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鹽竈神社(港区/新橋)の御朱印と見どころ

鹽竈神社の紹介

港区新橋にある鹽竈神社の参拝レポートです。

読み方は「しおがまじんじゃ」です。新橋鹽竈神社とも称されていて、「鹽竈」は、塩竈塩竃塩釜とも表記されます。江戸時代に仙台藩の伊達家上屋敷内に、伊達正宗のひ孫にあたる陸奥守伊達綱村が創建した神社です。新橋駅、汐留駅、御成門駅の中間辺りに位置しています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

新橋の「塩釜神社」へ

塩竃神社という名前は、他の神社の末社などで目にしたことはあるのですが、その社名の神社を訪れるのは、僕はこれが初めてです。

気持ち良い秋晴れの10月10日。

この日は嫁と二人で朝から神社巡りに出掛けてきました。

昨年末から始めた「東京十社巡り」をなかなか完遂することができずにいましたので、そちらを全て回り切る計画です。東京十社のうちでまだ御朱印を頂いていなかったのは、神田明神、亀戸天神社、芝大神宮の三社です。

まずは朝いちで神田明神と亀戸天神社に参拝し、さらには亀戸で見つけた「香取神社」にも参拝します。

時間はお昼過ぎでしたので、そのまま亀戸で昼食。

この時点で東京十社巡りは残すところあと一ヶ所、芝大神宮のみです。目的は達成できそうです。

最後の一ヶ所である芝大神宮は、JRですと最寄り駅は浜松町駅になります。地下鉄だと大門駅からがすぐのようです。

このまま予定通り芝大神宮に参拝し、十社巡りを完了させてもよかったのですが…。

浜松町のお隣は新橋で、新橋には嫁が以前から行きたがっていた烏森神社があるんです。

ですので今回、あわよくば烏森神社も、と事前に話していましたし、実際時間にも余裕がありそうでしたので、新橋で下車し烏森神社にも参拝します。

そしてここからです。

新橋と浜松町は電車で一駅ですので、普通に考えれば電車に乗って芝大神宮に向うのが妥当かと。

しかしながら、芝大神宮への地図を確認していた僕は、地図上にて気になる他の神社を二つ発見してしまったんです。

それが日比谷神社と塩釜神社です。

どちらも烏森神社と芝大神宮の間くらいにあるんです。つまり、電車に乗らずに徒歩で向えば、この二ヶ所に寄り道しつつ、芝大神宮に行けるわけです。欲が出てしまうというやつですね。

烏森神社から芝大神宮は、おそらく直線距離で徒歩15分ほどかと。近くはないですけど、歩けない距離ではありません。

少し迷いはしたのですが、やはり「せっかくだから」という想いに負けてしまった僕たちは、徒歩にて二つの神社に立ち寄りつつ、芝大神宮に向う選択をしました。既にそれなりに歩き疲れているにも関わらず。

まずは汐留駅にも近い日比谷神社を見つけ参拝。

そして次に向ったのが塩釜神社です。

芝大神宮方面に向かい路地を歩いていますと、右手に公園が現れ、その奥が塩竃神社でした。

到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、鹽土老翁神(しおつちのおきなのかみ)武甕槌神(たけみかづちのかみ)経津主神(ふつぬしのかみ)です。

鹽土老翁神は日本神話の神様で、知恵を授ける神、製塩の神、潮流を司る神と考えられています。武甕槌神は雷神、剣の神で、鹿島神宮の主祭神でもあります。経津主神は刀剣が神格化された神様で、香取神宮の主祭神でもあります。

創建は江戸時代中期の元禄8年です。この辺りには奥州の仙台藩、伊達家のお屋敷がありました。伊達正宗のひ孫にあたり、当時の藩主であった陸奥守伊達綱村が、仙台藩内の鹽竈神社本社から分霊を勧請し、汐留の地にあった上屋敷内に創建したのが始まりです。

その後、江戸時代後期の安政3年に、現在の地にあった伊達家の中屋敷内に遷座し、庶民も参拝するようになったと伝えられています。

安産に大きなご利益があるとされ、安産祈願に訪れる女性があとを絶たなかったそうです。

関東大震災や第二次大戦の空襲により被災しましたが、その後再建されました。

隣接する塩釜公園も、かつては伊達家の中屋敷内にあり、鹽竈神社の境内でしたが、関東大震災の後に公園として整備されました。

安産守護、延命長寿、産業振興、交通安全にご利益があるとされ、信仰されている神社です。

 

境内案内

新橋駅方面から歩いて来ますと、右手に塩釜公園が現れ、その奥に鹽竈神社の鳥居が見えます。塩釜公園は、休憩しているサラリーマンがたくさんいました。

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参道へと進み鳥居の前へ。右手の石碑に「鹽竈神社」と難しい字で社名が刻まれています。

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鳥居の手前に左へと続く参道があり、そちらに手水舎がありました。雰囲気のある手水舎です。

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手水舎には丸い手水石。

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再び鳥居の正面に戻り、一礼して鳥居をくぐります。

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その先に二つ目の鳥居。鳥居というより門のような、変わった鳥居です。

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なんだか独特の空気が漂う場所です。参道の左手はこんな感じです。

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参道の右手には、大きな木があった跡も。

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狛犬さんも個性的でした。色も黒に近いです。こちらが左の狛犬さん。少し笑っているようにも見えますね。子供もいます。

鹽竈神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。どちらにも子供がいますね。そしてこの右の狛犬さん、何故か口のところが赤くなっていまして、ちょっと怖い感じにも見えてしまいました…。

鹽竈神社の右の狛犬

 

一礼して、二つ目の門のような鳥居をくぐります。

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左右には、防火用と思われる大きな天水桶。

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境内は荒れている感じがしますね。

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左手には境内社があるようでして、その後ろには大黒様と恵比寿様の、けっこう大きな像を発見。ちょっとびびりました。

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昔使われていたと思われる手水鉢も。

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右手もちょっと荒れた感じです。

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何かあるな~と思ってよく見ると、割れた石碑でした。

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拝殿に進みます。

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奥に見えるのが、おそらく本殿かと思われます。

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参拝します。時間が止まっているかのような感覚に陥ります。

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拝殿を背にして参道を見ますと、こんな景色です。どこかの遺跡に迷い込んでしまったかのようです。

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拝所に向かって左手、大黒様と恵比寿様の後ろにも小路が延びていて、塩釜神社にはそちらからでも出入りできるようです。

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せっかくなので、大黒様と恵比寿様を、斜め後ろからも撮ってみました。

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大黒様と恵比寿様のいた境内社に向かうため、一度二つの鳥居をくぐり、参道を戻ります。そして手水舎を背にしますと、もう一本境内社へと向かう参道が延びています。境内の左手にあたる場所です。

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境内社に向かい左手にももう一つ鳥居があり、こちらからでも出入りできるようになっていました。

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境内社へと向かいます。境内社はお稲荷さんのようですね。鳥居の前に神狐さんがいるのが見えます。

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こちらが左の神狐さん。子供もいます。

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こちらが右の神狐さんです。どちらもサイズは小さいですけれど、凛としています。

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鳥居をくぐります。

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こちらが境内社の稲荷社です。こちらも少し荒れていますね。

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参拝します。祠の後ろから、大黒様と恵比寿様が顔を出しています。

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大黒様と恵比寿様にズームイン。

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その後ろには木が何本か高く聳えています。

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稲荷社を背にしますとこんな景色です。全体的に荒廃している感じがしてしまいます。

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一通り境内を散策し、鹽竈神社を後にしました。

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参拝を終えて

公園の奥にひっそりと鎮座していた塩竃神社。

地図で見つけてたまたま訪れた神社だったのですが、とても記憶に残る神社になりました。

悪い言い方をしますと、じゃっかん荒廃している、という言い方も当てはまるかと思います。

逆に良い言い方をしますと「遺跡みたいで素敵」とも言えます。

僕の個人的な印象は、前者と後者が半々くらいですね。

朽ちている感じが遺跡みたいで、東京の真ん中、新橋にいるとはとても思えない景色でした。

どこか遠い国の遺跡に迷い込んでしまったかのような、そんな感覚です。

境内だけ時間が止まっているようなで、タイムスリップしてしまったような気にもなります。

神社巡りをしていますと、ごくたま~にではありますが、朽ちている神社に遭遇することもあります。だいたいは綺麗に手入れされているところばかりですので、滅多にはないんですけどね。

そんなたまにある朽ちた神社の中でも、この塩竃神社はなかなかのレベルではないかと。

草がぼうぼうだったり、石碑が割れて大部分がなかったり、鳥居や手水舎も劣化していたり。

でもそれが「遺跡感」をよりいい感じで強めてるんですけどね。

参拝者の方はちらほらはいたのですが、多くはありません。ですので境内には僕たちしかいない時間もけっこうあって、そうなると余計に異空間に取り残されてしまった感じになります。

少し視線をのばすと、目の前の塩釜公園では疲れたサラリーマンがたくさん休憩してるのが見えるんですけどね。

遺跡のような境内のイメージが強くて、その全体像ばかりが記憶に残ってはしまいますが、特徴的なものも色々ありました。

まず、二つ目の鳥居が珍しい形をしています。柱の上には通常見られる笠木などもなく、一本真っ直ぐに横に棒といいますか、板が載っている形です。鳥居というより、門のような感じですね。

直前に訪れた烏森神社の鳥居もかなり変わったものでしたが、塩竃神社の鳥居も変わったものでした。

この二つ目の鳥居が、よりいっそう遺跡感に拍車をかけている気もします。ちょっと西洋ぽい感じもしましたし。

また、狛犬さんもなかなかのインパクトでした。

黒い狛犬さんなのですが、顔がちょっと怖いんです。

このような場所で見るから怖く見えてしまうのか、それとも元々怖い顔なのか…。

右の狛犬さんは、口の回りがまるで血のように赤くなっていて、それがまた怖さを際立たせています。

夢に出てきそうです。

狛犬さんの周囲に、大きな防火用の天水桶がいくつも置かれていたのも、なぜか印象に残っていますね。

また、境内者である稲荷社の祠の後ろには、けっこう大きな大黒様と恵比寿様が並んでいるのも特徴的です。

この日は亀戸の香取神社でも大黒様と恵比寿様が並んでいる姿を見ていますので、二度目です。一日に二度も別の場所で会えるというのは嬉しいですけどね。

ただ、全体が遺跡のような雰囲気ですので、大黒様も恵比寿様も、完全にその遺跡の一部にはなっていましたが。

どこかの国の遺跡の中にいるような、不思議な感覚を味わわせて頂きました。

新橋の片隅にある塩竃神社。

忘れられない神社になりました。いつか総本社の宮城県にある鹽竈神社にも行ってみたいです。

この後僕たちは、東京十社巡りの締めくくり、芝大神宮へと向います。

 

御朱印

鹽竈神社では、御朱印は扱っていません。ただしお正月の三が日のみ、受け付けているようです。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都港区新橋5-19-7です。

鹽竈神社の公式サイトはありません。

 

電車

都営三田線 「御成門駅」A4出口から徒歩6分。

各線 「新橋駅」から徒歩7分。

各線 「汐留駅」から徒歩7分。

どの駅からでも徒歩6~7分程度で行かれる距離です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。近くにパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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