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天真名井(高千穂町)の御朱印と見どころ

天真名井の紹介

高千穂町の三田井にある天真名井の参拝レポートです。

読み方は「あまのまない」です。高天原より水種を移されたといわれる場所で、現在も大ケヤキの根元から水が湧き出ています。高千穂峡の真名井の滝の水源ともいわれ、御神水として信仰されています。近くには、木花開耶姫が難産のため抱きついてお産をされたといわれる、夜泣き石もあります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

高千穂の「天真名井」へ

高千穂の観光スポットとして最も多くの人が訪れるのは、高千穂峡ではないかと思います。その高千穂峡には真名井の滝が流れていますが、その滝の元になっている水というのも、天真名井といわれています。天真名井の湧き水が真名井の滝となって、流れ落ちているんだと。

天真名井は、天孫降臨の地といわれる槵觸神社のすぐ近くです。

槵觸神社の周囲には、神話に関連した史跡がいくつかありまして、天真名井もその一つ。神社ではありませんが、是非行きたいと思い事前にチェックしていた場所でもあります。

「あまのまない」という名前の響きからして素敵ですし、この地上での「水」の始まりといわれている神聖な場所ですし、注連縄の掛けられた大きなケヤキと、その根元に湧いている水の画像を見たら、行きたくならないわけがない。

むしろ槵觸神社まで行って、天真名井を見に行かないというのは、考えられません。

天真名井のすぐ近くには、もう一つの史跡である「夜泣き石」というのもあるうようですので、どちらも興味津々です。

この日は嫁とやって来た高千穂旅行の2日目でして、早朝から行きたい神社を巡りまくり、既に12か所をも回っています。で、次の天真名井が13か所目。

事前に調べたところ、どうやら天真名井には車を停められる場所がなく、槵觸神社から徒歩で行くのがベターなようで、僕たち夫婦もそうすることに。

槵觸神社の駐車場に車を停め、まずは槵觸神社に参拝へと向かいましたところ、参道の途中に天真名井へと続く小路がありました。どうやら天真名井をはじめ、周辺の史跡を辿る遊歩道が整備されているようです。

槵觸神社の参拝を終え、遊歩道から天真名井と夜泣き石へと向かいます。

 

ご由緒

瓊々杵命(ににぎのみこと)が降臨(天孫降臨)したとき、この地(葦原中国)には水がなかったため、天村雲命(あめのむらくものみこと)が再び高天原へと上がられ、水種を移したといわれている場所が、天真名井です。

大ケヤキの根元に水が湧き出ていて、高千穂峡の真名井の滝の水源ともいわれ、古くより御神水として信仰されてきました。

槵觸神社の境内地にあり、春の高千穂神社の例祭、秋の槵觸神社の例祭では、お旅所として神輿が安置され、神楽が奉納されます。

昭和にこの地を訪れた北原白秋は、天真名井とその下を流れる神代川の様子を歌にしていて、高千穂峡にはその歌碑が建立されています。

天真名井の近くには、瓊々杵命の子を宿した木花開耶姫が、あまりの難産のため抱きついてお産をされたといわれる、夜泣き石があります。夜泣き石には様々な言い伝えがあり、豊玉姫と玉依姫のお産に因んだ石とも、村に災いがある時は蠢いて知らせたともいわれています。また、夜泣きの激しい赤ちゃんが、この石に触れると泣き止むともいわれ、かつては子供を抱いた若嫁の姿がよく見られたそうです。

天真名井、夜泣き石、ともに日本神話にまつわる史跡であり、パワースポットとしても知られています。

 

境内案内

槵觸神社の参道より、天真名井へ。

 

長閑な景色の中を歩きます。

 

途中、お昼寝中の猫ちゃんにも遭遇。

 

5分ほど歩きますと、前方に天真名井と思われる、大きなケヤキが現れます。

 

手前には神代川が流れていて、その向こうに大きなケヤキです。ケヤキは一本だけでなく、ここから見るだけでも三本見えます。黒猫ちゃんもいました。

 

橋を渡りますと、見える景色がまた違います。奥にもさらに木がありまして、複数の木で一つの島を形成しているようにも見えます。

 

向かって左手にはトイレがあり、その先にも道が続いています。

 

こちらは天真名井とケヤキについて。

 

注連縄の掛けられた大ケヤキへ。上には石祠もあります。

 

大ケヤキの根元、こちらが湧き出ている御神水です。

天真名井の御神水

 

少し引きの絵で正面から。ケヤキでかいです。

 

ケヤキの下に入り、見上げるとこんな景色です。

 

石祠へと続く石段の足元には、天真名井と神代川と刻まれた二つの碑。

 

こちらは大ケヤキを横から間近に。

 

石祠まで上がり、参拝させて頂きます。ケヤキの手前には石碑が二つ。

 

再び神代川の橋を戻り、夜泣き石と案内の出ている方へ行ってみます。

 

こちらは川の向こうから見た天真名井です。

 

そして川沿いを歩くとすぐ、前方に注連縄の掛けられた夜泣き石。

 

木花開耶姫がこの石に抱きついたのか~など想いながら、参拝させて頂きます。

夜泣き石

 

こちらは夜泣き石側から見た天真名井です。もう一度天真名井を眺め、後にします。

 

参拝を終えて

槵觸神社より長閑な道を歩いて行きますと、前方に緑の塊のような一角がありまして、そこが天真名井でした。

当初僕は、天真名井は大きなケヤキが一本だけあり、その根元に水が湧き出ていると勝手に思っていたのですが、実際には何本ものケヤキが四方に伸びている、不思議な景色の場所でした。そのうち二本は支えがないと倒れてしまうほどに、斜めに伸びています。

御神水の湧き出ている大ケヤキは一本なんですけど、その周囲にも同じく大ケヤキが聳えていて、一つの島を形成しているかのようになっていました。

見る角度や距離によって、全然違う景色になるのですが、どこから見ても素晴らしかったです。

間近に見るとケヤキの大きさに圧倒されますし、遠目に見るとその美しさを実感します。

僕たちはこの日、八大龍王水神にて大きなエノキの御神木を、岩戸坂弁財天でもケヤキやタブノキなどの御神木を目にしているのですが、それらと近いものがある美しさでした。どこも水に関係した場所ですし。

そして、天村雲命が天高原から移したといわれる水種。

天村雲命は、高千穂の黒口神社にお祀りされていまして、僕たちは前日にそちらにも参拝しています。

大きなケヤキの根元、そんな天村雲命が移したといわれる湧き出る水を見つめていますと、だんだん吸い込まれそうになってきます。

一説には、葦原中国の水質がよくなかったため、天照大神の命を受けた天村雲命が、改良したともいわれているそうです。

本当のところはどうなのか、それはわかろうはずもありませんが、しばし神話の世界に浸らせて頂きました。

同じくすぐ近くにあった夜泣き石も、木花開耶姫が抱きつき出産したことなど思い浮かべつつ、眺めさせて頂きました。

どちらも槵觸神社からすぐ近くですので、ぜひ槵觸神社とともに、足を運んでみてください。

僕たちはその道中で一匹、さらに天真名井の前で一匹の、二匹の猫ちゃんにも出会えましたし、いい時間をたくさんもらってしまった気分です。

天真名井と夜泣き石、参拝できてよかったです。

この後は槵觸神社まで戻り、そこから荒立神社へと向かいます。

 

御朱印

天真名井の御朱印はありません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井472です。

天真名井の公式サイトはありません。

 

駐車場

天真名井の駐車場はありません。槵觸神社 の駐車場(7~8台駐車できます)に停め、徒歩4~5分です。

 

トイレ

目の前に児童公園の公衆トイレがあります。

 

周辺のパワースポット

 

高千穂の神社巡り

高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

高千穂町の神社一覧

著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。