諏訪市にある北斗神社の参拝レポートです。
読み方は「ほくとじんじゃ」です。諏訪大社本宮のすぐ近くにあり、山へと一直線に延びる200段の石段が有名な神社です。石段は最大傾斜角度45度、長さは160メートルです。寿命の神様ともいわれ、信仰されてきた神社です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
諏訪の「北斗神社」へ
この日は4月の上旬。数日前まではすっかり暖かく春らしい気温になっていたのですが、前日からいっきに寒くなり、朝から風も強い日です。
僕は東京在住なのですが、実家が諏訪地方の茅野市でして、法事で二日ほど実家に戻りました。時間に少し余裕がありましたので、その機会を利用して北斗神社に行ってみることにしたんです。
北斗神社は諏訪大社本宮のすぐ近くにありながら、僕はまだ一度も訪れたことがありません。訪れたことがないどころか、恥ずかしながらその存在すら知りませんでした。
神社というものに興味を持ち、嫁と一緒に神社巡りをしたり、御朱印を頂くようになったのは今から2~3年前です。このブログもまだ始めてから1年半ほどです。
諏訪大社についても、小さい頃から馴染みが深い神社だったにも関わらず、大人になってからじっくり参拝することもありませんでしたが、昨年ようやく時間を掛けて訪れ、記事にもできました。
さらには諏訪大社について色々と調べたりしていますと、周辺にも色々な神社があったり、関連のある場所があったりします。そんな過程で北斗神社も発見しました。
まず、「北斗神社 諏訪」で画像検索をしますと、ものすごく魅力的な景色が出てくるんです。山に向かって延びる、恐ろしく長い一直線の石段が…。なかなか凄い景色です。
本宮の近くにこんな場所があったのかと。
これまで車で頻繁にその前を通過しているはずなのに、全く気付きませんでした。僕の目は節穴です。
こんなに魅力的な場所があるのに行かないなんてもったいない。
是非機会を見計らって行ってみたいと思っていましたので、法事で帰省した際には、迷わずにそれを決行しました。
長い石段に備え、膝サポーターを着用し。
さらにかなり寒い日でしたので、両親からコートなどを借り、嫁を伴い出発します。
本宮の駐車場に車を停め、まずはせっかくですので本宮にも参拝し、まだ行ったことがなかった境外にある大国主命社にも参拝。
その後徒歩にて東参道から北斗神社を目指し、途中にあった若宮八幡社にも参拝。
そして若宮八幡社からは徒歩で30秒ほどでしょうか。右手に北斗神社の長い石段が見え、入口に到着しました。
これはなかなかヤバイです。
ご由緒
ご祭神は、日本神話の神様である天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。天地に代表される世界が初めて生まれたときのことを示す「天地開闢(てんちかいびゃく)に関わった五柱の神様の一柱です。宇宙の根源の神であり、宇宙そのものであるともされています。また、北極星を神格化した神様とも考えられています。
創建の経緯や詳細はわかりませんでしたが、本殿が造営されたのは江戸時代後期の文政8年です。本殿を造営した白鳥弥四郎は、諏訪大社の造営に携わった宮大工、藤森広八や立川和四郎富昌に学んだ人物です。
かつて祭事を行う時に中心となる祭主は、諏訪大社上社の「五官」の一つ、祢宜太夫(ねぎだゆう)だったそうです。
真っ直ぐに山へと延びる200段の石段でも知られていて、最大傾斜角度45度、長さは160メートルもあります。
「寿命の神様」というご利益もあり、戦時中は出征兵士を送る家族が多く参拝に訪れていたそうです。
境内案内
こちらが北斗神社の入口です。見事に真っ直ぐな石段が山の上へと続いています。桜が咲いているのも見えます。
右手にご由緒が書かれた看板。石段は200段と書かれています。上からの眺望は良さそうです。
石段の入口へと進みます。
石段が急勾配なので気を付けろ、と書かれていますね。じゅうぶん気を付けて登ることにします。看板の上に小さな祠がありましたので、手を合わせます。ちゃんと四隅には御柱も建てられていました。
見れば見るほど、なぜか惹き込まれてしまう景色ですね。
左には庚申塔。こちらにも手を合わせます。
北斗神社が描かれた楽しげな絵もありました。
一礼して鳥居をくぐります。
いざ、気合いを入れて登り始めます。実際に真下に立ちますと、勾配がかなり急なのがわかります。
一歩一歩確実に。思ったより距離もありそうです。これは凄い。
登ります。一段一段の段差がけっこうでかいです。
だんだん社殿の姿がはっきりと見えてきました。しかし石段の途中には石も出現。
ちょっと一休み。左手はこんな景色。
右手はこんな景色です。
振り返ったら怖いことがわかりつつ、振り返ってしまいました。これ、ほんとに怖いです。こけたらアウトだと思います。
振り返らないようにして、登ります。
社殿が近くなり、ようやく初めての手すりが出現。手すりがあるだけで安心感がいっきに増します。
手すりの辺りからもう一度振り返ると、足はすくみますが、眺望は素晴らしいです。
手すりゾーンが終わり、最後の石段へ。社までもう少しです。四隅には御柱が建てられています。石段は一段と急勾配に…。
あとひと息。
社殿の右奥は崖のようになっていて、小さな祠がいくつかあります。
左奥も同じく崖になっていて、祠もあります。凄いところにありますね。
長い闘いを終え、無事社殿に到着です。社殿の中には厳重に守られた本殿がありました。
ひと呼吸置いてから、参拝します。
振り返ると素晴らしい眺望。諏訪市と茅野市の街や、遠くにはおそらく諏訪湖らしきものも見えます。
上から石段を見下ろすとこんな感じ。足がすくみます。
右手にももう一つお社があり、そちらにも参拝。
こちらは社殿前の石段をアップで。どれだけ急勾配かおわかり頂けるかと。
足元に気を付けつつ、しばらく上でのんびりと過ごします。
いざ、下山を開始。これは登りよりもかなり怖いです。もう膝がガクガクです。
一歩ずつ時間を掛けて下ります。慎重に慎重に。
無事に帰還しました。ほっと一息。
最後にもう一度下から石段を見上げます。達成感ハンパないです。無事石段との闘いを制覇し、北斗神社を後にしました。
参拝を終えて
約200段の石段を上って参拝した北斗神社。
まず率直な感想としては、とっても楽しかったです。
頑張って石段を上って良かったな~と。ものすごく記憶に残る神社になりました。無事に石段を下り終えると、ものすごく達成感もありました。
振り返ってみると、全体を通して「楽しかった」という印象にはなるのですが、実際に石段を登っている時はかなり怖かったです。傾斜や高さが思っていた以上に凄まじく、手すりも上の方のほんの一部にしかない状態ですので、マジで怖いです。
だって、足を滑らせたら終わりなんですもの。
きっとちょっとでもつまずいてコケようものなら、そのまま一番下まで転がることが予想されます。それくらい傾斜が急なんです。
僕は高所恐怖症というわけではないのですが、それでも腰が引けてしまい、ビビりながら上りました。嫁につかまりながら。
そんな石段の恐怖に加え、さらには体力だったり膝や腰の問題も浮上してきます。僕はこの石段に備えて膝サポーターもばっちり装着していたので大丈夫だったのですが、膝や腰に不安のある人には少々厳しい道のりかもしれません。中には一段の高低差が大きい段などもありますので、膝や腰は要注意です。
体力的には、休み休み登ればなんとかなります。いっきに登るのはかなりキツイと思いますが、休み休みなら。僕たちはゆっくりなペースで、10分弱くらいの時間で上まで登れました。
そして、登山に近いとは思うのですが、やはり上まで登ることで初めて手に入れられるのは、そこからの景色です。
諏訪や茅野の街が一望できますし、遠くには諏訪湖らしきものも見えます。下を見るとやっぱり腰は引けてしまいますが、上からの景色は素晴らしかったです。
また、拝殿の中に本殿があるのですが、拝殿は厳重に鉄格子がはめられ、さらにその中の本殿もがっちりと守られていました。これは過去に一度、本殿が盗難に遭っているからだそうですが、泥棒は夜中にこの石段を登ったのかな~とか僕は考えてしまいました。
社殿の両側は崖になっていて、どちらにも小さな祠が祀られていて、神域のように感じました。
長く急な石段を上りきらないと辿り着けない場所。それだけでも特別な場所に感じます。
腰が引けながらも社殿前にてしばらくのんびりと過ごし、帰路に就くため石段を下るわけですが、この下りがまた怖かった。
ほんとにコケたら終わるので、慎重に慎重に下りました。
怪我もなく無事に下り切り、ようやくホッと一息つけました。
石段はマジで怖かったですけれど、頑張って上まで登り、参拝できて良かったです。
僕の中でもとても記憶に残る神社となりました。
北斗神社、とってもお勧めですので、200段の石段が問題ない方で、高所恐怖症でない方は、是非とも行ってみてください。
ただ、ほんとにコケたら終わりで危険な場所ですので、ヒールとかで登るのは絶対止めた方がいいです。
あと、酔っ払って登るのも厳禁です。
安全第一で是非一度登ってみてください。きっと満足できるはずです。
御朱印
北斗神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は長野県諏訪市中洲1412(付近)です。
北斗神社の公式サイトはありません。諏訪大社の公式サイトはこちらです。
http://suwataisha.or.jp/
電車
JR「茅野駅」からタクシーで10~12分。
茅野駅、上諏訪駅、上社前宮からバスも出ていますが、本数がかなり少ないようですので、タクシーに乗ることをお勧めします。最寄駅である茅野駅の西口からタクシーに乗れば、10分ほどで到着します。徒歩ですとかなり遠いので、厳しいかと思います。
本宮から徒歩で5分ほどになりますので、本宮に参拝した足で訪れるのがお勧めです。
駐車場
2台停められる駐車場があります。諏訪大社本宮の東参道の駐車場からでも徒歩で4~5分です。
周辺のパワースポット
諏訪市の神社一覧
僕が参拝した諏訪市の神社一覧です。