調布市の下石原にある上石原若宮八幡神社の参拝レポートです。
読み方は「かみいしわらわかみやはちまんじんじゃ」です。境内は「はけの緑」と呼ばれる鎮守の森になっていて、調布八景の一つに選ばれています。京王線の西調布駅から南に徒歩10分ほどです。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
西調布の「上石原若宮八幡神社」へ
上石原若宮八幡神社は、僕たちがこの日訪れた4ヶ所目の神社です。
調布駅を出発したのが朝の9時半頃。
そこからまずは布多天神社に参拝し、続いては甲州街道沿いを西に歩き、下石原八幡神社に参拝。そこから10分ほど南下し、金山彦神社に参拝。
次に目指したのが、こちらの記事で紹介する「上石原若宮八幡神社」です。神社名が少々長めですし、住所は下石原なのに社名が上石原で、ちょっとややこしいんですけどね。
この日は元々、布多天神社と下石原八幡神社に参拝したら、後は調布にてランチがてら一杯引っ掛け、帰路に就く予定でした。
しかし二ヶ所目の下石原八幡神社の参拝を終えた時点で、時刻はまだ10時半。ランチで一杯には早過ぎました。
ですので地図にて見つけた、徒歩圏内かと思われる二ヶ所の神社、金山彦神社と上石原若宮八幡神社を回り、それからランチにすることにしたんです。
僕たちがスタートしたのは調布駅ですが、金山彦神社と上石原若宮八幡神社は完全にお隣の西調布駅が最寄です。
つまり、ほぼ一駅分、あるいはそれ以上の距離を既に歩いているか、もしくは歩くことになるわけです。
三ヶ所目の金山彦神社は、旧甲州街道沿いにありまして、そんなに遠くはありませんでした。
問題は次の上石原若宮八幡神社です。
地図を確認してみますと、京王線の線路を越え、さらに南へと、それなりの距離を歩かねば辿り着けない感じです。
しかもそこまでの道のりがかなり入り組んでいまして、住宅街をうねうねと曲がりながらのコースです。
とりあえず歩き始めたものの、僕は地図がなかなか頭に入らなかったので、GPSに頼ろうとしたところ…同行していた嫁と嫁の妹が、あれじゃない?と、遠くに木が茂る一角を指差します。
確かに神社の境内って木がたくさんあるところが多いですし、そういう場所を目指して行くと、神社に行き当たるパターンも多々あります。
たまに、神社とは全く違うところに辿り着くこともありますけれど。
しかし今回二人が指差した方角は、確かに地図で見ても上石原若宮八幡神社があると思われる方角です。
たまにはGPSに頼らずに、二人の女の勘を信じてみることにします。
そして地図も見ぬまま木々を目印に歩いて行きますと、的中です。
そちらが上石原若宮八幡神社でした。女の勘に感服です。
正面の入口が工事中で入れなかったため、脇の「女坂」と書かれた入口から境内へと入ります。
ご由緒
ご祭神は、第16代天皇である仁徳天皇(にんとくてんのう)です。大規模な土木事業を行うなど、善政でも知られている天皇です。八幡神と同一である応神天皇の御子であることから、若宮八幡という社名が付けられています。
創建の年代はわかっていませんが、江戸時代前期には既に小名下という場所に鎮座していたとのことですので、それ以前と考えられています。
現在の住所は下石原になりますが、旧上石原宿の鎮守社です。
江戸時代後期に再建された本殿は、総けやき造りで精巧な彫刻が施され、市の有形文化財にも指定されています。
境内は「はけの緑」と呼ばれる鎮守の森になっていて、調布八景の一つに選ばれています。
また、新撰組の近藤勇は上石原村の生まれであり、縁のある神社でもあります。幕末に近藤が甲陽鎮撫隊を率いて帰郷した際には、この神社の方向に拝礼し、戦勝祈願したといわれています。
はけの森の景観とともに、古くからこの地域の人々に大切にされている神社です。
境内案内
正面の入口と思われる付近が工事中で入れなかったため、手前の「女坂」と書かれた緩い坂道から境内に入ります。
境内は広いです。その中に大きな木が何本も茂っています。
右手には社務所らしき建物。左前方には社殿が見えます。
社務所らしき建物の先、右手には立派な桜。紅葉も綺麗です。奥には休憩できるベンチもありました。
社殿から真っ直ぐ延びている参道に向かい歩きますと、その先に石段があります。こちらが男坂になるんだと思います。けっこう急な石段ですね。
石段を背にすると、正面が鳥居と参道です。
鳥居の手前、右手にはご由緒です。
左手には石碑。手前が「ちょうふ八景入選之碑」、奥が「凱旋」と書かれた碑でした。
一礼して石鳥居をくぐります。扁額には龍が彫られていました。
右手に手水舎です。
手水舎にも龍がいます。お清めをします。
お清めを終え、参道に戻ります。参道には両脇に石燈籠、奥には狛犬さんが見えます。
石燈籠の台座には彫刻が施されていました。こちらは左の石燈籠です。かっこいい獅子が彫られていました。咥えているのは花でしょうか。炎のようにも見えます。
こちらは右の石燈籠。台座に彫られているのは毬を持った獅子です。
拝殿へと歩を進めます。
拝殿前には狛犬さん。こちらが左の狛犬さんです。台座には虎の彫刻です。
こちらが右の狛犬さん。お乳を飲んでいる子供もいて可愛いです。台座には龍の彫刻。
拝殿の正面に立ちます。社殿は木の茶色を基調とした建物で、かなり古いものにも見えます。彫刻が目を惹きます。
右手前には、新撰組の近藤勇と上石原若宮八幡神社の由来が書かれていました。
拝殿の彫刻は手前と奥に見事な龍、両脇には獅子です。奥の龍が特にかっこいいです。
静かな時間が流れる中、参拝します。
境内を散策してみます。拝殿を振り返るとこんな感じです。
拝殿の左手前には本殿の説明書き。本殿は総ケヤキ造りと書かれています。
こちらは社殿を左斜め前から。派手さはありませんが、雰囲気がある建物ですね。
境内に茂っている木はどれも立派です。
社殿の左手に回ってみますと、本殿も見えます。
さらに左手にはクスノキ。脇の建物は神輿庫でしょうか。
神輿庫らしき建物の手前には、境内社があります。
境内社はお稲荷さんでした。参拝します。
お狐さんが迫力のあるお顔をしていたので、撮影。
境内社の左手、神輿庫と思われる建物の脇には、途中で折れてしまっている大きなケヤキがありました。
こちらは社殿の裏手です。一周してみます。
一周して、社殿を右斜め前から。
境内の右手は土手になっていまして、土手にも大きな木が茂っていました。
一通り散策を終え、女坂から境内を後にしました。
参拝を終えて
上石原若宮八幡神社は、境内の広い神社でした。
昔から「はけの緑」と呼ばれている境内のようでして、大きな木が何本も茂っていました。
ちなみに「はけ」とは何なのか?と思い調べてみたところ、崖や丘陵などの地形を指す言葉みたいです。確かに境内は、少し丘になった場所にありました。
はけの緑は、特別に大きな木があるわけではありません。様々な種類の立派な木が何本も聳えています。綺麗に手入れされていますので、鬱蒼とした感じはありませんが、木々の多さはやっぱり森のような印象を受けます。
境内の左手奥(お稲荷さんの左)には、途中で折れてしまったと思われる、大きなケヤキも残っていました。このケヤキが上まで伸びていたら、かなりの迫力だったかとは思います。その姿も見てみたかったです。
たくさんの木々の他にも、目を惹くものがいくつかありました。
まず、石鳥居の扁額に龍の彫刻が施されているのに目が留まります。そしてその先、手水舎にも龍がいます。
参道を進むと、左右の燈籠の台座には、見事な獅子が彫られていました。左の獅子は火を吹いているようにも見えまして、かっこいいです。
獅子の彫刻に見惚れつつ先へと進みますと、立派な狛犬さんがお出迎え。で、その狛犬さんたちの台座にも彫刻が施されていました。左が虎、右が龍です。それぞれ、虎の上、龍の上に狛犬さんが載っている形ですね。
右の狛犬さんには子供もいて、お乳を飲んでいるかと思われる態勢の子供でした。
そして最後は、拝殿の龍に目を奪われます。
手前にも奥にも龍が彫られていて、特に奥の龍がかっこよかったです。両脇には獅子もいました。
上石原若宮八幡神社は、僕の中では、「木々の多い境内」と「立派な彫刻」、この二つが印象に残る神社でした。
奥にあった境内社のお狐さんも、少し怖い顔ではありましたけれど、凛としていてかっこよかったです。
のんびり散策させて頂いている間、境内にいたのは僕たちだけでした。他の参拝者は一切見当たらず、ひっそりとしていました。
静けさに支配された境内は、日常とは隔離されているような感覚すらしてしまいました。
そんなはけの緑を満喫させて頂きました。
上石原若宮八幡神社、参拝できてよかったです。
境内を後にした僕たちは、調布駅へと向かいます。
神社の最寄は西調布駅だったのですが、調布駅でランチをしようと目論んでいたので、そのまま歩いて向かってしまおうと。けっこう距離はあるんですけどね。
それなりの距離をてくてくと歩き、無事調布駅に着いた僕たちは、予定通りランチがてら一杯引っ掛けます。
で、この日はこれで帰路に就く予定だったのですが、急遽予定変更。
調布にある大きなお寺、深大寺へと向かうことに。
御朱印
上石原若宮八幡神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都調布市下石原3-5-2です。
上石原若宮八幡神社の公式サイトはありません。
電車
京王線 「西調布駅」から徒歩10分。
南側の出口を出て、南(右)に真っ直ぐ進みます。途中、左斜めに入っていく小路がありますので、そちらを進み大きめな道路を渡り、そのまま道なりに歩くと右手に境内が現れます。
調布駅からでも徒歩圏内かとは思いますが、20分、あるいはそれ以上は掛かるかもしれません。
駐車場
女坂から車が入れるようになっていて、境内が駐車場としても利用できるようです。西調布駅の近くには、コインパーキングもいくつか点在しています。
周辺のパワースポット
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