神社と御朱印、ときどき寺院

美しき日本の神社をご案内。

伊勢神宮と周辺の神社巡り。御朱印・順路・所要時間などを全解説
箱根の神社巡り。三社参りと御朱印のご案内。
高千穂の神社巡りと御朱印の解説をどこよりも詳しく。
戸隠五社巡りの御朱印と順路。見どころや所要時間も解説

十番稲荷神社(港区/麻布十番)の御朱印と見どころ

十番稲荷神社の紹介

港区麻布十番にある十番稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「じゅうばんいなりじんじゃ」です。蛙が大火事から家を守ったといわれる「がま池の伝説」が残り、「かえるのお守り」でも知られています。港区七福神の宝船の神社でもあります。最寄駅は麻布十番駅です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

麻布十番の「十番稲荷神社」へ

十番稲荷神社は、この日に僕たち夫婦が参拝する6ヶ所目の神社です。

7月の中旬、朝イチで嫁と二人、六本木までやって来まして、30度を超える気温の中、歩き回っておりました。

まずは乃木坂にある乃木神社に参拝し、徒歩にて六本木方面に移動して、龍土神明宮、出雲大社東京分祠、櫻田神社、朝日神社と、駅周辺の神社を巡りました。

この日は天気予報ではお昼から雨とのことでして、午前中に回れるだけ回ろうと、ここまでで5ヶ所に参拝です。

その時点で時間はちょうどお昼の12時。予報では雨が降り出してもおかしくない時間ですし、僕と嫁はこのあとの身の振り方を協議します。

当初の予定ではあと二ヶ所、麻布方面にある十番稲荷神社と、麻布氷川神社にも、雨が大丈夫なら行こうと考えていました。なかなか普段来る機会がない地域ですので、どうせなら足を延ばして参拝しておきたいです。

実際、雨はまだ降り出していませんでしたので、あと二ヶ所も行くという流れにはなったのですが、ちょうどお昼でしたし、とりあえずランチをしながら考えようと。

あとはですね、テレビ朝日のビルの上に、大きなドラえもんがいるのが見えまして、なんだかそれにテンションが上がってしまって、テレビ朝日まで行ってみようということにもなり。

そんなこんなで、毛利庭園を歩いてみたり、テレ朝ショップに入ってみたり、ついつい本来の目的からは外れて遊んでしまいました。

そして、目についた焼肉屋さんに入り、焼肉ランチを頂きます。思わずビールも頼んでしまいます。昼はできるだけ飲まないようにしようと常に思ってるんですけどね。誘惑に負けてしまいます。

結局ほろ酔い状態で焼肉屋さんを出まして、まだ雨になっていませんでしたので、あと二ヶ所だけ、神社巡りを継続することに。

次に目指す十番稲荷神社は、最寄駅は麻布十番駅なのですが、六本木駅寄りにあります。ですので当初は六本木から歩いて行く予定でした。しかしながら、ランチビールでのほろ酔いと、30度を超える暑さにやられてしまい、一駅ですが地下鉄で向かうことに。

大江戸線に乗り麻布十番駅で下車。案内に従い7番出口から地上に出ましたころ、そのすぐ右手に鳥居がありました。

十番稲荷神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)田心姫命(たぎりひめのみこと)湍津姫命(たぎつひめのみこと)の五柱です。

倉稲魂命は穀物や食物の神様で、宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。日本武尊は、武勇に優れた日本古代史上の伝説的英雄です。市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命は、宗像三女神といわれる三柱の女神で、水や美の神様でもあり、弁財天とも習合されています。

十番稲荷神社は、昭和25年に、末広神社と竹長稲荷神社という、二つの神社が合併してできた神社です。

末広神社は江戸時代初期の創建です。境内には多くの柳の木があったため、「青柳稲荷」と称されていたそうです。後にその中の一樹が繁茂して扇の形になっていたことから「末広の柳」と呼ばれるようになり、いつしか末広稲荷と称されるようになりました。明治20年に末広神社へと改称されています。

竹長稲荷神社は、創建の年代は不明ですが、飛鳥時代末期、もしくは平安時代初期という説もあります。入唐八家の一人である慈覚大師(円仁)の八咫の神鏡により、稲荷大神を勧請したとも伝えられています。竹千代丘という場所に創建されたことから、「竹千代稲荷」と称され、それがいつしか「竹長稲荷」になったのではないかと考えられています。また、徳川将軍家の世子の幼名が「竹千代」であったことから、それに配慮して「竹長」になったともいわれています。

昭和20年に、第二次大戦の戦災により、末広神社、竹長稲荷神社は共に焼失してしまいます。その後の昭和25年、復興土地区画整理により、両神社の境内地を現在の場所に定め、二社が合併し再建され、社名も十番稲荷神社と改称されました。

現在の社殿は平成9年に建て替えられたものになります。

古くより鎮座していた二つの神社が一つになり、現在も厚く信仰されています。

江戸時代、蛙が大火事から家を守ったといわれる「がま池の伝説」があり、それに因んだ「かえるのお守り」が授与されていることでも知られています。

港区七福神の宝船の神社でもあります。

 

境内案内

こちらが十番稲荷神社の入口です。麻布十番駅の7番出口を出てすぐ右手です。

f:id:inudenchi:20190728202703j:plain

 

鳥居の左右には、左に港七福神の宝船、右には蛙の像があるのが見えたのですが、まずは鳥居をくぐり境内へ。

f:id:inudenchi:20190728210038j:plain

 

石段のすぐ先が社殿です。境内は広くはありません。

f:id:inudenchi:20190728210053j:plain

 

石段を上り、拝殿へと進みます。

f:id:inudenchi:20190728210114j:plain

 

上まで上がりますと、左右に狛犬さんがいらっしゃいました。下からですと気付きませんでした。戦前のものとのことで、戦時中は土中に埋められていて、戦災を免れたそうです。こちらが左の狛犬さん。

十番稲荷神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。どちらもかっこいいです。俊敏で強そうです。

十番稲荷神社の右の狛犬

 

正面が拝殿です。平成9年に建てられたものとのことですので、新しいです。

f:id:inudenchi:20190728210204j:plain

 

右手に手水舎がありました。小さな手水舎です。

f:id:inudenchi:20190728210218j:plain

 

お清めをします。正方形の手水鉢というのも、けっこう珍しいのではないかと。

f:id:inudenchi:20190728210238j:plain

 

拝殿の前に立ちます。

f:id:inudenchi:20190728210252j:plain

 

参拝します。扁額は、明治神宮の宮司だった鷹司信輔さんの書によるものでした。

f:id:inudenchi:20190728210319j:plain

 

お賽銭箱の手前には、御朱印の受付時間の案内もありました。

f:id:inudenchi:20190728210336j:plain

 

「かえるさん」の御守りなどの案内も。かえるさんには、無事カエルという意味での旅行安全や、病気の回復などにご利益があるそうです。出ていったお金が「カエル」という金運も。

f:id:inudenchi:20190728210424j:plain

 

拝殿に向かって左手が授与所です。こちらで御朱印を頂きました。

f:id:inudenchi:20190728210508j:plain

 

無事御朱印を頂き、境内を後にします。上からの景色はこんな感じです。

f:id:inudenchi:20190728210522j:plain

 

石段脇の緑が綺麗です。

f:id:inudenchi:20190728210538j:plain

 

一礼して鳥居をくぐり、境外に出ます。鳥居に向かって右手に「かえるさん」として親しまれている、蛙の石像があります。

十番稲荷神社のかえるの石像

 

大小の蛙さんがいて、後ろにはその伝説について書かれたものもありました。かえるさんが大火事から家を守ったといわれているそうです。お参りさせて頂きます。

f:id:inudenchi:20190728210624j:plain

 

続いて今度は、鳥居に向かい左側。こちらには七福神が乗った宝船があります。見ているだけで幸せになれそうな宝船です。こちらにも参拝させて頂き、十番稲荷神社を後にしました。

十番稲荷神社の宝船

 

参拝を終えて

かえるさんがいて、宝船のある十番稲荷神社。

このたびの参拝にあたり、僕はそこまでちゃんと下調べをしていませんでしたので、かえるさんや宝船があることも知りませんでした。

この辺りには、大火事を止めたという蛙の伝説があるみたいです。「がま池の伝説」というやつですね。

江戸時代の後期に、この辺りがほとんど焼けてしまう大火事が起きたそうです。しかし、備中成羽(現在の岡山)の領主である山崎主税助のお屋敷だけが被害を免れたと。これは邸内の池にいた大かえるが、池の水を吹きかけて猛火を退けたからだといわれていて、そんな蛙にちなんで、山崎家では防火や火傷除けとして、人々に御守りを授けるようになったそうです。その後、御守りは末広神社を通して授与されるようになり、それが現在も続く「かえるお守り」とのこと。

大火事を止めてしまう大蛙。昔はすごい蛙がいたものだな~と、蛙が一生懸命火を消している様子を、ついつい思い浮かべてしまいました。

かえるさんは現在、防火だけではなく、転じて「無事にカエル」という意味で、様々なご利益があるとして信仰されているそうです。

鳥居の右手には大小のかえるさんがいましたので、僕たちもしっかりと参拝させて頂きました。どちらのカエルさんも、正面でじっと顔を見つめていますと、愛おしくてたまらなくなってくるくらい、可愛いカエルさんでした。

そしてカエルさんの反対側、鳥居の左手には七福神の乗った宝船があります。境内案内の項でも書きましたが、この宝船は、見ているだけで幸せになれるような、そんな気がしてしまいます。

かつて竹長稲荷神社には、社宝として歌川広重による宝船の絵があったそうです。残念ながら絵は戦災でなくなってしまったと。しかしそんなご縁で、竹長稲荷神社は戦前の「麻布稲荷七福神詣」から、宝船の札所に指定されていたそうです。その流れで、十番稲荷神社となった後の現在でも、港七福神めぐりの宝船の神社となっているんですね。

かえるさんと宝船、どちらもいいものが見れました。

一方、鳥居の中はといいますと、石段と社殿、ほぼその二つが境内を占めているといってもいいかもしれません。決して広くはありません。

社殿は平成9年に建て替えられたものとのことで、全体的に新しく、周囲の景色にも完全に溶け込んでいました。

新しい社殿に対し、両脇にいらっしゃった狛犬さんは戦前のものとのことです。土の中に埋めて、戦災を回避したそうです。左右どちらの狛犬さんも、とてもかっこいい容姿をしていました。

狛犬さん、かえるさん、宝船と、小さな神社ではありましたが、目を惹くものがいくつかありまして、楽しませて頂きました。

この日6ヶ所目に訪れた十番稲荷神社。

参拝できてよかったです。

続いては、元麻布にある麻布氷川神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが十番稲荷神社の御朱印です。

f:id:inudenchi:20190728211054j:plain

この他に、元日から成人の日までの間のみ、港七福神の宝船の御朱印も頂くことができます

 

御朱印の受付時間

御朱印を頂ける時間は、10時から16時半まですが、12時~13時の間は受け付けていませんのでご注意ください。開門時間は9時~17時です。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都港区麻布十番1-4-6です。

十番稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://www.jubaninari.or.jp/

 

電車

大江戸線 「麻布十番駅」から徒歩0分。

7番出口から地上に出ますと、すぐ右手が入口です。

南北線 「麻布十番駅」から徒歩5分。

4番出口を出て麻布通りを左に進みます。「新一の橋」交差点を左折。そのまま進み右側です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。すぐ近くに麻布十番公共駐車場があります。コインパーキングも周囲にいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

港区の神社一覧