の駄菓子屋

これはぜひ見たかった。しかし、仕方ありません。

仕方なくないのは、もう一つの心残りです。

この駄菓子屋さんの参道を挟んだ反対側辺りに、大黒堂があるんですよ。で、おだんごの暖簾など出ていましたので、てっきりお茶屋さんなだけかと思ってしまったんです。ところがどっこい、「大黒堂」という名前からよく考えるべきでした。そちらは団子屋さんであるとともに、大黒様をお祀りしている大黒堂でもあったんです。雑司が谷七福神の大黒様です。

どうやら団子屋さんの中に入ると、大黒様にお参りできたようでして…そんなことにも全く気付かず、参拝せずに帰って来てしまいました。

これは残念。自分の鈍感さを恨みたい。

是非次回訪れる際には、お参りさせて頂こうと思います。

また、僕は「鬼子母神」を何の疑いもなく「きしぼじん」と読んでいたのですが、どうやら「きしもじん」とも読むようでして、雑司が谷の鬼子母神堂に関しては、正式には「きしもじんどう」のようです。全く知りませんでした。しかし、荒川線の停留所である「鬼子母神前」は「きしぼじんまえ」と読むんですよね。この理由を調べてみたんですけど、わからなかったです。もしかしたら、確認ミスのまま停留所名になってしまった、とかの落ちかもしれません。

何かと己のリサーチ不足を痛感した参拝ではありましたが、とてもいい時間は過ごせました。

いいものをたくさん見れました。

鬼子母神堂、参拝できてよかったです。

続いては、そこから少し北にある、威光稲荷堂へと向かいます。

 

御朱印

こちらが鬼子母神堂の御朱印です。

鬼子母神堂の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都豊島区雑司ヶ谷3-15-20です。

鬼子母神堂の公式サイトはこちらです。
https://www.kishimojin.jp/

 

電車

都電荒川線 「鬼子母神前駅」から徒歩3分。

踏切のすぐ北にあるY字の右側が参道です。

副都心線 「雑司が谷駅」から徒歩4分。

1番出口より地上に出て、都電荒川線の反対側に渡り、すぐ北にあるY字の右側が参道です。

その他、各線の「池袋駅」、山手線の「目白駅」、丸ノ内線の「東池袋駅」などからも徒歩圏内です。15分ほどになります。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。近隣にパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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