宮崎県西諸県郡高原町にある霞神社の参拝レポートです。
読み方は「かすみじんじゃ」です。社殿の裏手にある岩窟には白蛇が棲んでいて、その姿を見ると幸運が訪れるといわれています。長い石段の参道を上がった先、霞ヶ丘という山の上に鎮座していて、素晴らしい眺望も楽しめる神社です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
白蛇の棲む「霞神社」へ
霞神社は、鹿児島旅行の3日目に訪れた神社です。
この日は朝から雨。旅行中はできれば全部晴れて欲しいものではありますが、こればかりは仕方ありません。天気予報でも一日雨でしたので、「雨の神社巡りを楽しむ」というプラス思考で行きます。
宿泊していた霧島温泉郷を出発し、車で50分ほど、まず最初に訪れたのは東霧島神社です。霧島六社権現の一社で、神秘的で印象に残る神社でした。
雨のせいなのか、参拝者は帰り際まで僕たち夫婦しかおらず。素敵な境内を独占させて頂きました。
そして続いて向かいましたのが、こちらの記事で紹介する霞神社です。
書き出しで「鹿児島旅行」と書いていますけれど、霞神社も東霧島神社も、鹿児島県ではなく宮崎県なんですよね。
旅行の初日~3日目までは、霧島神宮を始めとした霧島の神社巡りを中心に予定を立てておりました。その「霧島」なのですが、鹿児島県と宮崎県にまたがっている感じなんです。住所で言いますと霧島市は鹿児島県なのですが、「霧島」と名の付く神社は宮崎県側にも何社かあるんです。
で、この日巡るのは、全て宮崎県の神社。
全部で五社に参拝し、また鹿児島の霧島温泉郷に戻って来るというコースです。鹿児島と宮崎を行ったり来たり。
最初に訪れた東霧島神社では、鬼磐階段という長い石段を上がりました。
続いて訪れます霞神社も、どうやらかなり長い階段を上がった先にあるようです。その代わり、境内からは絶景が望めるとのこと。
天気が雨ですので、どれくらい景色が見られるのかはわかりませんが、楽しみです。
また、社殿の裏の岩山には、体長30cmほどの白蛇様が棲んでいて、そのお姿を見ると幸せが訪れるとのことですので、そちらもまた楽しみです。
霞神社には、本参道、東参道、中参道と三ヶ所からアクセスできまして、東参道と中参道は途中で合流しています。大きな駐車場があるのが東と中の方でしたので、僕たちもそちらから向かうことに。
東霧島神社からは、20分ほどでした。
特に迷うこともなく、無事到着です。
ご由緒
ご祭神は、大己貴命(おおむちなのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、保食命(うけもちのみこと)の三柱です。
大己貴命は、国造りの神である大国主命の別名で、素盞嗚命の子孫神です。少彦名命は、大国主命の国造りに力を貸した神様で、温泉、医薬、知識、酒造の神など、様々な性質を持った神様です。保食命は、宇迦御魂命や稲荷神とも習合し、同一視されている食物や穀物の神様です。
創建の年代は不明です。
霧島連山は、平安時代前期の天暦年間に、性空上人(しょうくうしょうにん)により開山されて以降、山岳信仰の中心地となります。「霞」とは修験道で「縄張り」を意味するとされ、修験者の信仰の場とされていたと考えられます。
現座の社殿裏にある岩山には、体長30cmほどの小さな蛇(五色の蛇)が棲み、霧島六所権現の使神とされ、白蛇様と呼ばれ崇められ、祠廟(奥の院)が設けられました。修験者たちは白蛇様の棲む岩座を依代にして、修行の無事と世の安泰を祈願したといわれています。
江戸時代の文化12年には、第25代薩摩藩主である島津重豪の命により、霞権現社が建立されます。
現在も社殿裏の岩山には白蛇様が棲んでいて、その姿を見ると幸福になれるといわれています。
霧島六社権現とともに、古くから信仰されてきた神社になります。
境内案内
駐車場からも階段があったのですが、鳥居をくぐりたかったので、少し戻る形で鳥居の前へ。大きな赤い鳥居です。島木だけ白い珍しい鳥居。
鳥居の脇が参道の入口。ここが長い階段の始まりです。全部で230段。
上ります。右には何基もの石灯籠。
よく見ると蛇が巻き付いている石灯籠も。僕はこれに全く気付かず、嫁が気付きました。
階段は続きます。左手に並んでいたのは、おそらくお土産物屋さんなどだとは思うのですが、シャッター通りになってます。
右前方に目指す境内が見えます。まだまだ遠い。
さらに登って行きますと、開いているお店がありました。焼きイカや串だんごも売られています。
焼きイカや串だんごに誘惑を払いのけ、登ります。左に参拝者の休憩所。
その先に鳥居が見えてきました。左にも石灯籠が並んでいます。
あと一息です。ここで道が分かれていて少々迷いましたが、どうやら右の鳥居の先は、本殿の方にショートカットするようですので、そちらには行かず真っ直ぐ登ぼることに。
ようやく一番上まで到着です。突き当りにはご由緒書きです。ここを左に行きますと、さらに長い階段の本参道になります。右が社殿です。
振り返るとこんな景色です。けっこう歩きました。
参道は右へと続きます。前方に神門。左にあるのは参拝者の休憩所。
右に社務所です。
左に手水舎。
正面が神門です。その先には拝殿が見えます。神門には二重亀甲に剣花菱の神紋。
手水舎でお清めを。向かい合う二頭の龍がいます。
一礼して神門をくぐります。
左右には門守社。こちらが左です。後ろには何基もの石灯籠。
こちらが右の門守社です。同じく後ろには石灯籠。
拝殿へと進みます。
石段を上がったところに、石の壺がありました。これは珍しい。
拝殿の手前には香炉です。
香炉の先、拝殿へ。神仏習合の名残を感じさせる、少し変わった造りの拝殿です。
中へと進み、参拝させて頂きます。赤と白が綺麗です。
拝殿の右が授与所です。後ほどこちらで御朱印を頂きます。
拝殿の奥に白蛇様のいる岩山などがありますので、行ってみます。
こちらの門は東門。ここまで行きますと本殿も見えます。
東門をくぐると、前方には開けた景色。
生憎の天気ではありますが、右手は素敵な眺望です。
天空の神社、という言葉が似合いそうな参道です。
こちらは脚本家、著作家である田中澄江さんの歌碑。
その先に、子授けや安産の神様として信仰されている、地蔵尊です。
そのお隣が、奥の院にあたる神蛇祠(かみへびのほこら)です。白蛇様は、この脇の岩の隙間にいらっしゃるとのことですが、残念ながら姿は見えません。
遠くに見える赤い鳥居が、僕たちが階段を登り始めた入口です。停めた車も見えます。
少し先に、馬頭観音と豊受神社です。馬頭観音は牛や馬などの家畜の神様で、傍らには牛や豚の小さな石像が置かれています。
まだ先へと道が続いていますので、行ってみます。展望台的なものがあるようです。
こちらが展望休憩所からの景色です。眺望を楽しんだ後、来た道を戻り、授与所にて御朱印を頂き、霞神社を後にしました。
参拝を終えて
白蛇様が棲むという霞神社。
小雨が降ったり止んだりという天気の中ではありましたが、とっても気持ちのいい参拝ができました。
雨ならではの幻想的な景色も楽しめました。社名のごとく少し霞んでいたりもしましたので、天空にある異世界の神社に足を踏み入れたような、そんな気持ちにもなりました。
僕たちの他に一組だけご夫婦の参拝者がいらっしゃいましたが、あとは誰もいらっしゃらず。ほぼ僕たち夫婦だけという時間を過ごさせて頂きました。
階段はけっこうな長さなのですが、そんなに距離は感じませんでした。足腰に自信がないと辛いかもしれませんが、景色などを楽しみながら登っていったら、意外とあっという間でした。
山の中にある奥の院が見えるのですが、それもまた素敵で。
僕たちが歩いた方の参道は230段とのことですが、本参道からですと730段もあるみたいです。
階段の参道にはお土産物屋さんもありました。シャッターが閉まっているところがほとんどだったのですが、もしかしたらお正月やお祭りのときは、もっとたくさんのお店が開いていて、賑わっているのかもしれません。
僕は少し前に丹沢の大山阿夫利神社に参拝したのですが、そちらへと続く「こま参道」にどことなく似た雰囲気もありました。
そして階段を上り切り向かった社殿は、赤と白が美しかったです。
随所に神仏習合の名残もありました。
参拝後には奥の岩山で白蛇様を探してはみたのですが、全くお姿は見えず。
ネットで画像検索などしてみたのですが、そちらも全然出てこないので、おそらく出会えるのは相当レアなのではないかと。
ちなみに「白蛇様」というからには白い蛇を普通にイメージするのですが、古くから「五色の蛇」と称されていて、実際は保護色で岩肌の白色に反応して白い姿になっているそうです。
ぜひそのお姿を拝みたかったのですが、残念です。
霞神社の駐車場の近くには、白龍神社なるものがありまして、そちらは「白へび様に逢える宮崎の名所」と謳っているのですが…霞神社の駐車場や参道の入口など、何か所にも渡り以下のような注意書きがあるんです。
霞神社の白蛇様とは一切無関係ってことですね。詳細はわかりませんが、新しい神社のようですので、白蛇様に便乗したものなのかもしれません。
白蛇会えるというのは多少気にはなりましたが、僕たちも白龍神社には立ち寄りませんでした。
霞神社の岩の中に、神様の蛇がいらっしゃるんだと、そのお姿に想いを巡らせておきます。
この日二か所目に訪れた霞神社。まさに「天空の神社」でした。
参拝できてよかったです。
続いては、霧島六社権現の一社、霧島岑神社へと向かいます。
御朱印
霞神社ではいくつかの御朱印を頂くことができます。
こちらが霞神社の御朱印です。
こちらが辰年の御朱印。
こちらが切り絵の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時半までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は宮崎県西諸県郡高原町大字後川内1553-1です。
霞神社の公式サイトはありません。
駐車場
本参道の入口と、中参道・東参道の先に、それぞれ駐車場があります。
高原ICから車で10分ほどです。730段の階段があるのが本参道、230段が中参道と東参道です。
電車
JR「日向前田駅」が最寄りです。
徒歩ですと40分ほど掛かりますので、タクシーを呼ぶのがベターかと。
トイレ
拝殿手前の参拝者休憩所の脇と、中参道側の駐車場にあります。駐車場のトイレは夕方以降は使用できません。
周辺のパワースポット
高原町の神社一覧
著者が参拝した高原町の神社一覧です。