江東区の牡丹にある於三稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「おさんいなりじんじゃ」です。古木弁財天と称される弁財天もお祀りされています。江戸時代の怪談『阿三(おさん)の森』の舞台とされる神社で、個人宅の敷地内(参拝は可能)に鎮座しています。最寄り駅は門前仲町駅ですが、京葉線の越中島駅からも徒歩圏内です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
「於三稲荷神社」と「古木弁財天」へ
この日は朝から嫁と二人で門前仲町駅周辺の神社巡りをしていました。
一番の目的地は、東京十社の一つでもある富岡八幡宮です。朝イチで富岡八幡宮に参拝し、さらには近くにあった深川不動堂にも参拝します。
その後に、地図で見つけた周辺の神社を時間の許す限り巡ってみることに。
「江東区 神社」ってGoogleで地図検索をすると、けっこうたくさんの神社が出てくるのですが、とにかくこの辺りは稲荷神社が多いんです。
そんな中で、門前仲町周辺の神社をいくつかピックアップし、黒船稲荷神社→於芳稲荷神社→永代出世稲荷神社→紀文稲荷神社と4ヶ所の稲荷に参拝し、すでに陽が落ちかけてきましたので、この日の神社巡りは終了です。
最後に訪れた紀文稲荷神社から、帰路に就くため門前仲町駅に向かいます。
駅を目指しててくてくと歩いていますと…
途中、門の中に鳥居が建っているお宅があるんです。実は僕たちは、その前を行きにも通過していまして、目には留まっていたんです。
あ、鳥居があるね、でも「人んち」だね、家の中に何か祀ってるのかな~、と、そんな会話を嫁と交わしながら、通過していたんです。
気にはなったものの、完全にどなたかの家の中でしたので、屋敷神のようなものかと思い、他人が勝手に入れる場所ではないと、普通にそう思ってしまったんですね。
そして帰り道、再びその前を通った僕と嫁ですが、鳥居の前にある門は開放されていて、「於三稲荷神社」と「古木弁財天」と書かれています。
これは…
もしかして入ってよいやつなのか?人んちだけど、勝手に入ってよいやつなのか?と、しばし門の前で思案。
すると、通り掛かった近所のおばさんが、僕たちが迷っているのを察したようで「ここ入っていいのよ」と、ありがたいおせっかいをしてくださいました。
おばさんありがとう。助かりました。
と言うわけで、民家の中にある於三稲荷神社と古木弁財天に参拝します。
ご由緒
ご祭神は、穀物や食物の神様である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)です。倉稲魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建の年代や詳しい経緯は不明ですが、『怪談・阿三(おさん)の森』の舞台とされる神社です。
『阿三の森』は、実話を基にしていると言われる江戸時代中期の怪談です。旗本の次男である新重郎と、団子屋の小町娘である阿三(おさん)が恋をするのですが、実はこの二人は兄妹なんです。二人ともそれを知らずに恋に落ちてしまったんです。そして後からその事実を知った新重郎は阿三の元を去り、事情を知らない阿三はそれにより死んでしまいます。その後阿三は幽霊となり、別の女性と結婚した新重郎の元に蛇の姿となって毎晩現れます。その蛇を捕らえて埋め、祠を建てた場所が「阿三の森」と呼ばれるようになりました。それが転じて「お産の森」となり、安産のご利益があるとされ、いつしか「おさんの稲荷」となり、多くの参拝者が訪れるようになったそうです。
関東大震災前までは境内も広い神社だったようですが、現在は個人宅の敷地内に鎮座しています。
境内案内
完全に個人のお宅と思われる門の中に、赤い鳥居が見えます。鳥居の存在感大きいです。
門の脇には表札のように「於三稲荷」と「古木弁財天」と書かれています。
自由に入ってOKとのことですので、おそるおそる門をくぐり、一礼して鳥居をくぐり境内へ。
中は綺麗な庭園のようになっています。緑も多く、なんだか落ち着く感じです。
参道を進みますと右手に手水舎です。大きくはありませんが、風情のある手水舎でした。お清めをします。
手水舎の後ろには、塚のような岩です。
参道の左手は綺麗に手入れされた緑が茂っていて、苔もいい感じです。
左手の先には百度石です。その両脇には一対の神狐さん。
突き当たりの右手が社殿です。その手前にも一対の神狐さんです。
社殿へと進みます。左手にも神狐さんの姿が。
さらに左手の奥には小さな神狐さんもいました。
社殿の正面に進み、参拝します。中にも神狐さんの姿が見えました。
社殿側から参道を見ますと、こんな景色です。とても居心地の良い庭園です。
石灯篭には明りが灯っていて、それもまた素敵でした。落ち着いた庭園をしばし楽しみ、於三稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
偶然通り掛かり訪れることができた於三稲荷神社。
個人のお宅の中にある神社だったのですが、綺麗な日本庭園のような境内で、とても落ち着く場所でした。おそらくこのお宅の方が綺麗に維持してくださっているんだと思います。
入って良いものかどうか迷いましたが、おばちゃんに声を掛けて頂き、入ることができて良かったです。
落ち着いた静かな空気を楽しむことができました。
ただ、やはり参道の脇がすぐ個人のご自宅の建物になっていまして、窓も開いていて人の気配もしましたので、少々遠慮をしてしまったのか、写真をあまり撮っていないことに後から気が付きました。
境内には素敵なポイントがいくつもあったのですが、なぜかほとんど撮ってなかったんですよ、僕は。きっと無意識のうちに、あまりパシャパシャとシャッターを切ってしまっては、ご自宅にいる方にご迷惑なのでは?と言う遠慮の気持ちが生じていたのかもしれません。
しかし、このブログを書くにあたり、写真を整理していますと…どうしてもっと写真を撮らなかったのだろう、と後悔している自分がいます。
それくらい素敵な境内だったんですよ、もっと細かく紹介したくなるくらい。
緑も多くて、石灯篭に火が灯っているのも風情があって、お狐さんたちが境内を護っていて。さらには僕たちの好きな水琴窟もあったんです。写真には撮っていませんが。
是非また行く機会がありましたら、もっとしっかり写真を撮って来たいと思っています。
そして、この於三稲荷神社はご由緒のところでも紹介しましたが、怪談の舞台となった神社とのこと。そんなことは全く知らずに参拝し、帰宅後に調べてみて初めて知ったんですけどね。
「怪談の舞台」とだけ聞いてしまうと、怖いイメージを持ってしまうかもしれませんが、僕が訪れた感じでは、そのような怖い雰囲気などは一切ありませんでした。むしろ、とても落ち着いた場所で、ゆっくりしたいと思わせるような境内でした。
僕も嫁も霊感とかも全くない鈍い人間ですので、行く人が行けば何か感じるのかもしれないですけれど。
少なくとも、僕たちにとっては、とても居心地の良い場所でした。
夜行ったら怖いんでしょうけどね。
怪談と所縁のあるという於三稲荷神社、参拝できて良かったです。
この於三稲荷神社を最後に、この日の神社巡りを終了し、帰路に就きました。
今回初めて江東区の神社を回ったのですが、どこも素敵な神社でした。
まだまだ回ってみたい神社がいくつもありましたので、また機会を見つけて訪れたいと思います。
御朱印
於三稲荷神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都江東区牡丹1-6-5です。
於三稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
①東西線 / 大江戸線 「門前仲町駅」から徒歩4分。4番出口または2番出口からが近いです。
②JR京葉線 「越中島駅」から徒歩7~8分。1番出口からです。
最寄駅は門前仲町駅です。少し大き目の通り沿いではありますが、地図を見ながら向かうことをお勧めします。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。短時間でしたら神社前の道路に路駐しても問題ないかとは思います。近くにコインパーキングもあります。
開門、閉門の時間は不明です。おそらく日中の時間帯なら大丈夫かと思うのですが、個人宅の中にありますので、毎日開いているのかどうかも不明です。曖昧な情報ですみません。
周辺のパワースポット
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