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神橋(日光市)の御朱印と見どころ

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日光市にある神橋の参拝レポートです。

読み方は「しんきょう」です。世界遺産である日光の社寺への入口に架かる木造朱塗りの橋で、二荒山神社の建造物です。神橋自体も世界遺産の一部で、日本三奇橋の一つにも数えられています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

日光山内への入口にある「神橋」へ

11月の中旬、嫁と二人で二泊三日の日光旅行に出掛けました。

コロナ禍ではありますが、Go To トラベルを有効活用しての旅行です。

僕たち夫婦は毎年定期的に旅行をしているのですが、このたびは昨年の4月以来、かなり久しぶりの旅行です。昨年は僕の肺に腫瘍が見つかるという大事件がありまして、様々な検査の末、今年のあたまに手術。結果的には良性腫瘍でして事なきを得たのですが、その後はコロナでどこにも遠出できないという状態に。

コロナが未知の時期は、旅行ができるのはまだまだ先だと思っていました。しかし色んなことがわかってきてからは、対策さえしっかりと心掛けていれば、そこまで怖がることもないんだと。

で、背中を押してくれたのがGo To トラベルですね。間違いなく、コロナで疲弊した観光地を救う効果的なプランだと思いますし、何よりもめっちゃお得なので、この機会を有効活用しようと。

行きたいところは山のようにありますので、嫁とあれこれ協議を重ね、最終的にはまず日光に遊びに行くことにしました。

日光の世界遺産といえば、東照宮を思い浮かべる方も多いと思いますが、登録されているのは「日光の社寺」でして、その内容は「二社一寺(日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社)及びこれらの建造物群をとりまく遺跡」なんです。

つまり東照宮だけではなく、輪王寺、二荒山神社も合わせての、二社一寺ってことですね。

僕たち夫婦は7年前にも日光を訪れているのですが、当時はまだ神社にそんなに興味を持っていたわけでもなく、二社一寺のことも全く知らず、故に東照宮にしか参拝していないんです。

そこから数年後、神社について関心を持つようになってから、「日光を訪れたら二社一寺に参拝しないと意味がない」ということを初めて知りまして、いつかまた必ずや行きたいと願っていたんです。

すみません、前置きが長くなってしまいましたが、そんなわけでこのたび、二泊三日をがっつりと日光の二社一寺巡りにあてることにして、東京より出発しました。

朝イチで自宅を出発し、新宿から特急スペーシアで一本。二時間ほどで東武日光駅に到着です。

時間は9時少し過ぎ。天気は快晴。気温は低めなものの、絶好の散策日和です。

そして僕たちがまず最初に向かったのが、二社一寺への入口ともいえる場所にある、神橋です。

東照宮に向かう方は、横目に神橋を見つつ、通り過ぎて行くだけのパターンが多いのではないかと思うのですが、この橋も世界遺産です。

東武日光駅の「世界遺産めぐり」バス停よりバスに乗り(Suikaも使えるので楽ちんです)、5分ほどの「神橋」で下車。

二社一寺の最初の名所、神橋に到着です。

 

ご由緒

神橋は、日光二荒山神社の建造物で、大谷川(だいやがわ)に架かる木造朱塗りの橋です。

創建の年代は明らかになっていませんが、奈良時代末頃ではないかと考えられています。僧である勝道上人(しょうどうじょうにん)が日光山を開山する際、大谷川の急流に行く手を阻まれ神仏にご加護を求めたところ、仏教の守護神で、困難を克服する神とされる深沙王(じんじゃおう)が現れ二匹の蛇を放ち、その背から山菅(やますげ)が生え、橋になったとの伝説があります。

古来より神聖な橋として尊ばれ、山菅の蛇橋(やますげのじゃばし)、山菅橋、蛇橋とも称されてきました。

東照宮造営時に架け替えが行われ、寛永13年より現在のような朱塗りの橋となり、勅使や将軍以外、一般の通行は禁じられます。

明治35年には台風による洪水で流失してしまい、明治37年に再建されています。

昭和19年に国の重要文化財に指定され、昭和48年には一般に広く公開されるようになりました。平成11年には世界遺産に登録されています。

山口県の錦帯橋、山梨県の猿橋と並び、日本三奇橋の一つにも数えられています。

 

境内案内

神橋のバス停を降りますと、左前方が神橋の入口のようです。左手には、幕末に日光を戦火から守った、板垣退助の像が建っています。

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入口の碑には「二荒山神橋」と刻まれています。

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ここから先は拝観券が必要で、左の窓口で購入できます。大人300円です。

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チケットを購入します。御朱印もこちらの窓口で頂くことができるようですので、後ほど頂くことにします。

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中に入りますと、左手に鳥居があり、その先に神橋です。鳥居や橋の朱が、紅葉の一部のようでとても綺麗です。

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まず、鳥居へは向かわずそのまま直進。突き当りには神橋のご由緒書きがありました。車の通っている「日光橋」の向こう側が、日光山内になります。

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鳥居の右手前には、「良縁の鈴」と書かれた鈴です。神橋は「恋人の聖地」とも言われてるみたいですね。

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鈴の向こうに神橋を見つつ、嫁と二人で鈴を鳴らします。これで夫婦円満は間違いないはず。

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鈴の右手には、与謝蕪村の神橋を詠んだ句碑がありました。「二荒や 紅葉の中の 朱の橋」。

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鳥居の前へと進みます。ここからの景色、ほんとに綺麗でした。

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一礼して鳥居をくぐります。

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神橋へと歩を進めます。まだ朝ですので、人の姿も少ない中、この景色を楽しめるのは贅沢です。

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右手前方、神橋を渡った先と思われる場所には、大きな杉が聳えているのも見えます。

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左に「なで石」がありましたので、撫でさせて頂きます。この石をなでると、心が丸く豊かになり、夢が叶うと言われているそうです。

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進みます。左は崖になっています。

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近づいて行きますと、意外と橋が大きいことに気付きます。そして、ここからの景色も綺麗です。

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さらに接近。橋の向こう、右手に見えるひときわ大きな杉が「太郎杉」です。

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橋のたもと、崖の側には橋姫明神の祠がありましたので、参拝させて頂きます。「開運・良縁・橋わたしの神」と書かれていました。

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橋姫明神を振り返り、こちらが神橋の正面です。僭越ながら、渡らせて頂くことに。

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神橋の下には大谷川が流れています。こちらは左側。欄干も綺麗です。

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前を向きますと、やはり前方の太郎杉の存在感がハンパないですね。その足元には鳥居とお堂も見えます。

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こちらは右手から見る大谷川。

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橋の中央部分から前方を見た景色が、こんな感じです。太郎杉の存在感も素晴らしいですけど、紅葉も素敵です。

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突き当りまで進みますと、お賽銭箱。道路の向こう側にあるのは深沙大王堂(じんじゃだいおうどう)です。神橋の元となる二匹の蛇を放ったとされる、深沙王(じんじゃおう)をお祀りしたお堂です。

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道路を挟み、深沙大王堂に参拝させて頂きます。近くで見れば見るほど、太郎杉のでかさにも圧倒されます。

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しばし太郎杉を見上げたり、紅葉の景色を楽しみます。

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深沙大王堂を振り返り橋を見ますと、こんな景色です。

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再び神橋を渡り、戻ります。

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名残惜しさを抱えつつ、鳥居より外へ。

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案内所にて御朱印を頂きます。道路の反対側に見える像は、東照宮の創建に尽くした天海大僧正の像です。ちょうど板垣退助像と対になっている形です。

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神橋を後にして、日光山内に向かうため、日光橋を渡ります。

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こちらは日光橋から見る神橋。この景色もまた素敵です。

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参拝を終えて

快晴の空の下、とっても気持ちのいい参拝ができました。

この日は最高気温も6度という、朝からとっても寒い日でして、9時の時点で気温は1~2度ほど。

予報でもかなり寒いことがわかっていましたので、僕もももひきを履いたりマフラーをしたり、嫁もダウンコートを着たりと、寒さ対策はかなりして行ったつもりなのですが、それでもめっちゃ寒かったです。

しかしです。その寒さがゆえに、空気が澄んでいまして、より清々しい参拝ができた気がします。これがもっと早朝なら、さらに張り詰めた空気感を味わうことができたかとも思います。

まず、鳥居越しに見る神橋というのがとても綺麗で、見入ってしまいました。

紅葉の季節でして、鳥居や橋の朱色が、紅葉の赤や橙と綺麗に調和しているんです。上の項でも書きましたが、鳥居や神橋も紅葉の一部のように映りまして、とても綺麗でした。

そして鳥居の先、神橋を目の前にした際には、橋がかなり大きいことに気付かされます。幅がかなり広いです。

僕は7年前に東照宮を訪れた際、神橋は素通りしてしまっているのですが、タクシーに乗りつつ横目で見た記憶はあります。そのときは、神橋が「実際に渡れる橋」だとは知りませんでした。観るだけの橋だと勝手に思ってましたからね。それが歩いて渡れんだと、このたびの日光旅行に際し事前に調べていて、初めて知りました。

渡れるとを知ったからには、是非とも渡りたい。渡らないともったいない。

そんな思いを訪問前から抱いておりましたので、実際に渡る瞬間は、何ともいえない高揚感がありました。

昔は勅使や将軍以外は渡れない橋だったとのことなので、僕のような下民が渡ってしまい、申し訳ないくらいです。

橋を保護するため、橋板そのものは直接踏めないようになっていましたが、左右の欄干や下に流れる大谷川を眺めたりしつつ、ゆっくりと渡らせて頂きました。まだ人もそんなに多くない時間でしたので、独占できる時間もありました。

で、神橋を渡ろうとすると、物凄い存在感を持って目に飛び込んできますのが、橋の先にある「太郎杉」です。周囲にも大きな木がたくさん聳えているのですが、その中でも飛び抜けででかい杉でして、ものすごい迫力です。

太郎杉は、国道の拡張により伐採されそうになり、東照宮と栃木県との裁判を経て、伐採されずに残っているという経緯もあるそうです。

太郎杉の脇にも赤く紅葉したもみじがありまして、その奥に石灯籠や深沙大王堂が見える絵というのも、また素敵でした。

神橋は素通りして行く方が圧倒的に多いかとは思いますが、世界遺産の一部でもありますし、お勧めのスポットです。

僕たちも日光旅行のスタートを、大変素敵な場所から切ることができて幸せです。

唯一の心残りは、日光橋の手前に建つ二人の銅像をちゃんと見なかったことですね。

日光山内に向かって左が板垣退助、右が天海大僧正の像がありまして、どちらも日光のために尽力した人物なんだと。板垣退助が日光と繋がりがあることも初めて知りました。僕はどちらの像も認識し、目視はしたのですが、ちゃんと手を合わせたり、写真に収めることもせず…。神橋にばかり意識が行ってしまっていて、板垣退助さん、天海大僧正さんには失礼なことをしてしまいました。

次回訪れる際には、必ずやしっかりと二人にも頭を下げてこようと思います。

日光山内への玄関口にある神橋。参拝できてよかったです。

続いては、二荒山神社の別宮である、本宮神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが神橋の御朱印です。

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御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、4月~10月は8時半~16時半、11月~3月は9時~15時半までです。御朱印は記帳、書置き、どちらも扱っていらっしゃいます。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は栃木県日光市上鉢石町1112-1です。

※神橋を渡るには拝観料が必要です。拝観料は大人300円(著者参拝時)です。

神橋の公式サイトはこちらです。
http://www.shinkyo.net/index.shtml

 

電車&バス

東武日光駅」からバスで5分。

バスは「世界遺産めぐり(2B)」乗り場より乗車し、「神橋」で下車です。日中でしたら1時間に3~4本出ています。Suika、PASMOなど利用できます。

徒歩でも行けない距離ではありませんが、20~25分ほど掛かるかと思われます。

JR「日光駅」からも「日光東照宮」行きのバスで行くことが可能ですが、そちらは本数が少ないので、すぐ近くの東武日光駅まで歩いて移動し、そこからバスの方が確実です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。周辺に東照宮の駐車場や市営駐車場があります。公式サイトに駐車場案内がありますので、ご確認ください。

 

周辺のパワースポット

 

日光世界遺産巡り

日光の二社一寺を中心とした、世界遺産の全ての社寺については、こちらの記事でまとめてあります。

 

日光市の神社一覧

僕が参拝した日光市の神社一覧です。