杉並区の松庵にある西高井戸松庵稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「にしたかいどしょうあんいなりじんじゃ」です。正式名称は「稲荷神社」のみになります。松庵村の鎮守として創建された神社です。境内には狐のミイラを祀った末社があります。西荻窪駅の南、五日市街道沿いに鎮座しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
西荻窪の「西高井戸松庵稲荷神社」へ
3月の中旬、嫁と連れ立って、久しぶりの神社参拝に出掛けました。神社巡りというほどがっつりと歩き回るわけではなく、買い物に出掛けたその足で、近くにある神社を二ヶ所だけ立ち寄ってみよう、と言った感じです。
僕たちが前回神社巡りをしたのは、2月の真ん中辺りです。気付けばそこから一ヶ月以上経ってしまっていました。神社巡りを始めてから、これだけの間隔が空くのは久しぶりな気がします。
季節も冬からじょじょに春になってきて、晴れた日でしたら散策には気持ちいいですし、出掛けたくてたまらなかったんですけどね。
確定申告で奮闘していたり、5才と3才の甥っ子姪っ子がしばらく遊びに来ていたりと、バタバタの日々を過ごしていて、なかなか神社巡りに出掛ける余裕がなかったんです。
さらには僕の花粉症がなかなかにひどい状態でして、それどころじゃなかった、というのが一番の理由かもしれません。
そんな中、ようやくチャンスが訪れたのが3月の中旬です。吉祥寺に買い物に行く用事ができましたので、その足でお隣、西荻窪の神社を訪れてみようと。
これまで西荻窪の神社というのは全くのノーマークでして、訪れたことがなかったので。
事前に回る神社を検索し、ピックアップしたのは、駅近くの「伏見稲荷神社」と「西高井戸松庵稲荷神社」です。
前者の伏見稲荷神社はその社名もすぐ頭に入ったのですが、後者の西高井戸松庵稲荷神社は、けっこう長めの社名ですし、アホな僕はなかなかちゃんと覚えられず…。せめて参拝する前にはいつも、行く先の神社名はしっかり覚えておこうと思っているのですが、西高井戸松庵稲荷神社はそこそこの強敵でした。
伏見稲荷神社は駅のすぐ近くです。一方、西高井戸松庵稲荷神社は少々歩かねばいかん距離にあるようですので、最近ウィーキング不足の僕たちには、ちょうどいいかもしれません。
天気にも恵まれたお昼前、西荻窪駅に降り立った僕たちは、まずは伏見稲荷神社に参拝。
そこから地図を確認して、西高井戸松庵稲荷神社へと歩き出します。
伏見稲荷は駅の北側、西高井戸松庵稲荷神社は駅の南側です。
西荻窪は、駅の南に飲み屋街になっている路地がありまして、僕はよくその辺りのお店で一杯引っ掛けたりしていましたので、ついついお酒を飲みたくなってしまうのですが、まだお昼ですし、この後は用事も残っていますので、我慢です。
飲み屋街を横目に、ひたすら南へと真っ直ぐ歩きます。
五日市街道に出て右折し少し歩きますと、右手に木が茂る一角が現れました。
駅からは12~15分くらいは掛かったのではないかと思われます。
西高井戸松庵稲荷神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、受持命(うけもちのみこと)です。保食神とも表記され、稲荷神とも同一視されている穀物の神様です。
創建の年代は不明ですが、江戸時代前期以降になります。この地域は、医師である荻野松庵の指導により江戸時代前期に開拓され、その名に因んで松庵村となりました。開村後、当地に創建された円光寺というお寺の境内に、松庵村の鎮守として創建されたのが始まりといわれています。円光寺は明治維新の際に廃寺となっています。
昭和9年には中高井戸村の鎮守だった稲荷神社が合祀されています。近年、町名の変更で西高井戸という名前がなくなってしまったことから、合祀の歴史を残すため、現在の西高井戸松庵稲荷神社と称されるようになりました。
古くからこの地の人々に、厚く信仰されている神社です。
現在は、下高井戸にある下高井戸浜田山八幡神社の兼務社となっています。
境内には狐のミイラを祀った末社があります。かつて円光寺のそばにあった築山で暮らしていた狐の親子が、築山がなくなった際に離れ離れになり、親狐が悲しみのあまり前足をくわえた姿で拝殿の床下から発見され、そのままの姿で祀られたものといわれています。
境内案内
こちらが西高井戸松庵稲荷神社の入口です。石鳥居の奥に赤い鳥居があり、その先に社殿が見えます。
鳥居の右手には大きな木が二本。たぶんケヤキです。
この二本のケヤキは、五日市街道を歩いている途中に目に入りまして、そこに神社があることを教えてくれました。
鳥居の左にはご由緒。
一礼して石鳥居をくぐり、境内へ。
すぐ右手に手水舎です。
蛇口をひねって水が出るタイプの手水舎でした。お清めをします。
左手に末社がありましたが、まずは正面、拝殿に向かいます。
赤い鳥居の前には二対のお狐さんがいらっしゃいました。手前の方が小さいです。
こちらは左、奥のお狐さんです。子供もいます。
こちらが右のお狐さん。
右後方のお狐さんは、鍵を持っています。
一礼し、赤い鳥居をくぐり進みます。
その先には両脇に、太陽と月の燈籠です。
木々の緑に囲まれるように建っている拝殿は、落ち着いていて静かです。
拝殿の右手前にあった御神木は、中が空洞になっていました。
落雷か何かの影響でしょうか。御神木は途中で折れてしまっています。それでも綺麗な緑が茂っていて、生きているんですね。
こちらは右の燈籠の後ろにあったケヤキです。境内には大きな木が何本も聳えています。
拝殿へと歩を進めます。緑と茶色が綺麗です。
拝殿には中央に狐、左右には獅子の彫刻が施されていました。
静かな境内にて、時間を掛けて参拝します。
参拝を終え、境内を歩いてみます。こちらは拝殿を振り返った景色です。目の前の道路が五日市街道です。
こちらは社殿を右斜め前から。茶色の社殿は、陽があたると暖かみが増す気がします。
社殿の右手にも大きな木です。奥にも何本か見えますね。
右奥に進んでみると、軒下に一対の小さなお狐さんを発見です。なぜこんなところに。
今度は左側に回ってみます。こちらは社殿を左斜め前から。
左手に社務所です。入口には、御朱印は下高井戸浜田山八幡神社にて授与しています、との案内が出ていました。
左奥はこんな感じです。社殿に沿うように木が並んでいます。
先へ進むと、本殿の姿も見ることができます。
突き当たりには神楽殿です。
再び入口の方まで戻り、境内の左手前、末社の後ろにある庚申塚へ。
二基の庚申塚が祀られています。手を合わせます。
庚申塚からぐるっと回って、入口の鳥居の方に向かいます。
手水舎の後ろに、ねじれた木があることに気付きます。
こちらが、狐のミイラが祀られているという末社です。
社殿には、ミイラの由来が書かれていました。
社殿には小さなお狐さんがたくさんいらっしゃいました。参拝させて頂き、西高井戸松庵稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
少々歩いて辿り着いた、西高井戸松庵稲荷神社。
大きな木が何本も茂っている、静かな森の中のような神社でした。
すぐ目の前には、五日市街道という交通量も多い道路が走っているのですが、境内にいると不思議なもので、車の音も特に気になりません。といいますか、むしろ聞こえなくなっています。おそらく聴覚と意識の問題だとは思うのですが、神社ではそんな状態になることが多い気がします。
静かな時間をのんびりと過ごさせて頂きました。
境内の木は、本数自体がけっこう多いのですが、大きくて立派な木もあちこちに聳えていまして、ついつい見上げてしまいます。おそらくケヤキだと思われる入口の二本、右の灯籠の後ろ、社殿の左右、どれも太くて存在感がありました。
拝殿前のご神木は、途中で折れてしまっていて、中は空洞になっています。それでも上には綺麗な緑がたくさん茂っていまして、木の生命力の凄さを改めて感じました。
大きな木に囲まれた社殿は、木の茶色を貴重としていて、落ち着いた雰囲気の建物でして、それがより静かな空間を作っていた気がします。拝殿の狐の彫刻も素敵でした。
びっくりしたのは、拝殿の右手、軒下に小さなお狐さんが二匹いらっしゃったことです。僕は最初、全く気付かずに素通りしてしまったのですが、嫁が発見して教えてくれました。なぜこんなところに。
境内には狐のミイラを祀った末社が入口の鳥居脇にあります。その狐は、子と離れ離れになってしまい、悲しみのあまり前足をくわえた姿で、拝殿の軒下から見つかったと言われていますので…。もしかしたら、そんな言い伝えを踏まえて、今度は離れ離れにならないように、二匹のお狐さんを一緒に軒下に、なんて想いでそこに置かれていたのかな~と。勝手にそう解釈してみたり。
ミイラを祀る末社には、小さなお狐さんがたくさんいらっしゃいました。ミイラの実物は見れるようにはなっていませんが、中に安置されているんだな~と思うと欲が出てきてしまい、ひと目でいいので見てみたくなってしまいますね。
僕は以前山形にて、即身仏(ミイラ仏)を見たことがありまして、ミイラ繋がりで、そのときのことを久しぶりに思い出しました。
末社にも、時間を掛けて参拝させて頂きました。
西高井戸松庵稲荷神社は、御朱印はあるのですが、頂ける場所が本務社の下高井戸浜田山八幡神社になります。境内には社務所もあり、そちらにもそう案内が出ていました。
西高井戸松庵稲荷神社、下高井戸浜田山八幡神社、どちらも長い名前ですね。
僕たちは以前、下高井戸浜田山八幡神社には一度だけ訪れています。しかしそのときはまだ西高井戸松庵稲荷神社には参拝していませんでしたので、御朱印は頂いていません。というか、兼務社があることも知りませんでした。
せっかくなので、西高井戸松庵稲荷神社の御朱印を頂いてから帰りたいとは思えど、下高井戸浜田山八幡神社は、西高井戸松庵稲荷神社からですと、けっこう遠いんです…。
井の頭線の西永福駅から、京王線寄りにそこそこ歩いた場所にあります。車があればそこまで行きづらくはないのかもしれませんが、電車ですとなかなかなかなかに面倒な道のりになります。
ですので今回は残念ですが、御朱印を頂くことは諦めました。参拝できただけでも良しとすることに。
またいつか下高井戸浜田山八幡神社に行く機会がありましたら、その際にはこの日の日付で、御朱印を頂こうと思います。
西高井戸松庵稲荷神社、参拝できてよかったです。いい時間を過ごすことができました。
この後僕たちは西荻窪駅まで戻り、吉祥寺に移動し、用事を終え帰路に就きました。
この日訪れた神社は二ヶ所だけですが、やっぱり神社巡りっていいものですね。
また近々出掛けようと思います。
御朱印
西高井戸松庵稲荷神社の御朱印は、下高井戸にある下高井戸浜田山八幡神社にて頂くことができます。
まだ僕は頂けておりませんので、頂きましたらアップします。
下高井戸浜田山八幡神社の詳細は、以下の記事で紹介しています。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都杉並区松庵3-10-3です。
西高井戸松庵稲荷神社の公式サイトはこちらです。下高井戸浜田山八幡神社のサイト内になります。
http://www.shimotakaido.org/hachiman/syoan/
電車
①JR中央線・総武線 「西荻窪駅」から徒歩10~15分。
南口を出て、五日市街道に出るまで真っ直ぐ南下です。五日市街道に出たら右折し、少し歩くと右側にあります。
②京王井の頭線 「三鷹台駅」から徒歩20分。
真っ直ぐ北上し、五日市街道に出たら右折です。少し歩くと左側にあります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。少し離れたところに、コインパーキングがいくつかあります。
周辺のパワースポット
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