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槵觸神社(高千穂町)の御朱印と見どころ

槵觸神社の紹介

高千穂町の三田井にある槵觸神社の参拝レポートです。

読み方は「くしふるじんじゃ」です。天孫降臨の地といわれている槵觸の峰に鎮座する神社で、周辺には神話にまつわる多くの史跡があります。槵の漢字が難解であり、觸が旧字体であることから、「くしふる神社」、「槵触神社」とも表記されています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

天孫降臨の地「くしふる神社」へ

天孫降臨といえば、天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、高天原から三種の神器をたずさえ、高千穂峰へ天降ったという伝説です。日本神話の中でもよく知られたお話かと思います。

そして古来よりその天孫降臨の地と考えられてきたのが、高千穂の槵觸の峰と、霧島連峰です。

僕はこのたび高千穂にやって来たのは初でして、ずっと来たかった場所なんです。同じく霧島連峰にもいつか必ずや行ってみようと思っています。

嫁と二人、4月の中旬に4泊5日という日程で高千穂にやって来まして、この日はその2日目。

高千穂では日本神話に深く関わりがある神社に、既に何か所も足を運んでいます。どこも神秘的な場所ばかりでして、魅了されっぱなしです。

次に向かう槵觸神社は、天孫降臨の地とのことでして、ワクワクしないわけがない。

実際に天高原から天孫瓊瓊杵尊が降り立ったのかは、もちろん僕にはわかりません。遠い昔の話ですし、言ってしまえば非現実的なお話でもありますし。

しかしながら、この高千穂という地が、皇室の起源へと繋がる重要な場所であることや、神話に描かれているような何かしらの出来事(比喩も含め)が実際に起こった可能性は、じゅうぶんにあるはずです。そして、それらが伝説として語り継がれているとも考えられます。

もしくは、自然に対する畏敬の念が、神話という形になって描かれたのかもしれませんし、それが実際のお話と合わさっていった可能性だってあります。

本当のところなどわかろうはずもありませんが、少なくとも遙か昔の日本神話に登場したといわれる場所が実際にあり、それが長い年月を経て語り継がれてきたという、その事実だけでじゅうぶんです。

この日は早朝から神社巡りをしていまして、次に訪れる槵觸神社は12か所目になります。

一つ前に訪れた逢初天神社からはすぐでした。

駐車場に車を停め、参拝へ。

 

ご由緒

ご祭神は、瓊々杵尊(ににぎのみこと)天児屋根命(あめのこやねのみこと)天太玉命(あめのふとだまのみこと)経津主命(ふつぬしのみこと)武甕槌命(たけみかづちのみこと)の五柱です。

瓊々杵尊は天高原より降臨した天照大神の孫、天児屋根命と天太玉命は、共に占いを行い岩戸の前で祝詞を奏上した神様、経津主命と武甕槌命は、葦原中国を平定した神様です。

創建の年代は不明ですが、日本の初代天皇である神武天皇の即位前ともいわれています。

古事記の一文に「筑紫日向高千穂之久士布流多気に天り坐しき」とあり、天孫降臨の地と考えられている「槵觸の峰」を、御神体としてお祀りしていました。

社殿が建立されたのは江戸時代の元禄です。

古くは櫛ひ大明神、くしふる大明神、二上(ふたかみ)神社、高智保皇神社と称れていましたが、明治4年に二上神社となり、明治43年に現在の槵觸神社へと改称されています。

高千穂郷の総社である高千穂神社とは、古来より密接な関係があり、高千穂神社の春祭りに対し、槵觸神社では秋祭りが行われてきました。また、社殿が建立される以前から、社殿を持たない神社にもかかわらず、高千穂郷八十八社の一社に数えられてきました。

秋祭りでは、葦原中国を平定する際に、ご祭神でもある武甕槌命が行った建御名方命との力比べに因み、神事相撲が奉納されています。

現在の社殿は昭和58年に再建されたものになります。

周辺には、天真名井、高天原遥拝所、四皇子峰、夜泣き石など、日本神話に所縁のある史跡があります。

天孫降臨の地として、多くの参拝者が訪れる神社です。

 

境内案内

こちらが槵觸神社の入口の銅鳥居です。

 

左手にざっくりなご由緒書きと、自然歩道の案内図。

 

一礼して鳥居をくぐります。

 

参道は森の中へと続いています。

 

左にトイレがあります。

 

右は森ですね。

 

参道を進みまと、左が社務所です。

 

右手の木々の中には、砲弾のようなものも見えます。

 

前方には手水舎が見えてきます。

 

手水舎の手前にも小路がありまして、左に進むと天真名井に行けるようです。

 

手水舎の脇にはご由緒書き。

 

こちらが手水舎です。お清めをします。右手の杉もでかい。

 

石段を上がります。上には社殿が見えます。

 

石段を上がるにつれて、左右には大きな杉が多くなってきます。

 

こちらは右手に連なる杉です。

 

右手、杉の後ろには道があり、その先には土俵です。秋にはこちらで神事相撲が奉納されるんですね。

 

土俵の脇にも凄い杉があったので、近づいてみます。奥も杉の森です。

 

しばし周辺の杉を眺めて過ごします。

 

参道に戻り拝殿へと進みます。

 

杉の聳える石段を上がります。

 

石段の左右には、灯籠のような石碑のような、祠のような。

 

拝殿の手前にある石灯籠は、太陽と月になっています。右の杉もでかい。

 

石段を上がり切った先が、すぐ拝殿です。目の前に精巧な彫刻と七五三の注連縄です。

 

左にも大きな杉と、その手前にはかつて使われていたと思われる手水石。

 

こちらは右の杉。

 

拝殿の木鼻には獅子と獏、水引虹梁には龍です。

 

参拝させて頂きます。

 

こちらは拝殿前から見える眼下の杉の景色です。

 

右手には道があります。史跡を巡れる遊歩道です。

 

社殿の右手に回り、奥まで行きますと本殿が見えます。

 

本殿の彫刻が、これまた凄い。脇障子にも。

槵觸神社の彫刻

 

反対側、社殿の左手にも建物が一つ。

 

拝殿の左手前にも、大きな杉。

 

奥まで進み、本殿の左側の彫刻も眺めます。

 

杉の森を見上げながら、天孫降臨をイメージしてみたり。

 

散策を終え、石段を下ります。

 

参道の途中、ここから天真名井へと向かうことにします。

 

参拝を終えて

天孫降臨の地といわれる槵觸神社は、杉の森の中にある、神秘的な神社でした。

入口の鳥居から見える景色だけでも、とっても惹かれるものがあったのですが、そこから境内に入ると空気が変わります。

石段を上がるにつれ、左右には大きな杉が現れ、気付けばいつの間にか完全に山の中にいました。

この山に瓊々杵尊が降り立ったのかと思うと、その場所に自分が立っていることが、なんとも不思議でなりません。

神社巡りをするようになると、自然と日本神話にも興味を持つようになるかと思います。僕も日本神話にそれなりに詳しくなったのは、この数年です。

そんな日本神話の中でも天孫降臨のお話は有名ですし、僕も何度となく読みました。

神話の舞台であるその地を、自分が歩くことになろうとは。

槵觸神社の境内にいられるというだけで、幸せな気持ちになりました。

槵觸神社は、杉の印象が強いです。特に境内の右手側の森はどこを見ても杉だらけでして、現実感もなくなってくるくらいです。大きな杉も凄かったですけど、細めの杉が密集している絵も、また神秘的でした。

そんな杉の中に建てられている社殿には、精巧な彫刻が施されて、かっこよかったです。拝殿の正面には木鼻に獅子と獏、虹梁に龍がいまして、どれも独特の迫力がありました。本殿にも左右にかっこいい龍がいて、その下と脇障子には、物語の一部と思われる彫刻が施されています。

槵觸神社は古くより槵觸の峰を御神体としてお祀りし、江戸時代まで社殿を持たない神社だったとのことで、この山自体が神様であり、畏敬の対象として崇められてきたんだと思います。

実際にこの山に足を踏み入れ、僕もそのことを実感しました。

槵觸神社の周辺には、日本神話に関連した史跡が他にもいくつかあります。天真名井と夜泣き石はこの後、四皇子峰と高天原遥拝所には翌々日に参拝させて頂きましたので、それぞれ別途記事にさせて頂きます。

天孫降臨の地、槵觸神社、参拝できてよかったです。

続いては、槵觸神社の参道より、天真名井へと向かいます。

 

御朱印

こちらが槵觸神社の御朱印です。

槵觸神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

槵觸神社の御朱印は、拝殿に書き置きのもの(日付は自分で記入)が置かれていますので、初穂料をお賽銭箱に入れる形で頂けます。もしくは高千穂神社の授与所にて、日付入りのものを頂くことができます。高千穂神社にて頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井713です。

槵觸神社の公式サイトはありません。

 

駐車場

鳥居の前に7~8台ほど停められる駐車場があります。

槵觸神社の駐車場

 

トイレ

参道の途中、左手にあります。

 

周辺のパワースポット

 

高千穂の神社巡り

高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

高千穂町の神社一覧

著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。