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本宮神社(日光市)の御朱印と見どころ

日光本宮神社の紹介

日光市にある本宮神社の参拝レポートです。

読み方は「ほんぐうじんじゃ」です。日光二荒山神社の別宮で、本社の旧鎮座地にあり、日光の原点とも呼ばれています。境内には、勝道上人が休息したといわれる笈掛石もあります。世界遺産である日光の社寺の一部です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

二荒山神社発祥の地「本宮神社」へ

嫁と二人、11月の日光にやって参りました。

日光の二社一寺をがっつり歩き回る予定を組み、二泊三日の旅行です。

僕たち夫婦は7年前にも日光には足を運んでいるのですが、そのときは東照宮にしか参拝していません。輪王寺にも二荒山神社にも参拝せず、その他周辺の社寺にも全く立ち寄らず。といいますか、その頃は今のように神社に特に関心も持っておりませんでしたし、輪王寺や二荒山神社の存在すら知りませんでした。

故に今回は、東照宮だけでなく、周辺にもできるだけ足を運び、世界遺産を存分に味わってやろうと。

どのようなコースでどこを巡るのかは、事前に何度も嫁と協議を重ねました。当日の天気次第で多少の変更を余儀なくされることも想定しつつ、数パターン用意します。

こういうのって、まだ見ぬ旅先に想いを馳せ、ああでもないこうでもないと計画を練る時間が、すげー楽しかったりするんですよね。

で、事前にシュミレーションした結果、行きたい場所を全て制覇するには、一泊二日だとなかなかのハードスケジュールになりそうだったので、余裕を持って二泊三日にしました。

早起きして東京を出発し、特急で日光に降り立ったのは朝の9時少し過ぎ。

そこからバスに乗り、まずは日光山内の入口にある神橋に参拝。

気温は1~2度という、なかなかの寒さの中ではありましたが、とても清々しい参拝ができました。紅葉も綺麗でした。

そして、次に向かったのが本宮神社です。

日光駅の方面からは、日光橋を渡って日光山内に向かうわけですが、渡った先の左手にある石段の先が、二社一寺になっています。

なのでほとんどの人、たぶん99%くらいは、いや、99.9%くらいは、橋を渡ると左手に進みます。

しかし僕たち夫婦は右へ。左の大きな石段に比べますとあまり目立たないのですが、右にも山の上へと続く石段があるんです。

その右の石段の先が、僕たちが次に目指す、本宮神社です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の神様である味耜高彦根命(あぢすきたかひこねのみこと)です。国造りの神である大国主命と、宗像三女神の一神である田心姫命の御子神で、農耕や雷の神様です。

創建は奈良時代まで遡ります。日光を開山した勝道上人が、大谷川の北岸に二荒山(男体山)の神を祀る祠を建立したのが始まりとされています。

また、周辺では古代祭祀の痕跡を示す遺跡が見つかっているため、それ以前から聖地として信仰されていたこともわかっています。

勝道上人はその後、二荒山への登拝に三度目の挑戦で成功し、山頂に奥宮を創建して、二荒修験の基礎を築きました。

平安時代になり社殿が造営されますが、度重なる水害により幾度か遷座をすることとなり、「新宮」として祀られるようになります。それが現在の二荒山神社になります。

その後、旧社地である現在の地にも社殿が造営され、現在の本宮神社となります。

勝道上人は、本社(新宮)、本宮、滝尾神社に日光三社大権現を勧請していたことから、三社は「日光三社大権現」と称されるようになり、神仏分離後の現在も「日光三社」と称されています。

現在は二荒山神社の別宮です。

現在の本殿は江戸時代中期に再建されたもので、唐門や透塀も含め、国の重要文化財に指定されています。本殿の背面には扉があり、かつてそこから男体山を奉拝していた名残といわれています。

境内には、勝道上人が二荒山登拝の際に笈を立て掛けて休息したといわれる、笈掛石もあります。

平成11年に世界遺産登録された、日光の社寺の一部です。

二荒山神社発祥の地でもあり、日光の原点ともいわれている神社です。

 

境内案内

本宮神社は、日光橋を渡った先にあります。

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日光橋を渡りきり、左前方の石段を上って行きますと、東照宮や二荒山神社です。

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反対側、右にも斜めに上がっていく石段がありまして、本宮神社はそちらが入口です。

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信号を渡り、石段の入口へ。本宮神社と刻まれた社号碑も建てられています。

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石段を上らせて頂きます。向かう先には鳥居の姿も。両側に聳える大きな杉に目を奪われます。

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こちら、左手に連なっていた杉です。いきなりの大木たちの迫力に、圧倒されまくりです。

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石段を一段ずつ上るにつれ。神聖な場所に近づいていくような気持ちになります。

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道路から入ってすぐ、こんなにも大木に挟まれた参道を歩くとは思ってもいませんでした。

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石段を鳥居まで上がりきりますと、左手に手水舎がありました。お清めをします。

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手水舎の脇に、ご由緒書きと境内案内がありました。後ろの石灯籠もかなり古いものに見えます。

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一礼して石鳥居をくぐります。こちらの石鳥居は「開運の石鳥居」との案内書きがありました。鳥居の左手前に立ち、一礼して左足よりくぐり、境内にある「笈掛石」に触れると、運が開けると言われているそうです。その通り、左足よりくぐらせて頂きます。

本宮神社の鳥居

 

鳥居の先、石段は左に折れて続いています。正面には石灯籠。

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左に折れた先は少し開けていて、前方に社殿です。周囲の紅葉も綺麗です。

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左手に、勝道上人が笈を立て掛けて休息したといわれる、笈掛石です。笈とは修験者が背負う仏具です。「笈」と「老い」を掛けて、若返るとも言われている石とのこと。触れさせて頂きます。

本宮神社の笈掛石

 

社殿の周囲にも木々が聳えています。境内はとても静かです。

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右手はこんな感じです。その先は崖のような斜面になっています。

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右手に石が積まれた場所があり、「開運 望み石」と書かれていました。平和を願い一つだけ石を積みお参りください、と書かれていたのでやろうと思ったのですが、石が見当たらず…。

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奥にも注連縄の巻かれた石があり、こちらは「運試したま入れ」の籠も置かれています。

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拝殿へと向かいます。拝殿の右手前には、珍しい形の石灯籠もあります。

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石段の右手前には、ご由緒書き。

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拝殿は赤と黒を基調とした建物です。

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凛とした空気の中、参拝させて頂きます。

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御朱印は、本社(二荒山神社)の授与所で頂けるとの案内もありました。

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拝殿を振り返りますと、こんな景色です。

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拝殿の左手に、「こぶ杉」と書かれた途中で切られている杉が見えましたので、行ってみます。

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こぶ杉に近づいて行きますと、拝殿の奥にある本殿の姿も目に入ります。

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本殿も気になりましたが、まずはこぶ杉へ。名前のとおり、すごい「こぶ」がありました。このこぶを撫でると喜びが回ってくるとのことで、撫でさせて頂きます。

本宮神社のこぶ過ぎ

 

続いて、奥の本殿へ。本殿は江戸時代中期に再建されたものとのことで、拝殿よりもかなり古いものに見えます。奥へ進むにつれ、厳かな空気に。

本宮神社の本殿

 

玉垣の後ろ、本殿の左手前には、開運の御利益があるという「開運笹」です。

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本殿の前へ。陽射しは暖かいのですが、空気は張り詰めています。

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本殿にも参拝させて頂きます。下には「開運」と書かれた石がありまして、この石を右に動かすと金運や幸運、左に動かすと健康や良縁の運が開けるとのこと。僕たち夫婦の影付きの写真ですみません。欲張りな僕は、石を右にも左にも動かしてしまいました。

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こちらは本殿を右斜め前から。

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本殿の右奥にも小路が続いていて、前方には三重塔が見えます。四本龍寺という寺院の三重塔です。そのまま四本龍寺へと向かうことにします。

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こちらは本殿を真横から。

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振り返り本殿越しに拝殿側を見ますと、こんな感じです。本殿を横目に見つつ、境内を後にします。

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参拝を終えて

平日の朝ではありましたが、おそらく東照宮方面は多くの人で賑わっていると思われるのに対し、本宮神社はほぼ人の気配がなく、とても静かでした。

僕たちの他には夫婦が一組参拝していらっしゃいましたが、彼らが去った後はずっと僕たちしかおらず。先ほどまで多くの人を見掛けていたのに、一瞬で誰もいない異空間に迷い込んでしまったかのような、そんな感覚にも陥りました。

本宮神社は、入口の石段からして、もう凄かったです。

でかい杉が何本も聳えていまして、いきなり神域に入ってしまったかのようです。

最初に訪れた神橋では、太郎杉という大木を目にし圧倒されたのですが、その直後にまた、こんなにも大きな杉をたくさん見ることになるとは。太郎杉に比べたら小さいんだとは思いますが、それでも見入ってしまうにはじゅうぶんな大きさです。

そんな杉に挟まれた石段を抜けた先、拝殿の前は少し開けていまして、笈掛石や望み石などがあります。

笈掛石は、日光を開山した勝道上人が笈を立て掛けたとされる石でして、その言い伝えが誠であれば、1300年程の時を経て、同じ石に触れていることになります。そう思うと不思議な気持ちにもなるものです。

入口の鳥居を左足から入り、その後に笈掛石に触れると運が開けるとのことでして、その通りにさせて頂いたので、これで僕の運は間違いなく開けたはずです。

笈掛石の先、赤と黒の拝殿も素敵でした。拝殿の建てられた年代がいくら調べてもわからなかったのですが、そこまで古い建物には見えなかったです。周囲の紅葉との景色も綺麗でした。

拝殿の脇にあった「こぶ杉」には、その名の通り大きな「こぶ」がありまして、思う存分撫でさせて頂きました。「よろこぶ」に掛かってるみたいですね。原因はわかりませんが、こぶ杉は途中ですっぱりと切られていましたので、切られる前の姿も見てみたくなります。

そして拝殿の後ろ、本殿がこれまた凄かったです。

本殿はかなり古い建物であることは見てとれたのですが、その周囲は少し空気が張り詰めている感じがしました。

そんな空間を僕たち夫婦だけで独占してしまい、申し訳ないくらいです。

日光の原点ともいわれる場所で、他の人が一切誰もいないんです。これって物凄く贅沢なことです。

すぐ下には日光橋がありますし、多くの人や車が行き来していたはずなのに、本宮神社の境内は静寂に包まれていて、まるで別の時代に来てしまったかのようでもありました。

本宮神社は、本社である二荒山神社、奥地にある滝尾神社と合わせて、日光三社と称されているうちの一つです。さらには世界遺産の一部でもあります。にも関わらず、おそらく訪れる人はとっても少ない場所なのではないかと。それは大変もったいないことだとは思いますが、そのおかげで素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。

本宮神社、参拝できてよかったです。

続いては、本殿の先に見えた三重塔のある、四本龍寺へと向かいます。

 

御朱印

こちらが本宮神社の御朱印です。

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御朱印の受付時間

本宮神社の御朱印は、二荒山神社の授与所にて頂くことができます。書置きのみのご対応となります。

御朱印と御守りを頂ける時間は、季節によって異なりますが、9時から16時まででしたら、どの季節でも頂けるかと思います。詳しいお時間は、二荒山神社の公式サイトにてご確認ください。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は栃木県日光市山内です。

本宮神社の公式サイトはありませんが、本社である二荒山神社のサイト内に案内があります。
http://www.futarasan.jp/cgi-bin/imgsys/image_c.cgi?61

 

電車&バス

神橋」バス停より徒歩4~5分。

バス停より日光橋を渡り、信号の先、右手に見える石段の先になります。

バスは東武日光駅の「世界遺産めぐり(2B)」乗り場より乗車します。日中でしたら1時間に3~4本出ています。Suika、PASMOなど利用できます。

駅から徒歩でも行けない距離ではありませんが、神橋まで20~25分ほど掛かるかと思われます。

JR「日光駅」からも「日光東照宮」行きのバスで行くことが可能ですが、そちらは本数が少ないので、すぐ近くの東武日光駅まで歩いて移動し、そこからバスの方が確実です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。周辺に東照宮の駐車場や市営駐車場があります。神橋の公式サイトに近隣の駐車場案内がありますので、ご確認ください。

 

周辺のパワースポット

 

日光世界遺産巡り

日光の二社一寺を中心とした、世界遺産の全ての社寺については、こちらの記事でまとめてあります。

 

日光市の神社一覧

僕が参拝した日光市の神社一覧です。