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荏原神社(品川区)の御朱印と見どころ

荏原神社の紹介

品川区にある荏原神社の参拝レポートです。

読み方は「えばらじんじゃ」です。南品川の鎮守で、「南の天王さん」とも称されています。東海七福神の一社で、恵比須さまも祀られています。拝殿の屋根から顔を出す龍という、珍しい彫刻が見られる神社でもあります。京浜急行の新馬場駅が最寄り駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

品川の「荏原神社」へ

この日は以前からずっと行きたかった、東京十社の一つでもある品川神社に参拝するため、嫁と二人で朝から品川にやって来ました。

僕は三鷹に住んでいるのですが、なかなか品川には来る機会がありません。ですので、品川神社に参拝しつつ、せっかくなのでその周辺の神社にもお参りして帰ろうと。

品川神社は京浜急京の新馬場駅からすぐの場所にあるのですが、同じく新馬場駅の近くには、他に二つ神社があるのを地図で発見。

一つが稼穡稲荷神社、もう一つが、こちらの荏原神社です。

品川神社は品川の北側を護る神社として、「北の天王さん」とも称されているそうです。それに対し、「南の天王さん」と称されているのが、品川の南側を守るとされる荏原神社とのこと。

僕は事前にはそんなこと全く知らなかったんですけどね。荏原神社の読み方さえわからなかったので。

たまたま地図で見つけて、近くにあったので行ってみよう、という流れで行くことになった神社です。

品川神社と荏原神社は、ちょうど新馬場駅を挟んで反対側に位置しています。

昔は目黒川を挟んで北と南だったようですが、大正の終わりに河川改修工事が行われ、現在はどちらも目黒川の北側にあります。

品川神社への参拝を終えた僕たちは、まずは荏原神社の手前にあった稼穡稲荷神社へ。

稼穡稲荷神社はとても小さな神社でしたが、御神木の大きな銀杏が記憶に残る神社でした。

そして、この日三ヶ所目の参拝となる、荏原神社へと向かいます。綺麗に整備された目黒川沿いを歩きます。

目黒川と言えば、お花見の名所としても有名な川です。僕も過去にはお花見で目黒川を訪れたことがありますが、それ以外でこんなふうに普通に目黒川沿いを歩くのは、おそらく初めてです。

稼穡稲荷神社から歩き始めて、1~2分ほどでしょうか。

目黒川に掛かる赤い橋が視界に入り、その先が荏原神社でした。めちゃめちゃ近かったです。

無事到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、食物や穀物を司る女神である豊受姫之神(とようけびめのかみ)、日本人の総氏神である天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、ヤマタノオロチを退治した荒ぶる神の須佐男之尊(すさのおのみこと)、水の神である高龗神(たかおかみのかみ)、腕力や筋力の神である手力雄之尊(たぢからおのみこと)の五柱です。

創建は飛鳥時代の末期、和銅2年です。現在の奈良県にあたる大和国にあった丹生川上神社より、水神である高龗神を勧請し、創建したのが始まりとされています。

その後、平安時代中期に伊勢神宮より豊受姫之神と天照皇大神が勧請され、鎌倉時代中期に京都の八坂神社より牛頭天王(須佐男之尊)が勧請されました。

平安時代の中期には、源頼義と義家が奥州征伐に際し参蘢し、品川の海中で身を浄めたと伝えられています。その際に府中にある大國魂神社にも参蘢しているため、大國魂神社の例祭である「くらやみ祭」では、現在でも大國魂神社の神職が、荏原神社に参詣し禊を行うそうです。

源氏、上杉氏、徳川氏など多くの武家からも厚く信仰された神社です。

もとは貴船社、天王社、貴布禰大明神、品川大明神などと称され、現在の品川貴船神社がある地に鎮座していて、後に現在の地に遷座しています。

社名が現在の荏原神社に改称されたのは明治8年です。この辺り一帯が荏原郡と呼ばれる地名だったことに由来しています。

また、素盞嗚尊が祀られていることから、「南の天王さん」とも呼ばれ、南品川の鎮守として古くから崇敬されてきました。これに対し「北の天王さん」と呼ばれていたのが品川神社です。

東海七福神の一社として、恵比須さまが祀られている神社でもあります。

 

境内案内

目黒川に掛かる赤い橋、鎮守橋の北側が荏原神社です。

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こちらが荏原神社の鳥居です。参道の奥には拝殿も見えます。左手には目黒川が流れています。

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一礼して鳥居をくぐります。

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鳥居のすぐ先、左手には恵比須さまの像です。手には釣り竿を持った恵比寿さまです。手を合わせます。

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参道を進みます。

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右手には「明治天皇御東幸内侍所奉安所」と書かれた石碑。

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左手に手水舎。境内には緑が多く茂っています。

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お清めをします。この正面に流れているのが目黒川。

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お清めを終え参道を進み、拝殿の正面に立ちます。思ったよりも大きな建物で、厳かな空気が漂っています。

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拝殿前には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。子供が二匹いて、下にいる子供が花を咥えていました。珍しいタイプの狛犬さんです。

荏原神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。同じく二匹の子供がじゃれています。

荏原神社の右の狛犬

 

拝殿に施された彫刻が目を惹きます。

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そしてなんと、わかりますでしょうか?拝殿の屋根からは、龍が顔を出しているんです。こちらは左側の屋根になります。

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同じく右の屋根からも龍です。これには驚かされました。こんなふうに龍が顔を出している拝殿は、僕はここが初めてです。

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拝殿の柱には、荏原神社のご由緒です。

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参拝させて頂きます。

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彫刻が本当に見事で、見惚れてしまいます。

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しばし彫刻を眺めます。屋根から顔を出している龍も、じっくり眺めてみます。

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拝殿を背にして参道を見ると、こんな景色になります。

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拝殿に向かい左手には石碑が二つ。奥の石碑には「皇太子殿下」の文字が刻まれていました。

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こちらは、拝殿を左斜め前からのアングルで。

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社殿の屋根も立派です。

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こちらは拝殿を右斜め前から。拝殿前のスペースは広くはありません。

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一通り境内を散策し、彫刻も思う存分眺めましたので、参道を戻ります。右に見えるのは恵比寿さまの背中です。

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一礼して鳥居を出ます。鳥居の手前には、拝殿に向かい右側に社務所があります。社殿のような造りの社務所ですね。

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社務所への入口には、何やら欄干の柱のようなものが二つ。何でしょう。

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社務所の前、左手には狛犬さんです。一匹だけで右側にはいませんでした。

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社務所から奥に進むと、その先には神楽殿があり、駐車場にもなっていました。拝殿の右手にあたる場所ですね。

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社務所にて呼び鈴を押し、御朱印を頂きます。

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荏原神社を背にして鎮守橋を見ると、こんな景色です。赤い橋が素敵です。

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そこから目黒川沿いを新馬場駅方面へ少し進むと、荏原神社の末社があります。拝殿の左手にあたる場所です。

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鳥居をくぐり、末社にも参拝します。左から八幡宮、稲荷神社、熊野神社です。

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末社の前には大きな楠も。静かな空気を満喫し、荏原神社を後にしました。

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参拝を終えて

品川の南側を護ると言われる荏原神社。

足を延ばして立ち寄ってみて良かったです。とても素敵な神社でした。

何が一番印象に残ったかと聞かれたら、やはり真っ先に出てくるのは、「屋根から顔を出している龍」ですね。

これは本当に凄かったです。まず、その存在に驚かされますし、見下ろされている感じが怖い気もしますし、威厳やかっこ良さもあります。

こんなふうに屋根から龍が出ている拝殿は、僕はこの荏原神社で初めて見ました。他の神社では見たことがありません。かなり珍しいものではないかと思います。

とは言え、観察力を著しく欠いている僕は、この龍に最初は全く気付かなかったんですけどね。

嫁が「あっ」と声をあげて指をさしましたので、それで初めて気付きました。もし嫁がいなかったら…下手をすると、僕は龍に気付かないまま帰って来ると言う、大変もったいないことをしていたかもしれません。恐ろしい。

屋根から顔を出す二匹の龍。

とても素敵なものが見れました。

また、龍だけではなく、拝殿に施された彫刻がどれも見事で、ついつい魅入ってしまいます。どこから見たら良いかわからないくらいです。

荏原神社を訪れた際には、是非じっくり見てみてください。

拝殿そのものも、大きくて厳かな雰囲気がありました。かなり古い建物のようにも見えました。

拝殿前にいた狛犬さんも、子どもがじゃれている様子が可愛らしかったです。左の狛犬さんの足元には花があり、それも印象に残りました。

境内はそんなに広くはないのですが、緑も多くて気持ち良いです。静かな時間が流れる中、のんびり彫刻を見たり、拝殿を眺めたりさせて頂きました。

また、入口では笑顔の恵比寿さまがお出迎えしてくれますので、それでけで歓迎されている感じもしてしまいます。

素敵な見どころが色々あった神社でした。

僕は今回、たいした予備知識もなく、この荏原神社を訪れてしまい、なんだか少し申し訳ない気持ちにもなってしまいました。

勉強せずに参拝してごめんなさい、と。

神社名もちゃんと読めないまま参拝して申し訳ない、と…。

ちなみにですが、「エバラ焼肉のたれ」のエバラ食品は、現在は横浜に本社がありますが、元々はこの荏原の地にあり、社名もそれに由来しているそうです。余談ではありますが。

品川の北を護ると言われる品川神社、大きな銀杏のある稼穡稲荷神社、そして品川の南を護ると言われる荏原神社。

新馬場駅の近くにある三つの神社。どれも魅力的な神社で、回ることができて大満足です。

荏原神社への参拝を終えた僕たちは、新馬場駅から電車を乗り継ぎ、「東京の白蛇さま」とも呼ばれる上神明天祖神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが荏原神社の御朱印です。

荏原神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時半までです。

また、荏原神社では、東海七福神の恵比寿の御朱印が、お正月の元旦から15日の間のみ、頂くことができるそうです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都品川区北品川2-30-28です。

荏原神社の公式サイトはこちらです。
http://ebarajinja.org/

 

電車

京浜急行 「新馬場駅」から徒歩6~7分。北口を出て山手通りを渡るとすぐです。

りんかい線 「天王洲アイル駅」から徒歩15~20分。

最寄駅は新馬場駅です。天王洲アイル駅からも徒歩圏内かとは思いますが、けっこう距離はあります。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。すぐ裏にコインパーキングがあります。

 

周辺のパワースポット

 

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