
奈良県の十津川村にある玉置神社の参拝レポートです。
読み方は「たまきじんじゃ」です。霊山である玉置山の山頂近くに鎮座していて、簡単には行けない場所であるため、「呼ばれないと行けない神社」として知られています。古来より「神が宿る場所」とされ、熊野三山の奥宮として信仰されてきました。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
呼ばれないと行けない「玉置神社」へ
季節は5月。この日は5泊6日で東京より出掛けてきた熊野旅行の2日目。
嫁と二人、熊野三山をはじめとした熊野の神社巡り旅行です。
事前に行きたい神社をピックアップして、かなり綿密にスケジュールを練りました。熊野に行くのは初めてですし、この先そう何度も行ける場所ではないので、できる限り後悔のない神社巡りにしたいので。
こちらの記事で紹介します玉置神社は、なかなかの山奥にあり、気軽に行けるような場所ではなかったため、当初はスケジュールに組み込むべきかどうか、けっこう悩みました。
以前から「呼ばれないと行けない神社」として、僕も嫁もその存在は知っていましたし、動画や画像でもその神秘的な景色を目にしていまして、やはり気持ちとしては行きたいんですよ。それにこの機会を逃したら一生行けないかもしれないですし。とはいえ参拝するとなると、移動も含めてけっこうな時間を要するので、日程が足りるのかという心配も生じたり。
と、あれこれ考え、嫁とも協議を重ねた末、最終的には行くことに決めました。
やっぱり熊野の神社巡りをするのなら、玉置神社を外したらダメだろう、と。
しかしです。
なんと旅行の数日前に、大雨で土砂崩れが発生し、玉置神社へと続く一番最短で行ける道路が通行止めになったとの情報が…。復旧見込みも不明。さらには迂回路も別の工事中で、通行できる時間が限られているという、重ねて悪い情報も。
玉置神社が「呼ばれないと行けない神社」と言われているのは、このような道路状況などの影響も大きいようです。
このままだと、見事に「呼ばれなかった」ということになってしまいますので、落胆していたのですが…直前になって、迂回路の方の工事日程が延期されたとのことで、そちらから向かうことが可能であるという朗報がもたらされます。どうやら呼ばれたようです。
迂回路ですと、片道でプラス30分ほど遠くなるようですが、それはこの際仕方ありません。行けるだけでも感謝です。
そんなわけで、なんとか行ける見込みが立ちましたので、旅の2日目の朝に向かうことにしました。
初日は飛行機で南紀白浜空港に降り立ち、そこからレンタカーでまずは熊野三山の一社である熊野本宮大社に参拝。その日の神社巡りはそれで終了とし、近くの川湯温泉の宿でのんびりと過ごしました。
そして翌日。
朝食を終え、宿を出発し、いざ玉置神社を目指します。
玉置神社のある十津川村は奈良県です。熊野本宮大社や川湯温泉は和歌山県ですので、和歌山から奈良へと北上する形になります。
山道を走って行きますと、途中に十二滝という美しい滝が。

つい車を停めて眺めてしまいました。
そこからさらに山奥へと走って行きますと、集落が現れ、十津川バスセンターに到着です。日本一長い路線バスといわれる八木新宮特急バスのバスセンターです。目の前には大きな十津川。

ここからの景色もなかなか凄かったです。もの凄い山奥に来た感がありました。
しかし玉置神社は、バスセンターからさらに山奥。
細い山道をひたすら走ること、バスセンターから40分ほどでした。
景色の開けた、予想外に大きな駐車場に到着です。
ご由緒
ご祭神は、国常立尊(くにとこたちのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冊尊(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)の五柱です。
国常立尊は、天地の始まりの際に出現した神で、日本神話の根源神とされています。伊弉諾尊と伊弉冊尊は夫婦神で、日本の国土を作った「国産み」や、多くの神々を生んだ「神産み」を行った神様。天照大御神は、日本国民の総氏神で、皇室の祖神です。神日本磐余彦尊は、初代天皇である神武天皇です。
創建は紀元前37年、第10代天皇である崇神天皇の御代です。熊野本宮大社とともに創建されたとも伝えられています。
古来より十津川郷の鎮守でした。
修験道の霊場としても栄え、平安時代には神仏習合となり、「玉置三所権現」、「熊野三山の奥の院」と称されます。白河院らが御幸され、和泉式部も参籠したといわれています。
江戸時代には別当寺として高牟婁院が置かれていました。文化元年に建造された高牟婁院は、現在の社務所の建物となっていて、狩野派の橘保春らにより花鳥図が描かれた60数枚の襖があり、国の重要文化財に指定されています。
境内には、樹齢3千年といわれる神代杉をはじめ、天然記念物に指定されている杉の巨樹が叢生し、古くから「神が宿る場所」とされています。
平成16年には「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されました。
玉置山の山頂近くには、露頭している玉石を御神体とする末社の玉石社が鎮座していて、玉置の称の由来とされ、玉置神社の基となったといわれています。
簡単には行けない山奥に鎮座しているため、「呼ばれないと行けない神社」ともいわれ、熊野三山の奥宮(奥の院)として、多くの参拝者が訪れる神社です。
境内案内
駐車場から鳥居へと向かいます。入口には食堂と売店。

鳥居の前には境内案内図です。目を通します。僕たちは玉石社まで行く予定。

そしてこちらが入口の鳥居です。手前には立派な社号碑も。ここから先、ペットは禁止です。トイレも済ませてください。

一礼して鳥居をくぐり、参道へ。緑と木漏れ日が気持ちいいです。ここから社殿までは15~20分ほど。

紺色に白のかっこいい幟が連なっています。左右は崖。

気持ちのいい緑の中を進みます。

参道の周りは無数の木々。完全な山の中です。

歩き始めて7~8分でしょうか。左手に鳥居です。こちらには山之神と大山祇命がお祀りされています。石が鎮座していましたが、おそらく背後の山自体を御神体としているのではないかと。

その先に、天然記念物にもなっている、玉置山の「枕状溶岩堆積地」の説明書きがありました。背後の岩がそれですね。

そして少し歩くと前方に鳥居です。鳥居の先は下り坂になっています。きっと下って上るやつですね。お体の不自由な方は左の道より、との案内も。

一礼して鳥居をくぐり、下り坂に突入します。

その先にも鳥居です。大きな杉の木がちらほらと姿を現します。

まだまだ下って行きます。

左手斜面にも、大きな杉たち。

杉の巨木を眺めつつ、下ります。

しばらく下るとクリーム色の鳥居。

さらに下ります。左手に注連縄の掛けられた、ひときわ大きな杉が見えてきます。その向こうには建物も。

この大きな杉(奥に見える方)が、神代杉です。

境内まではあと少しです。ちょうどシャクナゲが綺麗に咲いている季節で、そこら中にピンクの花。

前方に数段の石段が見えます。左には「大峰蛇之倉七尾山」と記された錫杖。

石段の先には手水舎がありました。ようやく境内まで到着です。ここまで思っていたよりも距離がありました。

手水舎には龍がいます。お清めをします。

その先に鳥居と石段です。

一礼して鳥居をくぐり、石段を上がりますと、左に授与所です。後ほどそちらで御朱印を頂くことに。

反対、右の前方にはもう一つ鳥居があり、石段を上がると本殿です。

鳥居の左右には狛犬さん。こちらが左の狛犬さんです。可愛らしい狛犬さんで、後ろのシャクナゲのピンクもお似合いです。

こちらが右の狛犬さん。同じく可愛らしいです。

一礼して鳥居をくぐり、最後の石段を上がり、本殿へ。呼ばれないと行けない神社、辿り着けました。

本殿には三基の宮殿(くうでん)が安置されていて、向かって右の右殿には伊弉諾尊、伊弉冊尊、天照大御神の三柱がお祀りされています。

向かって左の左殿には神日本磐余彦尊。

そして正面の中央殿に国常立尊です。三つの宮殿全てに参拝させて頂きます。

本殿の左手に末社が二社並んでいます。右は住吉大神、八幡大神、春日大神をお祀りする若宮社。左は迦具土神、速玉男神、高倉下神をお祀りする神武社です。周囲は大きな杉だらけ。

神武社の先にあったのは、令和の大改修で建て替えられたばかりの御神輿殿。

そのお隣に、明治初期に廃止された後、平成4年に再建された大日堂社。御本尊は木造双身大日如来坐像です。

大日堂社を振り返り、本殿の方を見ますとこんな景色です。

若宮社と神武社の後ろに、神代杉と夫婦杉という案内が出ていましたので、行ってみます。うっかりすると見逃してしまいそうな場所です。

門を出ると、まず目の前に夫婦杉です。

そして前方に神代杉。位置関係がちゃんと把握できていなかったのですが、どうやらこの左手の下を先ほど歩いてきたってことですね。

夫婦杉を見上げます。幹周りは9mとのこと。でかいです。

そして神代杉。見惚れてしまいます。幹周りは8.5mで、樹齢3000年。

巨木をしばし眺めた後は、御朱印を頂き、それから再び本殿の前へ。向かって右手の方にある摂末社に向かうためです。こちらは本殿を右斜め前から。

右手の奥へと続いている小路を進みます。

この先には、国の有形重要文化財にも指定されている社務所があるのですが、令和の大改修で工事中でした。

社務所を抜けると、石畳の登り坂。

この先が摂社の三柱神社です。

左手に石段がありまして、こちらを上がると、先ほど「お体の不自由な方は左の~」の道に繋がっています。

手水舎でお清めをして、一礼して鳥居をくぐり、三柱神社へ。三柱神社のご祭神は、倉稲魂神、天御柱神、国御柱神の三柱です。参拝させて頂きます。

三柱神社の神狐さんが、なかなか迫力のあるおっかないお顔でした。

三柱稲荷から奥へと進むと、出雲大社玉置教会です。明治維新で十津川郷中の寺院が全て廃寺となり、全村民が大社教に属したことから、設立されたものになります。

出雲大社玉置教会からさらに奥へ進むと、前方に見える鳥居が玉石社へと続く鳥居で、手前の社が玉置神社の水の神様(真王水神)をお祀りする真名井社です。真名井社に参拝させて頂き、玉石社へと向かいます。

参拝を終えて
山奥の道を進み、ようやく辿り着いた玉置神社。
危うく「呼ばれなかった」かもしれないので、無事に参拝できたことが嬉しくてたまりません。
噂に違わない、素晴らしい神社でした。
不安になるような山道を車で進んで行きますと、突然開けた場所に出まして、そこが玉置神社の駐車場なのですが、まず車の多さに驚きました。山奥にこんなにたくさん先着している方々がいるのかと。しかも平日にもかかわらず、空きが少ないほど賑わっていました。
さすがパワースポットとしても有名な神社です。どれだけ山奥でも、訪れる人は多いんですね。
そして、入口の鳥居から境内までが、思っていたよりも長い距離でした。
実は今回の旅行の少し前、嫁が腰痛を発症し、診察の結果ヘルニアであることがわかりました。で、山道など歩くのが少々大変でして、トレッキングポールも持参したのですが、やはりどうしてもペースがゆっくりになってしまって。そんなこともあり、距離も長く感じたんだとは思います。
でもその分、境内へと続く素敵な参道を、ゆっくりと楽しむことができました。天気にも恵まれまして、木々に囲まれた山の中、気持ちのいいハイキングになりました。
途中の鳥居から先の下り坂に入りますと、大きな杉を目にする割合も高くなります。中でもやはりひときわ目を惹いたのは、神代杉ですね。立ち止まらずにはいられなかったです。
ちょうどシャクナゲの季節でして、あちこちにピンクの綺麗な花も咲いていました。
山道を歩いたからこそ、その先の境内に辿り着いたときは、喜びもひとしおです。動画や画像でよく目にしていたあの境内に、自分が立っていることも嬉しくて。
しっかりと参拝させて頂きました。
そして、本殿に向かって左手、末社の若宮社と神武社の後ろが凄かった。来るときに下から見た神代杉を間近に見ることができるんです。すぐ近くには夫婦杉も。この二つの巨木が素晴らしかったです。いつまででも見ていられるくらい、惹かれてしまいました。
境内には参拝者の姿は多かったものの、神代杉と夫婦杉の前には僕たち夫婦しかおらずで。たまたまだったのかもしれませんが、そちらに行く入口があまり目立たないので、実は意外と見逃してしまう方も多いかもしれません。参拝に行かれましたら、末社の後ろにぜひ行ってみてくださいませ。
神代杉と夫婦杉だけではなく、本殿の周囲には他にも大きな杉が何本も聳えていまして、特別な空間になっていました。
本殿に向かって右に進んだ先にあった、国の重要文化財にも指定されている社務所は、残念ながら改修中でして、見ることができずでした。改修中でなければ、彩色戸襖というのをぜひ拝観したかったのですが、こればかりはタイミングですので仕方ないです。またもう一度来なさいよ、ということかと、そんなふうに勝手に解釈しております。
社務所のさらに奥に鎮座していた三柱神社は、神狐さんのお顔がなかなか怖くて迫力があり、印象に残りました。
さらに奥にあります、玉置神社の基といわれる末社の玉石社は、次の記事にて紹介させて頂きます。当初はこちらの記事で書こうと思っていたのですが、その手前まででなかなかのボリュームになってしまったため、分けることにしました。
まずは、いつか行きたいと願っていた玉置神社に、無事参拝できてよかったです。
参拝の際、トイレは駐車場にあるトイレで済ませてから向かってください。また、令和4年よりペット連れでの参拝はできなくなっていますので(盲導犬などの補助犬は除く)、ご注意ください。
御朱印
こちらが玉置神社の御朱印です。

御朱印の受付時間
御朱印を頂ける時間は、9時から16時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は奈良県吉野郡十津川村玉置川1です。
玉置神社の公式サイトはこちらです。
https://tamakijinja.or.jp/
駐車場
50台駐車できる参拝者用の無料駐車場があります。
熊野本宮大社からですと、1時間ほどです。
バス
土日祝日のみ、十津川温泉より世界遺産予約バス(玉置山コース)が運行しています。
事前予約が必要です。詳細は玉置神社の公式サイト、下記のアクセスページに掲載されています。
https://tamakijinja.or.jp/wpaccess/
また、十津川温泉までは、奈良交通の八木新宮特急バスで行くことができます。奈良方面からは八木駅か五條駅から、和歌山方面からは新宮駅からです。時刻表などは下記の奈良交通公式サイトに掲載されています。
https://www.narakotsu.co.jp/temporary/yagi-shingu/
タクシー
三光タクシー(0746-64-0231)が利用できますが、台数に限りがあるため事前にご確認ください。片道4,000円ほどですが、参拝中は待機してもらう形にしないと帰れませんので、貸切プランがベターかと思います。下記サイトに貸切のプラン紹介がありますので、参考にしてみてください。
https://www.kumano-travel.com/ja/travel-services/sanko-taxi
トイレ
駐車場にあります。
境内にも循環型トイレというのが設置されていますが、駐車場のトイレの利用が推奨されています。




