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霧島神宮(霧島市)の御朱印と見どころ

霧島神宮の紹介

霧島市にある霧島神宮の参拝レポートです。

読み方は「きりしまじんぐう」です。元は、天孫降臨の地とされる高千穂峰に祀られていた神社で、高天原から降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)をお祀りしています。江戸時代に島津氏の寄進で造営された現在の社殿は、国宝と重要文化財に指定されています。 日本神話にゆかりの神社で、九州でも屈指のパワースポットといわれています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

天孫降臨の社「霧島神宮」へ

僕はこの神社ブログを始めてから、今年が9年目になります。神社巡り自体はその少し前からしていましたので、もう10年以上は各地の神社に足を運んでいることになります。

そうはいっても、まだまだ行ったことのない神社だらけではありますが、これだけ巡っていますと、自然と神社についての知識も身に付くようにはなり、そこそこ詳しくもなりました。

そして神社好きなら一度は行っておきたい、聖地のような場所がいくつかあることも知り、霧島神宮もそんなうちの一つに挙げられているんです。

宮崎の高千穂と霧島の高千穂峰は、どちらも天孫降臨の候補地といわれていまして、長らく研究が行われてきましたが、現在も結論には至っていません。しかしそのどちらかであることは、おそらく間違いないのではないかと。つまり、そのどちらかが、現在の日本という国家の始まりの場所になるわけです。

僕は2年前に宮崎の高千穂に初めて足を運び、素晴らしい聖地巡りをさせて頂きました。

ですので次は「霧島の高千穂に」とずっと思っていたんです。

霧島神宮は、元々は天孫降臨の山である高千穂峰にお祀りされていたものの、噴火による焼失や再建が繰り返され、500年以上前に現在の地に遷座されています。

つまり元々、天孫降臨の地にお祀りされていた神社なわけです。

僕は宮崎の高千穂でも、天孫降臨の地とされる槵觸神社(くしふるじんじゃ)にも参拝しています。ですのでこのたび霧島神宮にも参拝することが叶えば、どちらの天孫降臨の地の神社にも参拝できることに。

いつか叶えたかった参拝です。

周辺の神社巡りも兼ねて、嫁と二人、初めての鹿児島旅行へと出発。

霧島神宮は、その初日の締めに訪れました。

翌日には元宮のある高千穂峰に登る予定ですので、初日は無理のないスケジュールにしました。

参拝後には霧島神宮から一番近いと思われる、境内の目の前にある宿に宿泊予定です。

鹿児島空港に降り立ち、和気神社~熊襲の穴~七社神社と回り、いよいよ憧れの霧島神宮へ。

霧島神宮には大きな駐車場があるのですが、そこからだと参道の途中から入る形になってしまうので、さらに手前の小さな駐車場に車を停め、歩くことにします。

 

ご由緒

ご祭神は、天饒石国饒石天津日高彦火瓊瓊杵尊(あめにぎしくににぎしあまつひたかひこほのににぎのみこと)です。

天照大御神の孫神で、地神五代の3代目、日向三代の初代の神様です。神々の住む高天原(たかまがはら)から地上に降臨(天孫降臨)されました。一般的には瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と書かれることの多い神様です。

相殿には、瓊瓊杵尊のお后である木花咲耶姫尊(このはなさくやひめのみこと)、御子神である彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、そのお后である豊玉姫尊(とよたまひめのみこと)、御孫神の鸕鶿草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)、そのお后である玉依姫尊(たまよりひめのみこと)、御曽孫神である神倭磐余彦尊 ( かむやまといわれひこのみこと )の六柱がお祀りされています。

神代の時代より霊峰である高千穂峰に鎮座していたと伝えられています。高千穂峰は日本神話の天孫降臨伝説で、瓊瓊杵尊が降り立ったとされる山で、頂上には瓊瓊杵尊が突き立てたとされる天逆鉾が現存しています。元はそんな高千穂峰への山岳信仰から始まったと考えられています。

社殿は、6世紀の欽明天皇の時代に、慶胤上人(けいいんしょうにん)という僧により、高千穂峰と御鉢との中間である背門丘(せとお)に造られたのが始まりとされています。

元の鎮座地は火口に近く、噴火によりたびたび炎上し、奈良時代末の延暦7年の噴火で焼失します。

平安時代前期の天慶3年、もしくは天暦4年に、性空上人(しょうくうしょうにん)という天台宗の僧により、現在の高千穂河原の地に再興されます。現在その場所は古宮址となっています。

その後も噴火によりたびたび炎上し、鎌倉時代中期の文暦元年の御鉢の大噴火により焼失し、現在の霧島中学校の隣にあたる場所に仮宮が建てられます。

それから約250年後、室町時代の文明16年に、真言宗の僧である兼慶上人(けんけいしょうにん)が、島津忠昌の命により社殿を再興します。それが現在の霧島神宮です。

その後に別当だった華林寺の失火により焼失し、現在の社殿は江戸時代中期の正徳5年に、島津吉貴により寄進されたものになります。平成元年に国の重要文化財に、令和4年には本殿・幣殿・拝殿が国宝に指定されています。

また、一説には、文暦元年の御鉢の噴火で焼失の後、現在の東霧島神社の地に遷され、文明16年に島津忠昌がそちらを「東社」とし、現在の霧島神宮を「西社」にして二社に分けたとも言われています。

さらに別説として、社殿が霧島山の東に遷された後、現在の霧島岑神社と霧島東神社の二社に分け、さらに霧島東神社から霧島西神社が分けられ、その西神社が現在の霧島神宮であるとも言われています。

明治の神仏分離までは西御在所霧島権現(にしございしよきりしまごんげん)と称されていて、霧島山を中心とした霧島六所権現信仰の中心的役割を果たします。

元々は霧島山一帯が境内でしたが、明治から昭和にかけ、山林の大部分は国有地となっています。

御神木の杉は、樹齢約800年と推定され、南九州の杉の祖先ともいわれています。

天孫降臨の地に創建された神社で、九州でも屈指のパワースポットとして知られています。

 

境内案内

食堂や民宿などが並ぶ駐車場から歩くと、まず神橋を渡る形になります。

 

神橋を渡りますと、社号碑があり、その先に石段と二の鳥居です。一の大鳥居はもう少し手前にありました。車でくぐってきてしまいました。

 

石段を上がり切りますと、目の前に二の鳥居。左右に木々の聳える表参道が延びています。

 

一礼して鳥居をくぐり、参道を進みます。この右手、木々の向こうに、大きな駐車場や参拝者用の休憩所などがあります。

 

参道を抜けますと、前方に招霊木(オガタマの木)です。

 

招霊木の左手には、神聖降臨之詩碑。

 

さらに左手には展望所があり、桜島も見えてテンションも上がります。桜島、煙出てました。

 

展望台の反対側が、社殿へと続く参道です。三の鳥居も見えます。

 

三の鳥居へと向かいます。左手には、社務所、客殿、御座所が並んでいます。

 

鳥居の赤と森の緑が綺麗です。

 

石段を上がると、三の鳥居の先に社殿が見えました。

 

右に手水舎。お清めをします。

 

手水舎には、どことなく可愛らしい龍です。

 

手水舎の脇にさざれ石。二つもあります。

 

三の鳥居をくぐり、進みます。

 

歩を進めて行くと、社殿の全容が姿を現します。一番手前に見えるのが勅使殿で、その後ろに拝殿、幣殿、本殿とじょじょに後ろに高くなっている造りで、美しいです。

 

参道を抜けると、いっきに景色が開けます。そして前方の美しさに見惚れます。

 

数段の石段を上がると、右には御神木の大きな杉です。南九州の杉の祖先とも言われている杉です。後ほど近くまで行ってみることに。

 

反対、左が授与所になります。

 

勅使殿の手前、左右にある社殿は、門守神社(かどもりじんじゃ)です。櫛磐間戸神(くしいわまどのかみ)と豊磐間戸神(とよいわまどのかみ)がお祀りされています。

 

勅使殿へと進みます。

 

見上げると、色鮮やかな見事な数々の彫刻。虹梁上は松と牡丹、木鼻は獅子と白象かと。参拝させて頂きます。

霧島神宮の勅使殿の彫刻

 

奥には拝殿へと続く登廊下が見えました。

 

御神木の杉に行ってみます。近づけば近づくほど、そのでかさを実感します。

 

見上げるとさらに凄い。圧倒されます。

霧島神宮の御神木

 

こちらは御神木の前から見た社殿です。

 

社殿に向かって右手の先には神楽殿があるようですので、そちらにも行ってみます。

 

こちらが神楽殿です。大きいです。御祈願はこちらで受け付けています。

 

再び御神木の前辺りに戻り、今度は反対側、社殿に向かって左手へ。境内の一番奥に位置している、境内社の山神社を目指します。

 

少し歩くと交差点に出ます。真っ直ぐ進むと山神社、右が勅使殿の前へ戻るもう一つの道、左は旧参道の亀石坂です。

 

亀石坂はこんな感じ。素敵な道ですが、どれくらい歩くのかわからず、翌日に登山を控えた僕たち夫婦は、ビビってしまい下りるのを見合わせます。

 

角には山神社への案内と、なんだか幸せになれそうなお顔が二つ。

 

お顔の反対側には、手水石と「高千穂嶽道(おたけみち)」と書かれた碑です。

 

山神社へと進みます。途中、硫黄の匂いがして、パイプから温泉出てました。

 

景色は森の中。

 

少し歩いたら右へ。

 

その先には木の鳥居です。山神社に到着したようです。

霧島神宮の山神社

 

一礼して鳥居をくぐります。右手の木がでかいです。

 

その先、左手に石祠です。

 

こちらにも大きな木が。そこかしこに大木が聳えています。

 

参拝させて頂きます。山神社の御祭神は、大山祇神(おおやまつみのかみ)です。

 

割札守というのがありましたので、翌日無事に登山ができるようにと、願を掛けさせて頂きました。

 

山神社を後にします。

 

社殿の前へと戻ります。

 

御朱印を頂き、霧島神宮を後にしました。

 

参拝を終えて

憧れの霧島神宮。

死ぬまでに一度はと思っていた神社に、また一つ参拝することができました。

大きな駐車場に車を停めると、長めの石段を上がらずに済むのですが、そこはやはり入口からちゃんと入りたいと思い、手前に車を停めることに。

翌日に高千穂峰への登山を控えていたので、できるだけ足には負担は掛けたくなかったんですけどね。やはりそこはどうしても歩いてみたかったので。

神橋を渡り、石段を上がり、参道を歩き。もうその時間だけでも幸せな気持ちになるものです。

三の鳥居の手前、オガタマの木などがある辺りには展望台もありまして、煙を噴いている桜島が見え、興奮せずにはいられず。

桜島は数日前にけっこう大きめの噴火があったみたいです。飛行機からも見えたのですが、その姿を見るだけで、不思議とテンション上がってしまうものですね。あの桜島を生で見ているというのが、嬉しくてたまらないのだと思います。

そして展望台と反対、三の鳥居が見える石段の景色も素敵でしたけど、その先の参道を抜けた後、社殿の見える景色がこれまた美しくて。

霧島神宮の社殿は、勅使殿の後方に、拝殿、弊殿、本殿と登廊下で繋がっていて、じょじょに高い位置になっていきます。ですので遠めに見ますと、屋根が何重にもなって奥へと続いているのが見え、社殿の赤と白と後方の森との調和も素晴らしく、見惚れてしまう景色になっています。

とにかく美しい。それに尽きます。

そんな社殿に見惚れながら進んで行くと、右手にドーンとでっかい御神木の大杉が現れるので、ちょっとびっくりもします。霧島メアサという種類の杉で、南九州の杉の祖先ともいわれている杉です。樹齢は推定約800年とのことですので、いくつもの時代を見守ってきたんだろうな~と。とにかくその大きさに圧倒されました。

勅使殿の鮮やかな彫刻も素晴らしかったですし、右手奥にある神楽殿も綺麗な建物でした。

国宝に指定されている本殿の彫刻は、普段は見ることができませんが、期間限定で特別公開も行われているようです。

公式サイトに本殿の画像が載っていましたので、そちらを引用で紹介しておきます。


(画像引用元:https://kirishimajingu.or.jp/

煌びやかな凄い彫刻です。いつか生で見てみたいものです。

本殿の彫刻は見れませんでしたが、境内の一番奥にある、山神社というとっても素敵な場所には行くことができました。

山神社は「霧島神宮で一番のパワースポット」とも言われているところでして、僕たち夫婦も事前にしっかりチェックをしていまして、見逃さないように絶対行こうね、と言っていた境内社になります。

遠いのかな?と思っていたのですが、全然そんなことはなく、勅使殿前からですと5分ほどで着きました。坂道ではありますが、急ではありませんので、体力を消耗するような道のりでもなかったです。

山神社では、清とした空気に浸り、素敵な時間を過ごさせて頂きました。

割札守というのがありましたので、翌日の高千穂峰登山の安全祈願もしました。

山神社のご祭神は、瓊瓊杵尊のお后である木花咲耶姫尊の父、大山祇神です。コメント欄にて、本殿の娘と婿を見守っている位置に鎮座しているという素敵なコメントを頂きまして、なんだかさらに好きになってしまいました。

参拝後には休憩所にてお土産を買ったり、ソフトクリームを食べたり。暑い日でしたので、ソフトクリームが美味しかったです。

霧島神宮を満喫しました。

心残りといえば、山神社に向かう途中に、亀石坂という旧参道がありまして、その先には「亀石」があり気になったのですが…翌日の登山を第一に考えてしまったため、安全策を取り行かなかったんです。

しかしどうしても気になったので、この翌々日にもう一度霧島神宮を訪れ、亀石を見てきました。こちら、そのときの写真になります。天気は雨でした。

霧島神宮の亀石

 

雨の社殿も素敵でしたので、そちらも載せておきます。

 

また、最初の参拝時は気付かなかったのですが、大きな駐車場の近くには、少し青み掛かった池もありました。

 

そしてすみません、話を初日に戻しますが、その日は霧島神宮のすぐ目の前の「きりしま路」という民宿に宿泊予定でして、境内を後にした時点で時間は15時少し前。

もう一か所別の神社に向かうことも考えたのですが、やはり翌日の登山が大事ですので、無理をしないことにします。

ただし、この日僕たちは昼飯を食べ損ねていまして、菓子パンなどで食い繋いでいたのですが、空腹がかなりピークに達しつつありました。とはいえもう15時なので、このタイミングで何かがっつり食べてしまうと、民宿で夕食が食べられなくなります。そこで、霧島神宮の手前にあった蒸気屋さんというお店に美味しそうなドーナツが置いてありましたので、そちらを頂いて繋ぐことに。

そしてそのドーナツがまた美味しくて。つい追いドーナツを買ってしまいました。

蒸気屋さんの下には霧島民芸村という建物があり、入館無料でしたので、そちらも見学させて頂きました。

その後、予約していた民宿にチェックインし、霧島の温泉を堪能。熱いお湯でしたが気持ち良くて、何度も入ってしまいました。いつ行っても貸し切り状態でしたし。

部屋の窓からは霧島神宮の森が目の前に見えましたし、タヌキが歩いてるのも見てしまったり。

夕食を頂き、翌日は早起きで登山に出発するため、21時には就寝。

鹿児島旅行の初日となったこの日は、和気神社、熊襲の穴、七社神社、霧島神宮と、4ヵ所を訪れましたが、どこも素敵な場所でして、とってもいい一日が過ごせました。

翌日はいよいよ高千穂峰登山です。

 

御朱印

こちらが霧島神宮の御朱印です。

霧島神宮の御朱印

 

こちらが国宝指定記念の御朱印

霧島神宮の国宝記念の御朱印

 

こちらが境内社の山神社の御朱印です。

山神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、8時から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は鹿児島県霧島市霧島田口2608-5です。

霧島神宮の公式サイトはこちらです。
https://kirishimajingu.or.jp/

 

駐車場

鹿児島空港からは車で約35分です。500台駐車できる大きな参拝者用の駐車場があります。また、神橋の前にも30台ほど駐車可能です。

大きな駐車場へのルート案内が、下記公式サイト内にあります。
https://kirishimajingu.or.jp/access/

 

電車&バス

JR日豊本線「霧島神宮駅」から、霧島いわさきホテル行きバスで、約15分。「霧島神宮」下車です。

鹿児島空港からですと、霧島いわさきホテル行きバスで30分「丸尾」で下車し乗り換え、そこから15分「霧島神宮」下車です。本数もかなり少ないです。

※2024年7月20日から、鹿児島空港より直通バスが実証運行されます。

 

トイレ

参拝者休憩所のお隣と、神楽殿の中にあります。

 

周辺のパワースポット

 

霧島市の神社一覧

著者が参拝した霧島市の神社一覧です。