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坪宮(府中市/本町)の御朱印と見どころ

大國魂神社坪宮の紹介

府中市本町にある坪宮の参拝レポートです。

読み方は「つぼみや」です。武蔵国の総社である大國魂神社の境外摂社で、坪宮社、国造神社とも称されています。大國魂神社の例大祭であるくらやみ祭の際には、こちらで「国造代奉幣式」という神事が行われています。最寄り駅は府中本町駅です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

大國魂神社の摂社「坪宮」へ

7月末の暑さも厳しい木曜日。

嫁と二人で府中まで映画を観に出掛けて来ました。

午後から映画を観る予定でして、その前にちょこっと神社に寄って行こうと。

猛暑の中ですので、がっつりと神社巡りというのはせずに、一ヶ所だけ寄るという感じです。

と言いますのも、府中で行っておきたい神社が一ヶ所ありましたので、今回の映画という機会を逃さず、ちょこっと足を延ばして参拝することにしたんです。

その神社が、こちらの記事で紹介する、大國魂神社の坪宮になります。

大國魂神社については、こちらの記事で詳しく書いています。 

坪宮は大國魂神社の境外摂社とのことですので、大國魂神社の記事内に追記してもよかったのですが、せっかくなので別記させて頂こうかと。

うちの嫁は、府中市のお隣、稲城市の出身です。生まれも育ちも稲城市でして、子供の頃から大國魂神社はよく訪れていたみたいです。

で、そんな嫁が坪宮の存在を教えてくれました。

大國魂神社のHPには、しっかりと坪宮についても記載があります。僕は以前大國魂神社の記事を書くに辺り、HPはけっこう細かく拝見したはずなのですが、坪宮については全く気付かず…。今回初めてその存在を知りました。

坪宮は、大國魂神社の例大祭である「くらやみ祭」の際に、重要な儀式が行われている場所らしいんです。

僕は実際に見聞きしたわけではないので詳しいことはわかりませんが、くらやみ祭にて夜に御神輿が出発すると、その出発の報告が、この坪宮にされるらしいんです。

この儀式は「国造代奉幣式」と呼ばれていて、御神輿の報告と共にお供え物がされるとか。

つまり、大國魂神社にとって重要な意味のある神社、大切な神社なのだと思われます。

そのような話を耳にしますと、境外摂社で大きな神社でこそありませんが、是非とも一度は訪れてみたくなるものです。

場所はJRの南武線を挟んで大國魂神社の西です。南武線の府中本町駅から歩いて5分ほどのようです。

嫁が行ったことがあるとのことでしたので、府中本町駅に降り立った後は、嫁の記憶を頼りに向かってみます。

しかし、いきなり嫁が曲がる路地を間違えます。

少し早く曲がってしまったのですが、その先にはまさかの違う神社がありました。

御殿稲荷神社という小さなお稲荷さんです。

偶然見つけた御殿稲荷神社に参拝し、今度は道を間違えないよう地図を確認し、改めて坪宮を目指します。

御殿稲荷神社からは歩き始めてすぐ、今度こそ坪宮を見つけました。

無事到着です。

 

ご由緒

坪宮のご祭神は、武蔵国の初代国造(国を治めた豪族)である兄多気比命(えたもひのみこと)です。武蔵国東部である无邪志国の初代国造という説もあります。

創建の年代などは不明ですが、出雲国造の氏族であった出雲氏の祖神、天穂日命(あめのほひのみこと)の後裔として、兄多気比命が国造に任ぜられて以来、代々の国造が奉仕し、その霊が祀られたそうです。

武蔵国の総社である大國魂神社の境外摂社で、坪宮社、国造神社とも称されています。

大國魂神社の祭務は、代々の武蔵国造が行ったと伝承されていて、例大祭であるくらやみ祭では、夜に御神輿が出発する際に奉幣を献ずる「国造代奉幣式」が現在も行われています。

武蔵国造と大変関わりの深い神社で、大國魂神社にとって重要な役割を持つ摂社です。

 

境内案内

少し細めの路地を進んで行きますと、緑が茂る一角があり、そちらが坪宮のようです。

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坪宮に到着です。石鳥居があり、その右奥に社殿です。小さな神社です。

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境外から社殿の正面に立ってみます。

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参拝のため鳥居の正面へ。扁額が少し欠けてしまっています。

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鳥居の右脇には「武蔵府中郷土かるためぐり」と書かれたものがあり、どうやらこの場所はその一番目の場所のようです。

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一礼して鳥居をくぐります。扁額には「坪宮社」と刻まれています。

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鳥居をくぐると正面の奥には大きな木が聳えています。

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大きな木を前にすると、いつも思わず見上げてしまうものです。

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さらに右手、社殿の後ろにもまた別の種類の大きな木が伸びているのが見えます。

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参道は右に折れ、その先に社殿です。

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社殿の前に立ちます。社殿はとても質素な建物です。

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社殿の変額は、比較的新しめのものに見えました。

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蒸し暑い夏の境内にて、参拝します。

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社殿を振り返るとこんな景色です。

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境内の右手はこんな感じです。社殿の前にあった一対の燈籠は、どちらも古いものに見えました。

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こちらは社殿を右斜め前から。社殿の裏手にも道があるようですので、行ってみることにします。

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坪宮の境内を後にして、元来た路地を戻り、もう一本先の道を進んでみます。右手の大きな木が見えるところが坪宮になります。

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坪宮の裏手に到着です。

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境内の左奥にあった大きな木はムクノキでした。

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シュロの木の奥に見えるのがムクノキです。でかいです。

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社殿の裏手に伸びていたこちらの木は、何の木なのかわかりませんでした。この木とムクノキをしばらく見上げ、坪宮を後にしました。

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参拝を終えて

坪宮は、とてもひっそりと鎮座している神社でした。静かにひっそり、そんな印象です。

境内もとてもシンプルで、石鳥居があり右に折れる参道があり、その先に社殿があるのみです。右手は林のようになっていて、社殿の後方には大きな木が茂っているので、少し薄暗い感じもあります。

僕たちが訪れたのが夏でしたので、蝉の声が賑やかではありましたけれど、神社の雰囲気としてはひっそりでした。

坪宮には武蔵国(无邪志国という説もある)の初代国造である兄多気比命が祀られているとのことですが、武蔵国というのは、かつての日本の行政区分であった国の一つで、現在の東京、埼玉、神奈川の一部という広大な地域です。そこを治めていた最初の国造が祀られているんです。

大國魂神社の祭務は代々その武蔵国造が行っていたそうですので、そう言ったことからも、大國魂神社と坪宮の深い繋がりを窺うことができます。

例大祭では、御神輿が出発した報告を坪宮に行う「国造代奉幣式」という儀式があるとのことですので、国造との密接な関係が、現在の儀式にも繋がっているんだと思います。

僕はこれまで大國魂神社のくらやみ祭には二度行ったことがあります。境内が屋台で埋め尽くされ、お化け屋敷なんかも出てて、ものすごく賑やかなお祭りです。僕はあれほどの屋台が出ているお祭りは、くらやみ祭以上のものはまだ見たことがありません。もちろん屋台以外にも見どころはたくさんで、盛大なお祭りです。

そんなくらやみ祭の中、この坪宮では国造代奉幣式というのが行われていたんですね。

ひっそりと行われる儀式のようですので、果たして見学できるものなのかわかりませんが、どのようなものなのか見てみたくはなります。

神社のご由緒だったり、儀式だったり、そういうのってその土地の歴史と深く繋がっていたりするので、面白いですよね。

大國魂神社や武蔵国の歴史に縁のある、坪宮という場所を訪れることができて良かったです。

坪宮の境外へ出た僕たちは、社殿の裏手にも別の道が通っているのがわかりましたので、そちらにも回ってみました。

そうしますと、表から見えた社殿裏の大きな木が間近に。

一本は大きなムクノキで、もう一本は何の木なのかわからなかったのですが、どちらも大きくて迫力がありました。特にムクノキは素晴らしかったです。

坪宮を後にした僕たちは、予定通り府中の映画館に向かい、エアコンの効いた涼しい館内で映画を楽しみました。

観た映画は細田守監督の最新作『未来のミライ』です。面白かったです!

映画の後には大國魂神社に参拝し、帰路に就きました。

暑い中でしたが、いい神社巡りができました。

 

御朱印

坪宮の御朱印はありません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都府中市本町2-12です。

大國魂神社の公式サイト内に、坪宮の記載があります。
https://www.ookunitamajinja.or.jp/meguri/tsubo.php

 

電車

JR南部線 「府中本町駅」から徒歩5分。

改札を出たら左手に進み坂を下り、途中の路地を右折です。

京王線 「府中駅」から徒歩10分。

南口を出て大國魂神社前の信号を右折し、府中本町駅方面です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。神社前の道路は狭い道ではありますが、神社の少し先がやや広めですので、ごく短時間でしたら、他の車のご迷惑にならぬよう路駐しても問題ないかとは思われます。近くにはコインパーキングもあります。

 

周辺のパワースポット

 

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