宮島にある三翁神社の参拝レポートです。
読み方は「さんのうじんじゃ」です。三つのお社がある神社で、かつては山王神社と表記されていました。厳島神社の裏手、東回廊近くに鎮座する、厳島神社の境外摂社です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
宮島の「三翁神社」へ
この日は宮島にて、お昼過ぎから厳島神社周辺の神社巡りを始めました。
ランチには牡蠣屋というお店で、焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣グラタンと牡蠣を頼みまくり、美味しいビールを飲み、完全にほろ酔いです。
午前中には神の山である弥山に登っていますので、その後のお酒ということもあり、効いてます。
そのようなほろ酔いの状態で神社に参拝するのは失礼にあたるのでは?という不安は多少ありましたが、しかしもうどうしようもないので、そのまま行くしかありません。
ほろ酔いのまま、まずは厳島神社の先にある清盛神社と大元神社へ。そこから再び厳島神社の出口辺りまで戻り、金刀比羅神社に参拝します。
そして、次に向かったのが、こちらの記事で紹介する三翁神社になります。
三翁神社は厳島神社の裏手にあるのですが、裏といってもそこは人通りも多く賑やかな場所です。
というのも、厳島神社は社殿に向かって左の東回廊が入口になっていて、向かって右の西回廊が出口です。下の画像ですと、左下から右へという経路です。
(画像出典:http://www.itsukushimajinja.jp/)
そして出口から出ますと、フェリー乗り場に戻るのには、ぐるっと社殿の裏側を歩かないといけないわけです。
道はそれだけではありませんし、皆が皆その道を通るわけではありませんが、それでも裏手とは言え、人通りは多いんです。
お土産物屋さんもあれば屋台も出ていますし、弥山へのロープウェイに向かうバス停なども近くにあります。僕たちが訪れたのは4月の中旬、ド平日だったのですが、それでも多くの人で賑わっていました。
三翁神社は、そんな人々の歩く動線の途中にあります。上の地図の左上です。
こちらの記事では、金刀比羅神社を出てから厳島神社の裏を通り、三翁神社に参拝するまでを、その道のりも含め、紹介させて頂こうと思います。
ご由緒
三翁神社は三つのお社がある神社です。それぞれのご祭神は以下になります。
中央殿は、厳島神社を創建した佐伯鞍職(さえきのくらもと)、鞍職の部下である所翁(ところのおきな)、神鳥が神懸かったという村の主である岩木翁(いわきのおきな)、8歳で入水し崩御した第81代天皇である安徳天皇(あんとくてんのう)、安徳天皇の祖母で、平清盛の正室であり、安徳天皇とともに入水した二位尼(にいのあま)、海の神様である大綿津見命(おおわたつみのみこと)、以上の六柱です。
左殿は、出雲大社のご祭神であり、国造りをした神で、大国主命の別名である大己貴命(おおなむちのみこと)、道ひらきの神である猿田彦命(さるたひこのみこと)、以上二柱です。
右殿は、平安時代末期の厳島神社の巫女で、平清盛の妾であった御子内侍(みこのないし)、同じく厳島神社の巫女であった竹林内侍(ちくりんのないし)と徳寿内侍(とくじゅないし)、以上三柱と、それに加え若宮の各祖神が祀られています。
創建の具体的な年代は不明ですが、平安時代に平清盛が、近江の山王社(日吉大社)から勧請し創建したのが始まりとされています。明治以前までは山王社と称されていました。
明治維新後には、島内にあった末社を次々と合祀し、多くのご祭神を祀っている現在の形となりました。
佐伯鞍職を佐伯翁と称し、所翁、岩木翁が祀られていることから、いつしか三翁神社と称されるようになったそうです。
昭和29年には、右殿に祀られていた平清盛公が分祀され、西の松原に清盛神社が創建されています。
厳島神社の境外摂社です。
境内案内
金刀比羅神社の脇、お土産物屋さんなどが並ぶ柳小路を、厳島神社の入口方面へと歩きます。
左手には厳島神社の西回廊。ちょうど干潮の時間帯でして、社殿の下は海ではなくなっています。
少し歩きますと、後白河法皇が厳島神社に参拝した際、手植えしたとされる松の遺木があります。明治初期には切り倒されてしまったとのこと。大きいです。
少し進んだところに、西回廊まで延びている長橋への入口(立ち入り禁止)があり、その先に厳島神社の裏門がありました。おそらくここは、本殿のちょうど真裏に位置するのではないかと。一礼します。
さらにその先にも、もう一ヶ所入口がありまして、こちらには狛犬さんもいらっしゃいます。
後ろ足を立てて、前傾姿勢になっている狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。どちらもいつでも飛びかかれるような体勢をとっていますね。
この先がどうなっているのか気になりますが、立ち入り禁止です。
そこから少し歩いて行きますと、正面に青い鳥居と社殿が見えてきました。後ろの緑も綺麗です。
三翁神社に到着です。三翁神社の鳥居は、島内で唯一の青銅鳥居です。
鳥居の右脇には石燈籠とご由緒書き。
さらにその右手には大きな木。
何の木なのかはわかりませんが、思わず見上げてしまいます。
右手の道は、獅子岩や弥山へと行くことができる、宮島ロープウェイの乗り場へと続いています。
こちらは鳥居の左手。石燈籠と鹿さんです。
一礼して青銅鳥居をくぐります。
拝殿の先には、本殿が三つ並んでいます。それぞれにたくさんの神様が祀られているんですね。
拝殿はかなり古い建物に見えます。
参拝します。本殿の屋根は葺いてあるものでして、宮島の神社ではたびたび目にする屋根です。
左手はこんな感じです。何かの木材が積み上げられていました。一瞬、舟かと思ったのですが、木材でした。
同じく右手にも木材です。
拝殿を振り返るとこんな景色です。
入口にいた鹿さんに挨拶をして、三翁神社を後にしました。
参拝を終えて
三翁神社は、とってもたくさんの神様が合祀されている神社です。
つまり、一度でたくさんの神様に参拝できるという、美味しい神社でもあるわけです。
明治維新後に、島内にあった末社を次々と合祀していったため、今の形となったとのこと。おそらくそれまでは、小さな社だったり祠だったり、それぞれが別の場所で祀られていたんだと思います。
「これもとりあえず三翁に合祀でいいんじゃね?」という会話が行われたかどうかはわかりませんが、そんなノリで次々と合祀されたのではないかと、想像も膨らみます。
合祀される前の、かつての形も見てみたくはなりますけどね。全て参拝するなら、かなりの数を回らなければいけないことにはなりますけれど。
三翁神社は、まず入口の鳥居の色が特徴的でした。青みがかっていて目を惹きます。宮島内では唯一の青銅鳥居とのことです。
鳥居の両脇には、かなり古いもののように見える石灯籠もありました。右手にあった木も大きかったですね。
そして、青銅鳥居をくぐった先の拝殿も、おそらくかなり古い建物なのではないかと。いつ建てられたものなのかはわからなかったのですが、間近に見上げたりなどしていますと、その雰囲気に思わず見入ってしまいます。
奥に三つ並んだ本殿の方もかなり古いものではないかと思います。近づいて見ることはできませんが、少なくとも近年再建されたものではありません。屋根は葺いてあるものでして、檜の樹皮を用いて施工された檜皮葺とのことで、特徴のあるものになっています。
拝殿から本殿にかけての空間は、少し張り詰めた空気もあったかと思います。
僕たちは三翁神社を訪れる少し前、厳島神社よりさらに先にある、清盛神社にも参拝しています。清盛神社は、かつてこの三翁神社右殿に祀られていた平清盛公を、分祀して創建した神社とのことです。
もしかしたら今後も、三翁神社より何かしらのご祭神が分祀され、新たな神社が創建される可能性もあるかもしれないですね。
とはいえそんな情報も特に出ていませんので、まだまだしばらくは、一度にたくさんの神様にお参りできる場所のままだとは思います。
厳島神社に参拝した際には、フェリー乗り場まで戻る通り道に位置していますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
たくさんの神様が祀られている三翁神社。参拝できてよかったです。
続いては、そこからすぐ近くにある「荒胡子神社」へと向かいます。
御朱印
三翁神社の御朱印はありません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は広島県廿日市市宮島町です。
宮島桟橋からは徒歩10~12分ほどです。厳島神社の入口に入らず、そのまま道なりに左手に進むと、荒胡子神社の先にあります。
三翁神社の公式サイトはありません。厳島神社の公式サイト内に、境外摂社としての掲載があります。
http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
周辺のパワースポット
宮島の神社仏閣巡り
宮島にあるその他の神社や寺院については、全体をこちらの記事でまとめてあります。
廿日市市の神社一覧
僕が参拝した廿日市市の神社一覧です。