神社と御朱印、ときどき寺院

美しき日本の神社をご案内。

伊勢神宮と周辺の神社巡り。御朱印・順路・所要時間などを全解説
箱根の神社巡り。三社参りと御朱印のご案内。
高千穂の神社巡りと御朱印の解説をどこよりも詳しく。
戸隠五社巡りの御朱印と順路。見どころや所要時間も解説

天岩戸神社・西本宮(高千穂町)の御朱印と見どころ

天岩戸神社西本宮の紹介

高千穂町にある天岩戸神社西本宮の参拝レポートです。

読み方は「あまのいわとじんじゃにしほんぐう」です。天岩戸神話の舞台といわれる地に鎮座している神社で、岩戸川を挟んで西の西本宮と、東の東本宮があります。西本宮は、天照皇大神がお隠れになった天岩戸を御神体としていて、本殿を持ちません。天岩戸は遥拝もできます。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

高千穂の「天岩戸神社西本宮」へ

日本神話の中でも、天岩戸のお話は、おそらく最もよく知られたものではないかと思います。僕も子供の頃から知っていましたし。

岩戸伝説は、ざっくりと書きますと以下のようなお話です。

「天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、弟の須佐之男命(すさのおのみこと)のいたずらがあまりにもひどかったため、怒って天岩戸と呼ばれる洞窟にお隠れになってしまいました。太陽神である天照大御神がお隠れになったため、世の中は真っ暗になり、災いが次々と起こります。困った八百万の神々は、天安河原に集まり、どうやって天照大御神にお出になってもらうか相談をします。そして思金神(おもいかねのかみ)に知恵を授かり、さまざまな試みをします。最終的には、岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が桶を踏み鳴らして舞い、皆の楽しそうな声が聞こえると、天照皇大神は外の様子を窺おうと扉を少し開けます。それを待っていた手力男命(たぢからおのみこと)が扉を開け放ち、天照大御神は扉の外へ。こうして再び世界は明るくなりました。めでたしめでたし。」

と、こんな感じにまとめてみました。かなりざっくりですけれど。

この神話に出てくる天岩戸を、実際に目にすることができる神社がありまして、それが、こちらの天岩戸神社西本宮なんです。

リアル天岩戸ってことです。

岩戸伝説の地としては諸説ありまして、高天原から手力男命が放り投げた扉が、高千穂と戸隠の二か所に落ちたともいわれていますし、高千穂から手力男命が投げた扉が戸隠まで飛んで行ったともいわれています。

もちろんその真相など知る由もありませんが、「リアル天岩戸かもしれない場所」が実際にあるというだけで、凄いことだと思います。

見ることができるのなら、ぜひとも見てみたい。

4月の中旬、嫁と高千穂旅行にやって来まして、天岩戸神社西本宮は、その二日目に訪れました。

早朝にホテルを出発し、まずは天岩戸神社の東本宮へ。天照大御神が岩戸をお出になった後に、お住まいになった地に創建されたといわれる神社です。

で、続いては天安河原へ。八百万の神々が、天照大御神にどのように岩戸から出てもらうのか相談したという河原です。

東本宮も天安河原も、まさに日本神話の舞台となった場所で、どちらも神秘的で素敵な場所でした。

続いて参拝に向かいましたのが、天岩戸神社西本宮になります。

 

ご由緒

ご祭神は、大日霎尊(おおひるめのみこと)です。大日霎尊は、日本国民の総氏神で皇室の祖神である、天照大御神の別名です。

拝殿の脇にある御旅所には、配祀神である天鈿女命(あめのうずめのみこと)、手力男命(たぢからおのみこと)、大年神(おおとしのかみ)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)、日子穗穗手見命(ひこほほでみのみこと)、豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)、菅原道真公(すがわらのみちざねこう)の七柱がお祀りされています。

創建の年代は不明ですが、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天岩戸の故事を偲び、その古跡に鎮祭したのが創始と伝えられています。

平安時代の前期には、三田井氏の先祖である大神太夫惟其公により再興されます。

戦国時代にはたびたび焼失してしまいますが、江戸時代には荒廃した社地が整地され、延岡藩主の援助で社殿が再建されました。

古来より天磐戸と称され、天岩戸を拝むための遥拝所としての性格が強かったとみられますが、明治になり天磐戸神社へと改称され、社殿の造営も行われます。

昭和45年には、岩戸川を挟んで東にあった氏神社と合併し、現在の天岩戸神社へと改称され、それぞれ西本宮、東本宮と称すようになります。

現在の社殿は、昭和61年に造営されたものとなります。明治に造営された旧社殿は、現在神楽殿として移築され、保存されています。

天岩戸を御神体としてお祀りし、本殿を持たない神社でもあります。

天岩戸への参拝は、神職により遥拝所に案内してもらい、行う形となっています。写真撮影等は禁止されています。

御神木の招霊の木(オガタマノキ)は、天鈿女命が手に持ち舞った神楽鈴の、原型といわれる木です。

日本神話ゆかりの神社として、多くの参拝者が訪れる神社です。

 

境内案内

駐車場には、岩戸を持ち上げている手力男命がいらっしゃいます。高千穂神楽の「戸取(ととり)」の一場面かと思われます。なかなか怖いお顔です。

 

こちらが駐車場側から見える、西本宮の参道になります。早朝なのでまだどこも開いていません。

 

鳥居は木の鳥居です。七五三の注連縄が掛けられています。

 

鳥居の右手前に社号碑と、案内図。

 

案内図の脇に、天照大御神です。優しいお顔をしています。

 

一礼して鳥居をくぐり、緑の綺麗な参道を進みます。左は駐車場で、先ほどの手力男命が見えます。

 

右手は崖になっていて、その下は岩戸川になります。

 

前方には白い二の鳥居が見えてきます。

 

右には松尾芭蕉の句碑。

 

句碑の向かい、左手が徴古館。土器、石器、美術品などを展示した、天岩戸神社の資料館です。

 

二の鳥居の右奥には、大きな木々が聳えています。

 

左は建物が並んでいます。一番手前は斎館。

 

右には車祓所があり、その先に休憩所と神楽の待合室です。休憩所は、御神体である天岩戸を遥拝する際の、集合場所にもなっています。

 

休憩所の向かい側が授与所です。まだ早朝で閉まっていますが、後ほどこちらで御朱印を頂きます。

 

二の鳥居へ。二の鳥居は石鳥居です。

 

二の鳥居をくぐり、誰もいない参道を進みます。

 

右に明治天皇の御製です。

 

その先に、大きな木の幹から作られたご由緒書きです。後方には大きな杉も。

 

反対側、左手には手水舎があり、その手前には以前使われていたと思われる手水石。

 

こちらが手水舎です。お清めをします。

 

その先、右手には祓所。

 

柵の向こう側には、御神木である招霊の木(オガタマノキ)が見えます。

 

西本宮の拝殿は、この参道の右手に位置しているようです。

 

こちらが拝殿への入口になります。

 

一礼して門をくぐると、目の前に立派な拝殿です。

 

左手はこんな感じです。旧拝殿である神楽殿、その手前には全国で二ヶ所にしかないといわれている、二本の古代銀杏です。

 

こちらは右手。

 

拝殿へと進み、参拝させて頂きます。

 

拝殿を振り返りますと、こんな景色です。

 

拝殿の右は神饌所です。

 

神饌所の脇に、天岩戸遥拝への入口があります。ここから先は神職さまの案内でしか行くことができません。後ほど遥拝させて頂きます。

 

御神木のオガタマノキを、近くから眺めます。天鈿女命はこの木の枝を持って舞ったんですね。

天岩戸神社のおがたまの木

 

こちらは拝殿を右斜め前から。

 

門を入ってすぐ左は大きな木が並んでいます。手前の杉は秩父宮殿下御成記念。境内には記念樹が多く見られます。

 

拝殿の左が御旅所です。こちらには配祀神の七柱がお祀りされています。

 

御旅所の脇が古代イチョウです。特異な葉と実の形をしているイチョウで、こちらと長野の諏訪にしかない、大変珍しいイチョウとのこと。

 

しばし古代イチョウを見上げて過ごします。

 

境内の一番左が、旧社殿を移築した神楽殿です。天安河原の遥拝所にもなっています。

 

神楽殿には、彫り物(えりもの)と呼ばれる切り絵のようなものが飾られています。高千穂では神楽の舞台である神庭に飾られるもので、陰陽や五行、四季の風景などが描かれています。

高千穂の彫り物介

 

左右の木鼻には獅子と獏の彫刻も。

 

神楽殿に向かって右は、天岩戸遥拝へと続く扉です。先ほどの神饌所の脇が入口で、拝殿の後ろをぐるっと回り、こちらから境内に戻ってくる形のようです。

 

神楽殿に向かって左手には、常陸宮殿下お手植えの木がありまして、どうやらこちらもオガタマノキのようです。

 

こちらは拝殿を左斜め前から。

 

門を出て右、入口と反対側にも参道が続いていて、トイレがあり、その先には鳥居が見えます。

 

こちらが裏参道の鳥居です。天安河原へはここから行きます。

 

授与所にて御朱印を頂き、最後に神職さまの案内で天岩戸を遥拝させて頂き、西本宮を後にしました。

天岩戸への参拝時間

 

参拝を終えて

天岩戸神社の西本宮は、見どころの多い神社でした。

そんな中でもやはりダントツは、御神体のリアル天岩戸です。

天安河原を見た瞬間もゾクっとしたのですが、同じくこちらで天岩戸を目にした瞬間も、ゾクっとしちゃいました。

天岩戸の遥拝には、神職さまの案内がなければ行くことができません。参拝希望者は決められた時間に授与所前の休憩所に集合し、神職さまについて行く形です。道中色々なご案内もしてくださいます。

僕たち夫婦は朝一番の時間で案内して頂き、他には5人ほどの参拝者がいらっしゃいまして、皆さんと一緒にお祓いを受け、新撰所の脇から入ります。

そして拝殿の後ろに到着し、川の向こう、崖の途中にある天岩戸に遥拝ができます。

天岩戸は撮影禁止ですので、その景色を写真でお伝えできないのは残念ですが、僕も嫁も言葉を失うほどに、感じ入るものがある景色でした。

天岩戸はかつては洞窟だったものが、現在は崖崩れで埋まってしまっています。ゆえに、まるで扉が閉じられているかのようにも見えました。

あの中に天照大御神がお隠れになり、扉の前では天鈿女命が舞い、天手力男命が待ち構えていたんだな~と。日本神話でも一番知られている、あの天岩戸伝説の舞台を、こうして目の前で見ることができただけでも、高千穂に来た甲斐がありました。

神職さまとも少しお話ができましたし。

西本宮を訪れました際には、ぜひ天岩戸の遥拝はお勧めしたいです。お勧めといいますか、元は西本宮は天岩戸の遥拝所だったとのことですし、それを一番の目的として訪れてるべき神社ではないかとも思います。遥拝できる時間は、公式サイト内の「御参拝について」のページに詳細が出ています。

拝殿前には、天鈿女命がその枝を持ち舞ったという、御神木のオガタマノキもありました。

日本に二か所しかないという古代イチョウを見られるのも、大変貴重です。もう一か所は長野の諏訪にあるとのことですが、僕はまさに諏訪の出身なのですが、これまで聞いたことがなく、ググってみてもわからなかったです。見られるのなら諏訪でもぜひ見てみたい。

また、高千穂ならではの彫り物(えりもの)というのも、こちらで初めて目にしました。神庭に飾られる切り絵のようなもので、それらが注連縄と一緒に連なって掛けられているのは、とても綺麗でした。

後日ではありますが、嫁はお土産にこの彫り物が描かれた手拭いを購入してました。

西本宮の授与所では、天岩戸神社も含めた天岩戸五社という五つの神社と、天安河原宮の御朱印を頂くことができます。僕たちはこの後、天岩戸五社を全て回る予定でしたので、先にその場で御朱印を頂くことに。本当は参拝してからが順序であるのは重々承知しておりますが、もしもう一度西本宮に来る時間がなかったらと思うと、先に頂いた方が確実でしたので。

さらには天岩戸神社の御朱印帳も購入。

天岩戸神社の御朱印帳

天岩戸の御朱印帳は全部で4種類ありまして、迷った末に上の一冊を選びました。

御朱印帳の案内は、公式サイトの「御朱印帳について」というところに出ています。

天岩戸遥拝時は、他の参拝者の方もちらほらいらっしゃいましたが、僕たちが西本宮に到着した時点では、貸し切り状態でした。

誰もいない早朝の西本宮境内を、存分に満喫させて頂きました。贅沢な時間です。

天岩戸神社西本宮、参拝できてよかったです。

続いては、近くにある八大龍王水神へと向かいます。

 

御朱印

こちらが天岩戸神社の御朱印です。西本宮、東本宮と共通で一つの御朱印です。

天岩戸神社の御朱印

上記の他に、天安河原宮と、天岩戸五社(落立神社、鉾神社、二嶽神社、石神神社)の御朱印も、西本宮の授与所で頂くことができます。天岩戸五社は、天岩戸神社も含め五社になります。

 

御朱印の受付時間

天岩戸神社の御朱印は、西本宮の授与所にて頂くことができます。東本宮では頂けません。御朱印と御守りを頂ける時間は、8時半から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸1073-1です。

天岩戸神社の公式サイトはこちらです。
https://amanoiwato-jinja.jp/

 

駐車場

40台ほど駐車できる駐車場があります。

天岩戸神社西本宮の駐車場

満車の場合は、西本宮と東本宮合わせて第4駐車場までありますので、少々歩くことにはなりますが、他の駐車場も利用できます。公式サイト内にある駐車場案内を参照してください。

 

トイレ

駐車場と裏参道の鳥居前、二か所にあります。

 

周辺のパワースポット

 

高千穂の神社巡り

高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

高千穂町の神社一覧

著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。