熱海市にある湯前神社の参拝レポートです。
読み方は「ゆぜんじんじゃ」です。熱海温泉を守護している神社で、すぐ近くには走り湯とともに熱海温泉の源泉といわれる大湯があります。大湯は徳川家康も湯治に訪れたといわれ、「出世の湯」とも呼ばれています。最寄り駅は来宮駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
熱海の「湯前神社」へ
季節は冬。一月の中旬です。
嫁と二人で一泊二日の温泉旅行に熱海までやって来ました。
温泉にのんびり浸かりつつ、熱海にある有名な二つの神社、伊豆山神社と来宮神社に参拝するのが今回の旅行の目的でもあります。
まず初日に伊豆山神社に参拝し、そこから一時間掛けて登った先にある、伊豆山神社の本宮にも参拝。その後は旅館で温泉を満喫します。
そして二日目は、樹齢二千年の大楠で有名な来宮神社へ。来宮神社は熱海駅のお隣、来宮駅から歩いてすぐの場所にあります。
巨大な大楠に感動し、境内でのんびり過ごしてから来宮神社を後にしたわけですが…。
この時点で僕たちは、熱海旅行の目的であった二つの神社を回り終えてしまったわけです。
時刻はまだお昼前で、帰りの電車は夕方に熱海発の新幹線です。
さて、どうしたものかと。
いつも雑な計画で動いていますので。
しかしながら、一応ではありますが、事前に熱海にある神社はなんとなく調べてあったりします。なんとなくですが。
参拝予定だった伊豆山神社と来宮神社の近くに、他に神社はないかと。もしあるのなら、あわよくば寄ってみようと言う感じで。
そして来宮神社の近くにも、二つほど神社があったのを確認しているんですよ。
それが湯前神社と藤森稲荷神社です。
行くかどうか未定でしたので、しっかり調べたわけではなかったのですが、せっかく時間が余っているのだから、どうせならその二つに行ってみようと言うことに。
しっかし調べずに行ったことを、後でおもいきり後悔するんですけどね。この時はそんなことは思いもせず。
来宮神社を出てから地図を確認しますと、どちらもけっこう近くのようです。
湯前神社の方が近そうでしたので、まずはそちらから行ってみることにします。
地図を頭に入れて歩き出します。
かなり急な坂を下って行きますと、ところどころに湯けむりが上がっているのが見えます。この景色は温泉街ならではで、自然とテンションも上がってしまいます。
途中、側溝から湯けむりが激しく上がっている場所がありましたので、手をかざしてみますと、思った以上に温かくてびっくりしました。冷え切った手を温めることができました。
そして、ただただ頭に入れた地図と勘を頼りに湯前神社に向かっていたのですが、到着したか?と思った場所はまさかの墓地。
どうやら道に迷ったようで、改めてスマホを取り出しGPSを使うことに。最初からそうすれば良かったんですけどね。僕も嫁も意外と面倒臭がりなので。
改めてGPSを頼りに歩き出しますと、すぐに湯前神社に到着しました。
ご由緒
ご祭神は、少彦名神(すくなびこなのかみ)です。日本神話の神様で、医薬、温泉、知識、酒造、商業の神など、様々な性質を持った神様です。
創建は奈良時代の天平勝宝元年です。「諸病を除く効果があるので温泉を汲み取って浴せよ」との神託があり、祠が建てられ、少彦名神を祀ったのが始まりとされています。
また、万巻(まんがん)上人という僧が「湯前権現」と称して温泉の守護神として祀ったのが始まりだという説もあります。
鎌倉時代になりますと、湯治の神として信仰されるようになりました。
すぐ近くは、走り湯とともに熱海温泉の源泉と言われる「大湯」があり、現在その場所はには日航亭という日帰り温泉があります。大湯は徳川家康も湯治に訪れたことから「出世の湯」とも呼ばれています。
同じくすぐ近くには大湯の間歇泉もあります。かつては世界の三大間歇泉の一つに数えられていましたが、大正12年の関東大震災で噴出が衰えてしまい、現在は人工的に噴出させています。
大湯をはるか昔より見守り、熱海温泉を守護している神社です。
境内案内
来宮神社から多少迷いつつも歩くこと10分ほど。立派な楠が見え、湯前神社に到着しました。
こちらが湯前神社の入口になります。大きな神社ではなさそうですが、何かしら惹かれるものがある外観です。風情がありますね。
鳥居の前には境内の石鳥居と石灯篭についての説明書き。江戸時代に久留米藩の藩主だった有馬よりゆきという人物が、熱海に湯治に訪れた際に奉納したものとのこと。
石鳥居を一礼してくぐります。
鳥居の先、左手には湯前神社のご由緒書き。
ご由緒書きの隣りにも石灯篭がありましたが、先ほど書かれていたのはこちらではないようです。後ろには石碑もあります。
右手に手水石です。この手水なのですが、熱いお湯が流れてました。湯けむりが上がっていましたので触る前に察しはついたのですが…。めちゃめちゃ熱いお湯でした。
熱いお湯でお清めをし、石段を登ります。この石段の途中にある左右の石灯篭が、先ほど書かれていた灯篭です。
左の石灯篭の先には、何が書かれているかわかりませんでしたが…大きな石碑もあります。
右の石灯篭の先にも、これまた大きな石碑です。こちらは名前と金額が書かれていましたので、奉納した人を記した何かしらの石碑かと。
石段を上り切り、社殿とご対面です。右手には大きな御神木も目に留まります。
こちらは左の狛犬さんです。なかなか特徴的な顔立ちをした狛犬さんです。
こちらは右の狛犬さん。どちらも少し怪獣っぽい顔立ちをしていますね。
社殿に進みます。社殿の後方では湯けむりが上がっていました。
静かな空気が流れる中、参拝させて頂きます。
境内を一周してみます。社殿に向かい左手には石碑。こちらは明治に火災で社殿が焼失した際に、再建に大きく貢献した神部千三氏の功績を称えた碑とのこと。
反対側、社殿に向かい右手にも石碑です。こちらは鎌倉幕府の三代将軍である源実朝が、熱海を訪れ大湯を見た際に詠んだ歌です。「都より 巽にあたり 出湯あり 名はあづま路の 熱海といふ」。
社殿を右斜め前からのアングルで。シンプルですが素敵です。
こちらは社殿の右奥です。特に何かあるわけではありませんが。少し広くなっています。
社殿の左はこんな感じです。建物がありましたので、社務所かな~と思い、御朱印について聞こうとドアをノックしてみたのですが…応答無しでした。
帰りにもう一度、手水鉢の温泉に何度か触り、湯前神社を後にしました。
参拝を終えて
急遽訪れることになった湯前神社。
参拝できて良かったです。足を延ばしてみて正解でした。
何よりも、手水鉢に水ではなくお湯が流れているというのが、インパクトが大きかったですね。しかも、そのお湯がめちゃめちゃ熱いんですよ。熱くてほんの少ししか触っていられないです。長く触るとおそらく火傷するレベルですね。
この湯前神社の他では、長野にある諏訪大社にやはり温泉が出ている手水がありまして、それ以外には今のところ僕は知りません。
手水鉢から湯けむりが濛々と上がっている様子は、温泉を護る神社ならではの景色ではないでしょうか。なんだな素敵なものを見ることができました。
また、狛犬さんも怪獣のような特徴的な顔をしていて、印象に残りました。
足を延ばしてこちらに参拝できたことは本当に良かったのですが…。
大きな後悔が二つ。
一つは御朱印。
もう一つは大湯です。
まず御朱印に関してですが、なんと湯前神社の御朱印は、来宮神社の授与所で頂けるらしいんですよ。後になって知りました…。
湯前神社から来宮神社までは徒歩で10分ほどですし、僕たちは来宮駅から帰る予定ですので、その通り道です。その情報さえ事前に把握していれば、帰りにもう一度来宮神社に寄り、御朱印を頂けたのにと。
僕も嫁も大きな後悔をすることに。
その場でちゃんと調べれば良かったのですが、何故かそれを怠ってしまったんですね。スマホの持ち腐れです。
やっぱり神社に行く時には、事前にある程度調べてからの方が間違いないですよね。そう実感しました。僕も嫁も猛烈に反省です。
そして後悔は御朱印だけではなく、もう一つ。それが「大湯」です。
この記事内でも何度もその名前は出しているのに、まさかの僕たちは行っていないんです…。
走り湯とともに熱海の源泉と言われ、かつて世界の三大間歇泉の一つに数えられてたという大湯。源実朝も歌に詠んでいる大湯。あの家康も湯治した大湯。
後から知ったのですが、その場所は湯前神社の鳥居からほんの少し下った場所に、その大湯の間歇泉があったんですよ。時間にして30秒くらいなんじゃないかと…。
つまり、すぐ近くにあったんです。
こちら、熱海観光協会の公式サイトに載っていた大湯間歇泉の写真です。
(画像引用元:https://www.ataminews.gr.jp/)
しっかり下調べさえしておけば。
すぐ近くにあったのに行かなかったなんて…。
もう後悔ばかりです。
さらには、湯前神社のお隣に日航亭という日帰り温泉があったのですが、ここが元々大湯があった場所とのこと。時間もあったので、寄れば良かったと…。
猛烈に反省です。
この経験を次に生かし、神社に行く際には、その神社について事前にある程度調べておくことを、今後は肝に銘じたいと思います。
しかしながら、ちょっと前向きに考えますと…「また熱海に来なさいよ」ということかな~とか。そんなふうにも考えたみたり。
また熱海を訪れた際には、必ずやリベンジしようと思います。
その際には、御朱印の写真と大湯の写真を改めて紹介させて頂きます。
続いて湯前神社を後にした僕たちは、地図で近くに見つけた藤森稲荷神社へと向かいます。
追記:
令和5年に再訪し、来宮神社で御朱印を頂くことができました。
御朱印
こちらが湯前神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
湯前神社の御朱印は、来宮神社で頂くことができます。御朱印を頂ける時間は、9時から16時半までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は静岡県熱海市上宿町4-12です。
湯前神社の公式サイトはありません。
電車
①JR「来宮駅」から徒歩15分。
②JR「熱海駅」から徒歩20分。
細い路地の途中にありますので、地図を見ながら歩いた方が確実かと思います。
駐車場
日航亭を利用する場合、神社の入口に日航亭の駐車場があります。すぐ下の大湯間歇泉の前にも、数台停められるスペースがあります。
周辺のパワースポット
熱海市の神社一覧
僕が参拝した熱海市の神社一覧です。