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榛名神社(高崎市)の御朱印と見どころ

榛名神社の紹介

高崎市にある榛名神社の参拝レポートです。

読み方は「はるなじんじゃ」です。榛名山の神を祀る神社で、群馬屈指、あるいは関東屈指のパワースポットともいわれています。多くの巨岩や奇岩があることでも知られ、古くからの岩石信仰の場でもあります。社殿の多くが国の重要文化財にも指定されています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

群馬屈指のパワースポット「榛名神社」へ 

僕は神社巡りを始めた頃、榛名神社の「榛名」の読み方がなかなか覚えられませんでした。都内の神社の境内社などでも、榛名神社はちょいちょいお祀りされていまして、社名を目にする機会は多かったのですが、その都度「これ何て読むんだっけ…?」を繰り返し。

しかしいくらバカでもそれなりに何度も覚え直していますと、いつしかしっかり頭に叩き込まれるもの。

今では「はるな」と瞬時に出てくるようになりました。成長しました。

そんな榛名神社ですが、先述したようにパワースポットとしても有名ですし、僕もいつか行ってみたい神社の一つではあったんです。巨石のある景色など画像で見たりしていますと、それだけでワクワクしてしまい、いつか絶対に行こうと。

そしてこの秋、ついに参拝を決行です。

伊香保温泉に行く機会がありまして、その足で榛名神社にも行ってしまおうと。伊香保と榛名神社は近いんです。車ですと30分ほどかと。

とはいえ僕たち夫婦は車ではなく電車での移動でしたので、榛名神社にも電車とバスにて向かいます。最寄り駅は高崎駅なのですが、そこからバスで1時間ちょっと掛かります。バスの1時間はなかなかの距離ですね。

ですので移動時間を考え、前日に高崎にて一泊し、翌日の朝イチで向かうという形にしました。

やっぱりどうせなら朝早い時間から行きたくなっちゃうんです。どの時間帯の神社も素敵ではありますけれど、朝が一番清々しいですからね。

前日は高崎駅周辺の、群馬縣護國神社と小祝神社に参拝させて頂き、夜には馬料理専門の居酒屋にて、馬を食いまくり酒を呑みまくり、爆睡。

夕方くらいからそこそこ激しい雨が降っていたのですが、翌日の天気予報は晴れになっていたので、それを信じて寝ました。

そして迎えた当日。晴れではなく曇り空ではありましたが、予報通り前夜の雨はすっかり上がってました。それだけでもありがたい。

ホテルにて朝食を摂り、一番早い8時半のバスに乗ります。

そして揺られること1時間10分。

榛名神社の参道入り口に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、火産霊神(ほむすびのかみ)埴山売神(はにやまひめのかみ)の二柱です。

火産霊神はイザナミとイザナギの間に生まれた火の神で、カグツチと称される火之夜藝速男神、火之炫毘古神と同一です。埴山売神は土の神で、古事記ではカグツチを産み死ぬ間際のイザナミの大便から生まれたとされている神様で、波邇夜須毘売神とも称され、日本書紀では埴安神と記されています。

創建の年代は、飛鳥時代以前の、第2代天皇である綏靖天皇~第31代天皇である用明天皇の時代です。饒速日命(にぎはやひのみこと)の御子、可美真手命(うましまでのみこと)が山中に神籬を建て、高天原から天降った神々をお祀りしたのが始まりとされ、用明天皇の時代に祭祀の場が創建されたと伝わります。

古くから山岳仏教、修験道の霊場として整備され、神仏習合の聖地とされます。境内の山腹斜面部からは、山岳仏教の施設跡と推測される、巌山遺跡が見つかっています。

平安時代の延喜式神名帳には、上野国十二社の一社として記されています。

戦国時代には一時衰微しますが、後に天海僧正の手により復興され、上野寛永寺に属します。後には榛名山光明寺、榛名山巌殿寺・満行宮とも称されます。

明治の神仏分離で、元の榛名神社へと改称されました。

江戸時代に再建された本社・幣殿・拝殿や、国祖社・額殿、双龍門、神楽殿などが、国の重要文化財に指定されています。

参道から境内には、多くの巨岩や奇岩があることでも知られ、古くからの岩石信仰の場でもあります。

また、武田信玄が戦勝祈願をし、神事を行ったといわれる、大きな矢立スギは、国の天然記念物にも指定されています。

平成29年から令和7年にかけ、過去最大規模となる修復事業が行われています。

上毛三山の一つである榛名山(あと二つは赤城山と妙義山)の神を祀る神社で、群馬屈指、関東屈指のパワースポットともいわれ、年間を通して多くの参拝者が訪れる神社です。

 

境内案内

バス停から少し戻ったところが、参道の入口です。トイレもあります。

 

さらに少し戻り坂を下りますと、大きな赤い一の鳥居がありますので、一度くぐって外側から。

 

参道を進みます。左右には宿坊が並び、駐車場も各所にあります。

 

坂の先に二の鳥居と随身門。

 

二の鳥居は青銅です。一礼してくぐります。

 

鳥居をくぐるとすぐ右手に石段があり、その先が食事処にもなっている本坊のようです。いわな塩焼が美味そう。

 

随身門へと進みます。

 

左手に境内案内図とご由緒書き。

 

随身門は、中にいらっしゃる随身像が修復中とのことで、不在。残念ではありますが、門だけでも凄いです。

榛名神社の随身門

 

右手には七福神の毘沙門天さま。

 

随身門には獅子や牡丹の彫刻が施されています。一礼して随身門をくぐります。

 

随身門をくぐってすぐ、右には石祠が見えましたので、ご挨拶。

 

参道は山の中へと続いています。

 

少し先には七福神の寿老人さま。

 

寿老人の先が、赤い欄干のみそぎ橋です。

 

みそぎ橋を渡り、進みます。右には川が流れています。

 

右手に「鞍掛岩」。写真だと少しわかりづらいかもしれませんが、岩が橋のようになってます。

 

左手には摂社の秋葉神社の鳥居です。熊出没注意の貼り紙も。

 

右前方に「千本杉」の案内と、その先には石碑が並んでいます。参道には樹齢100年を超える杉が千本以上あることから、千本杉と呼ばれているそうです。

 

石碑の先には、七福神の布袋さま。

 

川の音も聞こえます。気持ちのいい山の空気を吸い込みながら、進みます。

 

右に休憩処があり、その向かいにはお地蔵様。

 

その先には御神水と御神水おみくじなるものが。

 

御神水の向こうに福禄寿さまです。

 

参道はここから石段へと変わります。この右に脇道があり、トイレがあります。社殿までは最後のトイレになります。玉垣は、江戸時代の豪商として知られる塩原太一さんの奉納によるものとの案内も。

 

石段を上がり始めてすぐ、左手に大きな岩山が見えます。朝日岳と夕日岳です。

 

脇には、シャクナゲの間に、顔が彫られた珍しい石祠。

 

前方に三重ノ塔と石鳥居が見えてきます。

 

石段を上がると左右には狛犬さん。

 

右手には恵比寿さまです。

 

石鳥居の周囲には様々な石碑。目を惹く赤いものがついた石碑は。トマト農家の繁昌を祈念して建てられた「トマトの種の碑」です。

 

一礼して石鳥居をくぐり、すぐ左にあるのが、御廳宣(御庁宣)の碑です。榛名神社で最も古い文書を彫った碑です。鎌倉時代前期の建久元年のものになります。

 

反対側、右手にも石碑が並んでいて、「ハケ ブラシ塚」という珍しいものも。

 

そして三重ノ塔の写真が、近くからですと上手く撮れなかったので、こちらから振り返り撮影。三重ノ塔は市の重要文化財に指定されていて、現在は神宝殿と称されています。明治2年に再建されたものになります。

 

その先は、岩壁に沿って進んで行く参道です。神社の参道で、こういうのもそうあるものではありません。途中には岩が突き出ているのも見えます。

 

前方には二つ目の赤い橋、神橋が見えてきます。

 

神橋の手前、岩の中に祠がありました。すみません、写真ブレてしまったのですが、邪気払いの塞神社(さいのかみしゃ)で、厄災の侵入を防ぎ、土地を守る神として祀られています。。

 

こちらが神橋です。左には大きな岩。

 

左手の岩の奥に、さらに大きな岩が聳えています。かつて修験者が修行をした、行者渓という渓谷地です。

 

岩壁に見える扉は、神仏習合の名残で、かつては岩の中に須弥檀が設けられ、千手観音像が安置されていたとのこと。

 

その先に弁財天さまです。

 

右手にも巨岩です。

 

左手に、日照りの際には霊験があるとして持ち帰られていた、御神水の萬年泉です。

 

その先の石段を上がると、御水屋です。お清めをします。こちらの水は榛名山麓の天然水で、萬年泉の水とともに、古くから御神水として使用されているそうです。

 

御水屋の右手には、瓶子(みすず)の滝が流れています。滝の流れる左右の岩を、神様に捧げる神酒を入れる器の瓶子(みすず)に見立てて、そう呼ばれているとのこと。

 

御水屋の反対側に聳える、ひときわ大きな杉が、武田信玄が戦勝祈願のため矢を射立てたという、矢立杉です。

 

矢立杉は、高さ55m、幹の太さは9.4m、樹齢は推定600年。でかいです。

榛名神社の矢立杉

 

そして参道は上へと続いています。ここからの景色も絶景。

 

左の社殿は、江戸時代の安政6年に建てられた神幸殿(みゆきでん)。国の重要文化財に指定されている建物です。例祭では本殿から神輿が渡御し、こちらで神事が行われます。

 

巨岩の間を抜け、上がります。迫力あります。

 

石段を上がりますと、神門です。一礼してくぐります。

 

神門の先はこんな感じ。前方に社務所、右手が授与所。左には重要文化財についての説明書きです。

 

そして少し奥に大黒天さま。こちらにて、七福神に全員参拝完了です。

 

参道は折り返す形で石段が続いています。一部工事中ではありますが、それでも神秘的な景色です。

 

巨岩を見上げつつ、石段を上がります。前方の門が、国の需要文化財に指定されている、安政2年造営の双龍門になります。双龍門は最近修復工事が終わったばかり。

 

双龍門には数々の美しい彫刻です。龍、麒麟、麒麟、龍仙人、目を奪われるものばかり。

榛名神社の双龍門

 

見惚れてしまう。

 

羽目板は三国志にちなんだものとのこと。

 

龍の彫刻が多いので、双龍門と呼ばれるようになったそうです。

 

後ろの羽目板も三国志。

 

双龍門の先にも石段が続いています。

 

石段を上がり切りますと、明治元年に再建された神楽殿と、その前には天狗さま。

 

そしてその先には本殿。があるはずなのですが、修復工事中で、見れるのはこの写真のみ。残念ではありますが、こればかりは仕方ありません。

 

本殿に向かって左手にある国祖社には参拝できるようですので、行ってみます。

 

こちらは神楽殿に彫られた鬼。

 

こちらは鎌倉時代末期の元亨の時代に奉納されたという、県内では最古の鉄灯籠。

 

国祖社の正面へと進みます。神仏習合時代は本地堂と称されていた建物で、煌びやかな彫刻が施されています。

 

参拝させて頂きます。この左手が額殿かと思われますが、残念ながら額なども見ることはできず。

 

さらに奥が御祈祷の待合室になっていまして、こちらには額の中に大きな鋸の歯が奉納されていました。

 

こちらは国祖社を右手から。

 

順路に従い、国祖社と額殿を後にしますと、正面に大きな杉と、その向こうに巨岩。

 

大きな杉の足元に、末社の杵築社です。

 

そして、本殿の後ろを見上げますと、大きな御姿岩。岩の上に岩が載っている、不思議な光景です。本殿はこの御姿岩と繋がっていて、岩内の洞窟に御神体がお祀りされているそうです。

 

本殿の右後ろからは、社務所の前まで別ルートが延びています。帰り道はこちら。

 

石段を下りて行きますと、こんな感じで繋がっていて、社務所や双龍門の前に出ます。

 

下から見上げる御姿岩も凄い。

榛名神社の御姿岩

 

授与所にて、御朱印を頂きます。

 

授与所の前から双龍門をもう一度見上げ、参道を戻ります。

 

参拝を終えて

ずっと行きたかった榛名神社に、ついに参拝することができました。

語彙が乏しく申し訳ありませんが、とにかく「凄かった」というのが率直な感想です。景色だったり彫刻だったり、参道の歩き始めから、参拝して戻って来るまでの、その全てが素晴らしかったです。

あとは、寒かったですね。10月の下旬ではありましたが、そんなに厚着せずに行ってしまったところ、なかなかの寒さでした。一応天気予報で気温は確認したのですが、それよりもかなり低かったようで、油断しました。

山の中ですし、高崎の街中よりは、一枚多く着て行った方がいいかと思います。

気温はさておき、凄かった方の話に戻りますと、やはり至るところにある巨岩の景色が、ものすごく強く印象に残っています。畏怖の念を抱かずにはいられないものでした。

入口の随身門をくぐり、そこから山の中へと続く参道へと足を踏み入れますと、空気が少し張り詰めているような、清としたものに変わります。気温が低かっただけなのかもしれませんけれど、新鮮な山の空気にいっきに変わるような、そんな感じです。

そしてその道中、ところどころに大きな岩が姿を現すんです。もう圧倒される巨岩です。右も左も。

眼下には川が流れ、左手には岩山が聳え、その景色が参道と一体化していて、なんとも神秘的でした。

さらには三重塔があったり、石碑や石祠や御神水があったり、七福神さまがいらっしゃったり、次々と見どころが現れますので、いちいち見なければ気が済まない僕たち夫婦は、なかなか進めず…。

ようやく御水屋まで辿り着いたと思ったら、美しい瓶子の滝が流れていたり、でっかい矢立杉が聳えていたり。そこからの石段の景色がまた絶景です。そのまま進むと、違う世界に行ってしまうのではないかと思えてしまうくらいです。

で、それだけでは終わらずに、その先の神門を越えますと、今度は双龍門と巨岩の、これまた神秘的な景色が待っていて、だんだん感覚も麻痺してくるんですよね。

そんな状態で石段を上がりますと、今度は双龍門の彫刻にやられます。これがまた精巧で素晴らしいんです。最近修復工事を終えたばかりでして、見れてよかった。

残念だったのは、国の重要文化財にも指定されている、本社・幣殿・拝殿の一棟が丸々修復工事中でして、見ることが叶わず。

工事中であることは事前に把握しての参拝でしたので、大きな落胆というのはなかったのですが、やっぱり本社を前にして、その姿が見れないのは、残念だな~とは思ってしまうもの。

工事中だと知ったとき、参拝を先延ばしにすることも考えたのですが、工事の終了予定が2025年とのことで、だいぶ先でしたので待ちきれなくて。

本社は見れませんでしたが、お隣の国祖社にて参拝もできまし、よしとします。

とはいえ、本社が見れなったことに加え、本社と後方の御姿岩の景色というのもちゃんと見れなかったのが心残りではありますので、ぜひまた行きたい。むしろそれらが見れなかったことで、また榛名神社に行く口実ができたようなもんです。

御姿岩は、巨岩の上に、ありえない形で巨岩が載っているので、いったい何がどうなったらあんなことが起こるのかと、不思議でたまりませんでした。まさに神の力としか思えませんもの。凄いものを見ることができました。

本当に見どころがたくさんで、写真ももっと掲載したいくらいでして、削るのが大変だったくらいです。

朝の参拝でしたので、そこまで参拝者の姿も多くはなく、神秘的な景色を独り占めできる時間も多々ありまして、なんとも贅沢な想いもさせて頂きました。

僕たちが帰る頃、11時前くらいから、参拝に向かう人の数もだんだん多くなってきた気がします。

気温は低く寒くはありましたが、やっぱり朝の参拝って気持ちいいですね。

素晴らしい神社に足を運ぶことができました。

榛名神社、参拝できてよかったです。

この後僕たちは、バスにて再び高崎駅に戻り、昼食を摂り、お土産を買い、帰路に就きました。

群馬県護国神社、小祝神社、そして榛名神社と、高崎にて三ヶ所の神社に参拝させて頂きましたが、どこも素敵な神社でして、とってもいい旅ができました。

群馬にはまだ赤城神社など、行ってみたい神社がいくつかありますので、計画してみようと思います。

 

御朱印

こちらが榛名神社の御朱印です。

榛名神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、夏季(4月~9月)は8時45分から17時まで、冬季(10月~3月)は8時45分から16時までです。開門と閉門も、それぞれ夏季は7時から18時、冬季(10月~3月)は7時から17時までとなっています。神事などにより授与できない日もあるようですし、時間変更がある場合もありますので、必ず公式サイトにてご確認ください。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は群馬県高崎市榛名山町849です。

榛名神社の公式サイトはこちらです。
http://www.haruna.or.jp/

 

電車

各線「高崎駅」西口からバスで70分。参道の入口からさらに徒歩15~20分です。

西口の2番乗り場より、群馬バス「経大・本郷経由 榛名湖行き」に乗車し、「榛名神社前」下車です。1時間に1本ほどしかありませんので、乗車時間にはご注意を。運賃は著者乗車時で片道1,120円でした。

バスの時間や料金は、群馬バスの公式サイト内にてご確認ください。

 

駐車場

随身門の手前に、参拝者用の駐車場があります。少し先には大きな市営駐車場もあります。また、参道の各所にも数台停めらえる参拝者用駐車場が、いくつかあります。

 

トイレ

参道の入口と、参道の中ほどにあります。

 

周辺のパワースポット

 

高崎市の神社一覧

著者が参拝した高崎市の神社の一覧です。