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南洲神社(鹿児島市)の御朱印と見どころ

南洲神社の紹介

鹿児島市にある南洲神社の参拝レポートです。

読み方は「なんしゅうじんじゃ」です。西郷隆盛と西南戦争の薩摩軍戦没者をお祀りしている神社で、西郷隆盛や戦没者の埋葬されている南洲墓地に隣接しています。資料館である西郷南洲顕彰館もあります。鹿児島駅の北、高台になっていてる南洲公園に鎮座しています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

西郷隆盛を祀る「南洲神社」へ

南洲神社を訪れましたのは、5泊6日というがっつりな日程で出掛けてきた鹿児島旅行の5日目です。5泊6日というと、けっこう長い日程だと思って出掛けてはきましたが、実際に過ごしていますと、驚くほどあっと言う間ですね。

この日は午前中に桜島に渡り、黒神埋没鳥居や月讀神社に参拝しました。いつか行ってみたいと思っていた桜島に上陸していることが、とっても不思議でもあり、感慨深くもありました。

そしてフェリーが可動橋の故障で運休というトラブルには見舞われましたが、なんとか午後には無事に鹿児島の市街地に戻って来れました。

で、同日に予定していましたのは、あと三社の神社巡りです。

いずれも鹿児島市内にある神社で、南洲神社、鹿児島県護国神社、照国神社の三社です。

他にも気になる神社はあれこれあるのですが、きりがないですからね。時間の制約もありますし、行きたい神社を絞り込んだ末、その三社になりました。

ただですね、照国神社は路面電車の駅からも徒歩圏内なのですが、他の二社が車がないと少々不便ではあります。バスなど利用して近くまで行くこともできるようですが、やや面倒。

ですので、手っ取り早くタクシーを使うことにします。

鹿児島港のフェリーターミナルより、まずは一番近くにある、南洲神社を目指すことにします。

南洲神社は西郷隆盛をお祀りしている神社です。西郷さんは「南洲」という号で称されていました。

鹿児島と言えば…という問いに、まず浮かぶものがいくつかあるのですが、西郷さんもその筆頭ではないかと思います。僕は、桜島、西郷さんが最初に浮かび、続いて芋焼酎、さつま揚げが出てきます。

西郷さんは、明治維新にはなくてはならなかった人物です。やはり鹿児島に行くからには、西郷さんの神社にはぜひ行っておきたい。お墓もあるとのことなので、手も合わせたい。そして、西郷さんはもちろん、西南戦争の英霊にも、ちゃんとご挨拶をさせて頂きたい。

また、南洲神社の御朱印帳が、西郷さんのお顔がドーンと描かれた、これまたインパクトのあるやつでしたので、そちらもぜひとも買い求めたい。

そんなれこれを想いつつ、フェリーターミナルからはタクシーに乗り7~8分でした。

南洲神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、西郷隆盛命(さいごうたかもりのみこと)と、西南戦争の薩摩軍戦没者6800柱の御英霊になります。

創建は明治13年です。明治10年の西南戦争終結後、仮埋葬されていた南洲翁(西郷隆盛)らが明治12年に現在の地にて改葬され、各地に散在していた西郷軍の遺骨も集められ、南洲墓地となりました。そして南洲翁や戦没者の英霊を祀る祠を建てようという声が高まり、翌13年に墓地の隣に参拝所が設けられたのが、当社の始まりとなります。

大正2年に社殿が竣工され、大正11年に南洲神社となります。

昭和20年には戦災で焼失してしまいますが、昭和25年に再建されます。昭和53年には、墓地の隣に西郷南洲顕彰館が建てられ、西郷の遺品などが展示されています。

 

境内案内

こちらが南洲神社へと続く石段の入口。上まで車で行くことができるのですが、敢えて石段から入ります。

 

けっこう長い石段を上がって行きますと、前方に鳥居が見えてきました。左右の灯籠も変わった形をしています。

 

鳥居に到着です。そしてその向こう見えますのが、南洲墓地です。

 

この左手の先が駐車場になっていますので、車でそこまで来れば、石段を登らずに済みます。反対側、右手に進むと南洲神社です。

 

一礼して石鳥居をくぐります。

 

左手に岩村県令記念碑。土佐藩出身の鹿児島県令(知事)だった、岩村通俊の記念碑です。岩村さんは、西南戦争で敗れた西郷軍の戦死者の遺体を、丁寧に葬ったという県令です。

 

そのお隣には、鹿児島市と兄弟都市である山形県鶴岡市より送られた庄内柿。旧庄内藩の方たちが、西郷隆盛の教えを『南洲翁遺訓』という一冊の本にまとめ、全国に広め歩いたそうです。

 

墓地へと進みます。

 

左右にも墓石が並んでいて、右手の先には南洲神社の社殿も見えます。

 

どうやら正面の中央が、西郷さんのお墓のようです。

 

西郷さんの墓前へと進み、手を合わせます。

南洲墓地

 

西郷さんを囲むように、周囲にもお墓が並んでいます。ここには西南戦争で亡くなった2023名が埋葬されています。後ほど歩いてみることに。

 

少し戻り、神社へと向かいます。石段の手前には、オガタマノキ、紅梅、サツキです。

 

反対側には、大きな常夜燈です。鳥居の側ですね。西郷隆盛と勝海舟の会談で江戸城が無血開城され、江戸が戦火を免れたことから、東京市から感謝の意で寄贈建立された常夜燈です。

 

常夜燈の脇には勝海舟の歌碑。「ぬれぎぬを干そうともせず 子供らの なすがまにまに 果てし君かな」。勝海舟が西郷を悼んだ歌とのこと。

 

こちらは辛亥革命の立役者の一人である黄興が、尊敬していた西郷隆盛の墓地に参詣した記念碑です。

 

その先、突き当りには大きなイチョウ。何の木かわからなかったのですが、イチョウと書かれていました。後方には雲が掛かっていますが、桜島が見えます。

 

桜島を振り返ると、南洲神社の拝殿へと続く石段です。

 

拝殿へと進みます。

 

左には大きなオガタマノキ。

 

オガタマノキの先が、軽食と雑貨のお店「和かふぇなんしゅう」です。反対の右手は社務所。

 

お店の入口には、西郷さんの漢詩です。

 

石段を上がります。

 

左が手水舎です。そのすぐ後ろは南洲墓地。

 

右が授与所。後ほどこちらで御朱印と御朱印帳を頂くことに。

 

手水舎の脇には、市の有形文化財にも登録されている、大正2年に建てられた南洲神社電燈です。

 

お清めをして、白い拝殿へと進みます。左の足元には砲弾が二つ。

 

反対、右手には招魂碑とご由緒書きです。

 

拝殿の前へ。参拝させて頂きます。

 

拝殿は中に入れるようですので、お邪魔します。

 

上には、西郷さんの肖像画。

 

右手の西郷隆盛像は、西郷さんの曾孫にあたる陶芸家の西郷隆文氏によるものです。上には、西郷さんの座右の銘である「敬天愛人」。

 

反対、左には少し小さな西郷さんとツンの像です。また印象がだいぶ違います。

 

拝殿を出た参道の景色は、こんな感じです。

 

参拝を終え、御朱印を頂き、御朱印帳も購入。そして「和かふぇなんしゅう」をチラ見。入口には可愛い黒猫ちゃんがいました。

 

再び南洲墓地へと足を踏み入れ、少し歩いてみます。

 

そのまま、西郷南洲顕彰館へと向かいます。途中には、「西南之役官軍薩軍恩讐を越えて」の碑です。敵味方の区別なく供養を、というものですね。

 

お隣には「西南之役民衆殉難者惻隠之塔」。西南戦争での民衆の犠牲者を供養するものになります。宮沢賢治のことばも記されています。

 

こちらが西郷南洲顕彰館。ゆっくりと拝観させて頂き、南洲神社を後にしました。

 

参拝を終えて

西郷さんをお祀りしている南洲神社。

僕は子供の頃から日本史が好きでして、中でも戦国時代と幕末は特に好きでした。小6のときは自由研究で幕末についてまとめたほどです。

ゆえに、西郷さんももちろん好きでした。

そんな西郷さんのお墓に参拝し、お祀りしている神社に参拝する日が来るとは。感慨深いものがあります。小学生の頃の自分は、考えもつかなかったことですからね。

タクシーを降り、南洲神社や南洲墓地の位置をちゃんと把握しないまま、長い石段を上がって行きましたので、上がった先がいきなり墓地でびっくりしました。で、その正面に西郷さんのお墓でしたので。心の準備もできぬまま、墓前に進んでしまいました。

西郷さんのお墓を囲むように、薩摩軍の戦没者のお墓が並んでいて、言葉が適切かどうかわかりませんが、その景色も美しいものがありました。

ちなみにお墓はどれも桜島の方を向いています。それもまた粋だな~と。

そこから拝殿までには、無血開城で寄贈された常夜燈や、勝海舟の歌碑など、西郷さんにご縁のあるものが並んでいます。

拝殿は白で、木々の緑との調和も素敵でした。

拝殿は中に入ることもできまして、大小二つの西郷さん像と、よく見る肖像画がありました。拝殿に入った瞬間、西郷さんに見られているような気持ちにもなります。

雑貨屋さんにお客さんが一人いらっしゃいましたが、参拝していたのは僕と嫁の二人だけでしたので、西郷さんとの空間を独り占めさせて頂くことに。なんとも贅沢な時間を頂戴しました。

事前にチェックしていた、西郷さんの御朱印帳も無事購入。

南洲神社の御朱印帳

「命もいらず名もいらず」。もうこれだけでかっこいい。

西郷南洲顕彰館では、西郷さんがいかに好漢であり、いかに慕われていたのかなども知ることができました。

墓地もゆっくりと歩かせて頂き、西南戦争のことも改めて考えました。

僕はこの前日、知覧の特攻平和会館にも行ったのですが、多くの人が命を懸けてくださった先に、今の時代があるんですよね。

感謝しかありません。そして、この平和な日常を、未来に繋いでいかなければいかんと、そんなことも考えました。

南洲神社、参拝できてよかったです。

続いては、鹿児島出身の英霊をお祀りする、鹿児島縣護國神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが南洲神社の御朱印です。

南洲神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は鹿児島県鹿児島市上竜尾町2-1です。

南洲神社の公式サイトはありません。

 

電車

JR「鹿児島駅」/市電「鹿児島駅前駅」から徒歩15分ほどです。

バスですと、JR「鹿児島中央駅」からカゴシマシティビューバスに乗車し、「西郷南洲顕彰館前」下車で徒歩すぐです。

タクシーですと、「鹿児島中央駅」からは約15分、「鹿児島駅」からは約5分です。

 

駐車場

西郷南洲顕彰館の下に、50台ほど駐車できる駐車場があります。

 

トイレ

南洲公園と西郷南洲顕彰館にあります。

 

周辺のパワースポット

 

鹿児島市の神社一覧

著者が参拝した鹿児島市の神社一覧です。