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小野神社(多摩市/聖蹟桜ヶ丘)の御朱印と見どころ

小野神社の紹介

多摩市一ノ宮にある小野神社の参拝レポートです。

読み方は「おのじんじゃ」です。紀元前の創建とも考えられている古社で、武蔵国の一之宮として広く崇敬されてきた神社です。平安時代には源頼義と義家が訪れ、太刀一振りと詠歌一首を奉納しています。最寄り駅は京王線の聖蹟桜ヶ丘駅です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

聖蹟桜ヶ丘の「小野神社」へ

僕は神社巡りがささやかな趣味であり、このようなブログも書かせて頂いております。

神社に出掛ける際には、ほとんど嫁と一緒に出掛けていまして、神社巡りは僕の趣味というより夫婦の趣味ですね。散歩の延長線になってるような感じで、それを口実に東京の様々な場所を歩いたり、地方に旅行に出掛けたりもしています。

そんな中、いつの間にやらうちの嫁が、新たな趣味を始めていたんです。

それが「マンホール」です。

どうやらマンホールの蓋のデザインというのが、けっこう流行ってるみたいなんです。地域によってデザインが違うみたいで、撮影してインスタに上げたり、収集したりするのが、特に女性の間で人気があるようです。

おっさんである僕は、そんなこと全く知りませんでした。

嫁と一緒に神社巡りで色んな地域に行きますと、確かに嫁はたまにマンホールの写真を撮っていました。で、見せてくれてたりもしましたので、蓋が地域によって違うということは僕も認識していましたが、そんなに流行っているとは。

中には、その場所ならではの凝ったデザインのものもあるみたいです。

そんなマンホールがきっかけで、この度僕たちは聖蹟桜ヶ丘に行くことになりました。

嫁が「あらいぐまラスカル」のマンホールが聖蹟桜ヶ丘にあるとの情報をどこかからか仕入れ、写真を撮りに行きたいと言い出したわけです。

聖蹟桜ヶ丘は多摩市でして、日本アニメーション株式会社の本社スタジオというのが市内にあり、その関係でラスカルのマンホールが作られたようです。

僕は特にマンホールに興味があるわけではありませんが、嫁に付き合い聖蹟桜ヶ丘まで行ってみることにしました。

多摩市というのは僕は普段行く機会がない地域ですし、聖蹟桜ヶ丘も地名だけは知っているものの、行くのは初めてです。

せっかくなので嫁のマンホールに付き合いつつ、駅周辺に神社があれば回ってみようと。

さらに聖蹟桜ヶ丘は、ジブリ映画「耳をすませば」の舞台になった場所だと聞いたことがありましたので、あわよくばその聖地巡礼的な散歩もしてみようと。

事前にマンホールの場所、駅周辺の神社、耳をすませばの舞台などを調べ、5月の下旬に出掛けました。

その最初の目的地が、こちらの記事で紹介する「武蔵国一宮 小野神社」です。

初めての聖蹟桜ヶ丘駅に降り立ち、地図を確認しながら小野神社を目指します。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の神様である天ノ下春命(あめのしたはるのみこと)と、瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)です。

天ノ下春命は、知恵を司る神である八意思兼神の御子で、現在の秩父地方を支配していた知々夫国造の先祖ともされています。瀬織津姫命は天照大神とも関係が深いといわれる、水や川など治水の女神であり、祓い浄めの女神でもあります。

創建の年代は不明ですが、紀元前の安寧天皇の時代と考えられています。最初にその名が史料に見られたのが奈良時代になりますので、それ以前ということになります。

武蔵国開拓の祖神である天ノ下春命を主神としてお祀りしたのが始まりとされています。

武蔵国の一之宮から六之宮を合わせて祀った、武蔵国総社である六所宮(現在の府中にある大國魂神社)創建の際には、東殿第一次の席を与えられ、一之宮と称されました。

また、武蔵国八座と呼ばれる神社の一社にも数えられています。

平安時代には、源頼義と義家が訪れ、太刀一振りと詠歌一首を奉納しています。

その後も北条氏や太田道灌の崇敬を受け栄えますが、戦乱や多摩川の氾濫により被災したため、戦国時代に掛けて衰退してしまいます。

再興されたのは江戸時代。徳川二代将軍秀忠により再興され、一宮大明神として厚く信仰を集めました。

府中市にも同名の小野神社がありますが、多摩川の氾濫に伴い、遷座を繰り返した結果二社になったという説と、どちらかが本社でどちらかが分祠という説があります。

武蔵国一之宮として、現在も厚く信仰されている神社です。

 

境内案内

聖蹟桜ヶ丘駅から小野神社を目指して歩いていますと、途中右手に大きなケヤキの木が二本。元々この辺りに小野神社の一之鳥居があり、このケヤキは御神木とのこと。

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ケヤキのお隣には、こんなモニュメントもありました。三つ巴の紋章が刻まれています。

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ケヤキから長閑な川沿いの道を歩いて行きますと、右手に小野神社の境内。そのまま歩き正面の入口に回ります。こちらが入口の大鳥居です。

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鳥居の脇には、これまた見事な大きなケヤキ。

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入口の燈籠は、片方が太陽、片方が月を現すものでした。これは実際に灯りを入れなくても、昼間は太陽からの明り、夜は月明かりが入り、火を灯しているのと同じ効果があることを意味しているらしいです。

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右の燈籠の奥には歌碑がありました。

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鳥居には神紋の菊の紋章が入っています。一礼して鳥居をくぐり境内へ。

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鳥居の先には狛犬さんと、随神門。

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狛犬さんは比較的新しいものに見えます。こちらが左の狛犬さん。

小野神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。どちらも迫力のある顔をしています。

小野神社の右の狛犬

 

随神門へと進み、目が釘付けになりました。この随神門、彫刻が凄いです。

小野神社の隋神門

 

一番手前に龍、その奥にも龍です。

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こちらは左の前面。上は四神の朱雀、下は獅子でしょうか。この随神門には、十二支と四神が彫られているとのこと。

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こちらは右の前面。上には兎と、その脇には鼠もいます。

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そして門の中、内側の左手を見上げると、雷神が。

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右側には風神です。

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門の中、両側には右大臣と左大臣。

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後ろには四神の玄武です。

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側面にも猿や猪や牛、龍(もしくは青龍)と虎(もしくは白虎)。色々います。

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随神門からしばらく動けなかったのですが、一通り彫刻を眺めた後、先へ進みます。前方に赤い社殿が見えます。

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参道の右手に手水舎です。

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手水舎の後ろの建物には、日本古来の神道の神々の像である「木像随身倚像」が納められていると書かれています。こちらは一般公開はされていないようです。

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手水舎にて、お清めをします。

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右手前方には神輿庫。

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参道の左手はこんな感じで開けています。奥には社務所が見えます。

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拝殿へと進みます。緑の中の赤がひときわ鮮やかに見えます。

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右手に、ハート型の窪みがある石がありました。どうやらこの石は、縁結びのパワースポットにもなっているみたいです。

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拝殿の正面へ。なんだかとても綺麗です。

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拝殿前にも狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。

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こちらが右の狛犬さん。どちらも少し愛嬌のある顔立ちです。

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派手な装飾などは一切ありませんが、鮮やかな赤が目を惹く社殿です。

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僕と嫁しかいない境内にて、時間を掛けて参拝します。

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拝殿を振り返り参道を見ますと、こんな景色です。

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拝殿を右斜め前から撮影。絵になります。

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社殿をぐるっと一周回れそうでしたので、右手の奥に進んでみます。

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横からは後ろの本殿も見えました。

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一周して社殿の左手へ。小さな祠がありましたので、手を合わせます。末社の秋葉神社でした。

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祠のお隣には12柱の神様が合祀されている、境内社合殿です。参拝します。

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社殿の左手からも本殿を。

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こちらにも大きなケヤキがありました。ついつい見上げてしまいます。

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一周して拝殿前に戻ります。

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境内の右手には、もう一つ門がありましたので、そちらにも行ってみます。南門で、聖蹟桜ヶ丘駅から歩いて来ますと、こちらの門の方が近いです。南門の中には左右に古い狛犬さんがいました。

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社務所の前には「御朱印受付所」と大きく書かれていたのですが、シャッターが閉まっていて残念ながらご不在でした。御朱印は頂けず。

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境内の左手、入口近くにもう一つ境内社がありましたので、行ってみます。

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こちらはお稲荷さんでした。可愛らしいお狐さんが護っていました。参拝します。

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お稲荷さんのお隣に、小野神社のご由緒を発見。

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一通り境内を散策し、最後にもう一度随神門を眺め、小野神社を後にしました。

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参拝を終えて

武蔵国一宮と呼ばれる小野神社。

大鳥居をくぐってすぐの随神門が、とにかく凄かったです。彫刻が凄い。

小野神社ってどんな神社?と聞かれたら、随神門の彫刻が凄い神社だ、と即答すると思います。

見事な彫刻があらゆる面にびっしりと細かく施されていて、どれも一つ一つ迫力がありました。正面の龍にはじまり、獅子、虎、兎、牛、猪などの霊獣の他に、内側には怖い顔をした風神と雷神もいます。

僕も嫁も、鳥居をくぐっていきなり現れたこの見事な門に釘付けになってしまい、しばらく先に進めませんでした。

一周ぐるっと回りますと、様々な場所に様々な彫刻があるのを見つけることができ、ついつい興奮してしまいました。

この日は平日だったためか、参拝者も僕と嫁以外は一人お見掛けしただけです。あとは境内に誰もいない状態がほとんどでして、随神門も思う存分眺めさせて頂きました。

随神門には十二支と四神が彫られているらしいのですが、虎と龍は四神なのか干支なのかわからず…。また、十二支の蛇や羊なども自信を持って「これだ!」と言えるものが見つけられず、それがちょっとした心残りではあります。

猿を見つけたときは嬉しかったですけどね。

また、もう一つの門である南門の方には、中の両脇に古い狛犬さんがいて驚きました。門の中に狛犬さんがいるというパターンは、僕はここで初めて見ました。ガラスが反射してしまい、上手く写真には撮れなかったのが残念です。

随神門の印象が一番強くは残っていますが、広い境内の中に佇む赤い社殿も素敵でしたし、入口の大鳥居脇、末社殿の前にあったケヤキの木も大きくて迫力がありました。

駅から小野神社までの間にあった、かつて一之鳥居があったという場所にある、二本のケヤキも素晴らしかったです。小野神社を訪れる際には、是非そちらにも立ち寄ってみてください。

時間を掛けて境内を散策し、最後に御朱印を頂きたかったのですが、残念ながらこの日は社務所が閉まっていて頂けませんでした。お電話もさせて頂いたところ、その日は一日戻らないとのことでしたので、諦めます。

事前に御朱印の有無など調べた際に、「事前に電話確認をしてください」と出てたんですけどね。まぁ頂けるだろう、と高をくくって行きましたら、見事に閉まっていました。

これもまた縁だと思いますので、後日改めて伺おうと思っています。(次項で紹介している御朱印は、後日改めて参拝した際に頂いたものになります。)

御朱印ありきの参拝ではなく、参拝ありきの御朱印だと思っていますので、どうしても御朱印を頂かなくてもいいんですけどね。

立派な随神門も見れましたし、広々とした境内をのんびりと散策させて頂き、いい参拝ができました。

府中にも小野神社があり、元々はこちらの小野神社と一つだったという説もありますので、是非そちらにもいつか訪れてみたいと思います。

また、僕は府中の大國魂神社には何度か訪れたことがあるのですが、大國魂神社には武蔵国の一之宮から六之宮までが祀られているとのことで、この小野神社が一之宮だということも初めて知りました。

ちなみに一から六の宮は以下になります。

  • 一之宮…小野神社(多摩市)
  • 二之宮…小河神社(あきる野市)
  • 三之宮…氷川神社(さいたま市)
  • 四之宮…秩父神社(秩父市)
  • 五之宮…金鑚神社(児玉郡神川町)
  • 六之宮…杉山神社(横浜市緑区)

この中で僕は、今回訪れた小野神社と、以前に秩父神社にも訪れていますので、六宮のうち二つには参拝したことになります。

あと四つ、いつか回ってみたいです。

小野神社を後にした僕たちは、次の目的地へ。

映画「耳をすませば」の聖地巡礼を兼ねて、いろは坂と金比羅宮を目指します。

 

御朱印

こちらが小野神社の御朱印です。後日改めて参拝し、頂いたものになります。

小野神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印の受付日、時間などは不定期です。御朱印を頂きたい方は、事前に電話確認や予約を入れておくのが確実です。土日の日中は比較的いらっしゃることが多いとのことですが、平日は不在のことも多いようです。小野神社の電話番号は「042-338-1151」です。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都多摩市一の宮1-18-8です。

小野神社の公式サイトはこちらです。
http://onojinja.or.jp/

 

電車

京王線 「聖蹟桜ヶ丘駅」から徒歩7~9分。

西口のロータリーを右(北)に進み、大きな交差点を左折。右手に大きな二本のケヤキがあるので、その先を左斜めに入って行きます。

 

駐車場

2台だけ停められる参拝者用の駐車場があります。駅周辺にはコインパーキングもいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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