神社と御朱印、ときどき寺院

美しき日本の神社をご案内。

伊勢神宮と周辺の神社巡り。御朱印・順路・所要時間などを全解説
箱根の神社巡り。三社参りと御朱印のご案内。
高千穂の神社巡りと御朱印の解説をどこよりも詳しく。
戸隠五社巡りの御朱印と順路。見どころや所要時間も解説

八雲神社(府中市/分倍河原)の御朱印と見どころ

分倍河原にある八雲神社の紹介

府中市分梅町にある八雲神社の参拝レポートです。

読み方は「やくもじんじゃ」です。天王宮八雲神社(てんのうぐうやくもじんじゃ)とも称されている神社で、本殿の後方には、天王塚古墳という6世紀後半のものが未調査のまま残されています。最寄駅は京王線と南武線の分倍河原駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

分倍河原の「天王宮八雲神社」へ

八雲神社は、この日訪れる二ヶ所目の神社です。

嫁と二人、分倍河原駅に降り立ち、まずはそこから徒歩5分ほどのところにある、屋敷分浅間神社に参拝します。

屋敷分浅間神社は、分梅通りという南北に走る通り沿いにありまして、続いて向かう八雲神社も同じ通り沿いです。二つの神社は距離も近いです。

今回は次の八雲神社に参拝したら、神社巡りは切り上げる予定です。僕たち夫婦のいつもの神社巡りからすると、回る数はかなり少ないです。

地図にて神社検索をしますと、小さな神社も含め、駅周辺にはまだ一度も訪れたことがない神社がいくつも出てきます。少し足を延ばせば行けそうな距離のものも。

しかしこの日は、その後に府中にて映画を観に行く予定でして、それ故に珍しく二ヶ所のみでスパっと切り上げることにしたんです。

もう少し早起きして、がっつり神社巡りをしてから映画でもよかったんですけどね。以前そのパターンをやって、映画館にて爆睡をしてしまったという経験がありまして…。

その教訓を忘れずに、映画前には歩き過ぎないようにしようと、そう判断するに至りました。

僕たち夫婦の神社巡りはいつも、ついつい歩き過ぎてしまう傾向があります。貧乏性なのか、「せっかくここまで来たのだから」と思ってしまうんです。また次にいつ来れるかわからないので、その地域にある神社を回れるだけ回ろうと。で、結果的にもの凄い距離を歩くことになり、帰る頃には夫婦ともどもヘロヘロになっています。

そんなふうに歩き疲れた後のビールは最高なんですけどね。

いつもはそんな歩き過ぎが常となってはいますが、この日のように後ろに何か予定があると、スパっと諦められるものですね。そういう強制力ってときには大切かもしれません。

季節は10月の中旬、天気は生憎の曇り空ですが、暑くもなく寒くもない、ちょうどいい気温です。

一ヶ所目の屋敷分浅間神社を後にした僕たちは、分梅通り沿いを南下します。

そして歩くこと3分ほどでしょうか。

右前方に木が茂る一角が見えてきました。

八雲神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の神様で、ヤマタノオロチを退治した英雄、素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。祇園精舎の守護神である牛頭天王(ごずてんのう)とも習合しています。

創建の年代や経緯は不明ですが、社地に鎌倉時代後期の石板碑があることから、それ以前の創建と考えられています。

かつては天王宮として祀られていましたが、明治の神仏分離により、八雲神社となっています。天王宮のご祭神が牛頭天王、八雲神社のご祭神が素戔嗚尊となり、合祀されている形です。

社殿は平成4年に改築されていますが、本殿は江戸時代の後期のものになります。

本殿の後方には、天王塚古墳という6世紀後半のものが、未調査のまま残されています。

 

境内案内

浅間神社より分梅通りを歩いて行きますと、八雲神社の境内が見え、その直前に木の中に埋め込まれたような碑がありました。「元応の板碑」と書かれていて、説明書きもあります。どうやら供養碑のようです。

八雲神社の元応の板碑

 

板碑に手を合わせ、すぐ隣りに見える八雲神社へと向かいます。

f:id:inudenchi:20191026183712j:plain

 

石垣の上、一段高い場所に八雲神社の境内が広がっています。

f:id:inudenchi:20191026183746j:plain

 

石段を上り境内へ。参道は一度少し右に折れ、再び前方に延びていて、その先に社殿が見えます。

f:id:inudenchi:20191026183808j:plain

 

参道の左手は、こんな感じで広くなってます。

f:id:inudenchi:20191026183833j:plain

 

右手にある建物は神輿庫でしょうか。

f:id:inudenchi:20191026183845j:plain

 

参道を進みます。境内はとても静かです。

f:id:inudenchi:20191026183856j:plain

 

石鳥居の前へ。左には石碑、右にはご由緒書きがあります。

f:id:inudenchi:20191026183908j:plain

 

ご由緒に目を通します。

f:id:inudenchi:20191026183919j:plain

 

一礼して石鳥居をくぐります。鳥居には安永という文字が刻まれていましたので、江戸時代中期のものですね。

f:id:inudenchi:20191026183936j:plain

 

拝殿の手前には、左右に狛犬さんと石灯籠。

f:id:inudenchi:20191026183300j:plain

 

狛犬さんの前へ。こちらが左の狛犬さんです。少し怖いお顔をしていますが、かっこいい狛犬さんです。

"八雲神社の狛犬

 

足元には、子供が二匹もいました。片方はお母さんを見上げています。

f:id:inudenchi:20191026184028j:plain

 

こちらが右の狛犬さん。玉乗りで、同じくかっこいい狛犬さんです。

f:id:inudenchi:20191026184228j:plain

 

 

拝殿へと進みます。拝殿は質素ではありますが、綺麗な建物です。

f:id:inudenchi:20191026184248j:plain

 

拝殿に近づいて初めて、彫刻が施されていることに気付きます。全部で四頭の獅子がいまして、目が光っていました。

f:id:inudenchi:20191026184321j:plain

 

彫刻の獅子は、正面に二頭、左右にそれぞれ一頭ずつです。左右の獅子が口に咥えているのは牡丹の花でしょうか。

八雲神社の彫刻

 

目を光らせた獅子たちの下を通り、参拝させて頂きます。

f:id:inudenchi:20191026184412j:plain

 

参拝を終え、境内を散策してみます。拝殿を振り返りますと、こんな景色です。

f:id:inudenchi:20191026184631j:plain

 

狛犬さんたちは後ろ姿もかっこよかったので、おもわず撮影。

f:id:inudenchi:20191026184643j:plain

 

こちらは拝殿を左斜め前から。社殿は平成4年に改築された建物です。f:id:inudenchi:20191026184707j:plain

 

参道の左手を拝殿側から見ますと、こうなっています。

f:id:inudenchi:20191026184852j:plain

 

拝殿の左手にも、建物がありました。こちらが神輿庫かもしれないですね。

f:id:inudenchi:20191026184906j:plain

 

社殿の左奥に行ってみますと、横から本殿の姿を見ることができます。近づいてみますと、本殿にも精巧な彫刻が施されているのが見えました。

f:id:inudenchi:20191026184932j:plain

 

そして社殿の後ろ、こちらが天王塚古墳という古墳のようです。古墳な感じがわかりませんでしたが。

天王塚古墳

 

再び拝殿の前に戻ります。こちらは拝殿を右斜め前から。

f:id:inudenchi:20191026185221j:plain

 

右奥には赤い鳥居と赤い社殿が見えましたので、行ってみます。

f:id:inudenchi:20191026185248j:plain

 

境内社の稲荷神社です。参拝させて頂きます。

f:id:inudenchi:20191026185317j:plain

 

社殿の前にはお狐さんもいらっしゃいました。お狐さんにも挨拶をして、八雲神社を後にします。

f:id:inudenchi:20191026185330j:plain

 

参拝を終えて

八雲神社は、ひっそりとした境内に、たくさんの木々が茂る神社でした。

参拝者も僕たち夫婦以外はおりませんでしたので、とても静かでした。

まず、境内に入る前に、「元応の板碑」という目を惹くものに出くわしまして、足を留めます。境内のお隣ですね。切り株の中に碑が埋めこまれているような形のもので、鎌倉時代後期のものだそうです。大蔵近之という人物が、父の供養のために建てたと考えられているものとのこと。

府中市内には、そのような板碑が600基以上も見つかっているそうです。中でもこちらの板碑が最大級とのこと。風化が激しく保存が困難になったため、現在のものは複製とのことです。とても古いもののように見え、複製には見えなかったんですけどね。現在は切り株の中にあるのですが、元々は切られる前の木の中にあったようで、その写真もありました。木の中に埋め込まれたようなその姿が、否が応にも目を惹きました。珍しいものが見れました。

そして板碑の先、境内は石垣の上、一段高い場所にあります。

鳥居の先には立派な狛犬さんがいらっしゃいまして、なんともかっこいい狛犬さんでした。威厳とか風格とか、そういういったものを感じる顔立ちと佇まいでして、思わず見惚れてしまいます。後ろ姿もかっこよかったです。また、左の狛犬さんの足もとにいた二匹の子供も可愛らしかったです。

社殿は綺麗な建物でして、シンプルなのですが、凛として落ち着いた雰囲気がありました。

そんな落ち着いた建物の中で唯一、拝殿に施された獅子の彫刻が目を惹きます。

獅子たちは目が金色でして、それ故に目だけ光っているように見え、威圧感みたいなものがありますし、見られているような感覚にもなります。その存在感は、無視できない感じですね。意識せずにはいられないです。左右の獅子が牡丹と思われる花を咥えているのも、珍しいかと思います。

大きな神社ではありませんが、元応の板碑、かっこいい狛犬、拝殿の獅子たちと、いいものを見させて頂きました。

一方、社殿の後ろには、6世紀後半(飛鳥時代より前)のものと考えられる「天王塚古墳」というのがあるとのことで、裏にも行ってみたのですが、そちらは正直よくわかりませんでした。石垣でさらに一段高くなっていて、少し山のようにはなっていたんですけどね。普通に見ただけでは、古墳だとは全くわからなかったです。

この近くには、、高倉塚古墳と呼ばれる古墳があり、その周囲にはこちらの八雲神社のものも含め、30基もの古墳があるそうです。高倉古墳群と呼ばれているみたいですね。

そういわれますと、南武線で分倍河原のお隣、西府駅の近くの熊野神社にも、後方に大きな古墳があったのを思い出しました。

熊野神社のものは大きなものでしたので、一見して古墳だったんですけどね。八雲神社の方は、古墳感は特になかったです。

僕たち夫婦ももう少し年老いたら、もしかしたら古墳巡りなんかも始めるかもしれないですね。今のところ予定はありませんけれど。

この日は浅間神社と八雲神社、二ヶ所のみではありましたが、いい参拝ができました。

またこの辺りの神社巡りには、どこかで時間を作り、出掛けて来ようと思います。

この後僕たちは府中にて映画館に向かい、『記憶にございません!』を鑑賞。めちゃめちゃ面白かったです。たくさん笑わせて頂きました。

神社巡りを二ヶ所に抑えたため、映画中に居眠りをすることもなく、無事最後まで鑑賞もできました。

いい休日が過ごせました。

 

御朱印

天王宮八雲神社では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都府中市分梅町1-18-5です。

天王宮八雲神社の公式サイトはありません。

 

電車

京王線/JR南武線 「分倍河原駅」から徒歩5~6分。

改札を出たら左前方の商店街を進みます。右手に薬局(ココカラファイン)がある先を左折し、そのまま踏み切りを渡り、道なりに住宅街を進みます。そして分梅通りに出たら左折しますと、すぐに右手に境内が見えてきます。

 

駐車場

境内の左奥(外側から)に数台駐車できるスペースがあります。境内を囲むように駐車場がありますが、そちらは月極めですので駐車できません。分倍河原駅周辺には、コインパーキングもいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

府中市の神社一覧