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成子天神社(新宿区)の御朱印と見どころ

成子天神社の紹介

新宿区西新宿にある成子天神社の参拝レポートです。

読み方は「なるこてんじんじゃ」です。成子富士と呼ばれる新宿区では最大の冨士塚がある神社です。境内では七福神巡りもできます。青梅街道沿いに鎮座していて、最寄は丸ノ内線の西新宿駅ですが、各線の新宿駅からも徒歩で10分ほどです。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

西新宿の「成子天神社」へ

成子天神社には、4月の下旬、暖かい日に嫁と二人で訪れました。生憎の曇り空でしたが、寒くもなく暑くもなく、過ごしやすい一日です。

この日は午前中から新宿周辺の神社巡りを始め、成子天神社が五ヶ所目に訪れる神社です。

一ヶ所目には小田急線の南新宿駅近くにある、金吾龍神社の東京分祠。その後は同じく南新宿駅近くの平田神社、西新宿寄りにある箒銀杏天満宮、西新宿の蛯子稲荷大明神という順番で巡り、五ヶ所目に成子天神社という流れです。

このルートは、南新宿から西新宿を突っ切って北に向かうという、なかなかの歩行距離を要する道のりです。縦に電車が通ってれば乗るんですけどね、電車がないので徒歩です。

三ヶ所目の箒銀杏天満宮と、四ヶ所目の蛯子稲荷大明神に関しては、たまたま平田神社から成子天神社への道中に地図で見つけましたので、立ち寄った形です。

もう一ヶ所、東京都庁の目の前に、出雲大社の恋弁天という神社がありまして、以前一度だけ訪れたことがあります。で、今回も通り道なのでそちらにも立ち寄ろうと思っていたところ、残念ながら周辺が工事中で近づけませんでした。こればかりは仕方ありませんので、また次の機会にですね。

都庁のバカでかいビルや、高級そうなホテルなど高層ビルが連なるエリアを、ひたすら北に歩きます。

成子天神社は青梅街道沿いにあるようですので、とりあえず青梅街道を目指します。

僕は若い頃に西新宿駅の近くで2年ほど働いていたことがあり、地図を見ますと元勤務先はまさに成子天神社のすぐ近くなんです。にも関わらず、当時は神社があったという覚えが全くないんです。もちろん足を踏み入れた覚えもありません。きっと神社に対して一切の興味がなかったので、その存在を意識することがなかったんだと思います。

地図ですぐ近くに「もうやんカレー」という名前も見つけて、そこにはよく食べに行ってたことは思い出したんですけどね。

成子天神社の記憶は皆無です。

そんな成子天神社を目指し、そこそこの距離を歩いて行きますと、ようやく青梅街道に出ました。

出てすぐにお堂のようなものがありましたので、一瞬ここが成子天神社か?と思ったのですが、そちらは「成子子育地蔵尊」でした。

成子子育地蔵

成子子育地蔵尊に参拝し、改めて地図を見ますと、成子天神社は青梅街道の反対側。

道路を渡り神社への入口を探してきょろきょろしていますと、かつて訪れたことのある「もうやんカレー」を見つけて懐かしい気持ちに。

そしてそこから少し西新宿駅寄りに歩きますと、公園のように綺麗に手入れされた路地があり、その先に鳥居が見えました。

成子天神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、学問の神様として知られている菅原道真公(すがわらのみちざねこう)です。

創建は平安時代の前期、延喜3年です。菅原道真公が九州の大宰府で亡くなられたという報せを受けた家臣が、その死を嘆き、公の生前に彫られた像をこの地に持ち帰り、祀ったのが始まりです。

元々この辺りは柏木村鳴子と呼ばれていて、大神宮が祀られ神域が広がっていたそうです。そんな場所に道真公が祀られました。現在の地よりは少し北にあたります。

鎌倉時代には源頼朝により社殿が造営されたと伝えられています。

江戸時代には春日局の勧請により、天満天神社として社殿が造営されました。

その後、寛文の時代の大火により神社の記録や社宝が全て消失してしまい、現在の地に遷座します。

第二次大戦時には再び被災し消失し、1966年に鉄筋コンクリート製の社殿が造営されますが、老朽化により2014年に再建されています。

境内には成子富士と呼ばれる、高さ約12メートルで新宿区では最大規模の富士塚があります。

また、七福神が全員祀られているので、境内で七福神巡りもできる神社です。

この場所が森だったはるか昔から、周囲を高層ビルに囲まれた現在まで、人々に厚く信仰されている神社です。

 

境内案内

こちらが成子天神社の入口です。綺麗に整備された参道が延びています。

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参道両脇の緑が綺麗です。

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右手に七福神の恵比寿さまです。手を合わせます。

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少し先、左手には大黒天さまです。

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大黒天さまの先が鳥居です。鳥居の後ろに見える木もでかいです。

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一礼して鳥居をくぐります。

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鳥居の先には「鳴子ウリ」の説明がありました。この辺りはかつてウリの産地だったそうです。

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ウリのお隣に成子天神社のご由緒。

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左手に手水舎です。

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お清めをします。手水鉢には天神様の神紋が刻まれています。

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手水舎のちょうど向かい辺り、参道の右手には、以前使われていたと思われる社名の碑と瓦がありました。

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その先に毘沙門天さまです。

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正面には赤と白の門。

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一礼して門をくぐります。門の左右には風神さまと雷神さまがいらっしゃいました。

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門をくぐると開けた空間が広がり、社殿の全容も見えます。境内は綺麗に整備された公園のようです。

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左手には近代的な建物の神楽殿。

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右手には神輿庫が並んでいます。

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境内のちょうど中央辺りに、ひときわ大きい銀杏です。こちらが夫婦公孫樹(めおといちょう)の雌木です。

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銀杏には近付くこともできましたので、触れさせて頂きました。

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しばし銀杏を見上げます。

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参道に戻りますと、右手に撫牛(なでうし)さん。色々な部位を撫でさせて頂きました。

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その先、左右にあった燈籠も古いもののように見えました。どちらも立派な燈籠です。

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拝殿へと進みます。

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拝殿前には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。

成子天神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さんです。どちらも古い狛犬さんで、1830年に奉納されたものだそうです。

成子天神社の右の狛犬

 

石段の先に拝殿です。赤と白を基調とした社殿で、新しい感じがします。

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参拝します。

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拝殿を背にして境内を見ますと、こんな景色です。

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境内を散策してみます。まずは境内の左手にある境内社に行ってみます。

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鳥居の奥には境内社が三つ並んでいました。左から大鳥神社、大神宮、鳴子稲荷神社です。一番左の大鳥神社の祠が黒いもので珍しかったです。

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鳥居の脇には七福神の弁財天さまです。

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三つの境内社から社殿寄りには井戸がありました。その奥には水神宮です。

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井戸の辺りから拝殿を見ますとこんな景色です。

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社殿に向かい左手にも参道が延びていました。西参道で、成子天神社にはそちらからでも出入りできるようです。

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西参道の入口には、とても古い狛犬さんが一体だけありました。こちらは1775年に奉納されたものとのこと。かなり古いです。

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拝殿の左手前には力石が並び、大きな石碑もありました。

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力石の左手には、七福神の福禄寿さま。

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社殿の左奥には北参道が延びています。行ってみます。

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北参道の左手には大きな銀杏。夫婦公孫樹(めおといちょう)の雄木です。

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そして銀杏の奥に、成子富士と呼ばれる大きな富士塚です。想像していたよりも遥かにでかいです。

成子天神社の富士塚

 

参道の右手には七福神の寿老人さまです。

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富士塚の前にはいくつか石碑が並んでいます。左のものは「湯殿山」と書かれていますね。

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真っ直ぐ進むと北参道の鳥居、左手の鳥居をくぐると成子富士の入口です。

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左の鳥居手前には富士塚の説明。新宿区内では最大の富士塚と書かれています。

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一礼して鳥居をくぐります。

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先には浅間神社がありました。富士塚に登る前に、安全を祈り参拝します。

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浅間神社の脇には木花咲耶姫命がいらっしゃいました。

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成子富士登山へ出発。

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登山道は細いですが歩きやすいです。

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見上げるとけっこう高いです。ごつごつした岩は富士山から持って来た溶岩とのこと。

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途中に祠がありましたので手を合わせます。

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そこからいっきに危険な登り坂になりました。コケたらアウトなやつです。

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無事に登頂です。頂上には祠があり、参拝します。

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山頂から境内を見るとこんな感じです。けっこう高さがあって怖いです。

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境内と反対側は高層マンションだらけ。

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高さにビビりつつもしばらく山頂で過ごし、慎重に下山します。

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無事に下山し、北参道の先に、七福神の最後の一人、布袋和尚さまを発見します。これで七人全部制覇です。

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拝殿前に戻り、右手にあった社務所にて御朱印を頂き、成子天神社を後にしました。

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参拝を終えて

成子天神社は、ありきたりな言葉で申し訳ありませんが、「都会のオアシス」のような場所でした。

周囲には西新宿の高層ビルが聳え、その谷間に緑の多い成子天神社の境内があります。

参道もまるでハイキングコースのようで、両脇にはたくさんの緑があり、手入れも行き届いていて綺麗です。風神と雷神のいる門をくぐった先は、まるで公園のような境内でした。

夫婦銀杏など大きな木も目を惹きますが、全体的に手入れされた綺麗な緑の印象が強いです。

2014年に社殿が再建されたとのことですので、その際に境内も整備されたのではないかと思われます。お洒落で綺麗で、居心地が良かったです。

オフィス街の中にありますので、実際に公園のような感じで通り抜けている人も多かったです。

そんなお洒落な境内をはじめとして、見どころの多い神社ではありましたが、一番インパクトがあったのは「成子富士」と呼ばれる大きな富士塚です。事前に富士塚があることは把握していたのですが、新宿区では最大のものというだけあって、想像していたよりも遥かにでかかったです。

僕がこれまでに登った富士塚では、鳩森八幡神社、品川神社、杵築大社などが大きなものでしたが、成子天神社の富士塚がそれに新たに加わりました。

さらにはこの富士塚、登山道が途中からけっこう危ないんです。

最初はハイキングコースのように長閑な感じなのですが、途中からいきなり急で細い道になり、コケたら終わりな感じになるので、一定の緊張感がありました。

そんな険しい道のりを制覇して成子富士の山頂に辿り着くと、新宿ならではの景色が広がっています。周囲は高層ビルだらけです。

とは言えやっぱり山頂は気持ちいいですし、下を見ると少し足がすくんでしまうくらいの高さもありました。

富士塚の入口、浅間神社の脇に木花咲耶姫命の像があったのですが、この像は元々は山頂にあったそうです。2011年の東日本大震災で落下し、立て直されたとのこと。

成子天神社を訪れた際には、是非この成子富士は登ってみてください。お勧めです。ただし、くれぐれも足元にはお気を付けて。

そして富士塚の他にも色々と見どころがありました。

成子天神社では七福神巡りが境内でできてしまうんです。七福神さまが全員いらっしゃいますので、これはもう巡らないと勿体ないです。

境内に七福神が全員というのは、湯河原の五所神社で見ましたが、東京では僕はここが初めてです。

七人全員を一人ずつ探すのもまた楽しかったです。

あとは、境内末社の大鳥神社の祠が黒色でして、黒い祠というのは珍しいかと。

夫婦銀杏も素敵でしたし、撫牛もしっかりと撫でさせて頂きましたし、隅々まで散策させて頂きました。

昔働いていた場所のすぐ近くに、こんなところがあったなんて。もっと早く来ていればよかったと、改めて思ってしまいました。

成子天神社では御朱印も無事頂いたのですが、御朱印は書く方によって全く違うようで、僕と嫁は一枚ずつ別のパターンで書いて頂きました。ありがとうございます。

大きな成子富士のある成子天神社。参拝できて良かったです。

続いては、北新宿にある鎧神社を目指して歩き始めます。

 

御朱印

こちらが成子天神社の御朱印です。

成子天神社の御朱印

書く方により御朱印が大きく異なるようですが、こちらの御朱印は、「天」の文字が極太ですので、滲みに注意が必要です(裏に紙を挟む、すぐ閉じないなど)。

 

こちらが古代文字の御朱印です。

成子天神社の御朱印

 

成子天神社では、上記以外にも一月に限り、七尊像巡り(七福神巡り)の御朱印を頂くことができます。

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都新宿区西新宿8-14-10です。

成子天神社の公式サイトはこちらです。
http://www.naruko-t.org/

 

電車

丸ノ内線 「西新宿駅」から徒歩2分。

1番出口から出て、目の前の青梅街道を右手に進むとすぐです。

大江戸線 「都庁前駅」から徒歩8~10分。

E2出口が一番近いです。

各線 「新宿駅」から徒歩10~12分。

西口方面から出て、大ガード交差点から青梅街道を西です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場がありますが、利用の際には社務所への連絡が必要になります。近くにはコインパーキングもいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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