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袖摺稲荷神社(台東区/浅草)の御朱印と見どころ

袖摺稲荷神社の紹介

台東区浅草にある袖摺稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「そですりいなりじんじゃ」です。不思議な吉兆が多く起こり、参拝者が群をなして袖すり訪れたことから、袖摺稲荷といつしか称されるようになった神社です。最寄駅は各線の浅草駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

浅草の「袖摺稲荷神社」へ

まだ暑さの厳しい8月の末。

嫁と二人で台東区の神社巡りに出掛けてきました。

台東区には、全部で26ヶ所の神社が紹介されている「台東区神社マップ」と言うのがあります。僕たちはそれに載っている26ヶ所を全て回ってやろうと思い、これが三度目の挑戦です。

超高速で回れば、一日で26ヶ所巡ってしまう人もいるのかもしれませんけれど、僕たちはいつもそれぞれの神社でのんびり過ごしてしまうので、だいたい一日で巡れるのは7~8ヶ所くらいでしょうか。朝イチで回り始めても、それくらいが限界です。

この日は26ヶ所のうち、浅草周辺の神社巡りをする計画を立て、朝から台東区にやって来ました。

まずは日比谷線の三ノ輪駅からスタートして、千束稲荷神社→玉姫稲荷神社→熱田神社→今戸神社→合力稲荷神社と、ここまでで5ヶ所の神社に参拝。

次に向かう「袖摺稲荷神社」が6ヶ所目の神社になります。

とはいえ、実はこの袖摺稲荷神社は、事前には行く予定がなかった神社なんです。予定がなかったといいますか、その存在すら認識していなかったので。

この一つ前に訪れた合力稲荷神社と、この袖摺稲荷神社は、「台東区神社マップ」で紹介している26ヶ所には入っていないんです。小さく「その他の神社」ってとこに名前だけ載ってるんですけどね。

それだけ小さな神社だということなのかとは思います。実際、合力稲荷神社も小さな神社でしたし、袖摺稲荷神社も同じく小さな神社であることは予測できます。

元々は、この日4ヶ所目に訪れた今戸神社を後にして、その次は浅草富士浅間神社に参拝する予定でした。で、台東区神社マップを参考にしつつ、Googleマップで道順を調べていたところ、浅間神社まで徒歩で移動する途中に、予定外の神社の名前を二つ見つけてしまったわけです。

それが合力稲荷神社と袖摺稲荷神社です。

目的だった浅間神社に向かう途中にあるわけですし、その存在を知ってしまったからには…素通りなんてできません

というわけで、まずは合力稲荷神社に参拝し、そのまま袖摺稲荷神社へと向かいます。

合力稲荷から歩き始めて約3分。

袖摺稲荷神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の神様である素盞嗚尊(すさのおのみこと)と、五穀豊穣の神様である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。

素盞嗚尊は、天照大御神の弟で、ヤマタノオロチを退治した荒ぶる神です。倉稲魂命は、宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。 

創建は平安時代の末期です。源頼朝が伊豆に流刑になった際に、伊豆にて米に乏しくならぬようにと、稲荷の神体を彫刻し、伊豆の地に建立したのが始まりと伝えられています。

その後、当時伊豆を統治していた北条早雲が小田原に移った際に、小田原城内に遷座されています。すると城内で不思議な吉兆が多く起こったため、開運稲荷と呼ばれたそうです。

安土桃山時代には、お告げにより隅田に遷座し、現在の地に遷座したのは江戸時代の前期です。この場所が、和服の前幅を作る際に縫いつける細長い布である、衽(おくび)に似ていたことから、衽稲荷と称されるようになりました。

その後も不思議な吉兆が多く起こったことなどにより、参拝者が群をなして、神籬(ひもろぎ)に袖すり訪れたことから、社号が「袖寿里稲荷」となり、いつしか「袖摺稲荷」へと変化しました。

良縁、学問上辰、疫病退散、五穀豊、などに大きなご利益があるとして、古くから厚く信仰されている神社です。

 

境内案内

住宅街の一角、建物と建物に挟まれるように、袖摺稲荷神社はありました。

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鳥居の手前には、袖摺稲荷のご由緒が書かれています。ここで僕は初めて「そですりいなり」と社名の読み方がわかりました。それまで読めなかったので…。

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鳥居の先に階段があり、その上に社殿がある造りです。

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一礼して鳥居をくぐり、階段へ。神社で石段ではなく鉄の階段と言うのは、意外と珍しいかもしれないですね。

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思ったよりも急な階段にびびりつつ、上がります。

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階段を上り切ると、社殿の両脇には神狐さんがいました。こちらが左の神狐さん。

袖摺稲荷神社の左の狐

 

こちらが右の神狐さんです。こちらの後ろ辺りで猫ちゃんが昼寝をしていまして、上がってきた僕たちに驚いて飛び出して来ました。こちらも驚きましたけれど。

袖摺稲荷神社の右の狐

 

大きな鈴を鳴らし、参拝します。

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こちら、上からの景色です。けっこう急なんですよ。

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急な階段を降りると、下には僕たちに驚いて逃げ出した猫ちゃんが。昼寝の邪魔をしてしまったことを謝りつつ、袖摺稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

袖摺稲荷神社は、少し変わった造りをした神社でした。同じ台東区の本社三島神社に似た感じの造りなんですけど、大きさは袖摺稲荷神社の方がかなり小さいです。本社三島神社は階段を上がった上も広々としていて、社殿も大きかったので。

それに対し、袖摺稲荷神社は本当にシンプルで、鳥居の先に鉄の階段、上は社殿と両脇に小さなお狐さん、それのみです。建物と建物の間に挟まれていて、特に散策するようなスペースもありません。

とは言っても、なんとなく印象に残る神社だったんですよね、不思議なもので。

まず、社名の読み方がわからなかったですからね。

地図で袖摺稲荷神社と言う名前を見つけはしたものの、僕も嫁も全く読み方がわからず。とりあえずわからないまま到着してしまった系です。入口にご由緒が書かれていて、社名に振り仮名がありましたので、そこで初めて「そですりいなり」と読むことを知りました。

僕も嫁もアホですので、たまにそう言うことがあるんですよ。社名が読めないまま訪れるという。

袖摺稲荷神は元々伊豆にあった神社だと言うのも初めて知り、そこから何度か遷座を繰り返し、この地に辿り着いたとのこと。旅をしてきた神社なんですね。

また、北条早雲は元々小田原の武将かと思ってたんですけど、その前は伊豆にいたんですね。それも初めて知りました。神社巡りは歴史の勉強にもなります。

かつてはたくさんの人が参拝し、それにより「袖すり稲荷」の社名までついたとのことですが、この日は僕と嫁の二人しかおらず。多くの人で賑わう当時の景色はどんなだったんだろうな~と。昔からこのような造りだったのか、昔はもっと大きかったのか、などなど、色々なことが知りたくなってしまいます。

神社と言えば石段かとは思いますが、造りの関係からか、袖摺稲荷の階段は鉄製の階段でして、それもけっこう急なんですよ。しかもギシギシ音が鳴っていて、ビビりながら上り下りしました。

社殿の前では猫ちゃんがお昼寝をしていたようで、階段を上って来た僕たちに驚いて、慌てて飛び出してきました。猫ちゃんはその後、しばらくは階段の途中でじっとこちらを見ながら待機していましたが、諦めて降りて行きましたね。可愛かったです。

急な階段、飛び出した猫、大きな鈴、読めない社名。

小さな神社ですし、これと言った見どころがあったわけでもない神社なのですが、参拝できて良かったな~と思います。

袖摺稲荷神は、この日元々訪れる予定ではなかった神社です。ですので、これも何かのご縁だと思います。

続いては、予定通りに浅草富士浅間神社を目指します。

 

御朱印

袖摺稲荷神社では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都台東区浅草5-48-9です。

袖摺稲荷神社の公式サイトはありません。

 

電車

銀座線 / 浅草線 / 伊勢崎線 「浅草駅」から徒歩13~15分。

つくばエクスプレス 「浅草駅」から徒歩13~15分。

日比谷線 「三ノ輪駅」から徒歩14~16分。

伊勢崎線 「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩19~21分。

JR常磐線 / 日比谷線 / つくばエクスプレス 「南千住駅」から徒歩17~19分。

最寄駅は各線の浅草駅になります。めぐりんバスの場合は、すぐ近くにバス停はありませんが、「リバーサイドスポーツセンター前」が一番近いかと思われます。

 

駐車場

駐車場はありません。ごく短時間でしたら、通行の妨げにならぬよう、神社前の道路に路駐しても問題ないかとは思います。近くにコインパーキングもいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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