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滝宮神社(宮島)の御朱印と見どころ

宮島にある滝宮神社の紹介

宮島にある滝宮神社の参拝レポートです。

読み方は「たきのみやじんじゃ」です。瀧宮神社とも表記されます。厳島神社の境外末社で、隈岡宮(くまおかのみや)とも称されています。大聖院の脇を流れる白糸川を上流に進み、白糸の滝の手前にある神社になります。弥山登山「大聖院コース」の途中です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

宮島の「滝宮神社」へ

嫁と二人で三泊四日の広島旅行に出掛けて来まして、その二日目と三日目をがっつり宮島観光にあててみました。

宮島内に宿泊もするという気合いの入れようでして、それだけ宮島を満喫する腹積もりです。

宮島ではいくつかやり遂げたいことがありまして、その一つが「宮島内の神社巡り」です。世界遺産である厳島神社はもちろんですが、島内には他にもたくさん神社や寺院がありまして、それらをできるだけ多く回ってみようと。

事前に地図にてある程度立ち寄る神社にはチェックを入れておきます。

この日は宮島滞在の二日目でして、既にここまででそれなりの数の神社に参拝しています。正確には、神社を11ヶ所、寺院を7ヶ所ですね。けっこうたくさん巡っています。

で、続いて向かいましたのが、こちらの記事で紹介する滝宮神社です。

当初滝宮神社は、行こうかどうか少し迷った神社でもあります。なぜかと言いますと、地図を見る限り、少々距離がありそうだったからです。

案内図はこちらです。滝宮神社に赤丸付けてみました。地図の右上です。

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一瞬、大聖院からそのまま直で行けるのか?と思いきや、どうやらそういうわけではない感じです。よく見ると、そこそこの距離があるのでは?と。

僕たちは前日には弥山への登山もしておりまして、さらにはその後も神社巡りにて歩き回り、けっこう足腰がやられつつありました。ですので、滝宮は少々躊躇してしまったわけです。

しかしながら、せっかくここまで来て行かなかったら、次はいつ行けるかわかりません。後悔するくらいなら、頑張って向かってしまった方がいいに決まってます。もちろん、体力とは相談ですけれど、余力があるならです。

そんな中、大聖院の境内を歩き回っていた僕たちは、脇を流れる白糸川の途中、大きな二本の杉の木の向こう側に、社殿らしき建物があるのを見つけます。それが滝宮神社だとしたら、実はそんなに遠くないのでは?と。地図では大げさに書いてあるだけでは?と。

俄然やる気になった僕たち夫婦は、体力と気力を振り絞り、滝宮神社を目指してみることにしました。

川沿いの道は弥山への登山コースにもなっていまして、歩いている人も大勢います。ほとんどが欧米人ですけれど。

いくつかある弥山へのコースのうちの、「大聖院コース」ですね。

どうやら滝宮神社はその大聖院コースの途中にあるようです。

白糸川の素晴らしい景色を眺めながら、疲労が蓄積してきた体にむち打ち、滝宮神社へと向かいます。

 

ご由緒

ご祭神は、湍津姫命(たぎつひめのみこと)です。

湍津姫命は日本神話の女神で、宗像三女神の一柱です。厳島神社のご祭神の一柱で、素盞鳴命の子でもあります。多岐都姫命、多岐都比売命とも表記されます。

相殿には、ヤマタノオロチを退治した勇猛な神である素盞鳴命(すさのおのみこと)と、素盞鳴命の子である大歳神(おおとしのかみ)が祀られています。どちらも日本神話の神様です。

創建の年代は不明です。平安時代の末期には、第80代天皇である高倉天皇が、譲位後に平清盛等と厳島詣でをして、翌日に滝宮神社に詣でたとの記述がありますので、それ以前には創建されていたことになります。

隈岡宮(くまおかのみや)とも称されていますが、後方に白糸の滝が流れていることからか、滝宮神社として親しまれています。

白糸川に飛び交う蛍は、宮島八景の一つ「滝宮水蛍」とも称されています。

平成17年の土石流にて社殿が流失してしまい、現在のものは平成24年に再建された社殿になります。神社の前には、御幸岩(みゆきいし)という大岩がありましたが、こちらも同じ土石流にて流失しています。

弥山への登山コースの一つ「大聖院コース」の途中、白糸の滝の下に鎮座しています。

厳島神社の境外末社になります。

 

境内案内

大聖院の入口からは左手にも道が延びていて、そちらが滝宮神社へと続く登山道になります。白糸川に沿って登る感じですね。左に見える石垣の向こうには、西方院というお寺があります。

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前方には鳥居です。その右手にある、二本の大きな木も目を惹きます。

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二本の木は杉でしょうか。ついつい見上げてしまいます。

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こちらの石鳥居は、厳島神社と同じく、脚のついた四脚鳥居でした。一礼してくぐります。

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鳥居のすぐ先には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。

滝宮神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。どちらも長年の雨風にさらされ続けたような、かなり古いものに見えました。

滝宮神社の右の狛犬

 

前方に続く道は、ひたすら上り坂です。左手に小さなお堂が見えます。

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お堂には「懺悔地蔵」というお地蔵さんがいらっしゃいました。自分の煩悩を悔い改め、今後は善業を行うことを誓うよう、書かれています。僕は懺悔することだらけですので、しっかりと手を合わせます。

懺悔地蔵

 

山の中へと突き進みます。

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上り坂が続きますが、やっぱり山の中を歩くというのは、それだけで気持ちいいですね。

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右手に流れる白糸川の景色も素敵です。大きな岩がゴロゴロしています。

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川沿いをしばらく登って行きますと、前方右手に、高く伸びる数本の木と、その後ろには社があるのも見えます。

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この大きな木が、おそらく大聖院から僕たちが目にした木ではないかと。杉かと思われます。

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社の手前には、白い布が掛けられたお地蔵さんがいらっしゃいました。手を合わせます。

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その先、滝宮神社では?と思っていた建物には、お地蔵さんがいらっしゃいました。滝宮神社ではなかったです。どうやら神社はまだまだ先の様子。もちろんお地蔵さんに手を合わせてから進みます。

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川の向こうには、大聖院の堂宇も見えます。

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川の一部には、人工的に石が積まれている景色も見えてきます。

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川や山の景色を楽しみつつ、前へ前へ。

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こちらの人工的に積み上げられた石は、土石流などの災害に備えた「白糸川2号砂防堰堤」という堰堤(えんてい)でした。登山道はこの堰堤の端を歩いて、上流の方へと進む形です。堰堤の景色もまた違った美しさがありました。

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堰堤から少し歩きますと、開けた視界の先に、神社の社らしきものが見えてきます。今度こそ滝宮神社かと思われます。その後方には、白糸の滝と思われる滝の姿も。

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左手、少し高い場所には滝不動と書かれたお堂がありました。こちらの不動堂は、平成17年の土石流により流されてしまい、平成20年に再建されたものだそうです。お堂の脇には不動明王さまがいらっしゃいましたので、手を合わせます。

滝不動

 

滝宮神社の社殿があるのは、少し下って登った先です。

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白糸川を振り返ると、大きな岩だらけ。なかなか凄い景色です。

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滝宮神社へと続く、最後の石段を上がります。

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ついに滝宮神社に到着です。歩いてきた分、こうして辿り着けたことが嬉しいですね。

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社殿の正面へ。下にあった滝不動と同じく、こちらの社殿も平成17年の土石流で流されてしまったそうで、現在のものは平成20年に再建された建物になります。

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左手前に御由緒書きがありましたので、目を通します。

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社殿の前へと進みます。

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参拝させて頂きます。

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周囲を少し歩いてみます。こちらは社殿を左斜め前から。

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社殿の左後方、白糸の滝に少し近づけそうでしたので、行ってみます。

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こちらが白糸の滝です。白い糸が乱れて流れ落ちるようであるために、白糸の滝と呼ばれるようになったそうです。

白糸の滝

 

滝の手前から社殿の方を見ますと、こんな景色です。

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今度は社殿を右斜め前から。社殿のすぐ後ろには、大きな岩がありました。

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滝宮神社から右奥にも登山道が延びています。この先は弥山へと続いています。

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社殿の後方には小さなお地蔵さんも並んでいました。手を合わせます。

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滝宮神社を後にして、元来た道を戻ります。

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参拝を終えて

まず、滝宮神社までの道のりがとっても素敵でした。素晴らしかったです。

元々僕たちが大聖院から見た、大きな杉の先にあった社殿のようなものは、滝宮神社ではなく、お地蔵さんが祀られてるお堂でした。滝宮神社は結局そこからさらに7~8分ほどだったかと。そこそこ歩きました。

近くはありませんでしたが、その道のりが本当に気持ち良くて、行ってよかったです。

白糸川に沿って登って行くわけですが、白糸川は大きな岩がゴロゴロとありまして、その景色だけでも絶景です。川の向こうには大聖院も見えました。

滝宮神社を通り越して、さらにそのまま歩いて行きますと、前日に僕たちが登頂した弥山へと辿り着きます。僕たちは獅子岩までロープウェイにて移動し、そこから弥山登山へと向かったのですが、下から歩いて行くのもまた魅力的だな~と実感しました。また弥山へと登る機会があれば、是非ともこの「大聖院コース」で挑戦してみようと思います。

大聖院まで足を運んだなら、あとひと息頑張って滝宮神社まで歩いてみますと、より素敵な宮島旅行になると思います。とはいえ完全な登山道ですので、サンダルとかでは行かない方がいいかと思います。

滝宮神社まで辿り着きますと、その左後方にある白糸の滝も見ることができちゃいます。

白糸の滝はそこまで大きな滝ではありませんが、ある程度まで近づくこともできますし、水の流れる様子を眺めているのは、それだけで心地良く、マイナスイオンに癒されます。

滝宮神社のある場所は、平成17年に台風で土石流が発生し、社殿も流されてしまったそうです。神社の前には御幸岩という大きな岩があったそうですが、そちらも流されてしまったと。下にあった滝不動堂も同じく流されてしまったそうです。きっとそれまでの景色が一変してしまったんだと思います。

そこから復旧や護岸整備の工事が行われ、登山道が開通したのが平成20年。大聖院コースは、約3年間通ることができなかったんですね。

そのような災害が宮島を襲ったことや、被害が出たことを、恥ずかしながら僕は全く知りませんでした。もしかしたら当時ニュースで目にしていた可能性はありますが、記憶には残っていません。このたび滝宮神社を訪れて、初めてそのことを知りました。

僕たちがこうして素晴らしい景色を見たり、歩いたりできるのは、登山道を復旧し、整備してくださったおかげなんですね。

そんな整備の一環だとは思うのですが、滝宮神社までの途中には、「白糸川2号砂防堰堤」という、土砂災害防止のための大きな砂防堰堤(さぼうえんてい)もありました。砂防堰堤は人工物ではありますけれど、その景色もまた迫力があって綺麗でした。

気持ちのいい山歩きもできましたし、白糸の滝も見ることができましたし、滝宮神社への参拝もできまして、いい時間を過ごすことができました。

おもいきって足を延ばしてみてよかったです。

続いては、桟橋までいったん戻り、逆側にある長浜神社へと向かいます。

 

御朱印

滝宮神社の御朱印はありません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は広島県廿日市市宮島町です。

大聖院の入口から左奥に延びている登山道の先になります。大聖院からは徒歩15分ほどです。宮島桟橋からですと、30~40分はかかるかと思います。そこまで険しい道ではありませんが、靴や服装は登山に適したもので行かれた方がよいと思います。

滝宮神社の公式サイトはありません。厳島神社の公式サイト内に、境外末社としての掲載があります。
http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html

 

周辺のパワースポット

 

宮島の神社仏閣巡り

宮島にあるその他の神社や寺院については、全体をこちらの記事でまとめてあります。

 

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