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熊野古道「大門坂」を歩いてみた。初心者でも安心のコース

熊野古道の大門坂の紹介

熊野古道大門坂を実際に歩いたレポートです。

大門坂(だいもんさか)は熊野古道の中辺路(なかへち)の一部で、大きな杉が立ち並ぶ中に石畳が続く、神秘的な景色でも知られています。上がった先には熊野那智大社と那智山青岸渡寺、近くには那智の滝もあります。所要時間も1時間ほどで、初心者でも歩きやすい熊野古道です。世界遺産の一部です。

こちらの記事では、そんな大門坂を歩いた際の記録に加え、服装や持ち物、アクセスなども紹介していきます。

熊野古道はどこを歩いたらいいのか

いつか熊野古道を歩いてみたい。

漠然とではありますが、いつの頃からかそんな願望を抱いておりました。死ぬまでに一度は、と。たぶん熊野古道が何なのかもよくわかっていない頃から、そんなふうに思っていた気がします。

熊野古道とは、熊野三山へ続く巡礼の道です。熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の三つの神社が熊野三山でして、京都や伊勢など各地からその三社に続いている、古来からの道ですね。

熊野は日本の聖地の一つですし、神社好きとしても、熊野三山はいつか必ずや訪れたい神社です。

そんないつかを叶えるため、嫁と二人、5泊6日というガッツリな日程で、熊野旅行を計画しました。熊野三山を中心に、周辺の神社巡りもしつつの旅行です。

そして当然のごとく「熊野古道も歩こう!」という流れに。

とはいえ熊野古道について漠然としか知識がなかったので、まずどこをどんなふうに歩いたらいいのかわかりません。幾県にもまたがるとんでもない距離だということは把握していたので、歩くとしても一部になることは理解していたんですけどね。

一応ですが、熊野古道の全体図はこんな感じです。新宮市観光協会のサイトに掲載されていたものが見やすかったので、そちらを引用で紹介させて頂きます。

(画像引用元:https://www.shinguu.jp/

こちらを見ますと、熊野古道とは一つの道ではなく、色んなところを出発点にして、熊野三山を巡る幾つかのルートがあることがわかります。

伊勢から繋がっている伊勢路(いせじ)、見切れてしまっていますが紀伊路(きいじ)は京都からですし、小辺路(こへじ)は高野山から、大峯奥駆道(おおみねおくがけどう)は吉野からと、各地から延びてます。さらには中辺路(なかへち)と大辺路(おおへじ)という熊野三山を巡るルートもあり、なんと全長は1,000kmとのこと。

一つのルートを全部歩くだけでも相当大変だと思いますし、初心者にそれはまず無理です。

でも大丈夫。範囲を絞って、少しだけ歩けばいいんです。

そしてちゃんと、そんな「熊野古道を少しだけ歩きたい人」のために、最適なコースがあるではないですか。

それがこちらの記事で紹介します「大門坂~熊野那智大社」のコースです。

他にも「発心門王子~熊野本宮大社」「滝尻王子~高原熊野神社」など、いくつか初心者にもお勧めというコースがあったのですが、僕たち夫婦は、もっとも難易度の低い「大門坂~熊野那智大社」を選びました。

 

「大門坂」とは

熊野古道といえば、こちらの画像を目にすることも多いのではないかと思います。

(画像引用元:https://www.shinguu.jp/

和歌山県公式観光サイトより引用で紹介させて頂いた画像ですが、これこそが「大門坂」なんです。

僕も熊野古道のイメージはまさにこれでしたので、大門坂を歩くというのは、イコール思い描いていた熊野古道を歩くということになるわけです。

そんな大門坂を歩くため、事前に入念な下調べ。

大門坂の入口から熊野那智大社までは約1.3kmと長くはありません。とはいえひたすら登り坂ですし、大門坂は約270段、那智大社の参道では約470段という石段地獄ではあります。

所要時間は那智大社まででしたら1時間掛からず行けます。個人差はあると思いますが、だいたい40~50分くらいのようですね。

そこから那智の滝まで足を延ばすと、全部で約2.7kmとなり、歩く時間は1時間ちょっとくらいかと。これに、参拝時間をプラスする感じですね。

大門坂→熊野那智大社→那智山青岸渡寺→那智の滝(飛瀧神社)というコースです。

全体像がわかりづらいかと思いますので、案内図的なものを探してみたところ、那智勝浦町の公式サイトにありましたので、紹介させて頂きます。

(画像引用元:https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/

大門坂には大きな駐車場がありますので、車もそちらに停められます。

そして嬉しいことに、大門坂にも那智の滝前にもバス停があるんですよ。本数も日中は1時間に2本ほど出ていますので、つまり帰りはバスでも帰って来られるわけです。もちろん歩いて帰って来てもいいですけど。

足がない場合も、紀伊勝浦駅や那智駅から大門坂までバスで行き、戻っても来られます。

とってもアクセスのいい熊野古道です。

下調べもしっかり行い、持ち物などもチェックし(持ち物は後の項で紹介します)、あとは実際の古道歩きに臨むのみ。

僕たち夫婦は、5泊6日の熊野旅行の4日目にそれを組み込みました。

前日には大門坂や那智大社のある那智勝浦町に入り、ホテルに宿泊。

翌朝は早起きしてコンビニ飯で朝食を済ませ、朝イチで大門坂へと車を走らせ、駐車場に到着です。

 

大門坂から熊野那智大社まで

こちらが大門坂の駐車場です。広いです。

大門坂の駐車場

 

駐車場の脇には観光案内所も。早朝ですのでまだ開いていませんが。

 

観光案内所の手前には、なでしこジャパンの記念モニュメントです。「日本サッカーの生みの親」とされている中村覚之助さんという方が、那智勝浦のご出身という縁があるようです。

 

モニュメントの周囲には、なでしこジャパンの手形と足型です。2011年のワールドカップ優勝時のメンバーのもののようです。澤穂希さんも発見。

 

観光案内所の先にトイレです。大門坂にトイレはないので、こちらで済ませて行きます。

 

トイレの近く、大門坂方面に無料の杖の貸し出しです。

 

大門坂の入口は、駐車場から少し先です。まずは道路を上がって行きます。

 

少し歩いて、道路の反対側に大門坂の入口です。ここからが熊野古道ですね。ここから先は車の侵入は禁止です。

 

数軒の民家の間を抜け、舗装された道を上がって行きます。

 

前方に石段と鳥居。

 

右手には、「新宮藩の関所跡」の立て札です。ここに関所があったのですね。

 

一礼して鳥居をくぐります。

 

橋を渡ります。この橋が「振ヶ瀬橋(ふりがせばし)」で、下を流れているのが「振ヶ瀬川(ふりがせがわ)」。

 

緑の中に延びる石畳を進みます。

 

左に「鏡石」。「那智の七石」という、古くから霊石として崇められている七つの石の一つです。

那智の七石の鏡石

 

その先には、多富気王子の押印所。多富気王子とは、かつて熊野古道沿いにあった九十九王子の一社とのこと。どうやらこの先に多富気王子跡があるようです。

 

石畳は、前方の山の中へ。

 

入口には左右に巨大な夫婦杉です。山の景色に埋もれていて気付かなかったのですが、かなりでかいです。

大門坂の夫婦杉

 

夫婦杉は樹齢800年とのこと。その大きさに圧倒されます。

 

夫婦杉を抜けまして、熊野古道歩きはここからが本番。美しい景色ですが、石段地獄が始まります。

 

石段は段差が大きくないので、登りやすくはあります。

 

少し上がると右手に「多富気王子跡」です。かつてここに社があったんですね。

多富気王子跡

 

そ大木があちこちに聳えています。右の楠は樹齢800年と書かれていました。

 

参道両脇の外側は竹林です。人の気配もなく静かです。いるのは僕たち夫婦だけ。

 

石段は続きます。

 

そして一瞬開けた場所に出たと思ったら、右手は道路でした。バス停「熊野古道」もありましたので、バスで来てここから歩く方もいらっしゃるのではないかと。ここにも杖の貸し出し(返却も)が設置されていました。

 

上ります。すぐに道路は遠ざかり、再び山の中へ。

 

いたるところに巨木が聳えているのが、当たり前の景色に。

 

この先も石段が続いているのが見えます。永遠に続いているようにも思えてきます。

 

たまに振り返ってみますと、その景色もまた素敵なんです。

 

まだまだ上がります。一歩一歩。この景色の中を歩けることが嬉しいです。

 

はるか昔より、いったいどれくらいの人がこの道を歩いてきたのだろうかと、そんなことを思いつつ、僕たちも歩きます。

 

初めてベンチが出現しました。休憩できますので、ここで水分と塩分の補給を。

 

ベンチの脇には「十一文関跡」と書かれた立て札。昔はここに関所があったのですね。

 

石段は続きます。

 

どこまでも続きます。

 

この景色が夢に出てきそう。

 

永遠に石段が続くのではないかと思ったそのとき、前方に何やら建物らしきものが。

 

どうやら登り切ったようです。上には大門坂についての説明書きが。

 

こちらは上からの景色。よく歩きました。

 

那智大社や青岸渡寺への案内に従い、建物の脇を進みます。

 

その先には階段がありました。もうひと踏ん張り。

 

階段の先は那智山観光センターでした。その脇の階段を上がって来た形です。こちらではお土産物なども売られていました。

 

トイレもあります。

 

広い駐車場も。こちらは那智山観光センターの駐車場ですが、ここに車を停めて熊野那智大社への参拝もできます。

那智山観光センターの駐車場

 

これより先は、熊野那智大社の記事にて紹介させて頂きます。

 

歩きを終えて

いつか歩いてみたいと思っていた熊野古道を、ついに自分の足で歩くことができました。

「熊野古道を歩いた男」になれました。

全熊野古道からしたら、ほんの一部だけではありますけれど、それでも歩けたというのは嬉しいことです。

天気にも恵まれ、気持ちのいい熊野古道歩きができました。

はるか昔から、たくさんの人がこの道を歩き、この景色を見てきたのかと思うと、不思議な気持ちにもなります。

どれだけ時代が変わっても、こうして変わらずに残されているというのは、大切に守ってきてくださった方たちのおかげですね。

僕たちが大門坂から熊野古道を歩き始めたのは、朝の8時くらいです。何度か早朝と書いていますが、そんなに早い時間ではありません。

平日だったというのもあるのかもしれませんが、大門坂の駐車場にも停められている車は少なく、人の姿もありませんでした。

歩き始めてからも、夫婦杉の先で一人だけ上から下りて来る方とすれ違いましたが、あとは一切誰とも会わず。神秘的な熊野古道の中を歩くのは僕たち夫婦だけでした。人の気配も一切ありません。

こんな贅沢な時間を頂いていいのかと思ってしまうほど、熊野古道を独り占めさせて頂きました。

巨木と石段の神秘的な景色が素晴らしかったです。自分がその景色の中にいられることが、感動でした。

歩いても歩いても石段が続き、永遠に終わらないのではないかと思えるほどでして、すなわち神秘的な景色も同じく永遠に続いていくわけです。ですのでだんだんと、異世界に迷い込んでいるかのような、そんな感覚にすらなってきます。

途中で一瞬道路と接するので、そこで現実に引き戻されるんですけどね。しかしまたすぐに異世界に戻されます。

あの景色の中にいると、いつの間にかタイムスリップしていてもわからないです。

本当に素敵な時間を過ごさせて頂きました。

ただ、人の気配がない分、熊はちょっと怖かったですね。大門坂では目撃情報など特にあったわけではないのですが、近年のクマ出没の状況など鑑みると、やはり意識せずにはいられませんでしたので。いてもおかしくはないですからね。僕たち夫婦は、念のためクマ除け鈴は付けて歩きました。

季節は5月だったのですが、大門坂は風が抜けず、けっこう暑さは感じました。だいぶ汗もかきましたので、登山用のインナー着用で歩いて正解でした。水も多めに持って行ったので、困ることもなかったです。季節にもよるかとは思いますが、歩かれる方はそれなりの服装と、水分塩分はしっかり持参して行った方がいいかと思います。

この度、念願の熊野古道歩きをついに果たしたわけですが、実際に歩いたことにより、他の熊野古道にも少し興味が湧いてきました。動画や画像などあれこれ見ていると、やっぱり場所によって景色が全然違うんですよね。当たり前のこと書いてますけど…。

他の熊野古道をいつか歩く日が来るのか来ないのか、それは今のところ未定ではありますが、頭の隅に置いておこうと思います。

そして、こちらの記事ではまるで歩き切って那智大社に到着したかのような感じになってしまっていますが、実はここから那智大社までも、約470段という石段の道のりが待っているんです。そちらは熊野那智大社の記事にて紹介させて頂こうと思います。

まずは大門坂からの熊野古道を歩くことができて大満足です。

素晴らしい体験ができました。

 

服装と持ち物

大門坂を登るだけでしたら、所要時間も1時間かからないくらいですので、服装や持ち物など、そこまでシビアになる必要はないかと思います。

とはいえ最低限の準備はして行った方が安心です。何があるかわからないですからね。

まず服装は季節により変わってくるかとは思いますが、最低限は以下な感じかと。

  • 歩きやすい靴
  • 歩きやすいパンツ
  • 速乾性のあるインナー
  • ザック
  • タオル

上は季節により調整してください。僕が歩いたのは5月でして、インナーの上にTシャツを着て歩きました。あと、一応寒かったときのために薄手のアウターも持って行きました。使わなかったですけれど。

靴は登山靴じゃなくても問題ないです。ただしスニーカーなど歩きやすいもので。

木々の中を歩くので、直射日光は受けづらいため、帽子はなくても大丈夫でした。しかしその後、那智大社への参道は陽を遮るものがなかったので、季節によっては帽子もあった方がいいかもしれません。

僕はパンツはワークマンのトレッキングパンツで歩きました。

インナーーは登山用に持っていたモンベルのものを着用しました。参考までにこちらです。

半袖もあります。

また、大門坂の入口では無料の杖の貸し出しもしています。大門坂の途中や那智の滝の近くで返却可能です。

ヘルニアの嫁は、使い慣れたトレッキングポールを持って行きました。

そしてその他の持ち物は…

  • スポーツドリンク
  • カロリーメイトやチョコなどの非常食にもなるもの
  • ティッシュ
  • 絆創膏など
  • レインウェア
  • モバイルバッテリー

こんなところでしょうか。

あとは、必要でしたら虫除けスプレーも。

書くまでもないかとは思いますが、スマホと腕時計もですね。

飲料は、500mlのペットボトルで水1本とスポーツドリンク1本の、計2本を僕と嫁それぞれが持って行きました。ちょっと重くはなりますけれど、けっこう汗をかいたのでちょうどよかったです。

先述もしましたが、大門坂はクマの目撃情報はないのですが、いておかしくはないと思いますので、心配な方は念のためにクマ除け鈴も。僕たち夫婦も付けて行きました。

ざっくりですが、服装と持ち物はこんな感じで準備して行けば大丈夫だと思います。

体力に自信のある方や、山道を歩き慣れている方でしたら、特に何の準備などせず軽装でも行けてしまう道のりかもしれませんが、歩き慣れていない方は、しっかり準備を整え安全第一で行きましょう。

 

アクセス

大門坂駐車場の住所は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町市野々3034-2です。

帰りは、那智山観光センターの前にある「那智山」バス停か、飛瀧神社入口にある「那智の滝前」バス停から、「大門坂」バス停まで、バスにて戻ってくることができます。

車ではなく電車とバスで大門坂まで向かう方は、紀伊勝浦駅や那智駅からも出ています。

バスの時刻表は下記の熊野御坊何回バスのサイトよりご確認ください。
https://kumanogobobus.nankai-nanki.jp/cms/wp-kumanogobobus/wp-content/uploads/nachisansen-1.pdf

 

トイレ

大門坂と、上がり切った先の那智山観光センター前にあります。その先、熊野那智大社にもあります。

 

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