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大願寺(宮島)の御朱印と見どころ

宮島にある大願寺の紹介

宮島にある大願寺の参拝レポートです。

読み方は「だいがんじ」です。真言宗の寺院で、厳島神社に隣接しています。ご本尊は厳島弁財天で、日本三大弁財天の一つに数えられています。護摩堂には約4メートルの大きな不動明王半迦座像が安置されています。古くから厳島神社とは関係が深かった寺院です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

宮島の「大願寺」へ

この日は僕たち夫婦が宮島で過ごす二日目です。

三泊四日の広島旅行に出掛け、その二日目には宮島に上陸し、そのまま宮島内のホテルに宿泊しました。

で、翌早朝に一度ホテルを出て、念願だった厳島神社への早朝参拝をします。

厳島神社は朝の6時半に開門しています。その時間はまだ本土からのフェリーもありませんので、必然的に参拝者の数はものすごく少ないです。宮島内に宿泊していて、尚且つ早起きで出掛けて来る人だけということになりますからね。

今回僕たちも宮島に宿泊し、そんな早朝の厳島神社への参拝というものを、旅行の目的の一つにしていたんです。

結果、ものすごく素晴らしい参拝ができました。ほとんど人がいない世界遺産を、ゆっくりと散策させて頂き、満喫させて頂きました。

大きな目的を一つ叶え、続いて向かったのが、こちらの記事で紹介する大願寺です。

大願寺は、厳島神社の出口である西回廊を出て、そのまま直進して橋を渡った目の前にあります。右前方ですね。ある意味では、厳島神社の延長上、みたいな感じの立地です。

僕たちは以前にも二度宮島を訪れていまして、二度とも厳島神社に参拝した後、その足でそのまま大願寺にも参拝しています。立派な九本松があったり、大きな不動明王がいらっしゃったり、なで仏さんがいらっしゃたりと、数年前の参拝ではありますが、記憶には残っています。

二度目の参拝時には、御朱印も頂いていますね。

何度か訪れている大願寺ではありますが、厳島神社と同様に、早朝という時間帯での参拝は初めてになります。

厳島神社は開門の6時半から授与所も開いていましたが、大願寺は8時半からとのことでして、前日に参拝だけして、御朱印は頂いておきました。

また、本堂だったり、大きな不動明王像のある護摩堂も、開くのは8時半からのようです。それより前の早朝ですと中を見ることはできませんので、どちらも前日にしっかりと拝ませて頂きました。

授与所やお堂は開いてはいませんが、境内には何時でも自由に出入りできますので、早朝でも参拝は可能です。

厳島神社を出た僕たちは、そのまま大願寺の境内へ。

僕たち夫婦以外に、誰一人いない境内です。

 

ご由緒

高野山真言宗の寺院で、正式名称は亀居山放光院大願寺(ききょざんほうこういんだいがんじ)です。

ご本尊は厳島弁財天(いつくしまべんざいてん)です。江ノ島(鎌倉)と竹生島(琵琶湖)の弁財天とともに、日本三大弁財天の一つに数えられています。

創建の年代は不明ですが、平安時代の初期に空海によって開かれたという説もあります。また、鎌倉時代の初期に、親鸞の弟子である了海によって開かれた、もしくは再興されたともいわれています。

かつては、現在の荒胡子神社の近くにありました。

同じ宮島内にある大聖院とともに、厳島神社とは深い関わりがある寺院です。戦国時代から明治の神仏分離まで、厳島神社の修繕などは大願寺が行っていました。

ご本尊の弁財天は、神仏分離により厳島神社より遷されたものになります。境内の池には、弁財天の使いである厳島龍神も祀られています。

ご本堂には、弁財天の他にも多くの仏像が安置されています。宮島に現存する最古の仏像といわれる薬師如来像。神仏分離で千畳閣より遷された釈迦如来坐像、阿難尊者像、迦葉尊者像。五重塔から遷された釈迦如来座像、文殊菩薩、普賢菩薩。弁財天の脇侍として、阿弥陀如来像と、護摩堂の元ご本尊だった如意輪観音像。多宝塔のご本尊だった薬師如来像、などです。

現在の本堂は、かつては僧侶が生活を送る場所である僧坊でした。当時厳島神社への参拝者は、船にて大鳥居をくぐり、大願寺近くの砂浜に上陸したそうです。その後は大願寺の裏にあった大風呂で身を清め、僧坊にて着替えをして、厳島神社に参拝したそうです。

本堂の軒下には、明治時代に開催されたパリ万博に出展された、錦帯橋の1/25の模型が架けられています。現物の錦帯橋が昭和25年に台風で倒壊した際には、こちらの模型を参考にして再建されたといわれています。

本堂前には、なで仏として親しまれている、賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)の木像もあります。

明治に焼失してしまった護摩堂は、平成18年に再建され、約4メートルの大きな不動明王半迦座像が安置されています。

境内には、伊藤博文が手植えしたとされる九本松もあります。

江戸時代の末期には、勝海舟と長州藩士らが会談をした場所としても知られています。

厳島神社とともに、長い歴史を持つ宮島の寺院です。

 

境内案内

厳島神社の西回廊を出ますと、左前方に赤と白の宝物館、正面の丘の上に多宝塔、右前方が大願寺の仁王門です。

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仁王門の正面へ。門はかなり古い建物に見えます。手前には平清盛の顔出しパネルがありましたので、とりあえず顔を出します。

大願寺の仁王門

 

パネルの後方に、平清盛の長男である平重盛が手植えをしたといわれる、松の老木です。

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仁王門をくぐります。すみません、光の加減で全然お顔が見えませんけれど、こちらが左の仁王像(金剛力士像)です。

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そしてこちらが右の仁王像。同じくお顔が見えづらくすみません。

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門を抜けると、右前方に本堂です。その手前にはひときわ目を惹く九本松。

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門を背にして本堂とは逆、左前方はこんな感じです。

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まずは本堂へと進みます。九本松の脇には池があり、龍神様が祀られていますので、そちらには後ほど参拝することに。

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本堂へ向かいますと、必然的に九本松に引き寄せられます。根本から扇のように広がって伸びているんですね。

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九本松は初代総理大臣の伊藤博文が植えたものといわれています。高さ18メートルのクロマツです。

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九本松を見上げます。上の方だけ見ていますと、まさか下で一緒になているとは思いませんね。

大願寺の九本松

 

しばらく九本松を眺めてから、本堂へ。こちらが正面になります。

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右手に御守りや御朱印などの授与所があります。この時間はまだ開いていません。

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本堂へと進みます。手前には狛犬さんがいます。こちらが左の狛犬さん。

大願寺の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さんです。全体的に丸みのある感じの狛犬さんですね。

大願寺の右の狛犬

 

左の狛犬さんの先に手水舎です。

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素敵な手水鉢です。お清めをします。

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本堂へと進みます。提灯やお賽銭箱には「厳島弁財天」と書かれているのが見えます。

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早朝の清々しい空気の中、参拝させて頂きます。

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扁額には「厳島本願大道場」と書かれていて、伊藤博文の名前もあります。

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扉には、祀られている仏像の名前が書かれた木札が掛けられています。

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軒下には、明治にパリ万博に出展されたという錦帯橋の模型です。本物の1/25のサイズとのこと。

錦帯橋の模型

 

錦帯橋の下には、勝海舟と木戸孝允が会談した部屋と書かれた木札も。この奥にある部屋で会談したのでしょうか。

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少し左には、なで仏の賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)の木像です。

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同じく右にも、なで仏の賓頭盧尊者の木像です。左右は容姿も違うものでした。どちらも撫でさせて頂きました。

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本堂の右手はお土産もの屋さんがあり、その先は清盛神社などがある、西の松原方面に続いています。

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同じく右手には水子地蔵です。手を合わせます。

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こちらは本堂を右斜め前から。

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境内の右手には、平成18年に再建された護摩堂です。中には4m80cmの大きな不動明王がいらっしゃいます。この時間は開いていませんので、外にて参拝させて頂きました。

大願寺の護摩堂

 

護摩堂の右脇には、不動明王の説明書きと、奥にはトイレです。

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護摩堂の手前には、周りをお地蔵さんに囲まれた平和観音像です。手を合わせます。

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平和観音は、原爆犠牲者の慰霊のために建立されたものとのことです。足元には碑もありました。

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こちらは九本松の脇にある池です。弁財天の使いといわれている厳島龍神が祀られています。参拝します。

厳島龍神

 

厳島龍神の池は、ぐるっと一周できるようになっています。祠の下には歌が刻まれていました。

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境内にてしばらく過ごし、大願寺を後にします。

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参拝を終えて

朝日が射し込む早朝の大願寺は、とっても気持ちが良かったです。

清々しい気分になりました。

途中でお寺の方がお掃除をしに出ていらっしゃいましたが、それ以外は最初から最後まで、僕たち夫婦以外に境内にはほぼ誰もいないという、なんとも贅沢な時間を過ごさせて頂きました。

大願寺で僕が一番印象に残っているのは、初代総理の伊藤博文が手植えをしたとされる九本松です。

根元から九本に分かれた松が、扇型に広がって伸びているのですが、これがまた、圧倒的に目を惹きます。周囲の建物も素敵なんですけれど、やっぱり一番目立つのは、九本松ではないかと。

朝日に照らされた九本松をボケ~っと見上げていますと、まるで天国にいるかのような感覚になってきます。

伊藤博文は、弥山への参道を整備した人物でもあります。さらにはもみじ饅頭の起源にも関わっているという説もあります。宮島とはとても深い関わりがあったんですね。

九本松と並ぶ存在感があったのが、護摩堂の不動明王像です。

早朝のこの時間は開いていないので見ることはできませんが、僕たちは前日にも参拝させて頂きましたので、そのときにばっちり見ています。かなり大きな座像でして、迫力がありました。

護摩堂の中は残念ながら撮影禁止でしたので、不動明王像がどんなだったか、宮島観光協会の公式サイトより写真を引用させて頂きます。

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(画像出典:http://www.miyajima.or.jp/)

早朝参拝では、護摩堂の前で手だけ合わさせて頂きました。

本堂では錦帯橋の模型を見たり、びんずるさんを撫でたり。びんずるさんは、左右どちらにもいらっしゃいまして、どちらも撫でさせて頂きました。

九本松の左手にある池には、大きな石に囲まれて龍神様の祀られている祠もありまして、そちらもまた素敵な場所なんです。池を一周できるようにもなっていますし、そこにいるだけでパワーももらえるような、そんな場所でした。

平和観音や水子地蔵にも手を合わせ、門にいる左右の仁王様を眺めたり、顔出しパネルで遊んだり。

境内での時間を満喫させて頂きました。朝日の中、気持ちの良い参拝ができました。

早朝の神社、寺院への参拝は、また格別な清々しさがありますね。

大願寺への参拝を終えた僕たちは、大願寺に向かって左手、丘の上にある「多宝塔」へと向かいます。

 

御朱印

こちらが大願寺の御朱印です。

大願寺の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、8時半から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は広島県廿日市市宮島町3です。

厳島神社の出口(西回廊)を出て右前方、目の前の寺院です。宮島桟橋からは徒歩で15分前後になります。厳島神社までのアクセスは、厳島神社の紹介記事にて詳しく解説しています。

大願寺の公式サイトはありません。宮島観光協会の公式サイト内に紹介ページがあります。
http://www.miyajima.or.jp/sightseeing/ss_daiganji.html

 

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宮島の神社仏閣巡り

宮島にあるその他の神社や寺院については、全体をこちらの記事でまとめてあります。

 

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