新宿区の若松町にある八兵衛稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「はちべえいなりじんじゃ」です。火防の神として信仰されている神社で、かつてこの辺りに住んでいた八兵衛さんをお祀りしています。八兵衛は町内の火伏せに貢献した町人です。最寄り駅は若松河田駅になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
若松河田の「八兵衛稲荷神社」へ
この日は嫁と二人で、東新宿周辺の神社巡りに出掛けて来ました。
午後からバルト9にて映画を観る予定でしたので、午前中をがっつりと神社巡りの時間に使おうと。
僕はこれまで東新宿の神社というのは一度も訪れたことがありません。東新宿というエリアもなかなか訪れることがない地域です。
もしかしたら東新宿は、神社巡りというきっかけがなければ、僕は一生行くことがなかったかもしれません。東新宿に限らず、そういう場所ってこれまでもこれからも、多々ある気がします。
僕はもう20年ほど東京で暮らしておりますが、これだけ東京の色々な場所を歩き回るのは、神社巡りを始めてからになります。
都内にて知らない土地を歩き回るというのは、それはそれで楽しいものがありまして、そう思う自分はジジイになってきたのかもしれません。
木の名前とか花の名前とかも、若い頃は全く興味なかったのに、じょじょに詳しくなってきてますからね。
この日はまず東新宿駅より、抜弁天、西向天神社の二ヶ所に参拝。その後大江戸線にてお隣の若松河田駅に移動し、出世稲荷神社、金弁財天、宝禄稲荷神社と三つの神社に参拝します。
そして次に向かったのが、こちらの記事で紹介する八兵衛稲荷神社です。
周辺にはまだまだ小さな神社が点在していたのですが、どうやら次の八兵衛稲荷神社が、時間的にこの日の締めになりそうです。
午後からのバルト9での映画は既にチケットを予約してしまっていたので、時間をずらすわけにはいきません。また、その前に昼食もとりたいので、それらを考慮するとあと一社回るのがギリギリかと思われます。
時間があれば、若松河田駅からさらにもう一つ先の、牛込柳町駅周辺も回ってみたかったのですが無理そうです。そちらはまたの機会にすることにします。
朝から歩き回っていますので、空腹の方もだいぶ激しくなってきましたし。
そんなわけで、八兵衛稲荷神社をこの日の神社巡りの締めにと決めて向かいます。
八兵衛稲荷に関しては、失礼ながらちゃんと予習をしていなかったので、八兵衛さんとは何者なのか、どんな神社なのかもわからないまま。
大久保通り沿いにあった宝禄稲荷神社からは、若松河田駅方面へと歩き3~4分だったかと思います。
細い路地の先に鳥居が見え、八兵衛稲荷神社に無事到着です。
ご由緒
ご祭神は、五穀豊穣の神様である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。宇迦之御魂神とも表記され、稲荷神とも同一です。
創建は江戸時代初期とされています。
この辺りに住んでいた八兵衛という町人が、過失により火事を出してしまいました。八兵衛はそのことで近隣に迷惑を掛けてしまったことを大変悔い、毎日毎夜、町内を「火の用心」と声を掛けて廻ったそうです。それ以来この町では、大きな火事がほとんどなくなったそうで、八兵衛の死後に町内の有志が稲荷神社を創建し、そちらに八兵衛を祀ったのが始まりです。
そのような由来により、現在も火防の神として厚く信仰されている神社です。
社殿は昭和20年に第二次大戦の戦災で全焼してしまいましたが、戦後に再建され現在に至ります。
境内案内
八兵衛稲荷神社は、細い路地の中にあります。
赤い鳥居の正面に立ちます。奥にはお狐さんと社殿が見えます。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。
とても質素な境内ですが、木の緑と燈籠の赤が綺麗です。
すぐ左手にはしだれ桜でしょうか。その手前には防災倉庫がありました。
右手には看板と石碑です。火防のご利益が強い神社であることを知ります。
拝殿へと進みます。
拝殿前にはお狐さんです。こちらが左のお狐さん。
こちらが右のお狐さん。どちらも特徴のあるお顔をしていて、意外と他では見ないタイプの顔立ちをしたお狐さんではないかと。
参拝します。上には八兵衛稲荷のご由緒が掛けられていました。
昭和34年に寄付により塀が完成したと書かれています。
僕たちも火事を出さぬよう、しっかりと参拝させて頂きました。
拝殿を振り返るとこんな景色です。
拝殿に向かい境内の右手には梅の木です。左にはしだれ桜、右には梅がありましたので、春には境内はまた違った景色になるはずです。最後に可愛らしいお狐さんにもう一度挨拶をして、八兵衛稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
八兵衛稲荷神社は、その名の通り八兵衛さんを祀った神社でした。
八兵衛さんの、「自分が火事を出してしまったため、その後は町の防火に努めた」というエピソードを知りまして、なんだか感情移入をしてしまいました。
八兵衛さん、きっともの凄くいい人なんだろうな~とも。
亡くなった後も、この町に火事が起こらないように見守ってくれてるんじゃないかと思います。
僕も嫁も、見ず知らずの八兵衛さんではありますが、火事を起こさないよう参拝させて頂きました。
このようなご由緒を持つ神社は、なかなか珍しいのではないかと思います。
神社自体は小さく、境内も広くはありません。社殿もとてもシンプルです。
社殿の前には一対の小ぶりなお狐さんがいまして、遠目に見ると普通なのですが、近付いてみるとお顔がけっこう独特でした。
なんとも言えない顔立ちでして…。見ているとどんどん愛おしくなってしまうお狐さんでした。
他には社殿に向かい左手にはしだれ桜(違っていたらごめんなさい…)、右手には梅の木があり、どちらも緑が綺麗でした。春には境内が華やかになるはずです。
火伏せの神さまとして信仰されている神社に、防災倉庫があるのも印象的でした。
境内の周囲を囲む塀は、寄付により完成したものと書かれていましたので、皆さんがお金を出し合って造られたんですね。
きっと地元の人々に、とても大事にされている神社なんだと思います。
町の防火に尽力した八兵衛さんを祀った八兵衛稲荷神社。
参拝できて良かったです。
この日巡った東新宿周辺の6ヶ所の神社は、どれもそれぞれ魅力があり、素敵な神社でした。
いい神社巡りができました。
この後僕たちは、若松河田駅から地下鉄に乗り新宿三丁目駅へ。
大江戸線と副都心線の路線図などが曖昧でして、じゃっかん地下にて迷いましたが、東新宿で乗り換えをして、無事に着けました。
そのままバルト9のあるマルイアネックスに入り、レストラン街のラーメン青葉にてランチ。
そして楽しみにしていた『ピース・ニッポン』を鑑賞します。日本の美しい風景とかの映画です。
しかし…。
映画はとても綺麗で素敵だったのですが、午前中に歩き回った疲れと、昼飯を食べたばかりなのと、さらには映画館の暗闇と、座り心地の良い座席、それらの条件が全て重なってしまったようで…。
何度も居眠りをしてしまうという失態を犯すことに。
睡魔との闘いを繰り返していたのですが、その度に敗北。後から聞くと、嫁も同じような状態だったそうです。
せっかく素敵な映画を観ていたのに勿体ない。
神社巡りの後の映画館は気を付けないといけません。
この後僕たちは、一杯引っ掛けてから帰路に就く予定でしたが、バルト9のすぐ近くには伊勢丹があります。
それを見た嫁が、「伊勢丹の屋上にも神社がある」ことを思い出しまして、じゃあせっかくだからという流れで、伊勢丹の屋上に向かうことに。
八兵衛稲荷を締めにしたつもりだったのですが、急遽予定外の、伊勢丹屋上にある「朝日弁財天」へと向かうことになりました。
御朱印
八兵衛稲荷神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都新宿区若松町31です。
八兵衛稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
大江戸線 「若松河田駅」から徒歩2分。
若松口を出て左に進むと大久保通りとの交差点があります。そのすぐ手前の細い路地を左折すると、左側にあります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。神社前の道路もかなり細いので、車だと厳しいかと思います。路駐する場合には、短時間でしたら大久保通りに停めて歩くのがベストかと思われます。近くにコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
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