中央区の日本橋にある出世稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「しゅっせいなりじんじゃ」です。江戸時代の歌舞伎役者である初代市川團十郎が日参し名を上げたことから、出世稲荷と称されるようになった神社で、芸能関係者からも厚く信仰されています。人形町駅の近く、マンションの敷地内に鎮座しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
日本橋の「出世稲荷神社」へ
この日は嫁と二人で日本橋周辺の神社巡りに出掛けてきました。
お昼前くらいに日本橋駅に降り立ち、そこからいくつか神社を回り、こちらの出世稲荷神社が六社目の神社となります。
これまでにも同名の神社には、他の神社で境内社として祀られているものには何度か参拝したことがありますが、社号そのものの神社に訪れるのは初めてです。
社名からして、出世にご利益があるであろう神社なことは、容易に推測できます。
僕は出世とは縁のない人生を歩んでいるポンコツな大人ですので、訪れる前から、出世稲荷のご利益にあやかりたいと、汚れた邪念を丸出して出世稲荷を目指します。
この直前には、この日五ヶ所目となる椙森神社に参拝しましていまして、そこから徒歩で移動です。
地図を頼りに徒歩で神社巡りをしていたのですが、日本橋にはめちゃめちゃ神社が多いんです。本当は全て回りたかったのですが、時間に限りのある中での参拝でしたので、回る神社は最小限に絞ります。
地図で確認しますと、五社目の椙森神社から出世稲荷神社は歩いてすぐです。それにどうやら同じ道路沿いにあるようで、迷うことなく簡単に着けそうです。
と思い、余裕こいて歩いていたのですが…
迷いました。
いや、迷ったと言いますか、見つけられなかったんです、出世稲荷神社が。
椙森神社から一本道でしたので、迷うはずがないんですけどね。そこそこ歩いても神社らしきものが見当たらないんですよ。
ですので少々焦りながら、地図を確認し、GPSで現在地も確認します。
するとなんと、とっくに通り過ぎてました。
おかしい、神社なんてなかったぞ?と思いながら、神社があると思われる近辺をウロウロしていますと…。
ありました!
歩いていた道路から、一本脇に入った細い道に、出世稲荷の赤い幟旗が立っていました。
うっかり見逃してしまったようです。無事到着しました。
しかしです。
出世稲荷神社は、全く予想外の場所にあったんです。こんなところに?という場所に。
ご由緒
ご祭神は、食物や穀物の神様である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建は江戸時代の初め、元和3年です。北条家の浪人であり、吉原遊郭を作った庄司甚右衛門と言う人物の仮屋敷がこの場所にあり、その屋敷神として京都の伏見稲荷よりご祭神を勧請して祀ったのが始まりとされています。
大正時代の関東大震災では社殿が焼失してしまいますが、その後近くにある椙森神社の再建時に取り壊しで出た材木を使い、昭和6年に再建されました。
創建当時の名称は不明ですが、江戸時代の歌舞伎役者である初代市川團十郎が、日参して祈願し名を上げたことから、出世稲荷神社と称されるようになったそうです。
以来、芸能関係者などからも信仰の厚い神社です。
現在は後年建てられたマンションの敷地内に鎮座しています。
近隣にあった岩代稲荷神社も合祀されています。
境内案内
地図見ながらウロウロしていますと、細い路地に出世稲荷神社の赤い幟を見つけました。
幟旗の脇には、出世稲荷神社のご由緒書き。
路地を進むとマンションがあり、その入口にも幟。さらには社号碑も見えます。
どうやらここが出世稲荷神社の入口のようです。完全にマンションの駐輪場ですが。
ここでいいのかな?と思いながら駐輪場を進んでみますと、奥に幟と鳥居が見えました。間違ってはいないようです。
出世稲荷神社の鳥居に到着しました。こんな場所にあったとは。
一礼して鳥居をくぐりますと手水鉢がありました。このような場所ですが、手入れは行き届いている感じがします。
こちら、出世稲荷神社の社殿正面になります。狭いところに押し込まれている感がありますね。
社殿の扁額には、「出世稲荷大明神」と「岩代稲荷神社」の二つの社名です。
参拝させて頂きます。
社殿の中には金色の神狐さんがいるのが見えました。
社殿を背にするとこんな景色になります。左手に鳥居があり、その先が駐輪場です。前方に見える道は通り抜けできませんでした。
参拝を終え、出世稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
出世稲荷神社は、とても変わった場所にある神社でした。
完全にマンションの中、しかも奥の方にありました。
家やマンションの敷地内に神社があるのは、僕はこれまでにも何度か見たことがあります。ですのでそれ自体は特に珍しいものではないかと思います。
ただ、マンションの駐輪場が参道代わりになっていて、その先、かなり奥まったところに鳥居と社殿があると言う、この出世稲荷神社のようなパターンは初めてでした。
事前にそこまでしっかりとは調べていませんでしたので、予想外の場所でした。それ故になかなか見つけられなかったんですけどね。
ここでいいのかな?と一瞬つい躊躇してしまうような場所でした。
他にも参拝者で賑わっていたりしたら、だいぶ雰囲気も違うとは思うのですが。あいにく周囲を見渡しても僕と嫁以外は誰一人見当たらず。知らないマンションの駐輪場に立ち入るというのは、不法侵入感がありましたので。
ですので奥に鳥居を見つけた時は安心しました。
境内は薄暗い場所でしたし、社殿も建物に挟まれている、狭い場所にあります。最初はこんな場所でちょっとかわいそうだな~なんて思ってしまったのですが…。
逆に考えれば、マンションが建てられたにも関わらず、神社をその場所に残してくれたんだなって。そう思ったら、少し見方も変わるものですね。
薄暗く狭い境内ではありますが、手入れも行き届いています。掃除も綺麗にされていましたし、鉢植えもいくつか置かれていました。きっと毎日手入れをしてくれている方がいらっしゃるんだと思います。
社殿の中には金色の神狐さんがいるのが見えて、そちらもけっこう惹きつけられるものがありました。
変わった場所にあるからなのか、なんとなく境内は不思議な空間になっていた感じがします。最初は薄暗く、イメージとしても暗い感じの神社だったのですが、境内にいるといつの間にかそんな暗いイメージはなくなるんです。不思議ですけどね。ただ単に、目が慣れるだけなのかもしれませんが。
マンションが建つ前はどんな景色の中にあった神社なのかな~と、昔の景色も知りたくなってしまいます。
江戸時代には、歌舞伎役者の初代市川團十郎が毎日参拝して名を上げたとのこと。それが社名の由来になっているそうです。
僕もそれにあやかり、出世したいものです。
不思議な場所にある出世稲荷神社。
参拝できて良かったです。
この後は、この日の目的地の一つで、近くにある小網神社へと向かいます。
御朱印
出世稲荷神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都中央区日本橋堀留町1-6-11です。
出世稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
①日比谷線・浅草線 「人形町駅」A5出口から徒歩10分。
②日比谷線 「小伝馬町駅」 3番出口から徒歩8分。
③銀座線・半蔵門線 「三越前駅」 A4出口から徒歩10分。
④JR総武本線 「新日本橋駅」5番出口から徒歩13分。
⑤都営新宿線 「馬喰横町駅」 A3番出口から徒歩13分。
⑥東西線・浅草線 「日本橋駅」B12出口から徒歩15~17分。
⑦東西線・日比谷線 「茅場町駅」4a出口から徒歩16~18分。
⑧各線 「神田駅」から徒歩20分。
最寄は人形町駅です。日本橋駅などからは歩くと若干距離があります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありませんが、短時間でしたら通行の妨げにならによう、神社前の道路に路駐しても問題ないかとは思います。近くにコインパーキングもあります。
周辺のパワースポット
中央区の神社一覧