江東区にある亀戸天神社の参拝レポートです。
読み方は「かめいどてんじんしゃ」です。通称「亀戸天神」として親しまれています。東京十社の一社で、江戸三大天神と関東三大天神の一つにも数えられ、東の太宰府天満宮として、多くの参拝者が訪れる神社です。境内の美しい景色でも知られています。亀戸駅と錦糸町駅の中間辺りに位置しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
東京十社のひとつ「亀戸天神」へ
僕が亀戸天神を訪れたのは10月10日。
夏の暑さもいつのまにか去り、じょじょに秋の匂いがする季節です。
僕は昨年の11月に「東京十社巡り」なるものを始めました。東京十社と呼ばれる十の神社があることも僕は知らなかったのですが、嫁がどこからかそんな情報を仕入れてきまして、これは是非回ってみようと。
東京十社巡りには、専用の御朱印帳もあり、十社の神社でしたらどこでも買い求めることができます。
僕たち夫婦は、十社巡りで最初に訪れた、赤坂の日枝神社で買い求めました。
この他に木の御朱印帳もありまして、そちらもかっこ良かったんですけどね。迷った末にこちらにしました。
そして、赤坂の日枝神社、赤坂氷川神社に参拝し、その後はしばらく東京十社の神社にはなかなか行けないまま時間が過ぎ…。
ようやく今年の4月に、王子神社、白山神社、根津神社に参拝。
その後も品川神社、富岡八幡宮に単発で参拝し、これで十社のうち七社を巡ったことになります。
残すは神田明神、亀戸天神社、芝大神宮の三社です。
このうち神田明神には、過去に何度か参拝しておりまして、御朱印も頂いています。
しかしながら、東京十社巡りの御朱印帳にはまだ御朱印を頂いていなかったため、神田明神にも行く必要があるわけです。
十社巡りを始めたのが昨年の11月ですので、もうすぐ一年が過ぎてしまうことに。これはおちおちしていられません。
当初一年以内には全部回ろうと嫁と話していましたので、その目標を遂行するため、そろそろ行かねばならぬ時がやってきたのです。
嫁と予定を合わせ、10月10日に残り三社を巡ることに決定です。
10月10日に十社巡りを終わらせるという、10が並ぶのもなんとなく縁起が良い気もしますし。
と言うわけで、この日は早起きでまずは御茶ノ水駅に降り立ち、神田明神に参拝。東京十社の御朱印を頂き、続いて目指したのが亀戸天神です。
御茶ノ水からJR総武線に乗り5駅。亀戸駅に降り立ちます。
駅からは徒歩15分ほどのようですので、バスに乗るのか歩くのかちょっと迷いましたが、歩くのが好きな僕たちは徒歩を選択。
待ちの景色を楽しみつつ歩いて行きますと、亀戸天神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、菅原道真公が神格化された天満大神(てんまんのおおかみ)です。天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)とも称されます。
相殿には、菅原家の祖先とされる日本神話の神様、天菩日命(あめのほひのみこと)が祀られています。
創建は江戸時代の前期、寛文元年です。。菅原道真の末裔であった大宰府天満宮の神官、菅原大鳥居信祐は、天神信仰を広めるため全国を巡っていました。そして江戸の亀戸村に辿り着き、元々その地にあった天神の小さな祠に、道真公に縁のある飛び梅で彫った神像を祀ったのが始まりとされています。
江戸の大半を焼き尽くしたとされる明暦の大火の後には、江戸幕府により亀戸の地が復興開発事業の地と定められ、天神様を篤く信仰していた四代将軍綱吉は、天神様をその鎮守としてお祀りするように、現在の社地を寄進しました。
その後、大宰府天満宮に倣って、社殿、回廊、心字池、太鼓橋などが造営され、九州の太宰府天満宮に対して東宰府天満宮、亀戸宰府天満宮、本所宰府天満宮と称されました。
明治6年に亀戸神社、昭和11年に現在の亀戸天神社に改称されています。
境内では春には梅まつり、藤まつり、秋には菊まつりが開催されます。また、1月には縁起物である木彫りの鷽(ウソ)が授与される「うそ替え神事」も行われます。
江戸の浮世絵師であった歌川広重により、「名所江戸百景」の「亀戸天神境内」として太鼓橋が描かれています。
東京十社の一つ、江戸三大天神と関東三大天神の一つ、東都七天神の一つにも数えられている神社で、東の太宰府天満宮として、多くの参拝者が訪れる神社です。
境内案内
亀戸駅から歩きますと、途中に亀戸天神社の「東門」と書かれた入口があるのですが、正面から入るためそこを通過してしばらく歩きます。亀戸天神社の表参道入口は、蔵前橋通りという大きな通り沿いです。少し入った先には鳥居が見えます。
鳥居は大きな赤い鳥居。その先には橋が見え、社殿も見えます。
一礼して鳥居をくぐります。天気は快晴です。
鳥居の先には太鼓橋です。太宰府天満宮に倣い造られたものだそうです。一番手前が男橋で、過去をあらわす橋とのこと。
太鼓橋の両側には池です。こちらは左側。けっこう大きな池です。
こちらは右側。どちらにも鳥居の台座のようなものがありました。また、池の周りには藤棚があります。
さらに、左手にはけっこう近い距離にスカイツリーです。思わず「おー!」と言ってしまいます。
男橋を渡ります。男橋からは境内が見渡せるのですが、広いです。緑も多いですね。藤や梅の季節には、また違った景色が楽しめるんでしょうね。
男橋の次、真ん中が平橋です。現在をあらわす橋です。
右手の藤棚の先には境内社があるのも見えます。そちらには後ほど行ってみることに。
平橋を渡ります。左右には石碑がいくつかありました。前方の社殿も近付いてきます。
こちらが最後の女橋です。未来をあらわす橋です。三つの太鼓橋を渡ることで、心が清められるといわれています。
女橋を渡りますと、ようやく拝殿の全貌が見えます。
女橋を渡りきった先、左手には藤が咲いている境内の写真がありました。是非その季節にも来てみたいですね。
その先には、五歳の菅原道真公の像です。五歳の時に詠まれたという歌も。
五歳の道真公の隣りには、幸運を招くとされる鳥「鷽(ウソ)」の碑です。下には小さな木彫りのウソもたくさん。
道真公やウソの向かい側が手水舎です。
お清めをします。手水舎には亀ですね。亀の口から水が出ています。
拝殿に向かいます。赤を基調とした色使いが綺麗で、青空に映えています。建物も大きいです。
近付くと、より赤が強くなる感じがします。
秋晴れの空の下、心を無にして参拝します。
拝殿を背にして境内を見ますとこんな景色です。広いです。
散策してみます。拝殿に向かい左手はこんな感じ。白い社には神牛の姿が。
こちらが亀戸天神の神牛さんです。触れると病を治し、知恵を授かると言われています。
神牛さんの奥には、宝物殿でしょうか、白い建物がありました。
拝殿を左斜め前からも撮影。神牛さん越しに。
神牛の向かい側のエリアには、石碑がたくさん並んでいました。
句碑があったり立派な木があったり。
奥に進むと「燐寸塚(マッチ塚)」です。マッチの国産化に初めて成功した清水誠さんという方の碑です。
マッチ塚からさらに奥にも小路が延びていますので、行ってみます。
塀には天神様の梅の紋章。この辺りには何かの台座や大きな石もありました。
その先には神輿庫です。小路はそのまま続いていて、そちらからも亀戸天神には出入りできるようです。社殿の左奥にあたる場所ですね。
再びマッチ塚の前まで戻り、今度は境内の左手を入口の方に向かって歩きますと、紅梅殿があります。菅原道真公が左遷された際、日頃可愛がっていた梅が後を追って飛んできたと言われ、その実生を祀ったのが紅梅殿です。こちらも太宰府天満宮より勧請されたものになります。
紅梅殿の扉には綺麗な梅が彫られていました。
紅梅殿に向かい右手はこんな感じです。神社の入口方面ですね。
そちらに歩いてみますと、若福さんという和懐石のお店がありました。高そうなお店です。
再び境内の中央辺りに向かいます。
いい景色です。女橋の手前にあるのが、琴柱灯籠(ことじどうろう)という灯籠です。琴の弦を支える琴柱に似ていることに由来しているそうです。
池には亀がたくさんいます。亀戸だけに。合格祈願に訪れた受験生が、合格のお礼として亀を放流したりもするそうです。
女橋の手前、右手に弁天社がありましたので、こちらにも参拝。
弁天社の周囲は藤棚になっています。これだけ藤があると、咲いた景色がますます見たくなりますね。
再び女橋を渡り拝殿の前へ。拝殿の右手に授与所があり、こちらで御朱印を頂きました。
社殿を右斜め前からも。綺麗です。
授与所の向かい側にも石碑です。
さらに右手には神楽殿。そのお隣、木に隠れているのが御嶽神社です。
神楽殿には、弓を持った人や書物を開いている人など、珍しい彫刻が掘られていました。
念のため、と思い神楽殿の裏手に回ってみますと…
「亀井戸跡」と書かれた井戸の跡です。そして、亀のように見える大きな石が二つ。
さらにその奥には、塩をかぶった「おいぬさま」が。まるで雪の中にいる犬のようです。このようなものは初めて見ました。手を合わせます。
神楽殿の裏手の先が、亀戸天神社の東門になります。参拝者用の駐車場もこちらにありました。
神楽殿の前辺りから拝殿を見るとこんな景色です。横からの絵になります。
続いて、神楽殿のお隣にある御嶽神社へ。
御嶽神社の入口にある石灯籠は、庶民のために私財を投じた塩原太助という人物が奉納した、「太助灯籠(たすけどうろう)」と呼ばれるものです。
鳥居をくぐり、御嶽神社にも参拝します。ここには、菅原道真公の学問の先生が祀られているとのこと。
御嶽神社に向かい右手はこんな感じです。境内の右手にあたる場所です。入口の方に向かってみます。
途中、江戸時代の浮世絵師だった歌川豊國の碑です。他にもいくつか石碑が並んでいました。
こちらはその先にあった花園社です。菅原道真公の奥様である宣来子の方と、お子様が祀られているとのこと。参拝します。
梅の季節の境内写真もありました。藤も見たいですけど、梅も見たいですね。
こちらは松尾芭蕉の碑です。境内には石碑が至るところにあります。
入口の鳥居付近まで戻りますと、いくつか石碑が並ぶ中に「筆塚」がありました。
筆塚の前から見た太鼓橋とスカイツリーです。なかなか素敵な景色です。
広い境内を一通り散策し、亀戸天神社を後にしました。
参拝を終えて
初めて訪れた亀戸天神社。
大きくて見どころ満載の素敵な神社でした。
まず、もう入口からやられます。赤い鳥居の先には橋が掛かり、その先に拝殿の頭だけ少し見えるのですが、この景色がいいんですよ。
鳥居の先に見える赤い橋が、有名な「太鼓橋」というものなのですが、太鼓橋とは「太鼓のように丸く(半円形に近く)掛かった、そり橋」のことだそうで、この太鼓橋があることで、入口からの景観が独特なものになっているかと思います。
他の神社ではなかなか見ることがない絵です。
実際に境内に入り太鼓橋を進みますと、さらに「おー!」と言ってしまう景色が広がっているんです。
最初の太鼓橋である男橋からは、境内がけっこう見渡せる感じになっていて、両脇には池、前方の拝殿前には、藤棚や梅の緑が一面に広がっていて、見事な景観になっています。
春には梅まつりと藤まつりが開催されるとのことで、その時期に来たら梅や藤が綺麗に広がる、また全然違った景色が見れるんでしょうね。
僕たちが訪れたのは秋でして、梅も藤も咲いてる季節ではありませんでしたが、それでも太鼓橋から見える一面の緑はとても素敵で、印象に残りました。
太鼓橋は入口にある大きなものが男橋、真ん中の平らなのが平橋、奥の社殿に近い方が女橋と呼ばれるもので、境内をうろうろしていますとこれらの太鼓橋を色々な角度から見ることになるのですが、どこから見ても絵になる橋でした。
また、太鼓橋やその付近からはスカイツリーもけっこう近くにはっきりと見えまして、田舎者の僕はついそれに興奮してしまいました。
他にも、神楽殿の裏手に祀られていた「おいぬさま」も、不思議な感じがして忘れられません。
塩まみれになっているお犬さまなのですが、塩がまるで雪のようで、雪の中にいるみたいで綺麗でした。
おいぬさまに塩を擦り込むと祈願が成就するといわれ、病気治癒や商売繁盛のご利益があるそうです。
おいぬさまのはっきりした由来などはわからなかったのですが、摂末社の狛犬さんだったものが、いつしかこのような形になっているのではないかと考えられているみたいですね。
おいぬさまのお隣には「亀井戸跡」と書かれた井戸もあって、そこには亀の形をした石もありました。この井戸が亀戸という地名の由来になっているのかどうかはわかりませんでしたが…。
神楽殿の裏というまさかの場所にあったおいぬさまと亀井戸跡。危うく見逃すところでした。念のため裏にも回ってみて良かったです。
池にはたくさんの亀いたり、手水舎は亀の口から水が出ている珍しいものだったり、紅梅殿の梅の彫刻が素敵だったり、そこらじゅうに石碑があったり。
あとは、天神さまと言えば牛さんですね。
天神信仰では牛が神の使いとされていて、境内には神牛の像もあります。僕は神社で牛を見るのはここが三ヶ所目なのですが、牛って可愛いですよね。ついつい正面から顔を見つめてしまいます。
10月の晴れた空の下、のんびりとした時間を過ごさせて頂きました。
亀戸天神は、天神信仰の総本社である九州の大宰府天満宮に倣って造営されたとのことですので、いつか大宰府にも行ってみたいです。
亀戸天神社を後にした僕たちですが、鳥居を出てすぐのところに、「八べえ」という鰻や活魚の食堂がありまして…
ここは嫁がつい最近テレビで見たお店らしく、青うなぎというのが有名とのこと。
僕も嫁もうなぎは好きですし、青うなぎなるものは今まで食べたことがありません。是非一度は食べておきたい。
メニューを見ますと、青うなぎはある日とない日があるようですし、値段も変動がある様子。この日は「4,100円」がついていました。
めちゃめちゃ食べたかったのですが…そのお値段と、まだお昼にはかなり早い時間だったこともあり、今回は断念。
いつかおなかいっぱい青うなぎを食べられる男になりたいです。
そんなわけで、青うなぎに後ろ髪を引かれつつ、僕たちは次の目的地である香取神社に向かうことに。
もともと香取神社には行く予定がなかったのですが、亀戸天神と亀戸駅の途中にあるようなので、立ち寄ってみることにしたんです。
その道中、気付きました。
道路沿いには、亀戸天神にあった「鷽(ウソ)」が色んなところに建てられていることを。
行きには全く気付かなかったです。
帰りも嫁が気付いたんですけどね…。
ウソだろ、こんなところに。と呟いた僕は、しばらく嫁の冷ややかな視線を浴びながら、香取神社を目指します。
御朱印
こちらが亀戸天神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印とお御守りを頂ける時間は、8時から18時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は 東京都江東区亀戸3-6-1です。
亀戸天神社の公式サイトはこちらです。
http://kameidotenjin.or.jp/
電車
①総武線・東武亀戸線 「亀戸駅」 から徒歩15分。
②JR総武本線・半蔵門線 「錦糸町駅」から徒歩15分。
③各線 「押上駅」から徒歩17分
徒歩ですと少し距離があります。都バスですと亀戸駅前から乗車し「亀戸天神前」で降りてすぐです。
駐車場
参拝者用の駐車場(午前8時から午後5時頃まで)がありますが、20台ほどしか駐車できませんので、公共交通機関の利用が推奨されています。近くにはコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
江東区の神社一覧
東京十社巡り
亀戸天神社は「東京十社」の一つに数えられている神社です。東京十社巡りについて、こちらの記事で詳しく紹介しています。