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大戸神社(川崎市/武蔵中原)の御朱印と見どころ

大戸神社の紹介

川崎市中原区武蔵中原にある大戸神社の参拝レポートです。

読み方は「おおとじんじゃ」です。全国的にも大変珍しい、砲弾を抱えた狛犬がいる神社でもあります。JR南武線の武蔵中原駅が最寄駅で、中原街道沿いに鎮座しています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

武蔵中原の「大戸神社」へ

神社巡りをしていますと、変わった狛犬さんやお狐さんに出会うことがちょいちょいあります。

そもそも神社自体、同じ建物、境内、景色というのは存在せず、どこもそれぞれに特徴がありますので、それが神社巡りの面白さでもあります。そんな中で、境内にいる狛犬さんやお狐さんも、その神社を表す一つの特徴だったりもします。犬や狐だけではなく、牛、猿、狼、蛇、亀などがいらっしゃる神社もあります。

僕もこれまで訪れた神社の中で、印象に残る狛犬さんたちに、何ヶ所かで出会っています。

そして全国には、これまで僕が見たことがないような狛犬さんやお狐さんが、まだまだたくさんいらっしゃるんですよね。いまだ存在すら知らないものも含めますと、その数は相当多いのではないかと。

ちなみにですが、「はじめ狛犬」で画像検索をしますと、なかなかに凄まじい狛犬さんたちが色々と出てきます。これは尾田栄一郎さんが、ワンピースの91巻にて「はじめ狛犬」を画像検索してみ、と書いていらっしゃいまして、僕もその通り検索してみたところ、衝撃的なものを目にすることに。

神社のブログを書いている方の中には、狛犬さんを中心に記事を書いている方もいらっしゃいます。僕もいつかそんなふうに、狛犬さんだけのまとめ記事を作ってみたいな~とか、「変わった狛犬」の写真集を作ってみたな~とか、漠然と思ったりしてます。特に変な狛犬の写真集というのは、我ながらそそられますね。

あとは、美人な巫女さんの写真集とかも作ったら売れそうです。

そんな願望を抱きつつ、今回訪れましたのは、川崎にある大戸神社です。こちらにはなんと、砲弾を持った狛犬さんがいらっしゃるということで、それが参拝のきっかけです。

元々は嫁がどこからか情報を仕入れてきまして、知るに至りました。砲弾が碑になっているというパターンは、これまでにもいくつかの神社で見たことはありますが、狛犬さんが持っているというのは、今まで一度も見たことがありませんし、惹かれるものがあります。是非とも生で見てみたいです。

そして9月の下旬、ようやく参拝が叶った次第です。

本当はこの日は、同じく川崎方面の大田区にて、「多摩川七福神巡り」というのに挑戦しようかと思っていたんです。しかしながら、僕が前日に調子こいて少々飲み過ぎてしまい、起きられなくて…。

で、多摩川七福神は朝イチからがっつり回りたかったので、お昼過ぎからでも行けそうな場所に急遽変更。そんな流れで、以前から行きたかった大戸神社へと行き先が決定しました。

大戸神社の近くにもいつくか神社がありましたので、時間や体力と相談して、それらにも可能な限り立ち寄る予定です。

嫁とバタバタと支度を終え自宅を出発し、電車を乗り継ぎ、南武線の武蔵中原駅に到着。

駅からは5分掛からないくらいでした。中原街道という交通量も多い道路を歩いて行きますと、右手に緑の濃い一角が現れました。

大戸神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の神様である天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)です。天照大神が隠れた天の岩戸を手で開け、大神を連れ出した、大力の神様です。

相殿には、天照大神(あまてらすおおかみ)、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、豊受比売命(とようけひめのみこと)、菅原道真公(すがわらのみちざねこう)、面足尊(おもだるのみこと)、火産霊大神(ほむすびのおおかみ)、須佐之男命(すさのおのみこと)が祀られています。

創建は戦国時代になります。武蔵国世田谷の吉良左兵衛門という武将に、内藤豊前という家臣がいました。その内藤の舎弟である内藤内匠之助という人物が、吉良家の領地であった下小田中村に移り、その際に信濃国の戸隠大明神を勧請し、村の守護神として創建したといわれています。当初は戸隠明神と称されていました。

明治になり、近隣にあった稲荷社や天神社などを合祀しています。

現在の社殿は、大正の関東大震災の後、昭和3年に再建されたものになります。

境内には、日露戦争の戦勝記念として奉納された、全国的にも大変珍しい、砲弾を抱えた狛犬がいる神社です。

 

境内案内

こちらが大戸神社の入口です。どうやら境内では、大掛かりな木の剪定作業の真っ最中のようです。トラックが停まっているのが見えます。

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参拝はできそうでしたので、一礼して鳥居をくぐり、境内へと進みます。

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真っ直ぐ延びた参道の先、トラックの向こう側に社殿が見えます。

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右手には石碑と燈籠が並んでいます。天照皇大神と刻まれた石碑と燈籠、合祀された社名が刻まれた石碑などがありました。

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石碑の先に手水舎です。

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手水舎には入れませんでしたので、手をはたいてお清めをします。

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左手にはご由緒が記された碑。

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拝殿へと進みます。念願の砲弾狛犬が見えてきます。

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こちらが左の狛犬さんです。ついにご対面が叶いました。

大戸神社の左の砲弾狛犬

 

そして、左の狛犬さんの台座には、いくつかの手形が。手形のついた台座というものも、僕はこちらで初めて見ました。

大戸神社の狛犬台座の手形

 

こちらが右の狛犬さんです。どちらも片手で砲弾を持っています。持ち方が可愛らしくもあります。

大戸神社の右の砲弾狛犬

 

もう一度、引きの絵で、砲弾狛犬と拝殿を眺めます。

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拝殿の前へ。ここまで来て初めて、拝殿に施された精巧な彫刻に気が付きます。

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正面には鳳凰と二頭の龍、左右には獅子、獏と、おそらく麒麟もいます。素晴らしいです。

大戸神社の彫刻

 

こちらが左右の彫刻です。ついつい見入ってしまいます。

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正面の龍は上下に一頭ずついまして、上の龍は下を、下の龍は上を向いています。

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お賽銭箱は石でできたものでした。これまた珍しいですね。

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素晴らしい彫刻の下に立ち、時間をかけて参拝します。

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拝殿を振り返りますと、こんな景色です。剪定のためのトラックは2台停まってました。

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境内を散策してみます。左手には神輿庫です。

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こちらは社殿を左斜め前から。少し黄色味がかった天水桶にも目が留まります。

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左奥に境内社が見えましたので、行ってみます。

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境内の左奥には、石碑が三つ並んでいました。左は「社殿復興之碑」、真ん中は「御嶽神社」、右は「平和の礎」と、それぞれ刻まれています。

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石碑の右手に、境内社の稲荷神社です。

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二つの鳥居をくぐり進みますと、険しいお顔をしたお狐さん。

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参拝させて頂きます。

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稲荷神社の社殿には、両脇に松と狐の彫刻が施されていました。

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続いて稲荷神社の右隣の社殿へ。こちらは手前に「宝物殿」と「庚申塔」と刻まれた二本の碑があり、さらにその右には「大戸神社末社」と書かれた碑がありました。参拝させて頂きます。

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境内社の前からは、本殿の姿を見ることもできます。

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再び拝殿の前に戻ります。こちらは社殿を右斜め前から。

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右奥には社務所と思われる建物がありました。

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心ゆくまで社殿の彫刻と砲弾狛犬を眺め、大戸神社を後にしました。

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参拝を終えて

ずっと気になっていた砲弾狛犬さんと、ついに対面することができました。

神社の入口に立った瞬間に、境内に大きなクレーン付きのトラックが停まっているのが見え、何やらがっつり作業をしていましたので、参拝できないパターンかと焦りました。たまに工事中で入れないとか、そういうことありますからね。なので一瞬やっちまったかと。

でも大丈夫でした。境内の剪定を大掛かりにやっていただけで、普通に参拝はできまして、ひと安心です。ここまで来て砲弾狛犬に会えないとか、さすがに悲し過ぎますからね。

鳥居からの景色という点では、トラックやクレーンが遮ってしまっているので、微妙な感じではありましたけれど、そこは仕方ないです。神社を維持するために必要な作業ですからね。

念願の砲弾狛犬さんは、そんなトラックの向こう側、拝殿のすぐ前にいらっしゃいました。

左右どちらも一目で「砲弾」を持っているのがわかります。がっしり持っているというよりは、片手で掴んで持っている形でして、どことなく可愛らしい持ち方です。持っているというより、「砲弾で遊んでいる」ような印象も僕は受けてしまいました。

お顔の方は意外といかつい感じなのですが、砲弾を持つ姿の可愛さに引っ張られて、だんだん可愛く見えてきます。

砲弾はどちらも「日露戦捷紀念」と刻まれ、金属の輪がはめられていました。

砲弾は、日露戦争から無事に帰還した、村の有志により奉納されたものだそうです。左の狛犬さんの台座には手形がいくつかありましたので、もしかしたら奉納された方たちの手形なのかもしれません。手形のついた台座というのも、僕は初めて見ました。

砲弾を持った狛犬さんというのは大変珍しく、大戸神社を含め、全国に五ヶ所しかないそうです。大戸神社の他には、同じく川崎にある大島八幡神社、横浜にある吾妻神社と日枝神社、千葉の館山にある熊野神社、以上五ヶ所です。全部関東ですので、行こうと思えば制覇できそうですね。画像検索で見てみましたところ、どれも大戸神社とはまた違った容姿の狛犬さんたちでして、砲弾の持ち方も違います。是非とも生で見てみたくなりました。

砲弾狛犬巡り、計画してみようかと思います。

と、砲弾狛犬さんについてばかり書いてしまいましたが、その他に、社殿の彫刻も素晴らしくて目を惹きました。中央には鳳凰と龍、左右には獅子や獏、翼のある麒麟、どれも精巧でかっこいい彫刻でした。かなりじっくり見てしまいました。中央の龍は、上に下を向いた龍、下に上を向いた龍の二頭いまして、上下で対になっているかのような形です。

彫刻の下、賽銭箱が石だったのもかなり珍しいかと思います。おそらく僕は石の賽銭箱に出会ったのは初めてな気がします。

大戸神社は何かと初めて見るものが多いですね。

社殿の左手には末社と稲荷神社がありまして、稲荷を守っていたお狐さんも、シュっとしてかっこいいお顔でした。

稲荷神社の脇にあった、「平和の礎」と刻まれた大きな碑は、第二次大戦の戦没者慰霊碑でした。

剪定のおじさんたち以外、参拝者は僕たち夫婦のみでしたので、時間をかけて参拝させて頂きました。

砲弾狛犬さんや、素晴らしい彫刻など、いい出会いができました。

大戸神社、参拝できてよかったです。

続いては、徒歩にて武蔵新城にある「新城神社」を目指しつつ、まずはその道中にある「権九郎稲荷」と「ピンスケ稲荷(大戸稲荷大明神)」に向かいます。

 

御朱印

大戸神社では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は神奈川県川崎市中原区下小田中1-2-8です。

大戸神社の公式サイトはありません。

 

電車

JR南武線 「武蔵中原駅」から徒歩5分。

南口を出て、そのまま駅を背にして真っ直ぐに小路を進みます。中原街道に出たら右折、少し歩いた右側になります。

 

駐車場

境内に駐車できるスペースがありますので、特別な日でなければ、問題なく停められるかと思います。すぐ近くにコインパーキングもあります。

 

周辺のパワースポット

 

川崎市の神社一覧

僕が参拝した川崎市の神社一覧です。