横須賀市の東浦賀にある東耀稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「とうよういなりじんじゃ」です。社殿の格天井や欄間の彫刻は、浦賀の稲荷社の中では随一といわれています。社殿の屋根には、恵比寿さまと大黒天さまの飾り瓦もあります。最寄駅は京急の浦賀駅になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
浦賀の「東耀稲荷神社」へ
この日は嫁と二人で、三浦半島への小旅行に出掛けて来た初日です。
9月の中旬で、まだ残暑が厳しい季節。天気はあいにくの曇り空ですが、雨は大丈夫そうです。
一泊二日の小旅行で、神社巡りと三崎のマグロ、それと城ヶ島の海岸をのんびり歩こうかという、緩い感じの夫婦旅です。一昨年の夏にも同じようなコースでこの辺りには訪れていますので、それ以来、今回が二度目の三浦半島です。
まずは京急の馬堀海岸駅から走水神社にバスで行き、参拝。のんびり散策した後には、神社のすぐ近くにあった味美食堂にて美味しい魚ランチです。ビールを一杯飲んでしまい、既にほろ酔いです。
続いて浦賀駅に移動し、次の目的地である東叶神社を目指します。浦賀駅からはバスと徒歩です。
あくまでも目的地の優先順位は東叶神社だったのですが、東叶神社の最寄バス停の近くには、他にもいくつか神社があるんです。事前に地図を見ていて発見してしまいました。
東叶神社へは「新町」というバス停で降りるのですが、そこから少し戻ったところに津守稲荷神社と八雲神社。そして東叶神社方面に東耀稲荷神社と三浦稲荷神社の、四ヶ所です。
時間的にもまだ余裕がありそうでしたので、僕たちはそれら四ヶ所の神社も回ってみることにしました。
まず津守稲荷神社と八雲神社を見つけ出して参拝し、続いて東耀稲荷神社へと向かいます。
そして歩き出してすぐ。
そこでは、僕たちを焦らせる事態が待ち受けていました…。
東叶神社に対し、港の反対側には西叶神社がありまして、船で渡るとすぐなんですよ。「浦賀の渡船」と呼ばれるものがあり、これに乗ればあっと言う間に対岸の西叶神社の目の前まで行くことができるんです。一昨年も僕たちはそのルートで東叶神社から西叶神社に行きました。で、今回もそのルートで行く計画です。
しかしです。
東耀稲荷神社に向う途中に、「浦賀の渡船」が欠航しているとの案内が出ているではありませんか…。
数日前に台風がきていまして、どうやらその影響のようです。
僕たちはこの日、城ヶ島で宿を取っていまして、夕方までにはホテルに行く必要があります。時間を逆算してけっこう余裕かと思っていたのですが、港を渡れないとなると少々急ぐ必要が出てきます。
ここまでのんびり散歩気分で神社巡りをしていたわけですが、予想外の船の欠航に、急に焦り始めます。
とりあえず、目的である東叶神社を目指そうと歩き始めるのですが、途中の東耀稲荷神社と三浦稲荷神社に立ち寄る時間的余裕が果たしてあるのかどうか。
ちゃんと協議もしないまま、とりあえず歩いておりますと…。
赤い鳥居が目に入り、東耀稲荷神社の入口を発見してしまいました。
急いでいるとは言え、これはもう立ち寄らないわけにはいきません。
東耀稲荷神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、食物神である保食神(うけもちのかみ)です。宇迦御魂命(うかのみたまのみこと)とも同一視されている食物や穀物の神様です。
創建は江戸時代中後期の天明2年です。元々は隣接する東耀山顕正寺の境内にあり、明治の神仏分離令までは顕正寺が管轄していました。そのような経緯があり、社名は東耀山顕正寺に由来しています。
社殿の格天井や欄間に施された彫刻は、東西浦賀の稲荷社の中では随一と言われています。浦賀の町が賑わっていた頃に掘られたものです。
社殿の屋根の左右には、恵比寿さまと大黒天さまの飾り瓦もあります。
火伏せの神様としても崇拝されている神社です。
また、疫病が流行した際に、それを治めるために素盞嗚尊(すさのおのみこと)が勧請され、須賀神社が合祀されています。
港町として繁栄した浦賀にて、人々に厚く崇敬されてきた神社です。
境内案内
渡し船の欠航を知り、急ぎ足で東叶神社方面へ歩き出します。
その途中、東耀稲荷神社を発見。鮮やかな鳥居の赤とソテツの緑が目に飛び込んできました。魅力的な外観です。
こちらが正面です。鳥居とソテツの調和がめちゃめちゃ綺麗です。
鳥居の脇は東耀稲荷のご由緒。ここで初めて東耀稲荷の「とうよう」という読み方を知りました。ご由緒のところに振り仮名が振ってあったので。
一礼して鳥居をくぐります。扁額には「東耀稲荷大明神」と書かれています。
石段を上ります。石段は少し左に折れていています。
石段を上り切ると、目の前に社殿です。正面の彫刻が目を惹きます。そして、屋根の左右には何かが…。
屋根の右端にいたのは恵比寿さまです。釣り糸を垂らしていて、その先には五円玉。
屋根の左端にいたのは大黒天さまです。社殿の屋根に恵比寿さまや大黒天さまがいるのは、僕はここで見るのが初めてです。
恵比寿さまと大黒天さまに興奮してしまいましたが、いったん落ち着きます。左手に手水鉢がありました。
再び社殿の前に進みます。正面に見えるのは二匹のお狐さんの彫刻です。
参拝します。扁額には「須賀神社」。
奥には唐獅子と思われる彫刻も見えます。こちらは奥の右手です。
左奥にも唐獅子と思われる彫刻です。
社殿の中を見ることができたのですが、天井には一面に見事な彫刻が施されていました。写真が上手く撮れなかったのですが、一応載せておきます。彫刻が全然見えずにすみませんが…。
社殿を右斜め前からも激写。やっぱり彫刻が凄いですね。
右奥はこんな感じになっています。岩壁です。
左斜め前からも撮影。
境内で彫刻を見たりしてしばらくのんびりと過ごし、東耀稲荷神社を後にしました。上から見た石段の景色も素敵でした。
参拝を終えて
時間に追われる気持ちを抱えながら訪れた東耀稲荷神社。
急いでいることもすっかり忘れ、ついついのんびりと過ごしてしまいました。
小さな神社ではありましたが、見どころも色々とありましたし、とても居心地の良い神社でした。
まず、入口からして魅力的なんです。この外観が僕は一番印象に残っています。
赤い鳥居の後ろには大きなソテツが茂っていて、その間に石段が延びています。この赤と緑がとても鮮やかで、一瞬で惹き付けられてしまう外観なんです。
そして、ちょっとした秘密基地の入口みたいなんですよ。個人の感想ですが。
子供の頃だったら、絶対秘密基地みたいにして遊んでたんだろうな~と思ってしまう造りなんです。ソテツの間の石段は途中で折れて延びていて、入口からでは上がどうなっているのかわからないんですよね。それがまた、秘密基地感を増幅させています。嫁は特にそのような印象は持たなかったようですが、僕は一人でワクワクしてしまいました。
鳥居をくぐり石段を上がった先には社殿があるのですが、これがまた凄いんです。
まず目に入るのが、社殿の屋根にいる大黒天さまと恵比寿さまです。大黒天さまが左の端、恵比寿さまが右の端にいます。恵比寿さまの方は釣り糸を垂らしていまして、その先には五円玉が付いていて、揺れてるんです。これにはびっくりしました。
このようなものを見たのは、僕はこの東耀稲荷神社が初めてでして、しっかりと記憶に残りました。
正面にはお狐さんや唐獅子の彫刻があり、こちらもじっくり見ずにはいられないものばかりです。社殿の外側だけで、大黒天さま、恵比寿さま、中央の彫刻と目を惹くものばかりなのですが、さらには社殿の中も凄かったんです。
社殿の天井ですね。上で紹介した写真では上手に撮れていなかったので、鳥居の脇にあった案内板の写真を拡大してみました。
天井には、こんなふうにびっしりと彫刻が施されているんです。見上げた時には、思わず「おー!」と声が漏れてしまいました。訪れた際には、是非社殿の中を覗いて、天井も見てみてください。
東耀稲荷神社は、小さいながらも見どころが多くて、不思議な魅力のある神社でした。思いがけず長居をしてしまいました。時間ないのに。
参拝できてよかったです。
御朱印
東耀稲荷神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は神奈川県横須賀市東浦賀2-6-6です。
東耀稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
京浜急行「浦賀駅」からバスで約5分。
1番乗り場より鴨居方面行き(「鴨居行」「かもめ団地行」「観音崎行」など)のバスに乗り、「新町」で下車し、徒歩3分ほどです。浦賀駅から徒歩ですと、20分ほど掛かるのではないかと思います。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。ごく短時間でしたら神社前の道路に路駐しても問題ないかとは思います。他の車のご迷惑にならなければ。
周辺のパワースポット
横須賀市の神社一覧
僕が参拝した横須賀市の神社一覧です。