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境稲荷神社(台東区/池之端)の御朱印と見どころ

境稲荷神社の紹介

台東区池之端にある境稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「さかいいなりじんじゃ」です。本殿の裏には、弁慶が見つけた湧水といわれる「弁慶鏡ヶ井」があり、義経の一行が奥州へ逃れる際に喉を潤したそうです。不忍池のすぐ近くにある神社で、最寄り駅は湯島駅、根津駅、上野駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

弁慶鏡ヶ井のある「境稲荷神社」へ

この日は朝から台東区の神社巡りに出掛けて参りまして、上野公園を中心に嫁と共に歩き回っておりました。

「台東区神社マップ」という全部で26ヶ所の神社が紹介されているマップがあり、それに沿っての神社巡りです。26ヶ所もありますので当然一日ではとても回り切ることができず、僕たちがそのために台東区を訪れるのは、今回で4度目になります。

そして4度目の台東区にして、ようやく26ヶ所全部制覇できそうなんです。

26ヶ所のうち、この日までに残っていたのは、元三島神社、上野東照宮、五條天神社、境稲荷神社、七倉稲荷神社の五つの神社です。

朝イチで鶯谷駅近くにある元三島神社に参拝し、その後は上野に移動し、上野東照宮、五條天神社と続けて参拝しました。

ですので残すところ、あとは境稲荷神社と七倉稲荷神社の二つのお稲荷さんのみです。

ゴールはもうすぐそこです。

地図で場所を確認しましたところ、残る境稲荷と七倉稲荷はどちらも不忍池の東側にあり、近くに位置していると思われますので、まずは手前にある境稲荷、その後に奥の七倉稲荷と続けて参拝できそうです。

この時点で僕たちは、不忍池の真ん中にある不忍池辯天堂にいましたので、あとは池の東側まで歩き、二つの神社を探すのみです。

しかし…朝から歩き回り、上野公園内では神社の他にも色々と立ち寄りましたので、時刻はもうお昼過ぎ。おなかもペコペコです。

空腹に耐え切れそうもありませんでしたので、とりあえず池の東側まで行き、参拝の前にどこか適当な食堂を見つけ、昼飯にしようと。一杯引っ掛けながら。

なんて思いながら、キョロキョロとランチができるお店を探しながら歩いていたのですが、なんと池の東側には全くお店がないんです…。

やむを得ず、計画変更。先に二ヶ所の神社を回り、その後アメ横の方まで戻って、昼食をとることにしました。

空腹に耐えながら、境稲荷神社を目指して歩いていますと、左手に何やら立派な門と建物が。

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こちらは「横山大観記念館」でした。

横山大観といえば日本画の巨匠です。僕は横山大観について詳しいわけではありませんが、以前に上野の下谷神社にて、横山大観作の天井に描かれた大きな龍を見て、漠然とではありますが興味を持ちました。

ここはそんな横山大観が自宅兼画室としていた建物とのこと。大観自身がデザインしたご自宅だそうです。説明書きがありました。

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入場料は大人800円。中には庭園もあるようです。

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入り口からちょこっとだけ入って覗いてみますと、確かにその先には綺麗な日本庭園が広がっていそうな雰囲気も。

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ぜひとも入ってみたい欲求には駆られます。

しかしです。

僕は空腹でした。

そのときの僕の頭には「二社への参拝」と「昼飯」しかありませんでした。

結果として、横山大観記念館には入らずに境稲荷神社を目指すことに。

後から思うと、入っておけばよかったな~と後悔するんですけどね。そのときは立ち寄る余裕などなく。

まずは二社への参拝、そう考えながら横山大観記念館の先を左折すると、すぐに赤い鳥居が目に入りました。

境稲荷神社に無事到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、五穀豊穣の神様である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。 

創建は室町時代後期の文明年間です。創建の詳しい経緯などは不明ですが、室町幕府の第9代将軍、足利義尚により創建されたと伝えられています。

忍が岡(現在の上野の岡)と、向が岡(現在の文京区本郷の台地)の境に鎮座していることから、境稲荷神社と称され、両村の総鎮守でした。

明治28年に、湯島の切通坂(きりとおしざか)に鎮座していた宝剣稲荷を合祀しています。

江戸時代の火災や昭和の大戦などで被災し、現在の社殿は平成5年に造営されたものとなります。

本殿の裏には、古くからの湧水である「弁慶鏡ヶ井」があり、源義経が奥州へ逃れる際に弁慶が見つけた湧水といわれています。義経の一行はこの水で喉を潤したそうです。

古くからこの地に鎮座し、崇敬されている神社です。

 

境内案内

こちらが境稲荷神社の入口の鳥居です。参道は鳥居の先ですぐ右に折れ、社殿も右手にあるようです。

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一礼して鳥居をくぐり境内へ。

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参道を右に曲がると、すぐ目の前が境稲荷神社の覆屋と本殿です。

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右手に手水鉢がありましたが、水が出ませんでしたので、手をはたいてお清めをします。

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左手には境稲荷神社のご由緒です。

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本殿まで進みます。建物は比較的新しいもののように見えます。

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人の気配もなく、静かな空気が流れる中、参拝します。

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左の柱には「弁慶鏡ヶ井」という井戸の紹介がありました。境内のどこかにあるものと思われますので、探してみます。

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左手、ご由緒が書かれた先には大きな岩が一つ。

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境内を探してみたのですが、井戸が見当たりません。本殿を背にしますとこんな景色です。

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結局井戸を発見することはできず、鳥居をくぐり境外へ出ることに。

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こちらは本殿や覆屋を横から撮影。境外からです。

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そのまま歩きますと、本殿のちょうど真後ろにあたる場所に、弁慶鏡ヶ井戸を発見です。

弁慶鏡ヶ井戸

 

脇には弁慶鏡ヶ井戸の説明もありました。かつて義経や弁慶がここに立ち寄り、喉の渇きを潤したのでしょうか。

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井戸の石碑もありました。

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弁慶鏡ヶ井戸からはちょうど、境稲荷の本殿後ろが見えます。しばし井戸の周りでくつろぎ、境稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

境稲荷神社は、とてもひっそりと佇んでいる神社でした。

僕たちが直前までいた上野公園には大勢の人がいて賑やかでしたので、余計にそう感じてしまったのかもしれません。

この日訪れた他の神社でも、参拝者が少なく静かな場所はありましたが、境稲荷はそのどこよりも人の気配がなく静かでした。

境内も広くはなく小さな神社です。

とは言え入口には立派な赤い鳥居が構えています。そこから参道は右に折れていて、奥に覆屋と本殿がある形です。拝殿に向かって左手は小さな山のようにもなっています。

途中、独り言の激しいおばさんが参拝に訪れましたが、それ以外は始終境内には僕と嫁だけ。

のんびりと時間をかけて参拝させて頂きました。

鳥居をくぐり境内に入る前までは、頭の中は昼飯のことでいっぱいだったんですけどね。不思議と境内では気持ちが切り替わるのか、昼飯のことは考えなくなりました。

覆屋の柱には「弁慶鏡ヶ井」の説明が書かれていましたので、どこにそんな湧水があるのかと嫁と歩き回って探したのですが見当たらず。ここではなく別の場所にあるかもね~と諦めて鳥居を出ましたところ、本殿の裏手に見つけました。

「弁慶鏡ヶ井」と書いてあったり、「弁慶鏡ヶ井戸」と書いてあったり、2パターンの呼び方があるようですが。

この湧水は弁慶が見つけたと伝えられていますが、義経の一行がここに立ち寄ったかと思うとロマンがありますね。

義経ってどんなルートで奥州に逃げたんだろう?と思って調べてみたのですが、どうやら諸説あるようでして、京都から北陸の方を回って平泉に向かった説と、東海、中部、関東を通る東山道で平泉に向かった説があるみたいです。もしこの境稲荷の場所に立ち寄ったとすれば、東山道の方が当てはまるのかもしれません。

義経については、そのあと蝦夷に渡ったとか、モンゴルに渡ってチンギス・ハンになった説などありますので、夢もあります。僕は子供の頃、戦国時代や幕末とともに源平の戦いも大好きでしたので、義経や弁慶の本も色々読んだ覚えがあります。

真偽の程は定かではありませんが、境稲荷のあるこの場所でも、義経や弁慶が水を飲んで休憩していたんだと、そう思いたいです。

境稲荷神社に訪れた際には、是非本殿の裏にある「弁慶鏡ヶ井」にも立ち寄ってみてください。境外から回れます。

この境稲荷神社は、台東区神社マップで紹介されている26ヶ所の神社のうち、僕たちが25ヶ所目に訪れた神社になります。

残すはあと一つ。

境稲荷からも徒歩ですぐのところにあると思われる七倉稲荷神社へと向かいます。

 

御朱印

境稲荷神社では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都台東区池之端1-6-13です。

境稲荷神社の公式サイトはありません。

 

電車

千代田線 「湯島駅」から徒歩6~7分。

1番出口を出て不忍池方面です。

千代田線 「根津駅」から徒歩7~8分。

2番出口を出て不忍池方面です。

京成電鉄 「京成上野駅」から徒歩7~8分。

池之端口から出て不忍池をぐるっと左回りで進むか、辯天堂のある池の中央を通るか、二通りの行き方があります。

JR各線 「上野駅」から徒歩10~12分。

JRでしたら不忍口または公園口、地下鉄でしたら6番出口から出て、不忍池方面です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。神社前の道路も一瞬でしたら路駐できなくはありませんが、狭いので駐車場に停めた方が確実です。近くにコインパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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