
和歌山県の那智勝浦町にある熊野那智大社の参拝レポートです。
読み方は「くまのなちたいしゃ」です。全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮「熊野三山」の一社です。那智の滝への自然信仰が起源となっている神社で、かつては滝本にお祀りされていました。現座は山の中腹、463段の石段を上がった先に鎮座しています。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
熊野三山「熊野那智大社」へ
熊野三山を巡るべく、嫁と二人、5泊6日という日程で熊野まで出掛けて来ました。
三山とともに、その周辺で気になった神社も併せて巡るという、神社巡り旅です。
熊野三山は、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三つの神社でして、僕たちは初日に本宮大社に、二日目に速玉大社に参拝しました。
残すは那智大社です。
熊野那智大社といえば、「那智の滝」がある神社なのだと思っていたのですが、事前にあれこれ下調べをしていたところ、ちょっと違ったんですよね。いや、厳密には合っているんですけど、「那智の滝」は「飛瀧神社(ひろうじんじゃ)」という、那智大社の別宮の御神体としてお祀りされているのだと。少し離れてもいます。
漠然と、那智大社の境内に「那智の滝」があるものだとイメージしていたのですが、飛瀧神社の境内でした。
また、那智大社には青岸渡寺(せいがんとじ)という寺院が隣接していることも初めて知ることに。
熊野那智大社、青岸渡寺、飛瀧神社、この三つはセットみたいなものでして、おそらく三ヶ所ともに足を運ぶ人がほとんどなのではないかと。
そしてです。今回の旅の一番の目的は熊野三山巡りなのですが、同時に「熊野古道を歩く」というのも外せないものとして挙げていました。で、事前にあれこれ調べた上で、那智大社や青岸渡寺へと続く「大門坂」から歩くというルートが、初心者向けで歩きやすいと。
そんなわけで、朝イチで大門坂から熊野古道を歩き、熊野那智大社→青岸渡寺→飛瀧神社という順に参拝するという、そんな流れが固まりました。
だいぶ歩くことにはなりそうなので、参拝後は那智勝浦の温泉にゆっくり浸かる予定です。
そしてこの工程を、僕たちは5泊6日の中の四日目に組み込みました。
前日の三日目は、三重県の熊野市まで北上し、花の窟神社など日本神話ゆかりの神社を巡り、夕方に熊野那智大社のある那智勝浦町に入りました。
夕食には美味しい生まぐろ丼を頂き、温泉にも浸かり、早寝。
四日目は早起きをして、大門坂へと向かいます。
大門坂からの熊野古道歩きは、こちらの記事でまとめています。
大木の中にひたすら石段が続く、素晴らしい景色の中を歩くことができました。
しかし石段が約267段もありまして、なかなかの石段地獄ではありました。で、ようやく大門坂を登り切り、熊野那智大社の入口近くにある那智山観光センターまで辿り着いたのですが…
ここからまた新たな石段地獄の始まりです。
待っていたのは、那智大社へと続く463段の石段でした。
ご由緒
ご祭神は、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)です。熊野夫須美大神は伊邪那美尊(いざなみのみこと)と同一視されています。
創建は仁徳天皇5年(317年)です。仁徳天皇は第16第天皇です。
起源はさらに遡ります。紀元前662年に、神日本磐余彦命(神武天皇)の一行が丹敷浦(現在の那智の浜)に上陸し、光り輝く山を目指して進んで行くと、壮大な那智の滝に辿り着きました。そして御瀧を大己貴神の御神体としてお祀りします。その後、仁徳天皇5年に山の中腹に社殿を設けたのが、熊野那智大社の始まりとされています。当初は、那智の滝の正面、現在の飛瀧神社のある地に鎮座していました。
那智の滝を神聖視した原始信仰が起源となっている神社で、熊野三山の中でも熊野本宮大社と熊野速玉大社とは異なり、創建もその二社よりは後になっています。
平安時代には、現在の青岸渡寺である如意輪堂と習合し、十二所権現を祀る形が整い、修験道の中心地としても発展します。
明治になり、神仏分離令後の明治6年には那智神社と称し、さらに熊野夫須美神社と改称しています。翌7年に如意輪堂が青岸渡寺として独立します。
大正10年には熊野那智神社に、昭和23年に現在の熊野那智大社へと改称されました。
那智の滝は「那智大滝」として国の名勝に指定され、滝をお祀りする飛瀧神社は、当社の別宮として鎮座しています。
例大祭である「那智の扇祭り」は、「那智の火祭」とも称され、日本三大火祭りの一つとして知られています。
社殿及び境内地は、平成16年にユネスコの世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つです。
熊野三山の一社として、古くから崇敬されてきた神社です。
境内案内
こちらが熊野那智大社へと続く参道石段の入口です。ここから463段上がらねばいけません。

上ります。入山心得がありましたので、そちらにも目を通します。左手にはお店らしき建物が並んでいるのですが、どこもシャッターが閉まっていました。

こちらのシャッターに描かれているのは「那智の扇祭り」ですね。

ひたすら上ります。

石段は一度突き当り、そちらに案内図がありました。

ここで参道は右へ。しばし石段から解放されます。

しかし突き当りますと、左に石段地獄が再スタート。上に見える立派な建物は、青岸渡寺の信徒会館のようです。

少し上がった左手に、実方院(じっぽういん)跡です。実方院は、参拝された上皇や法皇の御宿所とのこと。樹齢400年という木斛(モッコク)の大樹も。

モッコクを見上げます。

再び石段を上がります。右手には小さなお地蔵さんがいらっしゃいました。その先にトイレがあります。

この辺りは土産物屋さんも開いています。上に見える赤い建物は、青岸渡寺の山門(仁王門)。

右に、青岸渡寺の観音堂です。

観音堂の右手側は開けてました。

再び石段を上がって行きますと、ついに熊野那智大社の一の鳥居が見えてきました。

一の鳥居に到着です。ここを右に行くと青岸渡寺、鳥居の先を進むと熊野那智大社です。

一礼して一の鳥居をくぐります。左に手水舎。そして石段はまだ続いています。その先の建物は社務所です。

お清めをします。手水舎には龍がいました。後方は「あじさい園」という庭園になっています。

手水舎の反対側には児宮(ちごのみや)。こちらは大門坂の途中にある多富気王子社が遷座された社になります。ご祭神は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)。

石段を上がります。右手の上には那智大社の社殿と思われる赤い建物が見えていますので、あと少しです。

一度開けた場所に出ます。ベンチもあり、前方の社務所の手前にはトイレもありました。

右手が最後の石段。

社務所の手前、奥には神馬社がありました。

中には可愛らしい神馬さん。

そのさらに奥が駐車場です。熊野那智大社は、ここまで車で来ることが可能です。

石段の左右には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。

こちらが右の狛犬さん。笑っているように見えます。

上がります。あと少し。

ようやく二の鳥居に辿り着きました。

一礼して二の鳥居をくぐりますと、右手に那智大社の礼殿です。

こちらは鳥居の前から石段を振り返った景色。那智大社が山の中にあることがよくわかります。

礼殿と反対側、鳥居をくぐって左手の後ろが社務所です。

社務所のお隣には斎館。その手前には奉納された酒樽が並んでいます。

鳥居をくぐった正面の先には池があり、鯉がいました。脇には朝香宮鳩彦王と北白川宮成久王のお手植えの木も。

礼殿へと進みます。

右手に手水舎です。改めてお清めをします。

反対、左手に宝物殿。後ほど立ち寄らせて頂きます。

手水舎の後ろには、長生殿という休憩所があります。石段下の手水舎辺りから見えた建物はこちらですね。

そして長生殿の先に、平重盛のお手植えといわれる、樹齢は800年の大樟(おおくす)です。和歌山県の天然記念物にも指定されている大木です。大樟の左奥は授与所です。

熊野那智大社の社殿は、どれも赤と白を基調とした建物。ここからは見えませんが、礼殿の後ろにご本殿が並んでいます。

礼殿の前には、護摩木のお焚き上げをする火壺です。

礼殿前へと進み、参拝させて頂きます。

礼殿を振り返りますと、こんな感じです。

礼殿に向かって左手には、境内社の御縣彦社(みあがたひこしゃ)。ご祭神は建角身命(たけつぬみのみこと)です。

御縣彦社の手前には、建角身命の化身として神日本磐余彦命(神武天皇)を導いたとされる、八咫烏です。後ろの緑と社殿の赤の調和が綺麗です。

こちらは礼殿を左斜め前から。

反対、右斜め前からも。

大樟(大楠)の足元へ。でかいです。こちらの大楠は、木自体が樟霊社としてお祀りされています。

間近で見上げます。

大樟の反対側に回りますと、胎内くぐりができるようになってます。木の脇に置かれている護摩木か絵馬を購入し、それを持って入る形です。

僕たち夫婦も護摩木を持って胎内くぐりへ。すみません、中の写真は暗くて全然撮れませんでした。

護摩木を出口にあった護摩舎に置き、続いて大楠の前の授与所へ。こちらで御朱印を頂き、さらには日本一大きいといわれるおみくじも。このおみくじの筒は133cmもあるそうです。那智の滝が133mなので、それに因んだものみたいです。

長生殿にて小休止。ここからの景色も素晴らしいです。

境内を一周。こちらは社務所の前、奥州から藤原秀衡が持って来て奉納したというヤマザクラ「秀衡桜(ひでひらざくら)」です。

酒樽の近くにも行ってみます。この奥にトイレがありました。

酒樽や斎館の前辺りから礼殿を見ますと、こんな感じ。

境内を散策後、最後に宝物殿に入りました。そして出たときの景色。ここから見る大楠も素晴らしかったです。

礼殿の右手奥に東門があり、青岸渡寺の境内と繋がっていますので、続いて向かいます。

東門の脇からは、那智大社の御本殿も少しだけ見えました。

参拝を終えて
早起きして大門坂から熊野古道を歩き、ようやく熊野那智大社への参拝を果たすことができました。
これで、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社という、熊野三山への参拝が叶ったことになります。いつの日かと願ってたことを、また一つ実現させることができました。
しかし、境内に辿り着くまでの石段、長かったです。大門坂の石段も永遠に続くかと思うほどだったのですが、それよりも長かったですね。大門坂が267段、那智大社が463段ですので、1.7~1.8倍ってことですものね。
ゆえに、こちらの記事での紹介画像も、境内に辿り着くまでだけで、けっこうな量になってしまいました。
石段地獄ではあるのですが、僕たち夫婦はもう朝から石段を上り続けていましたので、じゃっかん麻痺してわけがわからなくなっていたかもしれません。特に辛いと感じることもなく、普通に上り切りました。景色も変わりますし、歩いていてむしろ楽しかったですからね。
社務所のすぐ下にも駐車場がありますので、石段を上がるのが厳しい方は、そちらに停めて参拝も可能です。そこからも石段ゼロというわけではないですけど、はるかに楽ですので。ただその場合は、神社防災道路の通行料が掛かります。
石段は長かったですけど、その分到着したときの達成感もありましたし、美しい景色がより沁みました。
二の鳥居を振り返って、自分が山深い中にいることも改めて感じました。
到着した境内は、赤と白の社殿が美しかったです。周囲は深い緑に囲まれていますので、そこに赤が映えて綺麗なんです。
そして礼殿のお隣、御神木の大樟がまた凄かった。圧倒的な存在感でして、見惚れてしまいました。胎内くぐりもしっかりさせて頂きました。
秀衡桜の方は、残念ながら咲いている季節ではなかったのですが、満開のときにはまた格別な景色が楽しめることと思います。
休憩所になっている長生殿にはベンチがありまして、そちらで山の景色を眺めつつ、のんびりと休ませても頂きました。
世界遺産ですし、熊野を代表する神社ですので、参拝者も多かったです。外国人もそこそこいましたけれど、日本人の方が多かったですね。
最後に入った宝物殿では、ちょっと嬉しいことがありました。受け付けにいらっしゃった女性の神職の方が、僕たちが展示物の一つの鏡の前に立ったところ、近くまで来てくださり、鏡に光を当てたんです。そうすると絵が浮かび上がるという、不思議なものを見せてくださいました。
で、嬉しかったのはここからです。僕はその絵が浮かび上がる鏡というのを、少し前にアニメの一場面で見た覚えがありました。『薬屋のひとりごと』で同じ鏡が出ていたんです。ゆえに、この度実際に見せて頂いた直後「あれ、これってこの前、薬屋のひとりごとで…」と嫁に話し掛けた途端、神職の方が「そう!それです!」と嬉しそうに。僕も「ですよね!!」と、通じ合った瞬間でした。笑
まさか熊野那智大社の宝物殿で、神職の方と『薬屋のひとりごと』の話をするだなんて、思ってもいませんでしたからね。ちょっとしたことではありますけれど、今回の参拝に、嬉しい出来事が一つプラスされました。
大門坂から歩いた熊野那智大社。
参拝できてよかったです。
素晴らしい神社にまた一つ足を運ぶことができました。
那智大社への参拝は果たしましたが、この日の社寺巡りはまだまだ終わりません。
続いては、隣接している青岸渡寺へと向かいます。
御朱印
こちらが熊野那智大社の御朱印です。

こちらは境内社の御縣彦社の御朱印。

上記の他、時期により限定の御朱印もありますので、公式サイトないのお知らせページにてチェックしてみてください。
https://kumanonachitaisha.or.jp/news/
御朱印の受付時間
御朱印を頂ける時間は、8時半から16時半までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1です。
熊野那智大社の公式サイトはこちらです。
https://kumanonachitaisha.or.jp/
駐車場
社務所の下に30台駐車できる参拝者用の駐車場があります。神社防災道路の通行料800円(※記事更新時)が必要ですが、境内にはそこからが一番近いです。
石段の下からですと、那智山観光センターに大駐車場があります。
画像の①が社務所下、②が那智山観光センターです。

大門坂から熊野古道を歩く場合は、大門坂の駐車場が利用できます。
電車&バス
紀伊勝浦駅、もしくは那智駅からバスで行くことができます。
駅で乗車し、那智山観光センターの前にある「那智山」下車です。
バスの時刻表は下記の熊野御坊何回バスのサイトよりご確認ください。
https://kumanogobobus.nankai-nanki.jp/cms/wp-kumanogobobus/wp-content/uploads/nachisansen-1.pdf
タクシーですとどちらの駅からも15~20分ほどです。
トイレ
那智山観光センターの前、石段の途中、社務所下、境内の斎館の奥、青岸渡寺のすぐ先にあります。
周辺のパワースポット



