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黒船稲荷神社(江東区/門前仲町)の御朱印と見どころ

黒船稲荷神社の紹介

江東区牡丹にある黒船稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「くろふねいなりじんじゃ」です。元は浅草にあった黒船町に創建された神社です。江戸時代には、『東海道四谷怪談』の作者である四世鶴屋南北の自宅が境内にあり、晩年を過ごしたといわれています。最寄駅は門前仲町駅ですが、越中島駅からも徒歩圏内です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

門前仲町の「黒船稲荷神社」へ

この日は同じく門前仲町にある富岡八幡宮に参拝しました。富岡八幡宮は東京十社の一つにも数えられている神社で、東京十社巡りの一環として訪れました。

午前中に富岡八幡宮に参拝し、境内にある深川めしのお店でお昼ご飯。

そして午後の予定を立てます。

せっかくなので、近くに他の神社があれば回ってみようと言ういつものパターンです。で、地図で「江東区 神社」と検索すると、出るわ出るわ。門前仲町の周辺はかなり神社が多いようです。特に稲荷が多いですね。

嫁と地図を見ながら協議をし、いくつか回れそうな神社をピックアップしてみます。この「黒船稲荷神社」もそんな中の一つです。

そんな適当な感じで行ってみることにした神社ですので、もちろん予備知識はゼロの状態。

とりあえず昼飯を食べたら、まずは神社ではありませんが、富岡八幡宮のすぐ近くに深川不動堂と言う成田山の別院がありましたので、そちらにも寄ってみることに。

昼食を終え、ちょっと寄ってみようや、と言う軽い気持ちで深川不動堂に向かいます。

ところがどっこい。

この深川不動堂が凄かったんです…。すごく良かったんです。

かなり大きなお寺でして、見どころもたくさんありました。

ゆっくりと建物内を見物したり、生で護摩焚きを見たり、予想外に長時間を深川不動堂で過ごすことに。おそらく2時間ほどは過ごしたのではないかと。

予定では、ちょっと立ち寄って、あとは散歩がてら神社を回ろうって寸法だったんですけどね。

既に時間は15時過ぎ。

とにかく近くにある神社を回れるだけ回って、帰路に就こうと言うことに。

そんなに無理して回る必要は全くないんですけどね。

あまり来る機会のない場所ですので、ついついできるだけ回りたくなってしまうんです。

と言うことで、深川不動堂を後にして、まずは地図で近くに見つけた黒船稲荷神社に向かいます。

深川不動堂からは歩いて10分ほどでしょうか。

住宅が立ち並ぶ路地の一角に、稲荷の赤い鳥居が見えました。

黒船稲荷神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、五穀豊穣の神様である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。

創建は平安時代前期の天慶3年という説と、平安時代中期の応徳3年という説があります。浅草の黒船町という場所に創建されたのが始まりです。現在の台東区寿にあたる場所です。

創建の経緯にも諸説あるようです、一説には、藤原秀郷と言う武将の夢に、白狐を従えた神人が宝を満載した黒船に乗って現れたそうです。藤原秀郷はその際にご神託を受け、神社を造営し、黒船稲荷大明神と称したのが始まりとされています。

また、この付近にオランダ船が停泊していたことに由来すると言う説などもあるようです。

江戸時代中期の享保17年に浅草に火災があり、神社のあった黒船町も被災してしまい、社地も焼失しました。それにより現在の地に、町とともに神社も移転しました。当時の境内は、木が生い茂る「すずめの森」と呼ばれていたそうです。

また、江戸時代後期には、『東海道四谷怪談』の作者である四世鶴屋南北(よだいめつるやなんぼく)の自宅が境内にあり、晩年を過ごしたそうです。

浅草黒船町の歴史と共に、人々に厚く信仰されてきた神社です。

 

境内案内

住宅が立ち並ぶ路地の一角に、黒船稲荷神社はあります。小さな神社です。鳥居の奥には赤い幟端に挟まれた参道が延び、その奥に社殿が見えます。

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一礼して鳥居をくぐります。

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鳥居をくぐってすぐ、右手には『東海道四谷怪談』の作者である四世鶴屋南北についての記述があります。江戸時代には彼の自宅が境内にあり、晩年を過ごしたそうです。『東海道四谷怪談』もこの場所で書かれたとのこと。

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参道を進みます。

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手水舎がありませんでしたので、手をはたいてお清めをし、社殿の前に立ちます。小さな社殿ではありますが、とても古いもののように見えます。

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扉の前に小さな一対の神狐さん、中にも木彫りの神狐さんが一対見えます。

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参拝します。とても静かです。

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社殿を背にして参道を見ますと、このような景色です。

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小さな神社ですが、綺麗に維持されている境内でした。

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参拝を終えて

黒船稲荷神社は住宅街の一角、路地の中にあるのですが、江戸時代にはここが「すずめの森」と呼ばれる深い森だったそうです。今ではそんな景色は想像できませんが。

そして、木が生い茂る境内には、『東海道四谷怪談』の作者である四世鶴屋南北の自宅があり、晩年はそこで過ごしたとのこと。

僕は『東海道四谷怪談』は、その名前こそ聞いたことはありますが、実際にどのような物語なのか詳しくは知りません。幽霊の話、と言う程度の知識です。

四世鶴屋南北についても全く知識がありませんでしたので、ちょっと興味が湧きました。映画にもなってるみたいですので、何を見たらわかりやすいのか、調べてみようと思います。

現在の境内には、そんな四世鶴屋南北の自宅があった痕跡も全くありません。どのように家が建っていて、当時はどんな景色だったのか、知りたくなってしまいますね。

現在の黒船稲荷神社は、路地からでも境内が一目で把握できるくらい、小さいです。

鳥居をくぐると幟端に挟まれた参道があり、そのすぐ先に社殿あります。鳥居から社殿までは5メートルほどかと思われます。

鳥居、参道、社殿のみの境内、と言った感じで、とてもシンプルです。手水舎もありません。しかしながら掃除が行き届いていて、綺麗に維持されている印象があります。

また、参道の先にある社殿は、とても古いもののように見え、雰囲気がありました。

静かな境内で、ゆっくりと時間を掛けて参拝させて頂きました。

黒船稲荷神社は元々は浅草にあったものが、火事により町とともに現在地に移転したとのことです。

現在は江東区の牡丹と言う地名の場所にあるのですが、そのような地名があることも僕は初めて知りました。素敵な地名ですよね。これは付近で牡丹を栽培する農家が多かったことにより牡丹町とつけられたと言う節と、現在の錦糸町駅付近にあった牡丹園の職人が多く住んでいたため、と言う説があるみたいです。

この地名もありましたので、境内に咲いていた紫の花がもしかして牡丹なのか?と一瞬思ったのですが、紫陽花でした。

小さな神社ではありましたが、参拝できて良かったです。

この後僕たちは、地図で近くに見つけた於芳稲荷神社へと向かいます。

 

御朱印

黒船稲荷神社では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都江東区牡丹1-12-9です。

黒船稲荷神社の公式サイトはありません。

 

電車

東西線 / 大江戸線 「門前仲町駅」から徒歩4分。4番出口または2番出口からが近いです。

JR京葉線 「越中島駅」から徒歩7~8分。1番出口からです。

最寄駅は門前仲町駅です。路地の中にありますので、地図を見ながら向かうことをお勧めします。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。短時間でしたら、ご迷惑にならない範囲で、神社前の道路に路駐しても問題ないかとは思います。近くにコインパーキングもあります。

 

周辺のパワースポット

 

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