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葛谷御霊神社(新宿区/西落合)の御朱印と見どころ

葛谷御霊神社の紹介

新宿区西落合にある葛谷御霊神社の参拝レポートです。

読み方は「くずがやごりょうじんじゃ」です。哲学堂公園の東にある神社で、弓で的を射て農作物の豊凶を占う「おびしゃ」という神事が、区の無形民俗文化財に指定されています。西武新宿線の新井薬師前駅と、大江戸線の落合南長崎駅の中間辺りに位置しています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

西落合の「葛谷御霊神社」へ

葛谷御霊神社は、この日の神社巡りで最後に訪れた神社になります。本当はあと何ヶ所か回ってから帰る予定だったのですが、8月のあたま、気温は35度を超えていて、あまりの暑さに身の危険を感じ、途中で切り上げた形です。

元々計画していたのは、以下の神社になります。

  1. 沼袋氷川神社
  2. 松が丘北野神社
  3. 鼓稲荷神社
  4. 葛谷御霊神社
  5. 中井御霊神社
  6. 上高田氷川神社

全部で6ヶ所ですね。西武新宿線の沼袋駅に降り立ち、上の6ヶ所を回り、新井薬師前駅から帰る、というルートで計画していました。

暑さが厳しいことは事前に予報でわかっていましたので、当日の様子次第で、無理はしないようにしようと。

で、回り始めた結果、三ヶ所目の鼓稲荷神社の辺りで限界を感じてきてしまい、あと一ヶ所、葛谷御霊神社に参拝したら、退避することにしました。

葛谷御霊神社は「哲学堂通り」という道沿いにありまして、そこはバスも通っています。ですので、葛谷御霊神社への参拝を終えたら、そのままバスに乗り、中野駅まで行ってしまうことに。

普段なかなか来る機会がない場所ですので、どうせなら一つでも多く近くの神社を巡っておきたいところではありますが、熱中症で倒れたら元も子もないですからね。体を優先して、切り上げることにしました。

時間はお昼少し前でしたので、バスで中野まで移動したら、ランチをしつつ冷たいビールをがぶ飲みしてやろうかと。

汗をかいた後のビールは最高ですからね。

そんな冷たいビールという希望を胸に、灼熱のアスファルトの上を、葛谷御霊神社目指して歩きます。もはや目的が神社なのかビールなのかもわからなくなってきます。

地図を見つつ歩いて行きますと、「緩い上り坂」という新たな試練が出現しますが、ビールを思い浮かべ乗り切ります。

一つ前の鼓稲荷神社からは、5分ほどだったでしょうか。

哲学堂通りから路地に入った先に、木々が茂る一角を発見しました。

葛谷御霊神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)神功皇后(じんぐうこうごう)応神天皇(おうじんてんのう)武内宿禰(たけうちのすくね)の四柱です。

仲哀天皇は、第14代天皇で日本武尊の第2子です。神功皇后は仲哀天皇の皇后で、女帝だったという説もあります。応神天皇は第15代天皇で、仲哀天皇と神功皇后の皇子で、八幡神とも同一視されています。武内宿禰は、仲哀天皇や応神天皇など5代の天皇に仕えたといわれる忠臣です。

創建の年代などは不明ですが、平安時代の中期と考えられています。源義家の奥州征伐に付き従っていた、京都の桂(かつら)の里の一族が、その帰途にこの地に住み着くようになり、氏神であった八幡神を勧請し、創建したといわれています。いつしか「桂」が「葛」に転じ、この辺り一は葛ヶ谷と呼ばれるようになったともいわれています。

また、創建には別の説もあります。京都の葛野大納言という貴族が、東国に流浪して当地に留まり、京都から御霊社を勧請したともいわれています。

江戸時代には、葛ヶ谷村の鎮守社でした。

現在の社殿は、昭和46年に再建されたものになります。

古来より、弓で的を射てその年の農作物の豊凶を占う「おびしゃ(御歩射・備射)」という神事が行われています。おびしゃは新宿区の無形民俗文化財にも指定されています。おびしゃが現在も行われているのは、当社の他に、近隣にある中井御霊神社と、大田区にある六郷神社の、三ヶ所のみになります。

 

境内案内

哲学堂通りから路地に入ると、左手に大きな木が茂っているのが見えてきます。

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その先に入口がありましたが、どうやらこちらは駐車場のようですので、もう少し先まで進んでみることに。

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角を曲がると、今度は大きな松が空へと伸びています。

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大きな松の下が、葛谷御霊神社の正面の入口でした。石鳥居の先には社殿も見えます。

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一礼して鳥居をくぐり、境内に入ります。

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参道を進みます。全体的に緑が深い印象を受ける境内です。

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左手が駐車場になっています。その先はマンションが建っていて、一階が授与所になっているようです。

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右手の前方には神楽殿と、その先に神輿庫です。

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左前方には手水舎。

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手水舎にてお清めをします。かっこいい龍もいました。

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お清めを終え、拝殿の正面に立ちます。拝殿は木々の緑に埋もれているかのようです。

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両脇には狛犬さん。こちらは左の狛犬さんです。玉乗りです。牙に惹かれます。

葛谷御霊神社の左の狛犬

 

こちらは右の狛犬さん。子供もいて可愛らしいです。

葛谷御霊神社の右の狛犬

 

社殿は昭和46年に再建されたものとのことで、新しめの建物です。周囲の緑との調和が綺麗です。

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拝殿の左手にはイチョウを始め、立派な木が何本も聳えています。

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猛暑ではありますが、夏の緑の中にいるのは気持ちいいです。

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反対側、右手には大きな松が一本。

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蝉の声と草いきれの中、参拝させて頂きます。

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右手奥に境内社が見えましたので、行ってみます。

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境内社は、社が三つ並んでいました。どの社殿もかなり古いもののように見えますね。まずは中央から参拝して行きます。

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中央の社は、八幡社、田中稲荷社、浅間社、疣天神社、三峯社の五つを合わせてお祀りしている、合祀殿とのこと。このうち疣天神社はイボ取りの神様で、疣天神の小石を借りて祈りながら患部をさすると、イボが取れるといわれているそうです。

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こちらの社殿には、中央に龍と左右に獅子の彫刻もありました。

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両脇にはスマートなお狐さんです。

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続いて、左奥の社へ。こちらは弁財天です。脇には小さな池もありました。さらに奥には社殿の再建を記念した石碑も見えます。

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社の後ろには、弁財天の石像もありました。

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こちらは右手の社です。大黒天が祀られています。

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社の両手前には、狛兎さんがいました。こちらは左の兎さんです。

葛谷御霊神社の左の狛兎

 

こちらは右の兎さん。左右で大きさや形が違うものでした。僕は狛兎というものは、こちらで初めて見ました。

葛谷御霊神社の右の狛兎

 

境内社への参拝を終え、再び拝殿前へと戻ります。こちらは社殿を右斜め前から。

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左奥にも小さな社がありましたので、行ってみます。こちらは社殿を左斜め前からの絵です。

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こちらにはどんな神様が祀られているのかわからなかったのですが、参拝させて頂きます。

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授与所に人の気配はなく、御用の方は参道向かい側の二階家に、との案内が出ていましたので、そちらに御朱印を頂きに行ってみます。

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こちら、駐車場の奥に並んでいる木々も目を惹きます。

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参道から駐車場を見て左手には大きな石碑があり、その足元には力石がありました。

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宮司さん宅にて書き置きの御朱印を頂き、葛谷御霊神社を後にしました。

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参拝を終えて

葛谷御霊神社は、社殿が木々の緑に覆われるように建っていまして、森の中にあるような、そんな印象を受ける神社でした。

社殿の周囲だけではなく、境内は全体的に木が多いです。入口にあった大きな松に始まり、立派な木が何本も聳えていました。夏の緑と蝉の声に囲まれた境内は、厳しい暑さの中ではありましたが、とっても居心地が良かったです。

この日は平日だったためか、最初に訪れた沼袋氷川神社を除いては、境内にはほぼ僕と嫁の二人しかいないという時間が続きます。こちらの葛谷御霊神社でも、同じくそのような時間を過ごさせて頂きました。

そしてこの神社にて、僕たちはとっても珍しいものに出会うことに。

それは、狛兎(こまうさぎ)さんです。

境内の右奥、境内社が並ぶエリアで、一番右にあった大黒天の社。その手前には左右に兎の石像がありました。最初は丸っこい感じの狛犬かと思いきや、兎でした。

社殿を守る兎さんというものを見たのは、僕はこちらが初めてになります。

兎のいた社殿は大黒天が祀られているとのことでしたので、大黒天と兎って何の繋がりがあるんだ?と思い調べてみましたところ、大黒天とも習合している大国主神に、兎と関連したお話がありました。それは、「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」という日本神話の中のお話です。皮をはがれて泣いていた白ウサギを、大国主神が救ってあげたという話ですね。

この繋がりで、狛兎さんが大黒天の前にいたのでは?と。完全に推測の域ではありますけれど。

御朱印を頂いた際に、ちゃんと神社の方にお聞きしておけばよかったです。すっかり聞きそびれてしまいました。

狛兎さんは、左右では大きさや形も少々違いましたので、もしかしたら最初から狛兎として造られたものではなく、別々の兎の石像を、左右に置いただけなのかもしれません。こちらも推測の域ですけれど。

何かはっきりとわかり次第、追記させて頂こうと思います。

詳細はわからなかったとはいえ、社を守る兎さんという、珍しいものが見れてよかったです。

その他にも、緑に重なる社殿、その両脇に聳えていたイチョウと松、手水舎の龍、可愛らしい狛犬さん、合祀社の彫刻などなど、素敵なものがありました。

森の中のような境内にて、本当はもう少しゆっくり過ごしていたかったのですが…時間もお昼に差し掛かり、暑さもより厳しさを増してきましたので、書き置きの御朱印を頂き、後にすることに。

哲学堂通りまで戻った僕たちは、バスに乗りそのまま中野駅へ。そして昼間から開いている焼き鳥屋さんに入り、冷たいビールを頂きます。暑い中歩き回った分、冷えたビールが最高です。

この日は結局、暑さに負け4ヶ所の神社にしか立ち寄れませんでしたが、どこも素敵な神社でした。頑張って歩いた甲斐がありました。

また気温と相談し、夏の神社巡りにもあと数回、出掛けてみたいと思います。

 

御朱印

こちらが葛谷御霊神社の御朱印です。書き置きのものを頂きました。

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御朱印の受付時間

御朱印を頂ける時間は、9時くらいから17時くらいまでとのことですが、ご不在のこともあるようですので、確実に頂きたい方は事前の電話確認をお勧めします。電話番号は「03-3951-8512」です。また、宮司さん不在の場合には、日付の入らない書き置きのものでのご対応になります。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都新宿区西落合2-17-17です。

葛谷御霊神社の公式サイトはありません。

 

電車

西武新宿線 「新井薬師前駅」から徒歩8~10分。

北口を出て哲学堂通りを右に進みます。そのまましばらく歩きますと坂になり、その途中の右手に日本通運の建物がありますので、その先を右折です。

大江戸線 「落合南長崎駅」から徒歩8~10分。

A1出口を出て、新青梅街道を西に進み、哲学堂通りにぶつかったら左折です。そのまま坂を下り左手に日本通運のビルが見えたら、その手前を左折です。

中野駅、新井薬師駅、江古田駅からバスで行くことも可能です。その場合最寄のバス停は「哲学堂公園入口」になります。

 

駐車場

境内に数台停められる参拝者用の駐車場があります。特別な日でなければ問題なく駐車できるかと思います。近くにはコインパーキングもあります。

 

周辺のパワースポット

 

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