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多摩川浅間神社(大田区/田園調布)の御朱印と見どころ

多摩川浅間神社の紹介

大田区田園調布にある多摩川浅間神社の参拝レポートです。

読み方は「たまがわせんげんじんじゃ」です。正式名称は浅間神社のみになります。北条政子にゆかりの神社で、社殿は浅間造りという、社殿の上に別の社殿が載るという大変珍しい様式で建てられています。境内には富士山と多摩川を望む展望台もあります。多摩川駅から徒歩すぐです。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

田園調布の「多摩川浅間神社」へ

この日はお昼過ぎに嫁と自由が丘の駅で待ち合わせをしました。嫁が午前中に自由が丘で用事がありまして、休日だった僕が午後から合流した形です。

自由が丘では、熊野神社と奥澤神社の二つの神社に参拝しました。

嫁は以前から自由が丘の駅近くに熊野神社があること知っていて、いつか行こうと思っていたようで、今回その機会をようやく得ることに。

さらにどうせなら近くにある神社も回ってみたくなった僕たち夫婦は、奥澤神社があるのを地図で見つけ、そちらにも立ち寄ってみました。

どちらの神社も緑が多く気持ちのよい神社でした。

4月の上旬だったのですが、気温は20度を超え初夏のような気候だったこともあり、散策には絶好の日和です。

自由が丘で二つの神社に参拝した後、時間があるようならもう一ヶ所行きたい神社がある、と事前に嫁から伝えられていました。

それが、多摩川浅間神社です。

東横線に乗っていると電車から多摩川沿いに見える神社とのことで、最寄り駅は自由が丘から2駅先の多摩川という駅です。

多摩川浅間神社の住所は大田区の田園調布。

田園調布といえば、お金持ちがたくさん住んでいて、豪邸がたくさんあるというイメージのある街です。

僕はこれまで一度も田園調布に足を踏み入れたことがありませんでしたので、初めての田園調布です。自由が丘も今回が初めてだったんですけどね。

とは言えどうやら目的の多摩川浅間神社は、僕が思い描いているような、高級住宅街の中にあるわけではないようです。多摩川駅から歩いてすぐ、そこには大きな多摩川が流れていて、川を見下ろす高台に神社があるようです。

地図でだいたいの場所は確認しましたので、とにかく行ってみることにしました。

自由が丘から電車に乗り、多摩川駅に降り立ちます。

この時点で僕たちはまだお昼ご飯を食べていませんでしたので、おなかはペコペコ。

多摩川駅の近辺で何か手ごろな食堂があれば入ろうと思っていたのですが、駅を出るとそんなものは見当たりません。

仕方なく昼飯は諦め、まず多摩川浅間神社に参拝をするため、向かいます。

駅からは歩いて3~4分ほどでしょうか。

交差点の向こうは多摩川。その手前に浅間神社への入口を見つけました。

到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の女神である木花咲耶姫命(このはなのさくやびめのみこと)です。山獄を守る神様である大山祇神(おおやまつみのかみ)の姫で、天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の妻でもあります。

多摩川浅間神社の創建は、鎌倉時代の初期の文治年間と伝えられています。源頼朝が戦のため出陣した際、夫の身を案じた妻の北条政子が後を追って多摩川まで来たのですが、わらじの傷が痛み、この地で傷の治療をするために逗留しました。その折にこの地にあった亀甲山に登ったところ、富士山が鮮やかに見えたそうです。富士山のある富士吉田には政子の守り本尊である浅間神社がありましたので、彼女は浅間神社に向かい手を合わせ、夫の武運長久を祈り、身につけていた正観世音像をこの丘に建てました。それ以来、村人たちはこの像を「富士浅間大菩薩」と呼んで祀ったのが、多摩川浅間神社の始まりとされています。

その後江戸時代の前期には、土止めの工事の際に、正観世音の立像が実際に発掘されています。

社殿は浅間造りという建築様式で建てられていて、社殿の上に別の社殿が載るという大変珍しい様式です。全国で1300社以上ある浅間神社の中でも、浅間造りの神社はたったの4社しかなく、都内では唯一のものとなります。

現在の田園調布の南半分にあたる旧下沼部村の鎮守として古くから崇敬され、明治には熊野神社と赤城神社を合祀しています。

境内には富士塚のように富士山を模した参道や、富士山と多摩川を見ることができる展望台もあります。

 

境内案内

こちらが多摩川浅間神社の入口です。新緑がとても綺麗です。後ろの道路を渡った先には大きな多摩川が流れています。

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左手に少し回ったところには、多摩川治水記念碑。

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石段へと進みます。大祓詞がありましたので、回してから石段を上ります。

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一礼して最初の鳥居をくぐります。

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鳥居の先、左手が駐車場になっていて、奥には社務所があります。

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駐車場の手前には立派な松も。

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反対側、右手はこんな感じで坂になっていて、車でも入れます。

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二つ目の鳥居をくぐります。ここから富士塚のような参道になっています。

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富士塚を登り始めますと、正面に「白糸の滝」と書かれた碑があり、水が流れています。

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よく見ますと碑の脇には龍がいました。

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三つ目の鳥居をくぐりますと、「小御岳石尊、大天狗、小天狗」と書かれた石碑と祠。手を合わせます。

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登ります。

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四つ目の鳥居と、その先には社殿が姿を現しました。

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鳥居の前、右手には勝海舟の直筆で書かれた「食行身禄之碑」があります。食行身禄(じきぎょうみろく)は断食などの修行を積み、富士講発展の中心となった人物です。

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石段を登り切り、四つ目の鳥居をくぐります。

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鳥居の先、左手に手水舎です。その奥が展望台になっているようですので、後ほど行ってみます。

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お清めをします。手水鉢の龍が迫力のある顔をしていました。

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手水舎の向かい側、参道の右手には境内社。こちらも後ほど参拝することに。

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境内社の先には神楽殿。

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社殿へと歩を進めます。社殿は浅間造りという、社殿の上に別の社殿が載るという珍しい様式とのことですが、確かにこの位置から見ますと、後ろにもう一つ小さな社殿が載っているのが見えます。

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左手には立派な燈籠も。燈籠には馬が彫られていました。

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右手、神楽殿の先にはしめ縄で結ばれた夫婦銀杏があります。

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左手には、撫でると子宝にご利益があるという子産石(子宝石)。

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その先には「たけくらべ」と書かれた身長を計れる石があります。僕も嫁も計ってみました。

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拝殿の正面に立ちます。赤と白を基調として、優しい色合いの拝殿です。

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拝殿前には狛犬さん。こちらが左の狛犬さんです。

多摩川浅間神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。子供が毬を噛んでいて可愛いです。

多摩川浅間神社の右の狛犬

 

拝殿へと進みます。周囲の緑も綺麗です。

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4月の静かな空気の中、参拝。

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参拝を終え、境内を散策してみます。拝殿を背にして参道を見ますと、こんな景色です。

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こちらは拝殿を右斜め前から。

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社殿の右奥にも道が続いていましたので、行ってみます。

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奥には大きな木がたくさんありました。この先はもう一つの境内への入口になっていました。

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再び拝殿前に戻ります。左手には待合室があり、その前にあった自販機には、木花咲耶姫命が描かれていました。

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手水舎の向かいにあった境内社に参拝します。境内社は、阿夫利神社、三峯神社、稲荷神社、小御嶽神社です。祠を護っていた狛犬さんが小さくて可愛かったです。

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境内の左手にある展望台へと行ってみることに。

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手水舎の後ろに十二支が書かれたものがあり、自分の干支を富士山の方向に回して向けて、参拝をするようです。僕も嫁も辰年ですので、辰を富士山の方角に向け、手を合わせます。曇り空で富士山は見えませんでしたが…。

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展望台は広いです。いっきに景色が開けて気持ち良いです。

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眼下には多摩川。左前方には武蔵小杉のタワーマンション群が見えます。

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こちらが右前方。晴れていればこの先に富士山が見えるはずですが、この日は見えず。電車が走っているのが見えます。

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展望台から拝殿の方を見ますと、こんな感じです。

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しばし展望台でのんびりしてから、御朱印を頂きに社務所に向かうため、富士塚の参道を下ります。

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社務所の脇には大きな蛙さんがいました。

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無事に御朱印を頂き、多摩川浅間神社を後にしました。

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参拝を終えて

多摩川を見下ろせる高台にある多摩川浅間神社。

緑も多く、展望台からの眺めも良く、見どころもたくさんあった素敵な神社でした。

残念ながらこの日は雲が多くて展望台から富士山を見ることはできなかったのですが、大きな多摩川や、武蔵小杉のタワーマンション、橋を走る電車などを眺めることができて、のんびりと過ごさせて頂きました。展望台に出た瞬間に目の前の景色が開けますので、かなり気持ちいいです。

そして改めてですけど、多摩川ってでかいな~と実感もしました。

浅間神社といえば、境内に富士山を模した富士塚がある神社が多いかとは思うのですが、多摩川浅間神社は参道自体が富士塚のようになっています。

入口の鳥居をくぐって最初の石段を上り、二つ目の鳥居から先が富士塚になっていて、それを登っていく形です。

そして上まで登ると、思っていた以上に大きな社殿が参道の先に現れます。

僕は勝手に小さな神社かと思っていましたので、びっくりしました。

緑に綺麗に映えている社殿も素敵でした。社殿は近くで見るとあまりわからないのですが、遠くから見ますと、社殿の上に社殿が載っている浅間造りという珍しい様式で建てられているのも確認することができます。

何も知らずに参拝していたら、僕はほぼ間違いなくそのことに気付いていないとは思いますが…。

浅間造りは都内ではここでしか見られないものとのことですので、貴重なものが見れました。

拝殿前、右の狛犬さんの子供が、鞠をガブっと噛んでいるのも可愛かったです。

多摩川浅間神社の境内は、周囲には木がたくさんにも関わらず、高台の上にあるからなのか、全体的に開けている感じがして開放感があります。それに加え左手に展望台と多摩川がありますし、近くに大きな建物がありませんので、空も広いです。

暖かい春の陽射しの中、散策するのにちょうどいい場所でした。

後から知ったのですが、多摩川浅間神社は映画『シン・ゴジラ』にも登場しているらしいんです。自衛隊がゴジラを迎え撃った主戦場が多摩川の河川敷でして、その「タバ作戦」の前衛指揮所が多摩川浅間神社だったと。

富士塚の上からのアングルが登場したみたいです。先ほどの境内案内で紹介した写真と重複しますが、どうやら下の画像のような感じで、映画内でも出てくるみたいです。

シンゴジラに出てきた多摩川浅間神社

聖地巡礼でここを訪れる人もいるそうです。

僕もシン・ゴジラは見たのですが、そういえば途中に神社が出てきたのはなんとなく覚えていて、それがここだったのかな~と。

もう一度シン・ゴジラを見て確認したくなってしまいました。

この日は自由が丘にある熊野神社と奥澤神社、そして田園調布の多摩川浅間神社と、全部で3ヶ所の神社を回ったことになるのですが、どこも緑が多くのんびりと過ごせる心地良い神社でした。

浅間神社にて富士山が見れなかったのが残念ですが、今度は晴れた日にまた訪れてみたいと思います。

いい神社巡りができました。

 

御朱印

こちらが多摩川浅間神社の御朱印です。

多摩川浅間神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、10時から16時までです。日によって書き置きのものになります。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都大田区田園調布1-55-12です。

多摩川浅間神社の公式サイトはこちらです。
https://sengenjinja.info/

 

電車

東横線 / 多摩川線 「多摩川駅」から徒歩3~4分。

乗り入れ路線である目黒線、南北線、三田線も同一です。改札から南口に出て、そのまま真っ直ぐ歩きますと、右手に高台へと続く石段が見えます。

 

駐車場

境内に数台停められる参拝者用の駐車場があります。社務所の前です。特別な日でなけれな問題なく駐車できるかと思います。

 

周辺のパワースポット

 

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