東京には、東京十社と呼ばれる十の神社があります。
皇居を囲むように鎮座している10の神社で、それぞれ東京を代表する名の知られた神社ばかりです。
十社への参拝は「東京十社巡り」として大変人気があり、多くの人が巡礼しています。都内のみならず遠方から訪れる人も。
十社巡り専用の御朱印帳や、記念品もあります。
こちらの記事では、そんな東京十社について、各神社の紹介、巡る順路、御朱印などについて、詳しく解説しています。
東京十社とは?
東京十社の成り立ちは「准勅祭社(じゅんちょくさいしゃ)」という12の神社にはじまります。
祭祀に際して天皇により勅使が遣わされる神社を「勅祭社(ちょくさいしゃ)」と呼び、勅祭社には、出雲大社、明治神宮、熱田神宮など16社あります。伊勢神宮は別格とされ、勅祭社には含まれません。
それら勅祭社に併せて、明治元年には明治天皇により、東京近郊の主だった神社が「准勅祭社」に定められ、東京の鎮護と万民の安泰を祈る神社とされました。それが東京十社の始まりとなっています。当初、准勅祭社は全部で12社でした。
その後、准勅祭社の制度は一時的なもので終わってしまいましたが、昭和天皇のご即位50年にあたる昭和50年に、元准勅祭社を巡る「東京十社巡り」が企画されることとなります。当初の12社から、遠方にあった二社が外され、23区内の十社となった形です。
神社庁の公式HPでは、東京十社を「明治天皇が東京を代表すると認められた10の神社」と記述しています。
以下が東京十社に数えられている神社です。
- 根津神社(文京区)
- 神田神社(千代田区)
- 亀戸天神社(江東区)
- 白山神社(文京区)
- 王子神社(北区)
- 日枝神社(千代田区)
- 品川神社(品川区)
- 富岡八幡宮(江東区)
- 赤坂氷川神社(港区)
- 芝大神宮(港区芝)
以上の10社です。順不同です。
神田神社は通称「神田明神」として親しまれている神社になります。
最初はこれらに、府中市にある大國魂神社、埼玉の久喜市にある鷲宮神社の2社が加わり、准勅祭社に定められていました。
遠方の二社が外れたことで、十社巡りというものが誕生した流れです。
また、都市伝説的な要素もあるかとも思うのですが、東京十社は皇居を護るための結界だという説もあります。明治になり、新しい時代の新しい結界が作られたのでは?と考えられているとか。
こちらは十社巡りの古地図になります。
(画像出典:10jinja.tokyo)
中央の禁裏というのは皇居です。
こうして見ますと、確かに東京十社は、皇居を囲むように位置しているという解釈もできる場所に位置しています。神田明神が鬼門(東北)、日枝神社は裏鬼門(西南)に位置しています。
十社ともそれぞれ成り立ちが違いますので、最初から結界という役割を担っていたとは考えにくいですが、明治以降に新しく作られた結界、という解釈でしたら、その可能性もあるかとは思います。この十社を参拝者が周ることにより、結界の力が強くなるようにとの意図があるのかもしれません。
僕は個人的に都市伝説が大好きですので、そのような役割だったら面白いな~と思ってしまうんですけどね。
その真偽はわかりませんが、「東京を代表する神社」として認識されていることは間違いないようです。
現在でも「東京十社巡り」として多くの参拝者が訪れ、それぞれ強い御神徳があるとされる十の神社です。
僕も昨年末から今年にかけて、嫁と二人で十社巡りをやり遂げましたので、以下に十社巡りについて、まとめさせて頂きます。
御朱印帳とミニ絵馬
東京十社巡りには、専用の御朱印帳があります。
もちろん専用の御朱印帳を使わずとも、自分で用意した御朱印帳に、十社それぞれの御朱印を頂く形でも大丈夫です。
しかし、専用のものがあるとなりますと、やっぱりついついそれを使ってみたくはなってしまいます。
十社巡りの御朱印帳は二種類です。
僕たちが購入したものはこちら。
シンプルでスタンダードな御朱印帳、といった感じのものです。こちらは東京十社のどの神社も扱っているようです。
もう一種類は木の御朱印帳で、置いてある神社とない神社がありました。
木のものもかっこいいんですけどね。十社巡りのスタートの地に僕たちが選んだ赤坂の日枝神社には、木の御朱印帳が置いてなかったんです。で、必然的に木ではない方になりました。
御朱印帳を開いてみますと、まず東京十社についての説明と、各神社へのアクセスが載っています。
その次には十社の地図です。先ほど上でも紹介させて頂いた古地図ですね。
さらには、神社ごとに御朱印を頂く場所が既に分けられていて、それぞれの神社のご由緒も書かれています。
このような形の専用御朱印帳がありますと、是が非でも十社全て回らねば、という気持ちには自然となりますね。
この御朱印帳を、東京十社の御朱印で綺麗に埋めたい!揃えたい!と。
決められた場所に決められた御朱印を頂くという形ですので、怒られてしまうかもしれませんが、やはり若干スタンプラリーっぽい感覚にもなってしまいます、すみません…苦。ですがせっかく東京を代表するとされる十社にお参りできるのですから、できる限り楽しみながら回りたいとは思ってしまいます。
御朱印帳を一つずつ埋めつつ、十社全部の御朱印が揃うまで。
また、御朱印以外にも、十社それぞれに「ミニ絵馬」というのがあるようです。こちらです。
(画像出典:10jinja.tokyo)
さらにはこのミニ絵馬を、大絵馬に飾るなんてこともできるみたいです。
(画像出典:10jinja.tokyo)
僕たちは御朱印にばかり意識がいっていまして、絵馬はノーマークでした。こんなものがあったとは。
ミニ絵馬の大きさは、通常の絵馬の4分の1くらいのサイズみたいです。で、大絵馬はミニが10枚貼れて、余白もたくさんのようですので、それなりの大きさかとは思います。
次に十社巡りをする際には、是非このミニ絵馬集めもしてみたいと思います。
東京十社巡りのルート
東京十社巡りは、特に回る順番が決まっているわけではありません。
自由です。フリーダムです。
また、特に期限もありません。一年以内に回らなきゃいけないなど、そういう決まりもないです。
ちなみに僕たちは、昨年の11月に始め、今年の10月に終えました。約一年かかりました。
回った順番にも特に何の規則性もなく、思いつくままに回った形です。スタートは赤坂の日枝神社で、最後が芝大神宮でした。
僕たちは約一年かけて回りましたが、中には一日で回ってしまう方もいらっしゃるようです。遠方から来ている方などはそうかもしれませんね。
一日で回る場合には、御朱印帳内にもある古地図の順番が、回りやすいとされているようです。
(画像出典:10jinja.tokyo)
最初に参拝する神社もどこでも大丈夫ですので、そこからスタートして右回りか左回り、どちらかの順番で回るのがよろしいかと。
実際僕たちは一日で回ってはいないので何とも言えませんが、他の方のブログなどを拝見しますと、御朱印など頂きつつ一日で十社回るのは、可能だけれどもけっこう慌ただしくはあるようです。それぞれ参拝のペースなどあるでしょうし、一概には言えませんが。
こちら、東京十社の地図になります。
電車やバスを上手く使って効率良く回れば、午前中で5社、午後で5社とかで、一日でも回れそうですね。
次の項で、十社の各神社への詳しいアクセスや見どころなど紹介していますので、参考にして頂ければと思います。
十社の御朱印と見どころやアクセス
では次に、東京十社それぞれの神社の見どころや、僕が参拝した際の境内の様子、御朱印などをご紹介させて頂きます。
御朱印帳の順番で、十社の神社を上から。
それぞれの記事内で詳しく紹介しています。
根津神社
神田神社(神田明神)
亀戸天神社
白山神社
王子神社
日枝神社
品川神社
富岡八幡宮
赤坂氷川神社
芝大神宮
十社巡りを終えて
僕の場合、十社を回りきるのに一年近くも掛かってしまったわけですが、全て回り終え、御朱印帳が御朱印で埋め尽くされたものを見ますと、やっぱり達成感はあるものですね。
当たり前かもしれませんけど、それぞれの神社にはそれぞれの魅力があり、どこも素敵な神社でした。
どこの神社でも時間の許す限りのんびり散策させて頂きまして、いい時間を過ごすことができました。
十社巡りは特に期限はないとのことなのですが、できれば一年以内には終わらせたいな~と勝手に僕たちは思っていましたので、ギリギリ間に合って全部回れて良かったです。
何よりもこの東京十社巡りには、とても良い「きっかけ」を頂いたと思っています。
十の神社は、十社巡りというものがなければ、僕はなかなか訪れる機会がなかった可能性が高いです。その存在すら知らないままの神社もあったかもしれません。
そう言った意味で、素敵な十の神社に足を運ぶきっかけを作ってくれたのが、「東京十社巡り」です。
十社巡りの過程で、それぞれ近くにあった他の神社(十社以外)にも立ち寄ることができましたし、今まで一度も行ったことのない土地を、のんびり散歩することもできました。
全て十社巡りのおかげです。
いい神社巡りができました。
東京十社は、元々12社あった准勅祭社が元になっているとのことですので、それを知ったら、十社だけではなく、あとの2社にも行ってみたくなります。
そのうちの一つが、府中にある大國魂神社です。大國魂神社には僕もこれまでに何度か参拝していて、御朱印も頂いています。
ですので、准勅祭社で訪れていないのは、あとは埼玉の久喜市にある鷲宮神社ですね。
いつか鷲宮神社への参拝も果たし、この記事に追加できたらな~と思っています。
そうすれば明治天皇が制定した准勅祭社に全て参拝したことになりますので。
東京十社巡り。
始めてみてよかったです。